47 / 146
47話 ラフェ
しおりを挟む
◇ ◇ ◇ ラフェ
「……………お…かあ…しゃん……」
ベッドの上で高熱を出して寝込んでいるアルバード。
ぐったりして息が荒い。
何度も額に冷たいタオルをのせて冷やすがすぐにタオルが温まってしまう。体は熱いまま。
お医者様に慌てて診てもらったが原因がわからない。
もう三日も熱が下がらない。
食事は摂れずにいるし、無理やり水分だけでもと思い水を飲ませてはいるものの、どう見ても衰弱していることがわかる。
もう町医者では無理かもしれない。
平民では診療所の決まった薬しか出せないお医者様にしか診てもらうことができない。
ーーアレックス様の屋敷に行けば、アルバードの病気を診てもらえるかもしれない。
普段のわたしなら自分から甘えることなどしようと思わない。だけどこのままではアルバードが死んでしまうかもしれない。
せめて薬があれば。
もう町医者の薬では治らない。
先生からも
「わたしが出せる薬はもうない。これ以上熱が下がらなければ大きな病院に連れて行ってやるしかない」
と言われた。
でもそこは平民では診てもらえない、貴族の人たちや平民でも裕福な人たち専用の場所。
隣のおばちゃんの家へ駆け込んだ。
「おばちゃん、アルをしばらく見ていてもらえませんか?」
「もちろんいいよ、アルはまだ熱が下がらないんだろう?」
「はい、アレックス様の屋敷に行ってみようと思います」
ーー無理かもしれないけど。グレン様がいてくれたら。
あんなに頼らないとか意地を張ってたのに、わたしはずるい。
アルバードが熱が下がらなくて不安で、どうしたらいいのかわからなくて頭に浮かぶのはグレン様。
グレン様がいてくれたら、そばにいて欲しい。彼の声を聞きたい。
『アル、大丈夫か?ラフェ、なんでも頼って来い!いつでも助けてやるからな』
グレン様のあの自信満々に話す声が安心できた。
一人でいつも頑張っていたわたし。誰にも自分から頼ることなんてしなかった。
エドワードが死んであの屋敷を出ても兄さんのところへは行かなかった。兄さんは今もエドワードの屋敷で暮らしていると思っている。
アレックス様に貧しい生活をしているのを呆れられ
「なんで兄に頼らない?言ってないのか?」
と驚き言われた。
「兄さんには何にも伝えていません。エドワードが亡くなったことはもちろん知っていますが、エドワードの屋敷で幸せに暮らしていると思っています」
だってお義母様はずっとわたしに優しくしてくれていたし、兄さんも自分の家で兄嫁に気を遣って暮らすより、エドワードの家にいる方がいいだろうと言っていた。
そんな兄さんには頼れなかった。
また兄嫁に嫌な顔をされたくないし、アルバードも赤ちゃんだったので泣いたりするのを嫌がるだろうと思った。
兄嫁は悪い人ではない。ただ……自分の気持ちに素直な人、だからはっきりと態度にも顔にも出てしまう。それだけなのだ。
隣のおばちゃんに預けてわたしは脇目も振らず走った。
途中辻馬車を拾い、アレックス様のタウンハウスを目指した。
わたしの足では走っても1時間以上かかる。
辻馬車なら30分はかからない。
普段は質素な生活をしている。だけどアルバードのためなら貯金を切り崩すことなんて平気だ。
(わたしにとって)高い辻馬車の料金を支払い、アレックス様のお屋敷の門を叩いた。
わたしの顔を見た門番さんは
「予定の入っていない人の立ち入りは出来かねます」と追い返されそうになった。
「あの、この封筒はグレン様がくれたものです。そしてここにグレン様の直筆の手紙があります。お願いです、これをこの屋敷の1番偉い人に見てもらって欲しいのです」
「グレン様?」
わたしは一応持っている服の中で一番綺麗なデイドレスを着て訪れた。あまりにも身なりが貧そだと門で相手にされないことはわかっているから。
わたしを怪しい者でも見るかのように一瞥して一人の門番さんが屋敷の方へと入って行った。
もう一人の門番さんはじっとわたしを見て
「あっ、旦那様が以前体調が悪くて連れて来られたラフェ様?」
と聞いて来た。
「はいそうです」
「ラフェ様がもし突然来ても追い返すことなく通すように申し使っていたのにすみません。
ラフェ様は平民の方だと聞いていたのでワンピースなどの普通の服で来ると思っていました。まさかきちんとしたデイドレスを着て来られるとは思っていませんでした」
「あっ……普段のワンピースでお屋敷に突然訪れるのは失礼かと思いまして、きちんと着替えて来ました」
ーー平民だから高価なデイドレスやドレスを持っていないと思われていたのね。
それも仕方がないのかもしれない。
平民。
平民がドレスやデイドレスを着て過ごすことはほぼない。
わたしはエドワードのお屋敷に住んでいる頃は当たり前のようにドレスを着て過ごした。
エドワードの屋敷を出る時、数枚のデイドレスとドレスだけは持って出た。
着ることはないかもしれない、だけど平民になっても貧しくても、心まで貧しくなりたくなくてドレスを着ることはなくてもたまに見るだけで心を強く持つことができた。
アルバードのためにもただ貧しいからと何も出来ないではなくマナーや教養だけは身につけさせようと。それがいつかアルバードの糧になるかもしれない、そう思って来た。
「中にどうぞお入りください、今中に入った騎士にも伝えますので」
わたしは玄関まで案内されて扉を開けてもらった。
すると慌ててさっきの騎士さんと執事さんがわたしの前にやって来た。
「ラフェ様、失礼な態度申し訳ありませんでした」
騎士さんが謝ってくれた。
「前触れもなく来たのはわたしです、それなのにわたしの話を聞いてくださり執事さんに話をしてくださいました。感謝しております」
そして何度かお会いしたことがある執事さんが
「何かございましたか?」
と心配して聞いてくれた。
わたしが突然来たのは何かあったからだとすぐに思ったようで
「私で出来ることならなんでも致します」
と言ってくださった。
「お願いがあります、アルバードの熱が下がりません。薬を飲ませてはいるのですが診療所のお医者様の薬ではこれ以上効かないと言われました。どうかお医者様を紹介していただけませんか?もう熱が下がらなくなって四日が経っています」
「わかりました、すぐに手配しましょう」
そう言うと他の使用人が走って屋敷を出て行った。
「アルバード様は動かせる状態なら今からこちらに連れて来てもいいですか?こちらの方が手も行き届きますし何かと揃っています」
わたしは唇を噛み締めた。
あの家には栄養のある食べ物は確かにない。生活はできてもアルバードを助けてあげられるものは何もない。
氷だって買いに行くしかないけどすぐに溶けてしまう。
この屋敷なら氷の心配も、食べ物の心配もない。
「お願いします、アルバードを助けてください」
わたしは何度も何度も頭を下げた。
あの子を誰か助けて!
「……………お…かあ…しゃん……」
ベッドの上で高熱を出して寝込んでいるアルバード。
ぐったりして息が荒い。
何度も額に冷たいタオルをのせて冷やすがすぐにタオルが温まってしまう。体は熱いまま。
お医者様に慌てて診てもらったが原因がわからない。
もう三日も熱が下がらない。
食事は摂れずにいるし、無理やり水分だけでもと思い水を飲ませてはいるものの、どう見ても衰弱していることがわかる。
もう町医者では無理かもしれない。
平民では診療所の決まった薬しか出せないお医者様にしか診てもらうことができない。
ーーアレックス様の屋敷に行けば、アルバードの病気を診てもらえるかもしれない。
普段のわたしなら自分から甘えることなどしようと思わない。だけどこのままではアルバードが死んでしまうかもしれない。
せめて薬があれば。
もう町医者の薬では治らない。
先生からも
「わたしが出せる薬はもうない。これ以上熱が下がらなければ大きな病院に連れて行ってやるしかない」
と言われた。
でもそこは平民では診てもらえない、貴族の人たちや平民でも裕福な人たち専用の場所。
隣のおばちゃんの家へ駆け込んだ。
「おばちゃん、アルをしばらく見ていてもらえませんか?」
「もちろんいいよ、アルはまだ熱が下がらないんだろう?」
「はい、アレックス様の屋敷に行ってみようと思います」
ーー無理かもしれないけど。グレン様がいてくれたら。
あんなに頼らないとか意地を張ってたのに、わたしはずるい。
アルバードが熱が下がらなくて不安で、どうしたらいいのかわからなくて頭に浮かぶのはグレン様。
グレン様がいてくれたら、そばにいて欲しい。彼の声を聞きたい。
『アル、大丈夫か?ラフェ、なんでも頼って来い!いつでも助けてやるからな』
グレン様のあの自信満々に話す声が安心できた。
一人でいつも頑張っていたわたし。誰にも自分から頼ることなんてしなかった。
エドワードが死んであの屋敷を出ても兄さんのところへは行かなかった。兄さんは今もエドワードの屋敷で暮らしていると思っている。
アレックス様に貧しい生活をしているのを呆れられ
「なんで兄に頼らない?言ってないのか?」
と驚き言われた。
「兄さんには何にも伝えていません。エドワードが亡くなったことはもちろん知っていますが、エドワードの屋敷で幸せに暮らしていると思っています」
だってお義母様はずっとわたしに優しくしてくれていたし、兄さんも自分の家で兄嫁に気を遣って暮らすより、エドワードの家にいる方がいいだろうと言っていた。
そんな兄さんには頼れなかった。
また兄嫁に嫌な顔をされたくないし、アルバードも赤ちゃんだったので泣いたりするのを嫌がるだろうと思った。
兄嫁は悪い人ではない。ただ……自分の気持ちに素直な人、だからはっきりと態度にも顔にも出てしまう。それだけなのだ。
隣のおばちゃんに預けてわたしは脇目も振らず走った。
途中辻馬車を拾い、アレックス様のタウンハウスを目指した。
わたしの足では走っても1時間以上かかる。
辻馬車なら30分はかからない。
普段は質素な生活をしている。だけどアルバードのためなら貯金を切り崩すことなんて平気だ。
(わたしにとって)高い辻馬車の料金を支払い、アレックス様のお屋敷の門を叩いた。
わたしの顔を見た門番さんは
「予定の入っていない人の立ち入りは出来かねます」と追い返されそうになった。
「あの、この封筒はグレン様がくれたものです。そしてここにグレン様の直筆の手紙があります。お願いです、これをこの屋敷の1番偉い人に見てもらって欲しいのです」
「グレン様?」
わたしは一応持っている服の中で一番綺麗なデイドレスを着て訪れた。あまりにも身なりが貧そだと門で相手にされないことはわかっているから。
わたしを怪しい者でも見るかのように一瞥して一人の門番さんが屋敷の方へと入って行った。
もう一人の門番さんはじっとわたしを見て
「あっ、旦那様が以前体調が悪くて連れて来られたラフェ様?」
と聞いて来た。
「はいそうです」
「ラフェ様がもし突然来ても追い返すことなく通すように申し使っていたのにすみません。
ラフェ様は平民の方だと聞いていたのでワンピースなどの普通の服で来ると思っていました。まさかきちんとしたデイドレスを着て来られるとは思っていませんでした」
「あっ……普段のワンピースでお屋敷に突然訪れるのは失礼かと思いまして、きちんと着替えて来ました」
ーー平民だから高価なデイドレスやドレスを持っていないと思われていたのね。
それも仕方がないのかもしれない。
平民。
平民がドレスやデイドレスを着て過ごすことはほぼない。
わたしはエドワードのお屋敷に住んでいる頃は当たり前のようにドレスを着て過ごした。
エドワードの屋敷を出る時、数枚のデイドレスとドレスだけは持って出た。
着ることはないかもしれない、だけど平民になっても貧しくても、心まで貧しくなりたくなくてドレスを着ることはなくてもたまに見るだけで心を強く持つことができた。
アルバードのためにもただ貧しいからと何も出来ないではなくマナーや教養だけは身につけさせようと。それがいつかアルバードの糧になるかもしれない、そう思って来た。
「中にどうぞお入りください、今中に入った騎士にも伝えますので」
わたしは玄関まで案内されて扉を開けてもらった。
すると慌ててさっきの騎士さんと執事さんがわたしの前にやって来た。
「ラフェ様、失礼な態度申し訳ありませんでした」
騎士さんが謝ってくれた。
「前触れもなく来たのはわたしです、それなのにわたしの話を聞いてくださり執事さんに話をしてくださいました。感謝しております」
そして何度かお会いしたことがある執事さんが
「何かございましたか?」
と心配して聞いてくれた。
わたしが突然来たのは何かあったからだとすぐに思ったようで
「私で出来ることならなんでも致します」
と言ってくださった。
「お願いがあります、アルバードの熱が下がりません。薬を飲ませてはいるのですが診療所のお医者様の薬ではこれ以上効かないと言われました。どうかお医者様を紹介していただけませんか?もう熱が下がらなくなって四日が経っています」
「わかりました、すぐに手配しましょう」
そう言うと他の使用人が走って屋敷を出て行った。
「アルバード様は動かせる状態なら今からこちらに連れて来てもいいですか?こちらの方が手も行き届きますし何かと揃っています」
わたしは唇を噛み締めた。
あの家には栄養のある食べ物は確かにない。生活はできてもアルバードを助けてあげられるものは何もない。
氷だって買いに行くしかないけどすぐに溶けてしまう。
この屋敷なら氷の心配も、食べ物の心配もない。
「お願いします、アルバードを助けてください」
わたしは何度も何度も頭を下げた。
あの子を誰か助けて!
61
お気に入りに追加
3,820
あなたにおすすめの小説
大好きなあなたを忘れる方法
山田ランチ
恋愛
あらすじ
王子と婚約関係にある侯爵令嬢のメリベルは、訳あってずっと秘密の婚約者のままにされていた。学園へ入学してすぐ、メリベルの魔廻が(魔術を使う為の魔素を貯めておく器官)が限界を向かえようとしている事に気が付いた大魔術師は、魔廻を小さくする事を提案する。その方法は、魔素が好むという悲しい記憶を失くしていくものだった。悲しい記憶を引っ張り出しては消していくという日々を過ごすうち、徐々に王子との記憶を失くしていくメリベル。そんな中、魔廻を奪う謎の者達に大魔術師とメリベルが襲われてしまう。
魔廻を奪おうとする者達は何者なのか。王子との婚約が隠されている訳と、重大な秘密を抱える大魔術師の正体が、メリベルの記憶に導かれ、やがて世界の始まりへと繋がっていく。
登場人物
・メリベル・アークトュラス 17歳、アークトゥラス侯爵の一人娘。ジャスパーの婚約者。
・ジャスパー・オリオン 17歳、第一王子。メリベルの婚約者。
・イーライ 学園の園芸員。
クレイシー・クレリック 17歳、クレリック侯爵の一人娘。
・リーヴァイ・ブルーマー 18歳、ブルーマー子爵家の嫡男でジャスパーの側近。
・アイザック・スチュアート 17歳、スチュアート侯爵の嫡男でジャスパーの側近。
・ノア・ワード 18歳、ワード騎士団長の息子でジャスパーの従騎士。
・シア・ガイザー 17歳、ガイザー男爵の娘でメリベルの友人。
・マイロ 17歳、メリベルの友人。
魔素→世界に漂っている物質。触れれば精神を侵され、生き物は主に凶暴化し魔獣となる。
魔廻→体内にある魔廻(まかい)と呼ばれる器官、魔素を取り込み貯める事が出来る。魔術師はこの器官がある事が必須。
ソル神とルナ神→太陽と月の男女神が魔素で満ちた混沌の大地に現れ、世界を二つに分けて浄化した。ソル神は昼間を、ルナ神は夜を受け持った。

愛してくれない婚約者なら要りません
ネコ
恋愛
伯爵令嬢リリアナは、幼い頃から周囲の期待に応える「完璧なお嬢様」を演じていた。ところが名目上の婚約者である王太子は、聖女と呼ばれる平民の少女に夢中でリリアナを顧みない。そんな彼に尽くす日々に限界を感じたリリアナは、ある日突然「婚約を破棄しましょう」と言い放つ。甘く見ていた王太子と聖女は彼女の本当の力に気づくのが遅すぎた。
全てを捨てて、わたしらしく生きていきます。
彩華(あやはな)
恋愛
3年前にリゼッタお姉様が風邪で死んだ後、お姉様の婚約者であるバルト様と結婚したわたし、サリーナ。バルト様はお姉様の事を愛していたため、わたしに愛情を向けることはなかった。じっと耐えた3年間。でも、人との出会いはわたしを変えていく。自由になるために全てを捨てる覚悟を決め、わたしはわたしらしく生きる事を決意する。

もう一度あなたと?
キムラましゅろう
恋愛
アデリオール王国魔法省で魔法書士として
働くわたしに、ある日王命が下った。
かつて魅了に囚われ、婚約破棄を言い渡してきた相手、
ワルター=ブライスと再び婚約を結ぶようにと。
「え?もう一度あなたと?」
国王は王太子に巻き込まれる形で魅了に掛けられた者達への
救済措置のつもりだろうけど、はっきり言って迷惑だ。
だって魅了に掛けられなくても、
あの人はわたしになんて興味はなかったもの。
しかもわたしは聞いてしまった。
とりあえずは王命に従って、頃合いを見て再び婚約解消をすればいいと、彼が仲間と話している所を……。
OK、そう言う事ならこちらにも考えがある。
どうせ再びフラれるとわかっているなら、この状況、利用させてもらいましょう。
完全ご都合主義、ノーリアリティ展開で進行します。
生暖かい目で見ていただけると幸いです。
小説家になろうさんの方でも投稿しています。
さよなら、皆さん。今宵、私はここを出ていきます
結城芙由奈@コミカライズ発売中
恋愛
【復讐の為、今夜私は偽の家族と婚約者に別れを告げる―】
私は伯爵令嬢フィーネ・アドラー。優しい両親と18歳になったら結婚する予定の婚約者がいた。しかし、幸せな生活は両親の突然の死により、もろくも崩れ去る。私の後見人になると言って城に上がり込んできた叔父夫婦とその娘。私は彼らによって全てを奪われてしまった。愛する婚約者までも。
もうこれ以上は限界だった。復讐する為、私は今夜皆に別れを告げる決意をした―。
※マークは残酷シーン有り
※(他サイトでも投稿中)
記憶を失くした彼女の手紙 消えてしまった完璧な令嬢と、王子の遅すぎた後悔の話
甘糖むい
恋愛
婚約者であるシェルニア公爵令嬢が記憶喪失となった。
王子はひっそりと喜んだ。これで愛するクロエ男爵令嬢と堂々と結婚できると。
その時、王子の元に一通の手紙が届いた。
そこに書かれていたのは3つの願いと1つの真実。
王子は絶望感に苛まれ後悔をする。

前世の旦那様、貴方とだけは結婚しません。
真咲
恋愛
全21話。他サイトでも掲載しています。
一度目の人生、愛した夫には他に想い人がいた。
侯爵令嬢リリア・エンダロインは幼い頃両親同士の取り決めで、幼馴染の公爵家の嫡男であるエスター・カンザスと婚約した。彼は学園時代のクラスメイトに恋をしていたけれど、リリアを優先し、リリアだけを大切にしてくれた。
二度目の人生。
リリアは、再びリリア・エンダロインとして生まれ変わっていた。
「次は、私がエスターを幸せにする」
自分が彼に幸せにしてもらったように。そのために、何がなんでも、エスターとだけは結婚しないと決めた。

7歳の侯爵夫人
凛江
恋愛
ある日7歳の公爵令嬢コンスタンスが目覚めると、世界は全く変わっていたー。
自分は現在19歳の侯爵夫人で、23歳の夫がいるというのだ。
どうやら彼女は事故に遭って12年分の記憶を失っているらしい。
目覚める前日、たしかに自分は王太子と婚約したはずだった。
王太子妃になるはずだった自分が何故侯爵夫人になっているのかー?
見知らぬ夫に戸惑う妻(中身は幼女)と、突然幼女になってしまった妻に戸惑う夫。
23歳の夫と7歳の妻の奇妙な関係が始まるー。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる