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11話
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リズが話している時に部屋にお義姉様が来られた。
「リズもういいわ下がって」
「はい」リズはわたしを睨み、何も言わず部屋を後にした。
「お、お義姉様……あ、あの、わたし…知らな…「貴女からの謝罪は一切受けないわ」
冷たく言い放たれた。
「わたしは貴女が大っ嫌いよ」
何も言い返せなかった。
わたしは何も知らなかった。そんなの言い訳でしかない。もっとしっかり周りを見れば分かったはずなのに。
お義姉様がいつも痩せていた理由。
ーー気にもしていなかった。細くて羨ましいと思っていた。
食事の時に話さない理由。
ーー自分のお喋りに夢中でお義姉様のことなんて見ていなかった。
いつもお出かけしていた理由。
ーーそれを羨ましがったバカなわたし。その間お義姉様がどんな辛い思いをしていたのかなんて考えもしなかった。
わたしとお母様はお父様に愛されていた。幸せな毎日、当たり前だと思っていたしそれは永遠に続くのだと。
その陰に辛い思いをしている人がいたなんて思いもせず。
クラシアナ様が亡くなった理由、そしてその場にいたお義姉様。その後のお義姉様の虐げられた日々。
わたしは謝ることすら拒否され大っ嫌いだと言われた。
「貴女にはフランクのところに嫁いでもらうわ。姉から婚約者を奪った我儘で傲慢な妹としてね。これは公爵家当主のわたしからの命令よ、フランクも納得しているわ」
「…………わかりました、あ、あの、お母様は……」
「ああ、ステラ様ね?領地にいるわよ、ただあそこは周りは見渡す限り草木しかないところだけどね。
使用人もいないし、月に数回食べ物は運ばれるように手配しているから生きてはいけると思うわ」
表情を変えることなく余りにも非常な言葉を言った。
「そんな……」
「死ぬことはないわ、自分から命を絶たない限りね。わたしの母を死に追いやったくせに自分は死にたくないなんてふざけてるわよね?」
「ご、ごめ……「あやまらないで!」
「もう貴女と話すのも嫌。わたしの前から消えて欲しいけど貴女にはまだ利用価値があるから。その間は使ってあげるわ」
わたしは結局謝ることもできず、無理やりドレスを着せられて迎えに来たフランク様の屋敷の馬車に乗り込んだ。
誰も乗っていない馬車に揺られ何も考えられなくなった思考の中でこれからどんな生活になるのか……想像などできなかった。
屋敷に着くと、執事が迎えに出てきてくれた。
「ティア様ですね?こちらにどうぞ」
わたしは小さなカバン一つを持ち、そのままついて行った。
その場所は「離れの屋敷」と執事は言ったけどどう見ても小さな家?のような小屋だった。
中に入ると一応炊事場がありテーブルと椅子、ベッドがあった。
トイレと浴室もあったが掃除はされておらず、わたしはここでどうやって暮らすのだろうと考えただけで、悲しくなった。
「リズもういいわ下がって」
「はい」リズはわたしを睨み、何も言わず部屋を後にした。
「お、お義姉様……あ、あの、わたし…知らな…「貴女からの謝罪は一切受けないわ」
冷たく言い放たれた。
「わたしは貴女が大っ嫌いよ」
何も言い返せなかった。
わたしは何も知らなかった。そんなの言い訳でしかない。もっとしっかり周りを見れば分かったはずなのに。
お義姉様がいつも痩せていた理由。
ーー気にもしていなかった。細くて羨ましいと思っていた。
食事の時に話さない理由。
ーー自分のお喋りに夢中でお義姉様のことなんて見ていなかった。
いつもお出かけしていた理由。
ーーそれを羨ましがったバカなわたし。その間お義姉様がどんな辛い思いをしていたのかなんて考えもしなかった。
わたしとお母様はお父様に愛されていた。幸せな毎日、当たり前だと思っていたしそれは永遠に続くのだと。
その陰に辛い思いをしている人がいたなんて思いもせず。
クラシアナ様が亡くなった理由、そしてその場にいたお義姉様。その後のお義姉様の虐げられた日々。
わたしは謝ることすら拒否され大っ嫌いだと言われた。
「貴女にはフランクのところに嫁いでもらうわ。姉から婚約者を奪った我儘で傲慢な妹としてね。これは公爵家当主のわたしからの命令よ、フランクも納得しているわ」
「…………わかりました、あ、あの、お母様は……」
「ああ、ステラ様ね?領地にいるわよ、ただあそこは周りは見渡す限り草木しかないところだけどね。
使用人もいないし、月に数回食べ物は運ばれるように手配しているから生きてはいけると思うわ」
表情を変えることなく余りにも非常な言葉を言った。
「そんな……」
「死ぬことはないわ、自分から命を絶たない限りね。わたしの母を死に追いやったくせに自分は死にたくないなんてふざけてるわよね?」
「ご、ごめ……「あやまらないで!」
「もう貴女と話すのも嫌。わたしの前から消えて欲しいけど貴女にはまだ利用価値があるから。その間は使ってあげるわ」
わたしは結局謝ることもできず、無理やりドレスを着せられて迎えに来たフランク様の屋敷の馬車に乗り込んだ。
誰も乗っていない馬車に揺られ何も考えられなくなった思考の中でこれからどんな生活になるのか……想像などできなかった。
屋敷に着くと、執事が迎えに出てきてくれた。
「ティア様ですね?こちらにどうぞ」
わたしは小さなカバン一つを持ち、そのままついて行った。
その場所は「離れの屋敷」と執事は言ったけどどう見ても小さな家?のような小屋だった。
中に入ると一応炊事場がありテーブルと椅子、ベッドがあった。
トイレと浴室もあったが掃除はされておらず、わたしはここでどうやって暮らすのだろうと考えただけで、悲しくなった。
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