24 / 32
第24話
しおりを挟む
ウランが薬湯のおかげかいつもより苦しくなさそうに寝ていた。
いつもは息が荒かったり、肩で息をしてきつそうにしているのに。
「ミシェル、ウランの体調を妻のアイリスに診てもらおう。妻は医者ではないが今のウランの体調にはアイリスの『癒し』と緑の加護の『薬』が必要だと思うんだ」
ロバート様は、ここまでの旅費も全て出してくださった。
「俺の息子もウランと変わらない歳なんだ、だから放っては置けない、助かるなら助けてあげたい」
わたしはロバート様に甘えてばかりだけど、いつか必ず恩返しをするつもりで、今はただ甘えさせてもらうことにした。
しばらくウランのそばで見守っていると、声が聞こえてきた。
わたしは部屋を出て居間へ行くと
「ただいま、ロバート様。もうお客様は来ているのかしら?」
わたしの目の前に現れたのは、とても可愛らしくて綺麗な女性だった。
いや、わたしよりもかなり年下の20歳くらいだろうか。
ロバート様、確かもう30歳は過ぎていましたよね?
わたしの顔に思ったことが書いてあったかのように
「俺はアイリスの10歳年上だ、だが愛情に歳の差は関係ない」
(いやいや聞いていませんが?)
わたしはプッと吹き出した。
「ロバート様別に歳の差で愛情は疑っていませんでした。まあ、少し若すぎる奥様を娶られたのかなとは思いましたが」
「まぁ、若いなんて言ってもらえて嬉しいです」
笑顔がとても素敵な人だと思った。
◇ ◇ ◇
アイリス様はウランの寝ている部屋に行くと
「ミシェル様、わたしはお医者様ではありません。でも精霊のおかげで視ることが出来ます。少しだけ体に触れますね」
アイリス様がウランの手を握るとなんだかふわっと空気が変わった。
温かい?優しい空気になった気がする。
わたしは祈るようにウランとアイリス様をみていた。
「ウラン君はかなり悪いのですね、血液に異常なモノがたくさん増えています。
この異常なモノをやっつけなくっちゃいけないのだけど、わたしの癒しの力も跳ね除けてしまいます。薬でしっかり弱らせてから癒しの力で治していきましょうね、しばらくわたしもウラン君と闘いますね」
「ありがとうございます、時間がかかると思いますがしっかり働いて治療費は払いますので待ってください。厚かましいお願いですみません」
わたしは必死で頭を下げた、もし待ってもらえないならお父様に頼むつもりだった。
「お金?わたしは加護があるから助けているだけですよ?もちろんお金持ちの貴族の人達からならしっかりお金をもらいますけど、ミシェル様の事情は聞いています。
同情ではありません、これは同じ母親としてウラン君を助けたいだけなのです。
本当はわたしが会いに行ければウラン君もキツい思いをしなくて済んだのにわたしの方こそごめんなさい。キツイ思いをして来てくれたから、しっかり治しましようね」
寝ているウランの額をそっと触りながらアイリス様がわたしに笑顔を向けてくれた。
わたしはただ頭を下げてお礼を言うしか出来なかった。
「今日は疲れていると思うの。狭いけど隣に一部屋客間があるから二人でその部屋に泊まって欲しいの。
ウラン君の体調も気になるしいつでも会える状態の方がわたしも助かるわ」
アイリス様の言葉に甘えることにした。
ウランは夜にやっと目を覚ました。
「お母様喉が渇いた」
「待っててね、今お水をあげるわ」
いつもより声にハリがある。
「美味しい」
ウランはまた笑顔になった。
「もしかして少し体が楽になっているの?」
「…う、うん、あの薬湯を飲んでから不思議に体が軽いんだ、どうしたんだろう?」
確かにウランの顔色が少しだけど赤みがさした気がする。
そんなすぐに結果が出るわけない。
気休めなのはわかっている。
だってあれだけ医療が発達したワルシャイナ王国ですらウランの体調はすぐに良くなることはない。
何度も薬を投与しなければいけないのだ。
薬湯を飲んでアイリス様に診てもらっただけで体調が良くなるなんてあり得ないわ。
わたしもその晩は疲れてウランの横で一緒に眠った。
◇ ◇ ◇
~セルマ君、ちょっと頑張る!~
「ロバート様、ウラン君もかなり悪いけどミシェル様もとても体が疲弊しています。一人で子育てをするだけでも大変なのに、子どもが大病をしてとても心も体もボロボロになっています。本邸に住まわせるのではなくしばらくこの家でお二人をみて差し上げたいのですが、駄目ですか?」
「アイリスがそう言ってくれるなら助かる。彼女は自国で商会を立ち上げて、平民達の暮らしを少しでも豊かにしようと頑張った人なんだ。
ただ、自分の父親と元旦那から離れるために全ての地位を捨ててワルシャイナ王国に来たんだ。
少しでも彼女の助けをしてやりたい」
「ふふ、ロバート様、要らぬ勘違いはしませんから大丈夫です。わたしもミシェル様とウラン君を助けてあげたいと思っています。
ううん、必ず助けます」
『ねえ、ラファ、手伝ってくれるでしょう?』
『あの男の子いい子。だからラファ頑張る!あの子のために薬草を山に採りに行く』
『ウラン君の病気に効果のある薬草があるの?』
『うん、パルバンの屋敷の裏山のずっと奥にある。セルマならいけるわ』
『セルマ君に行けと言うの?だったらわたしも行くわ』
『ママ、僕行ってくる、ウランはすごく苦しんでいるのが視えるんだ。あの子はこのままだと死んでしまうよ』
『わたしも行くわ』
『ラファは僕に行けと言ってるんだ。大丈夫、ラファと僕の精霊のルシルが守ってくれるから』
『二人ともセルマ君を守ってくれる?絶対に無理をさせないで』
そしてセルマは次の日薬草を探しに行った。
その薬草は小さな体のセルマしか入れない小さな洞窟の中にあった。
『ラファ、あったよ!こんな小さな穴だから、僕に行けって言ったんだね』
『うん、それに君の力も試せるしね』
『君の精霊のルシルの加護もだけど、守り人であるロバートの力がセルマをしっかり守ってるんだ。今回の薬草探しもセルマをしっかり守ってくれていたよ』
『お父様が僕を守ってくれてたの?』
『うん、これならセルマは安心して加護持ちでも外に出ていけるね』
『僕、ママのためにもっと強くなりたい。そしてリリーのことも守ってあげたいんだ』
『セルマならきっと強い男になれるよ、だってずっとアイリスを守って来たんだもん』
『うん、今はあのウランを病気から守ってあげなくっちゃ。あんなに細くて僕びっくりしたんだ。あのままじゃ本当に死んじゃうよ』
『この薬草でアイリスが薬を作れば絶対に効果が現れる、急いで家に帰ろう』
『うん、ママ褒めてくれるかな?』
いつもは息が荒かったり、肩で息をしてきつそうにしているのに。
「ミシェル、ウランの体調を妻のアイリスに診てもらおう。妻は医者ではないが今のウランの体調にはアイリスの『癒し』と緑の加護の『薬』が必要だと思うんだ」
ロバート様は、ここまでの旅費も全て出してくださった。
「俺の息子もウランと変わらない歳なんだ、だから放っては置けない、助かるなら助けてあげたい」
わたしはロバート様に甘えてばかりだけど、いつか必ず恩返しをするつもりで、今はただ甘えさせてもらうことにした。
しばらくウランのそばで見守っていると、声が聞こえてきた。
わたしは部屋を出て居間へ行くと
「ただいま、ロバート様。もうお客様は来ているのかしら?」
わたしの目の前に現れたのは、とても可愛らしくて綺麗な女性だった。
いや、わたしよりもかなり年下の20歳くらいだろうか。
ロバート様、確かもう30歳は過ぎていましたよね?
わたしの顔に思ったことが書いてあったかのように
「俺はアイリスの10歳年上だ、だが愛情に歳の差は関係ない」
(いやいや聞いていませんが?)
わたしはプッと吹き出した。
「ロバート様別に歳の差で愛情は疑っていませんでした。まあ、少し若すぎる奥様を娶られたのかなとは思いましたが」
「まぁ、若いなんて言ってもらえて嬉しいです」
笑顔がとても素敵な人だと思った。
◇ ◇ ◇
アイリス様はウランの寝ている部屋に行くと
「ミシェル様、わたしはお医者様ではありません。でも精霊のおかげで視ることが出来ます。少しだけ体に触れますね」
アイリス様がウランの手を握るとなんだかふわっと空気が変わった。
温かい?優しい空気になった気がする。
わたしは祈るようにウランとアイリス様をみていた。
「ウラン君はかなり悪いのですね、血液に異常なモノがたくさん増えています。
この異常なモノをやっつけなくっちゃいけないのだけど、わたしの癒しの力も跳ね除けてしまいます。薬でしっかり弱らせてから癒しの力で治していきましょうね、しばらくわたしもウラン君と闘いますね」
「ありがとうございます、時間がかかると思いますがしっかり働いて治療費は払いますので待ってください。厚かましいお願いですみません」
わたしは必死で頭を下げた、もし待ってもらえないならお父様に頼むつもりだった。
「お金?わたしは加護があるから助けているだけですよ?もちろんお金持ちの貴族の人達からならしっかりお金をもらいますけど、ミシェル様の事情は聞いています。
同情ではありません、これは同じ母親としてウラン君を助けたいだけなのです。
本当はわたしが会いに行ければウラン君もキツい思いをしなくて済んだのにわたしの方こそごめんなさい。キツイ思いをして来てくれたから、しっかり治しましようね」
寝ているウランの額をそっと触りながらアイリス様がわたしに笑顔を向けてくれた。
わたしはただ頭を下げてお礼を言うしか出来なかった。
「今日は疲れていると思うの。狭いけど隣に一部屋客間があるから二人でその部屋に泊まって欲しいの。
ウラン君の体調も気になるしいつでも会える状態の方がわたしも助かるわ」
アイリス様の言葉に甘えることにした。
ウランは夜にやっと目を覚ました。
「お母様喉が渇いた」
「待っててね、今お水をあげるわ」
いつもより声にハリがある。
「美味しい」
ウランはまた笑顔になった。
「もしかして少し体が楽になっているの?」
「…う、うん、あの薬湯を飲んでから不思議に体が軽いんだ、どうしたんだろう?」
確かにウランの顔色が少しだけど赤みがさした気がする。
そんなすぐに結果が出るわけない。
気休めなのはわかっている。
だってあれだけ医療が発達したワルシャイナ王国ですらウランの体調はすぐに良くなることはない。
何度も薬を投与しなければいけないのだ。
薬湯を飲んでアイリス様に診てもらっただけで体調が良くなるなんてあり得ないわ。
わたしもその晩は疲れてウランの横で一緒に眠った。
◇ ◇ ◇
~セルマ君、ちょっと頑張る!~
「ロバート様、ウラン君もかなり悪いけどミシェル様もとても体が疲弊しています。一人で子育てをするだけでも大変なのに、子どもが大病をしてとても心も体もボロボロになっています。本邸に住まわせるのではなくしばらくこの家でお二人をみて差し上げたいのですが、駄目ですか?」
「アイリスがそう言ってくれるなら助かる。彼女は自国で商会を立ち上げて、平民達の暮らしを少しでも豊かにしようと頑張った人なんだ。
ただ、自分の父親と元旦那から離れるために全ての地位を捨ててワルシャイナ王国に来たんだ。
少しでも彼女の助けをしてやりたい」
「ふふ、ロバート様、要らぬ勘違いはしませんから大丈夫です。わたしもミシェル様とウラン君を助けてあげたいと思っています。
ううん、必ず助けます」
『ねえ、ラファ、手伝ってくれるでしょう?』
『あの男の子いい子。だからラファ頑張る!あの子のために薬草を山に採りに行く』
『ウラン君の病気に効果のある薬草があるの?』
『うん、パルバンの屋敷の裏山のずっと奥にある。セルマならいけるわ』
『セルマ君に行けと言うの?だったらわたしも行くわ』
『ママ、僕行ってくる、ウランはすごく苦しんでいるのが視えるんだ。あの子はこのままだと死んでしまうよ』
『わたしも行くわ』
『ラファは僕に行けと言ってるんだ。大丈夫、ラファと僕の精霊のルシルが守ってくれるから』
『二人ともセルマ君を守ってくれる?絶対に無理をさせないで』
そしてセルマは次の日薬草を探しに行った。
その薬草は小さな体のセルマしか入れない小さな洞窟の中にあった。
『ラファ、あったよ!こんな小さな穴だから、僕に行けって言ったんだね』
『うん、それに君の力も試せるしね』
『君の精霊のルシルの加護もだけど、守り人であるロバートの力がセルマをしっかり守ってるんだ。今回の薬草探しもセルマをしっかり守ってくれていたよ』
『お父様が僕を守ってくれてたの?』
『うん、これならセルマは安心して加護持ちでも外に出ていけるね』
『僕、ママのためにもっと強くなりたい。そしてリリーのことも守ってあげたいんだ』
『セルマならきっと強い男になれるよ、だってずっとアイリスを守って来たんだもん』
『うん、今はあのウランを病気から守ってあげなくっちゃ。あんなに細くて僕びっくりしたんだ。あのままじゃ本当に死んじゃうよ』
『この薬草でアイリスが薬を作れば絶対に効果が現れる、急いで家に帰ろう』
『うん、ママ褒めてくれるかな?』
55
お気に入りに追加
3,338
あなたにおすすめの小説
出世のために結婚した夫から「好きな人ができたから別れてほしい」と言われたのですが~その好きな人って変装したわたしでは?
澤谷弥(さわたに わたる)
恋愛
古代魔法を専門とする魔法研究者のアンヌッカは、家族と研究所を守るために軍人のライオネルと結婚をする。
ライオネルもまた昇進のために結婚をしなければならず、国王からの命令ということもあり結婚を渋々と引き受ける。
しかし、愛のない結婚をした二人は結婚式当日すら顔を合わせることなく、そのまま離れて暮らすこととなった。
ある日、アンヌッカの父が所長を務める魔法研究所に軍から古代文字で書かれた魔導書の解読依頼が届く。
それは禁帯本で持ち出し不可のため、軍施設に研究者を派遣してほしいという依頼だ。
この依頼に対応できるのは研究所のなかでもアンヌッカしかいない。
しかし軍人の妻が軍に派遣されて働くというのは体裁が悪いし何よりも会ったことのない夫が反対するかもしれない。
そう思ったアンヌッカたちは、アンヌッカを親戚の娘のカタリーナとして軍に送り込んだ――。
素性を隠したまま働く妻に、知らぬ間に惹かれていく(恋愛にはぽんこつ)夫とのラブコメディ。
【完結】捨ててください
仲 奈華 (nakanaka)
恋愛
ずっと貴方の側にいた。
でも、あの人と再会してから貴方は私ではなく、あの人を見つめるようになった。
分かっている。
貴方は私の事を愛していない。
私は貴方の側にいるだけで良かったのに。
貴方が、あの人の側へ行きたいと悩んでいる事が私に伝わってくる。
もういいの。
ありがとう貴方。
もう私の事は、、、
捨ててください。
続編投稿しました。
初回完結6月25日
第2回目完結7月18日
【完結】365日後の花言葉
Ringo
恋愛
許せなかった。
幼い頃からの婚約者でもあり、誰よりも大好きで愛していたあなただからこそ。
あなたの裏切りを知った翌朝、私の元に届いたのはゼラニウムの花束。
“ごめんなさい”
言い訳もせず、拒絶し続ける私の元に通い続けるあなたの愛情を、私はもう一度信じてもいいの?
※勢いよく本編完結しまして、番外編ではイチャイチャするふたりのその後をお届けします。

その眼差しは凍てつく刃*冷たい婚約者にウンザリしてます*
音爽(ネソウ)
恋愛
義妹に優しく、婚約者の令嬢には極寒対応。
塩対応より下があるなんて……。
この婚約は間違っている?
*2021年7月完結
大好きなあなたを忘れる方法
山田ランチ
恋愛
あらすじ
王子と婚約関係にある侯爵令嬢のメリベルは、訳あってずっと秘密の婚約者のままにされていた。学園へ入学してすぐ、メリベルの魔廻が(魔術を使う為の魔素を貯めておく器官)が限界を向かえようとしている事に気が付いた大魔術師は、魔廻を小さくする事を提案する。その方法は、魔素が好むという悲しい記憶を失くしていくものだった。悲しい記憶を引っ張り出しては消していくという日々を過ごすうち、徐々に王子との記憶を失くしていくメリベル。そんな中、魔廻を奪う謎の者達に大魔術師とメリベルが襲われてしまう。
魔廻を奪おうとする者達は何者なのか。王子との婚約が隠されている訳と、重大な秘密を抱える大魔術師の正体が、メリベルの記憶に導かれ、やがて世界の始まりへと繋がっていく。
登場人物
・メリベル・アークトュラス 17歳、アークトゥラス侯爵の一人娘。ジャスパーの婚約者。
・ジャスパー・オリオン 17歳、第一王子。メリベルの婚約者。
・イーライ 学園の園芸員。
クレイシー・クレリック 17歳、クレリック侯爵の一人娘。
・リーヴァイ・ブルーマー 18歳、ブルーマー子爵家の嫡男でジャスパーの側近。
・アイザック・スチュアート 17歳、スチュアート侯爵の嫡男でジャスパーの側近。
・ノア・ワード 18歳、ワード騎士団長の息子でジャスパーの従騎士。
・シア・ガイザー 17歳、ガイザー男爵の娘でメリベルの友人。
・マイロ 17歳、メリベルの友人。
魔素→世界に漂っている物質。触れれば精神を侵され、生き物は主に凶暴化し魔獣となる。
魔廻→体内にある魔廻(まかい)と呼ばれる器官、魔素を取り込み貯める事が出来る。魔術師はこの器官がある事が必須。
ソル神とルナ神→太陽と月の男女神が魔素で満ちた混沌の大地に現れ、世界を二つに分けて浄化した。ソル神は昼間を、ルナ神は夜を受け持った。
【完結】お飾りの妻からの挑戦状
おのまとぺ
恋愛
公爵家から王家へと嫁いできたデイジー・シャトワーズ。待ちに待った旦那様との顔合わせ、王太子セオドア・ハミルトンが放った言葉に立ち会った使用人たちの顔は強張った。
「君はお飾りの妻だ。装飾品として慎ましく生きろ」
しかし、当のデイジーは不躾な挨拶を笑顔で受け止める。二人のドタバタ生活は心配する周囲を巻き込んで、やがて誰も予想しなかった展開へ……
◇表紙はノーコピーライトガール様より拝借しています
◇全18話で完結予定
王太子妃は離婚したい
凛江
恋愛
アルゴン国の第二王女フレイアは、婚約者であり、幼い頃より想いを寄せていた隣国テルルの王太子セレンに嫁ぐ。
だが、期待を胸に臨んだ婚姻の日、待っていたのは夫セレンの冷たい瞳だった。
※この作品は、読んでいただいた皆さまのおかげで書籍化することができました。
綺麗なイラストまでつけていただき感無量です。
これまで応援いただき、本当にありがとうございました。
レジーナのサイトで番外編が読めますので、そちらものぞいていただけると嬉しいです。
https://www.regina-books.com/extra/login

口は禍の元・・・後悔する王様は王妃様を口説く
ひとみん
恋愛
王命で王太子アルヴィンとの結婚が決まってしまった美しいフィオナ。
逃走すら許さない周囲の鉄壁の護りに諦めた彼女は、偶然王太子の会話を聞いてしまう。
「跡継ぎができれば離縁してもかまわないだろう」「互いの不貞でも理由にすればいい」
誰がこんな奴とやってけるかっ!と怒り炸裂のフィオナ。子供が出来たら即離婚を胸に王太子に言い放った。
「必要最低限の夫婦生活で済ませたいと思います」
だが一目見てフィオナに惚れてしまったアルヴィン。
妻が初恋で絶対に別れたくない夫と、こんなクズ夫とすぐに別れたい妻とのすれ違いラブストーリー。
ご都合主義満載です!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる