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84話 ジミー
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◆ ◆ ◆ ◆ ジミー
なんでこうなった。
リオ様に頼まれて王都に来た。
そこで記憶を失う前の奥様であるラフェ様とアルバード様の存在を調べていたら、アルバード様を殺そうとした犯人にされた。
俺は何もしていない。
アルバード様に仲良くなって話しかけたのは確かだし、飴をあげたのも確かだ。
だけど何もしていない。
だがそのことを話すことはできない。
俺が口を割ればこの騎士団の人達から解放されて元の生活に戻れるかもしれない。
だがそれは俺が今度は狙われるかもしれない。本当の犯人が捕まるかわからないからだ。
たかが執事見習いを助けてくれる人はいないだろう。
あの人懐っこい可愛い男の子に薬を飲ませたのはこの王都にいる国王陛下直属の近衛騎士団の人だからだ。
何故知っているかって?
コスナー領に陛下が視察に来ていた時に護衛として付いていた騎士だからだ。
俺は人よりも記憶力がいい。特に人の顔を覚えるのが得意だ。だから執事としてリオ様にも重宝されていた。
あんな地位の高そうな人が子供に薬を与えて殺そうとしていた。
何かあるはずだ。理由はわからないが。
アルバード様の近くをウロウロと彷徨って調べていた執事見習いで力のない俺のせいにされた。
俺がもし訴えても信じてもらえないだろう。
俺自身、近衛騎士の名前は知らない。
覚えているのは顔だけ。
それに、俺の行動が一番怪しく思われているし、コスナー伯爵家の使用人でリオ様とも親しい。俺には理由はないが状況的には一番アルバード様を殺そうとした犯人になり得る。
俺はどんなに事情を聞かれても脅されても怒鳴られても無言を貫いた。
今はここで捕まっていることが俺の命を守る方法だ。いつかは本当のことがわかるかもしれない。
なのにこの王都に連れてこられた。
一番危険な場所に。
あの日、近衛騎士とは目が合ってしまった。
あの近衛騎士がアルバード様にこっそり近づいて薬を飲ませているところに鉢合わせてしまった。急いで建物に隠れてこっそり覗いたら目が合ったのだ。
その後すぐに近衛騎士は立ち去り、俺が恐る恐るアルバード様に近づくと、アルバード様はなんだか様子がおかしかった。
俺は「大丈夫?」と聞いた。
「うん、げんき!」とにこりと笑ったアルバード様にホッとした。
だから何か飲まされていたが、変なものではなかったのだろうと思うことにした。
そして少しアルバード様と話して俺はすぐに立ち去った。
もうアルバード様の近くに行くのはよそう。嫌な予感がしてならない、俺は急ぎコスナー領へと帰ることにした。
そして、リオ様に報告をして報告書にまとめた頃、辺境伯の騎士団から呼び出された。
最初から俺が犯人だと決めつけての逮捕だった。俺は自分ではない、あの近衛騎士が怪しい、と訴えようとしたが身の安全を考えてやめた。
陛下の近衛騎士を務めるエリートが殺そうとしたなんて訴えても信用などしてくれないだろう。俺はたかが執事見習いだ、それも田舎の貧しい男爵家の三男で後ろ盾すらない。
半分諦めつつ、もう王都にまで連れて来られたのなら諦めて全てを話そう。
そう思っていたら、どこかで見た顔の男が地下牢に来た。
綺麗な顔立ちだが目が鋭く、俺を射殺さんばかりの目で睨みつけていた。
俺はふと気がついた。
この顔は……どこか国王陛下に面影のある顔だと。
俺は久しぶりに口を開いた。
「貴方は………口封じの為俺を殺しに来たんですか?」
「ほお、面白いな、なんでそう思ったんだ?」
なんでこうなった。
リオ様に頼まれて王都に来た。
そこで記憶を失う前の奥様であるラフェ様とアルバード様の存在を調べていたら、アルバード様を殺そうとした犯人にされた。
俺は何もしていない。
アルバード様に仲良くなって話しかけたのは確かだし、飴をあげたのも確かだ。
だけど何もしていない。
だがそのことを話すことはできない。
俺が口を割ればこの騎士団の人達から解放されて元の生活に戻れるかもしれない。
だがそれは俺が今度は狙われるかもしれない。本当の犯人が捕まるかわからないからだ。
たかが執事見習いを助けてくれる人はいないだろう。
あの人懐っこい可愛い男の子に薬を飲ませたのはこの王都にいる国王陛下直属の近衛騎士団の人だからだ。
何故知っているかって?
コスナー領に陛下が視察に来ていた時に護衛として付いていた騎士だからだ。
俺は人よりも記憶力がいい。特に人の顔を覚えるのが得意だ。だから執事としてリオ様にも重宝されていた。
あんな地位の高そうな人が子供に薬を与えて殺そうとしていた。
何かあるはずだ。理由はわからないが。
アルバード様の近くをウロウロと彷徨って調べていた執事見習いで力のない俺のせいにされた。
俺がもし訴えても信じてもらえないだろう。
俺自身、近衛騎士の名前は知らない。
覚えているのは顔だけ。
それに、俺の行動が一番怪しく思われているし、コスナー伯爵家の使用人でリオ様とも親しい。俺には理由はないが状況的には一番アルバード様を殺そうとした犯人になり得る。
俺はどんなに事情を聞かれても脅されても怒鳴られても無言を貫いた。
今はここで捕まっていることが俺の命を守る方法だ。いつかは本当のことがわかるかもしれない。
なのにこの王都に連れてこられた。
一番危険な場所に。
あの日、近衛騎士とは目が合ってしまった。
あの近衛騎士がアルバード様にこっそり近づいて薬を飲ませているところに鉢合わせてしまった。急いで建物に隠れてこっそり覗いたら目が合ったのだ。
その後すぐに近衛騎士は立ち去り、俺が恐る恐るアルバード様に近づくと、アルバード様はなんだか様子がおかしかった。
俺は「大丈夫?」と聞いた。
「うん、げんき!」とにこりと笑ったアルバード様にホッとした。
だから何か飲まされていたが、変なものではなかったのだろうと思うことにした。
そして少しアルバード様と話して俺はすぐに立ち去った。
もうアルバード様の近くに行くのはよそう。嫌な予感がしてならない、俺は急ぎコスナー領へと帰ることにした。
そして、リオ様に報告をして報告書にまとめた頃、辺境伯の騎士団から呼び出された。
最初から俺が犯人だと決めつけての逮捕だった。俺は自分ではない、あの近衛騎士が怪しい、と訴えようとしたが身の安全を考えてやめた。
陛下の近衛騎士を務めるエリートが殺そうとしたなんて訴えても信用などしてくれないだろう。俺はたかが執事見習いだ、それも田舎の貧しい男爵家の三男で後ろ盾すらない。
半分諦めつつ、もう王都にまで連れて来られたのなら諦めて全てを話そう。
そう思っていたら、どこかで見た顔の男が地下牢に来た。
綺麗な顔立ちだが目が鋭く、俺を射殺さんばかりの目で睨みつけていた。
俺はふと気がついた。
この顔は……どこか国王陛下に面影のある顔だと。
俺は久しぶりに口を開いた。
「貴方は………口封じの為俺を殺しに来たんですか?」
「ほお、面白いな、なんでそう思ったんだ?」
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