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第21話
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「嫌です!サインはしません、僕はずっとずっとミシェルを愛しています。
間違いだらけの僕だけどミシェルを愛していることだけは間違っていません、愛しているんです」
わたしはライアンを見て彼の必死さに驚いた。
いつも冷静でどちらかというと冷たく感じることが多い彼の姿しか知らない。
でもわたしはライアンのことはもう期待しないと決めた。
いつかは彼がわたしのことを見てくれると待っていた……でもそのいつかは遅すぎた。
わたしの心はもう壊れている、戻ることはない。
「ライアン、離縁しましょう。もう遅すぎたの、わたしは貴方を愛していました、でも愛されていると思ったことはルシア様が現れてから一度もありませんでした」
「ミシェル……遅すぎたのか?もう駄目なのか?」
「お父様、後の処理はお願いしてもいいかしら?わたしはウランの元へ行かないとあの子が待っていますから……ライアン……一度もウランに会わせてあげられなくてごめんなさい。でも心残りがなくていいと思うの、ルシア様とそのお腹の子どもと幸せに暮らしてね」
「やめてくれ!ルシアとはダンスで手を握ったことはあるけどそれ以上何もない、何もしていない」
「キスしましたよね?さよなら、ライアン」
わたしはそのまま彼を見ずに部屋を出た。
「アンナ、いつもウランの面倒をみてくれてありがとう。わたしね、この屋敷を今から出るつもりなの」
「ミシェル様、どうしたのですか?」
アンナは驚いていた。
わたしが結婚する前からずっとそばにいてくれたアンナ。結婚してからも家を出てからもずっとそばにいてくれた。
だから正直に話すことにした。
「わたしね、ウランとモーリス国に行くつもりなの。
あちらもわたしの受け入れの準備をしてくれているの、だから、今からここを出るつもり。荷物はウランのものとわたしの着替えが少しあればいいわ。
アンナ今までわたしについて来てくれてありがとう」
「ミシェル様、わたしも一緒に行きます、連れて行ってください」
「アンナ、わたしは向こうでは無職になるの。貴方にお給料を渡してあげるのは難しいの、ごめんなさい」
わたしはこちらの商会をジョージ様とヴァリスの旦那様に引き継ぐことをお願いしている。
そしてその売り上げの中から少しだけ生活費として送ってもらうことにした。
あとは向こうで商会の取引先で働かせてもらうことになっている。
「お金は要らないとは言えませんが、わたしも一緒に働きます。ウラン様の面倒もみます、だから一緒に連れて行ってください」
「アンナ……ありがとう…でも、大変だと思うの、だから、や「大変だからわたしが必要ではありませんか?お願いです、連れて行ってください」
アンナの言葉がとても嬉しくて、でも期待に添えるかわからなくて戸惑っていると
「ミシェル、アンナを連れて行きなさい」
後ろからお母様の声が聞こえてきた。
「お母様……気づいていたのですか?」
「ウランを最後に抱っこさせて」
お母様はウランを抱っこするとウランもお母様をみて嬉しそうにニコニコ笑っていた。
「ライアンと別れて殿下の話を断ったら貴女がこの国にいるわけないってどうして男どもはわからないのかしら?」
「お母様……」
「あの二人に気づかれないうちに行きなさい。アンナの給金はわたしがきちんとアンナの両親に届けておくから安心して。
ミシェルとウランをお願いね、落ち着いたら伯母様のサラに手紙を書いてね待っているわ」
お母様がウランをアンナに渡して、わたしは今持っている全財産だけはとりあえず鞄に押し込み屋敷を出た。
アンナも簡単な着替えしか持っていない。
お母様がお父様に見つからないように後で荷物を送るからと言ってくれた。
わたしはライアンを愛していた。
でもライアンのはっきりしない態度、冷たい態度に傷付いた。
でもお父様のズレた愛情からそれがさらに捻じ曲がりわたしとライアンがまた元に戻ることはできなかった。
ライアンはまだわたしを愛していると言ったけど、わたしの中ではルシア様が現れた時点で彼からの愛情を感じたことはなかった。
わたしはいつも逃げてばかりで、彼の気持ちを知ろうとしなかった。
今回も逃げていると思われるかも知れない、でも今回は逃げるのではない。
お父様とライアンを捨てたのだ。
間違った愛情をわたしに向けた二人をわたしはもう信じられないし、信じようと思わない。
お母様はわたしの気持ちを察してくれている。だから、サラ伯母様にわたしの様子を知らせて欲しいと言ってくれた。
この屋敷ではお父様に居場所を知られてしまうから。
以前モーリス国に行くとお父様には言ったけど、わたしはワルシャイナ王国へ行くことにしている。
でもどこで聞かれているかわからないので、屋敷ではモーリス国に行くと態と言った。本当はワルシャイナ王国へ行くのだけど。
そしてわたしはウランとアンナと三人でワルシャイナ王国へすぐに向かった。
◆ ◆
【お父様、愛よりお金です ~わたしは噂の男爵令嬢です~】
もしよければ読んでみてくださいね、宜しくお願いします
たろ
間違いだらけの僕だけどミシェルを愛していることだけは間違っていません、愛しているんです」
わたしはライアンを見て彼の必死さに驚いた。
いつも冷静でどちらかというと冷たく感じることが多い彼の姿しか知らない。
でもわたしはライアンのことはもう期待しないと決めた。
いつかは彼がわたしのことを見てくれると待っていた……でもそのいつかは遅すぎた。
わたしの心はもう壊れている、戻ることはない。
「ライアン、離縁しましょう。もう遅すぎたの、わたしは貴方を愛していました、でも愛されていると思ったことはルシア様が現れてから一度もありませんでした」
「ミシェル……遅すぎたのか?もう駄目なのか?」
「お父様、後の処理はお願いしてもいいかしら?わたしはウランの元へ行かないとあの子が待っていますから……ライアン……一度もウランに会わせてあげられなくてごめんなさい。でも心残りがなくていいと思うの、ルシア様とそのお腹の子どもと幸せに暮らしてね」
「やめてくれ!ルシアとはダンスで手を握ったことはあるけどそれ以上何もない、何もしていない」
「キスしましたよね?さよなら、ライアン」
わたしはそのまま彼を見ずに部屋を出た。
「アンナ、いつもウランの面倒をみてくれてありがとう。わたしね、この屋敷を今から出るつもりなの」
「ミシェル様、どうしたのですか?」
アンナは驚いていた。
わたしが結婚する前からずっとそばにいてくれたアンナ。結婚してからも家を出てからもずっとそばにいてくれた。
だから正直に話すことにした。
「わたしね、ウランとモーリス国に行くつもりなの。
あちらもわたしの受け入れの準備をしてくれているの、だから、今からここを出るつもり。荷物はウランのものとわたしの着替えが少しあればいいわ。
アンナ今までわたしについて来てくれてありがとう」
「ミシェル様、わたしも一緒に行きます、連れて行ってください」
「アンナ、わたしは向こうでは無職になるの。貴方にお給料を渡してあげるのは難しいの、ごめんなさい」
わたしはこちらの商会をジョージ様とヴァリスの旦那様に引き継ぐことをお願いしている。
そしてその売り上げの中から少しだけ生活費として送ってもらうことにした。
あとは向こうで商会の取引先で働かせてもらうことになっている。
「お金は要らないとは言えませんが、わたしも一緒に働きます。ウラン様の面倒もみます、だから一緒に連れて行ってください」
「アンナ……ありがとう…でも、大変だと思うの、だから、や「大変だからわたしが必要ではありませんか?お願いです、連れて行ってください」
アンナの言葉がとても嬉しくて、でも期待に添えるかわからなくて戸惑っていると
「ミシェル、アンナを連れて行きなさい」
後ろからお母様の声が聞こえてきた。
「お母様……気づいていたのですか?」
「ウランを最後に抱っこさせて」
お母様はウランを抱っこするとウランもお母様をみて嬉しそうにニコニコ笑っていた。
「ライアンと別れて殿下の話を断ったら貴女がこの国にいるわけないってどうして男どもはわからないのかしら?」
「お母様……」
「あの二人に気づかれないうちに行きなさい。アンナの給金はわたしがきちんとアンナの両親に届けておくから安心して。
ミシェルとウランをお願いね、落ち着いたら伯母様のサラに手紙を書いてね待っているわ」
お母様がウランをアンナに渡して、わたしは今持っている全財産だけはとりあえず鞄に押し込み屋敷を出た。
アンナも簡単な着替えしか持っていない。
お母様がお父様に見つからないように後で荷物を送るからと言ってくれた。
わたしはライアンを愛していた。
でもライアンのはっきりしない態度、冷たい態度に傷付いた。
でもお父様のズレた愛情からそれがさらに捻じ曲がりわたしとライアンがまた元に戻ることはできなかった。
ライアンはまだわたしを愛していると言ったけど、わたしの中ではルシア様が現れた時点で彼からの愛情を感じたことはなかった。
わたしはいつも逃げてばかりで、彼の気持ちを知ろうとしなかった。
今回も逃げていると思われるかも知れない、でも今回は逃げるのではない。
お父様とライアンを捨てたのだ。
間違った愛情をわたしに向けた二人をわたしはもう信じられないし、信じようと思わない。
お母様はわたしの気持ちを察してくれている。だから、サラ伯母様にわたしの様子を知らせて欲しいと言ってくれた。
この屋敷ではお父様に居場所を知られてしまうから。
以前モーリス国に行くとお父様には言ったけど、わたしはワルシャイナ王国へ行くことにしている。
でもどこで聞かれているかわからないので、屋敷ではモーリス国に行くと態と言った。本当はワルシャイナ王国へ行くのだけど。
そしてわたしはウランとアンナと三人でワルシャイナ王国へすぐに向かった。
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【お父様、愛よりお金です ~わたしは噂の男爵令嬢です~】
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