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番外編 シャーリー ⑤
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執事が驚いた顔をしていた。
「雇用証明書?」
「そうだ。シャーリーを雇っているならきちんと証明書があるはずだ。シャーリー、お前サインしたのか?」
「そう言えば第五夫人にしてやる、と言われたけどそのままついて来ただけで何にもないわ。何か書かないといけないものなの?」
「……お前、馬鹿だったな」
「失礼ね。お勉強はそれなりに出来るわ。だからこの屋敷の帳簿もわたしがきちんと付けているんじゃない!」
「世間一般の常識のことだ。常識すらないから領地に平気で怪しい商会を引き込むんだろう、仲間達が怪しい薬を売っていても何にも疑いもせず付き合える。お前はほんと、馬鹿だ!今回は男に騙されていいように使われて!ま、子供を捨てる女だからな、可哀想とは思わないが」
「なによ!オズワルドは孤児院に入れられて会わせてもらえないの!リオなんか仕事ばっかりでわたしの相手をしてくれない。ちょっとオズワルドを叱ったからって孤児院に入れるなんておかしいでしょう?酷いと思わない?」
「ちょっと叱ったくらいで孤児院には入れない。お前何かしたんだろう?」
「……べ、別に……ちょっと言うこと聞かないから、叩いたりしたくらいよ。体に傷が少しあるからって虐待したって言うの。少し叩いたくらいいいじゃない!わたしだって子育てしたことないのに頑張ったんだもん」
「………お前は一生ここでこき使われて暮らす方がいいのかもしれないな。だが俺は心優しいから助けてやる」
「おい、誰かシャーリーと部屋に行って荷物の整理をしてやってくれ」
護衛騎士がわたしの方へ向かってきた。
そしてアレックス様はわたしの耳元でそっと囁いた。
「この屋敷の今年と去年の帳簿を持ってこい、お前が仕事をしてるんなら誤魔化せるだろう?」
わたしはコクコクと頭を縦に振った。
机の上に山盛り置いてある書類と帳簿。
どこに何があるかなんてみんな知らない。
わたしが居なくなってから、整理してやっと数冊帳簿がないと気がつくくらいだろう。
執事が何かアレックス様と話をしている。
ウィリーは今日は仕事で屋敷にいない。アレックス様は、護衛騎士達に話を聞くと昨日までウィリーと会談をしていたらしい。今日はこの屋敷にある珍しい鉱物を見せてもらいに来ていたらしい。
ーーーほんと運がよかった。
わたしはそう思っていた。アレックス様は幼い頃から知っている年上のお兄様という感じで接してきた。
だからこの人がわたしを助けてくれたと思い込んでいたのだ。
この時までは………
雇用証明書すらないわたしを無理やり軟禁して働かせていたと執事に迫り、わたしをこの屋敷から救い出してくれた。
そう思っていたのに……
「はあ?なんなのよ!」
「助けてもらったんだから働け!雇用証明書にサインしただろう?」
目の前にはウィリーの屋敷の帳簿。
ーーーわたしが持って来た。うん確かに。
「これはな、子爵家が使った金の行方を調べるためにお前に持ってきてもらったんだ。本当はうちの騎士に子爵家のメイドを懐柔させて手に入れようと思っていたんだがお前が俺の前に現れてくれたからな、助かったよ。簡単に手に入ったからな」
「はあ?他国の子爵家のお金の行方なんて貴方には関係ないでしょう?」
「まぁ普通なら。しかし子爵はうちの国にまでちょっかいをかけ始めた。それこそうちの国の人間を騙してこの国に連れてきて人身売買を始めたんだ。売った金を荒稼ぎしてるんだ」
「あ………わたしも……いらなくなったら娼館に売ると言われた……」
「お前は売られても仕方がないくらい人でなしだからいいが、他の人達は騙されてる人たちがほとんどだ」
「わ、わたしだって可哀想よ!」
「お前には反省というものがない。俺がこれから辺境地で鍛えてやるよ。子爵家でずっと軟禁されていた方が幸せだったと思えるくらいにな」
「な、なに?何をするつもりなの?」
子爵家はあれからアレックス様達が色々悪事を暴き出して捕まった。わたしはほぼお金の動きを知っていたのでしばらくは帳簿のことを事細かく聞かれた。
そして…………
「いやあーーーこんなことしたくない!」
今は毎日鉱山ででっかいスコップを持って穴掘りをさせられている。
「おら、サボるな!女だからって手を抜いていいと思うな!飯を食いたきゃ働け!」
鉱山で働くおっさん達にこき使われている。
アレックス様がわたしに言ったのだ。
『リオは賠償金を一人で頑張って払おうとしている。お前の我儘で領民に迷惑をかけたのに何も言わず一人で背負ってるんだ。お前も少しは頑張って支払え!』
だからってなんでわたしがこんな山奥でおっさん達と働かなきゃいけないのよ!
重いスコップを持つくらいならペンを持って暮らせばよかった。
反省?
そんなものクソ喰らえよ!
オズワルドにだって、もう会いたくもないわ!
そう……リオもオズワルドも………
……わたしなんか要らないはずだわ。
こんな我儘で自分勝手で、子供を虐待する女なんて……
………要らないはずよ。
反省…………なんて………しないわ。
会いたいなんて………思わない。
わたしは…………一人…………
そう、一人で………年老いて………
『オズワルド………ごめんなさい。わたしは貴方に謝ることすら出来ない酷い母親だったわ』
いつも心の中で謝ることしかできない。
わたしは必死で働いた。少しでも賠償金を返そうと頑張った。だけど病魔には勝てなかった。
残りのわずかな給金を必死で貯めていたわたし。
『アレックス様………このお金……オズワルドに……渡してください。わたしのことは言わないで……』
『シャーリー、お前の願い通りにしよう』
『……あ……り…がと…う』
わたしは30歳になる前にこの世を去った。
後悔なんてしてない。
わたしなんかに育てられるよりリオと暮らす方がマシなはずよ。
「雇用証明書?」
「そうだ。シャーリーを雇っているならきちんと証明書があるはずだ。シャーリー、お前サインしたのか?」
「そう言えば第五夫人にしてやる、と言われたけどそのままついて来ただけで何にもないわ。何か書かないといけないものなの?」
「……お前、馬鹿だったな」
「失礼ね。お勉強はそれなりに出来るわ。だからこの屋敷の帳簿もわたしがきちんと付けているんじゃない!」
「世間一般の常識のことだ。常識すらないから領地に平気で怪しい商会を引き込むんだろう、仲間達が怪しい薬を売っていても何にも疑いもせず付き合える。お前はほんと、馬鹿だ!今回は男に騙されていいように使われて!ま、子供を捨てる女だからな、可哀想とは思わないが」
「なによ!オズワルドは孤児院に入れられて会わせてもらえないの!リオなんか仕事ばっかりでわたしの相手をしてくれない。ちょっとオズワルドを叱ったからって孤児院に入れるなんておかしいでしょう?酷いと思わない?」
「ちょっと叱ったくらいで孤児院には入れない。お前何かしたんだろう?」
「……べ、別に……ちょっと言うこと聞かないから、叩いたりしたくらいよ。体に傷が少しあるからって虐待したって言うの。少し叩いたくらいいいじゃない!わたしだって子育てしたことないのに頑張ったんだもん」
「………お前は一生ここでこき使われて暮らす方がいいのかもしれないな。だが俺は心優しいから助けてやる」
「おい、誰かシャーリーと部屋に行って荷物の整理をしてやってくれ」
護衛騎士がわたしの方へ向かってきた。
そしてアレックス様はわたしの耳元でそっと囁いた。
「この屋敷の今年と去年の帳簿を持ってこい、お前が仕事をしてるんなら誤魔化せるだろう?」
わたしはコクコクと頭を縦に振った。
机の上に山盛り置いてある書類と帳簿。
どこに何があるかなんてみんな知らない。
わたしが居なくなってから、整理してやっと数冊帳簿がないと気がつくくらいだろう。
執事が何かアレックス様と話をしている。
ウィリーは今日は仕事で屋敷にいない。アレックス様は、護衛騎士達に話を聞くと昨日までウィリーと会談をしていたらしい。今日はこの屋敷にある珍しい鉱物を見せてもらいに来ていたらしい。
ーーーほんと運がよかった。
わたしはそう思っていた。アレックス様は幼い頃から知っている年上のお兄様という感じで接してきた。
だからこの人がわたしを助けてくれたと思い込んでいたのだ。
この時までは………
雇用証明書すらないわたしを無理やり軟禁して働かせていたと執事に迫り、わたしをこの屋敷から救い出してくれた。
そう思っていたのに……
「はあ?なんなのよ!」
「助けてもらったんだから働け!雇用証明書にサインしただろう?」
目の前にはウィリーの屋敷の帳簿。
ーーーわたしが持って来た。うん確かに。
「これはな、子爵家が使った金の行方を調べるためにお前に持ってきてもらったんだ。本当はうちの騎士に子爵家のメイドを懐柔させて手に入れようと思っていたんだがお前が俺の前に現れてくれたからな、助かったよ。簡単に手に入ったからな」
「はあ?他国の子爵家のお金の行方なんて貴方には関係ないでしょう?」
「まぁ普通なら。しかし子爵はうちの国にまでちょっかいをかけ始めた。それこそうちの国の人間を騙してこの国に連れてきて人身売買を始めたんだ。売った金を荒稼ぎしてるんだ」
「あ………わたしも……いらなくなったら娼館に売ると言われた……」
「お前は売られても仕方がないくらい人でなしだからいいが、他の人達は騙されてる人たちがほとんどだ」
「わ、わたしだって可哀想よ!」
「お前には反省というものがない。俺がこれから辺境地で鍛えてやるよ。子爵家でずっと軟禁されていた方が幸せだったと思えるくらいにな」
「な、なに?何をするつもりなの?」
子爵家はあれからアレックス様達が色々悪事を暴き出して捕まった。わたしはほぼお金の動きを知っていたのでしばらくは帳簿のことを事細かく聞かれた。
そして…………
「いやあーーーこんなことしたくない!」
今は毎日鉱山ででっかいスコップを持って穴掘りをさせられている。
「おら、サボるな!女だからって手を抜いていいと思うな!飯を食いたきゃ働け!」
鉱山で働くおっさん達にこき使われている。
アレックス様がわたしに言ったのだ。
『リオは賠償金を一人で頑張って払おうとしている。お前の我儘で領民に迷惑をかけたのに何も言わず一人で背負ってるんだ。お前も少しは頑張って支払え!』
だからってなんでわたしがこんな山奥でおっさん達と働かなきゃいけないのよ!
重いスコップを持つくらいならペンを持って暮らせばよかった。
反省?
そんなものクソ喰らえよ!
オズワルドにだって、もう会いたくもないわ!
そう……リオもオズワルドも………
……わたしなんか要らないはずだわ。
こんな我儘で自分勝手で、子供を虐待する女なんて……
………要らないはずよ。
反省…………なんて………しないわ。
会いたいなんて………思わない。
わたしは…………一人…………
そう、一人で………年老いて………
『オズワルド………ごめんなさい。わたしは貴方に謝ることすら出来ない酷い母親だったわ』
いつも心の中で謝ることしかできない。
わたしは必死で働いた。少しでも賠償金を返そうと頑張った。だけど病魔には勝てなかった。
残りのわずかな給金を必死で貯めていたわたし。
『アレックス様………このお金……オズワルドに……渡してください。わたしのことは言わないで……』
『シャーリー、お前の願い通りにしよう』
『……あ……り…がと…う』
わたしは30歳になる前にこの世を去った。
後悔なんてしてない。
わたしなんかに育てられるよりリオと暮らす方がマシなはずよ。
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