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4話 15歳
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屋敷では普段お義姉様は食事の時も一人静かに食べている。
わたしとお母様とお父様が会話していてもあまり入ってはこない。
そのことにわたしは不思議に思ったことがなかった。
つい夢中で話してしまうし、そんなものだと思っていたから。
ずっとそうだからお家姉様が話さないのは当たり前だった。
そのことを気にする人はいなかった。
後になって考えてみればそれは異常なことだったのに。お義姉様は一人浮いていたこと、お父様やお母様に無視されていたこと、そしてわたし自身も無意識にお義姉様を除け者にしていたのだった。
わたしのお母様はいつも優しい。ニコニコ笑ってお義姉様にも意地悪なんてしない。そう今になったらわかる。
お母様はただ笑っているだけだった。何も考えず、お父様を愛して、わたしにも怒ることもなく優しかった。
「ティア、そうなの?」
「ふふ、素敵ね」
「そう、良かったわね」
思い出せばお母様からわたしに話しかけたり、わたしを心配したり、わたしに何かを求めたりはしなかった。ただ相槌をうつだけ。わたしの顔すらまともに見ていないかも。
そのことに気がついたのはお父様が倒れてからだった。
それまではそんな四人の関係に違和感も持たず、一人幸せな世界で暮らしていた。
わたしがその世界を自分で壊した。
それは、学校での出来事だった。
わたしとお義姉様は、それぞれの馬車に乗り学校へ通う。わたしは先に馬車に乗り学校へ行っていた。
お義姉様は別の馬車にいつも乗っていた。
お義姉様が乗る馬車がまさか使用人用の乗り心地の悪い馬車だったとはずっと知らなかった。
お父様がそれを指示していたことも、知っていても知らん顔をしているお母様のことも。
わたしと二人で乗らないといけない時はもちろんわたしがいつも乗っている馬車だったので、お花畑で暮らすわたしの世界では、そんなことすら気が付かなかった。
お義姉様がわたしをどんな気持ちで見ていたのかなんて。
そして、その日もまた一人豪華な馬車に乗り学校へ行った。
いつものようにたくさんの友人に囲まれて楽しく過ごしていた。
もちろん周りには優しい男の子達。そしてわたしに群がる女の子。
お父様が公爵なのでみんなわたしをチヤホヤしていた。わたしはそれを自分の魅力だと勘違いしていた。
だってみんないつも『ティア様って可愛らしいですわ』とか『ティア様、ご一緒してもよろしいですか?』と言って何も言わなくてもみんながそばに居てくれたから。
「みなさん、おはようございます。今日の授業ですがグループ活動があると言っていましたが、みなさんは誰とされますか?」
「あっ、わたし達はもうグループが決まっていますの」
「わたし達も、ねぇ?」
何故かわたしの目を逸らすみんな。
男の子達は「じゃあ、ティア様俺たちのグループにおいでよ」と声をかけてくれた。
女の子達の反応に違和感を感じながらもわたしは男の子達のグループに入れてもらい、楽しい一日を過ごした。
陰で「ティア様って勉強全く出来ないし、すぐ『わかんない』『めんどくさいわね』『代わりにしてくれる?』なんて言って全く自分で頑張ろうとしないんだもの。一緒にやると大変なだけで空気乱すし、とりあえず適当に声かけてチヤホヤしたふりしているのが一番よ」
「ほんと、彼女とお友達にだけはなりたくないわ」
と言われていたなんて知りもしなかった。
わたしとお母様とお父様が会話していてもあまり入ってはこない。
そのことにわたしは不思議に思ったことがなかった。
つい夢中で話してしまうし、そんなものだと思っていたから。
ずっとそうだからお家姉様が話さないのは当たり前だった。
そのことを気にする人はいなかった。
後になって考えてみればそれは異常なことだったのに。お義姉様は一人浮いていたこと、お父様やお母様に無視されていたこと、そしてわたし自身も無意識にお義姉様を除け者にしていたのだった。
わたしのお母様はいつも優しい。ニコニコ笑ってお義姉様にも意地悪なんてしない。そう今になったらわかる。
お母様はただ笑っているだけだった。何も考えず、お父様を愛して、わたしにも怒ることもなく優しかった。
「ティア、そうなの?」
「ふふ、素敵ね」
「そう、良かったわね」
思い出せばお母様からわたしに話しかけたり、わたしを心配したり、わたしに何かを求めたりはしなかった。ただ相槌をうつだけ。わたしの顔すらまともに見ていないかも。
そのことに気がついたのはお父様が倒れてからだった。
それまではそんな四人の関係に違和感も持たず、一人幸せな世界で暮らしていた。
わたしがその世界を自分で壊した。
それは、学校での出来事だった。
わたしとお義姉様は、それぞれの馬車に乗り学校へ通う。わたしは先に馬車に乗り学校へ行っていた。
お義姉様は別の馬車にいつも乗っていた。
お義姉様が乗る馬車がまさか使用人用の乗り心地の悪い馬車だったとはずっと知らなかった。
お父様がそれを指示していたことも、知っていても知らん顔をしているお母様のことも。
わたしと二人で乗らないといけない時はもちろんわたしがいつも乗っている馬車だったので、お花畑で暮らすわたしの世界では、そんなことすら気が付かなかった。
お義姉様がわたしをどんな気持ちで見ていたのかなんて。
そして、その日もまた一人豪華な馬車に乗り学校へ行った。
いつものようにたくさんの友人に囲まれて楽しく過ごしていた。
もちろん周りには優しい男の子達。そしてわたしに群がる女の子。
お父様が公爵なのでみんなわたしをチヤホヤしていた。わたしはそれを自分の魅力だと勘違いしていた。
だってみんないつも『ティア様って可愛らしいですわ』とか『ティア様、ご一緒してもよろしいですか?』と言って何も言わなくてもみんながそばに居てくれたから。
「みなさん、おはようございます。今日の授業ですがグループ活動があると言っていましたが、みなさんは誰とされますか?」
「あっ、わたし達はもうグループが決まっていますの」
「わたし達も、ねぇ?」
何故かわたしの目を逸らすみんな。
男の子達は「じゃあ、ティア様俺たちのグループにおいでよ」と声をかけてくれた。
女の子達の反応に違和感を感じながらもわたしは男の子達のグループに入れてもらい、楽しい一日を過ごした。
陰で「ティア様って勉強全く出来ないし、すぐ『わかんない』『めんどくさいわね』『代わりにしてくれる?』なんて言って全く自分で頑張ろうとしないんだもの。一緒にやると大変なだけで空気乱すし、とりあえず適当に声かけてチヤホヤしたふりしているのが一番よ」
「ほんと、彼女とお友達にだけはなりたくないわ」
と言われていたなんて知りもしなかった。
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