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第17話
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ヴァリスのところに身を寄せて2週間が過ぎた。
お父様にもここにいることがバレて、ヴァリスの屋敷に挨拶に来ていた。
「娘達がご迷惑をおかけしています」
お父様の挨拶が終わるとわたしが今過ごしている客室へ案内した。
ウランはアンナが面倒を見てくれている。
わたしがここを拠点に商会の仕事をしているのを見て
大きな溜息を吐いた。
「お前は、ライアンと話し合いに帰ってそのまま家出したらしいな。いつまで家出ばかりするんだ、人様に迷惑までかけて」
うっ、それを言われるとわたしも反論できない。
子供を産むときもライアンの冷たい態度に耐えられなくて家を出た。
出産後もウランを手放せなくて彼から逃げ回った。
屋敷に戻ってもどうしていいかわからなくて部屋に閉じこもっていた。
そして今は家出中。
わたしは逃げてばかりで彼と向き合おうとしていない。
「お前は商会を自ら立ち上げて、大きくして領民の生活を豊かに変えた。それだけの手腕と行動力があるのに何故ライアンのことになるとそんなに弱いんだ」
「………………どうしていいのかわからないのです……」
わたしは小さい声でボソッと答えた。
「なんだ?もう一度言え!」
「……っうっ……ライアンを愛しているから愛していないと言われるのが怖いんです。愛されていないとわかっているのに、それを認めてしまうのが怖いのです」
わたしはお父様の前でポロポロ涙を流した。
(もう思っていることを全部言ってやる!)
「ずっとずっと好きだったんです。どんなにルシア様と仲良くして二人が愛し合っていて、それを見て辛くても諦められなかった。
結婚してしまえばライアンがわたしを見てくれるかもしれないと馬鹿だから思っていたんです。
でも、駄目でした。
彼はわたしのことを冷たい目で見ていました。愛するルシア様と別れさせられてわたしと無理矢理結婚させられたからわたしのことが憎かったんだと思います。もう耐えられなかった。
あの人といることが……」
グズッ……
「……話し合おうと屋敷に行ったらルシア様とライアンが抱き合ってキスをしていました……わたしはそのままヴァリスのところに身を寄せました。
実家に帰ればお父様達に叱られるから」
「はあー、ライアンは本当に馬鹿なのか?お前の話は妻に聞いた、わたしに頼ることも出来ない態度をとってきたことは謝る。
お前が別れたいならわたしはお前達をちゃんと守ってやる。殿下からの話は断るんだろう?」
「はい、殿下のことはずっと友人としてしか見ることが出来ません。それにウランと離れるなんて絶対に嫌です。わたしライアンと離縁したらモーリス国に行くつもりです、あそこならウランを一人で育てながら生きていけると思うのです」
「わたし達に頼ってはくれないのか?」
お父様がとてもショックで悲しそうな顔をしていた。
「殿下の話を断るのです、離縁したらこの国にいる訳にはいきません、モーリス国には仲良くなった人たちもいます。
なんとかやっていけると思います」
「離縁して殿下のことを断っても我が家で過ごせばいい。うちの侯爵家はいずれお前の兄が継ぐがお前は商会を立ち上げているんだ、侯爵家が全力でバックアップするから大きな顔をして我が家にいろ」
「お父様……ご迷惑はかけられません」
わたしの中で父に頼るという選択肢は今までなかった。
子どもの頃から厳しく躾けられ甘えを許してもらったことなどなかった。
わたしのこの素直に人に甘えることができない性格はひねくれてしまった性格は、ある意味お父様の厳しすぎる教育が影響しているのかもしれない。
「お願いだ、わたしの元から目の届かない場所に行くなど考えないでくれ。わたしが必ずお前達を守るから」
「お父様……」
わたしはお父様のこんな悲しげな姿を初めて見た。
いつも怖い顔をして威圧感があり、人の意見など聞かない人だった。
わたしはこの人に認められたくて必死で学生の時は勉強をした。
でもどんなに成績を上げても「女が勉強をしてなんになる、もっと可愛げがないと男に好かれないぞ」
と言われ、褒められることはなかった。
「わたしはお前が好きなライアンと結婚するのが幸せになれることなんだと思っていたんだ。まさかライアンとこんなに拗れていたなんて気がつかなかった、許してくれ」
「お父様はわたしの幸せを願ってくれていたのですか?」
「当たり前だ!お前がどんなに辛そうにしてもライアンを愛していたから結婚させたんだ。それがわたしの間違いだった」
わたしはお父様の見えない愛情に今初めて気がついた。
お父様にもここにいることがバレて、ヴァリスの屋敷に挨拶に来ていた。
「娘達がご迷惑をおかけしています」
お父様の挨拶が終わるとわたしが今過ごしている客室へ案内した。
ウランはアンナが面倒を見てくれている。
わたしがここを拠点に商会の仕事をしているのを見て
大きな溜息を吐いた。
「お前は、ライアンと話し合いに帰ってそのまま家出したらしいな。いつまで家出ばかりするんだ、人様に迷惑までかけて」
うっ、それを言われるとわたしも反論できない。
子供を産むときもライアンの冷たい態度に耐えられなくて家を出た。
出産後もウランを手放せなくて彼から逃げ回った。
屋敷に戻ってもどうしていいかわからなくて部屋に閉じこもっていた。
そして今は家出中。
わたしは逃げてばかりで彼と向き合おうとしていない。
「お前は商会を自ら立ち上げて、大きくして領民の生活を豊かに変えた。それだけの手腕と行動力があるのに何故ライアンのことになるとそんなに弱いんだ」
「………………どうしていいのかわからないのです……」
わたしは小さい声でボソッと答えた。
「なんだ?もう一度言え!」
「……っうっ……ライアンを愛しているから愛していないと言われるのが怖いんです。愛されていないとわかっているのに、それを認めてしまうのが怖いのです」
わたしはお父様の前でポロポロ涙を流した。
(もう思っていることを全部言ってやる!)
「ずっとずっと好きだったんです。どんなにルシア様と仲良くして二人が愛し合っていて、それを見て辛くても諦められなかった。
結婚してしまえばライアンがわたしを見てくれるかもしれないと馬鹿だから思っていたんです。
でも、駄目でした。
彼はわたしのことを冷たい目で見ていました。愛するルシア様と別れさせられてわたしと無理矢理結婚させられたからわたしのことが憎かったんだと思います。もう耐えられなかった。
あの人といることが……」
グズッ……
「……話し合おうと屋敷に行ったらルシア様とライアンが抱き合ってキスをしていました……わたしはそのままヴァリスのところに身を寄せました。
実家に帰ればお父様達に叱られるから」
「はあー、ライアンは本当に馬鹿なのか?お前の話は妻に聞いた、わたしに頼ることも出来ない態度をとってきたことは謝る。
お前が別れたいならわたしはお前達をちゃんと守ってやる。殿下からの話は断るんだろう?」
「はい、殿下のことはずっと友人としてしか見ることが出来ません。それにウランと離れるなんて絶対に嫌です。わたしライアンと離縁したらモーリス国に行くつもりです、あそこならウランを一人で育てながら生きていけると思うのです」
「わたし達に頼ってはくれないのか?」
お父様がとてもショックで悲しそうな顔をしていた。
「殿下の話を断るのです、離縁したらこの国にいる訳にはいきません、モーリス国には仲良くなった人たちもいます。
なんとかやっていけると思います」
「離縁して殿下のことを断っても我が家で過ごせばいい。うちの侯爵家はいずれお前の兄が継ぐがお前は商会を立ち上げているんだ、侯爵家が全力でバックアップするから大きな顔をして我が家にいろ」
「お父様……ご迷惑はかけられません」
わたしの中で父に頼るという選択肢は今までなかった。
子どもの頃から厳しく躾けられ甘えを許してもらったことなどなかった。
わたしのこの素直に人に甘えることができない性格はひねくれてしまった性格は、ある意味お父様の厳しすぎる教育が影響しているのかもしれない。
「お願いだ、わたしの元から目の届かない場所に行くなど考えないでくれ。わたしが必ずお前達を守るから」
「お父様……」
わたしはお父様のこんな悲しげな姿を初めて見た。
いつも怖い顔をして威圧感があり、人の意見など聞かない人だった。
わたしはこの人に認められたくて必死で学生の時は勉強をした。
でもどんなに成績を上げても「女が勉強をしてなんになる、もっと可愛げがないと男に好かれないぞ」
と言われ、褒められることはなかった。
「わたしはお前が好きなライアンと結婚するのが幸せになれることなんだと思っていたんだ。まさかライアンとこんなに拗れていたなんて気がつかなかった、許してくれ」
「お父様はわたしの幸せを願ってくれていたのですか?」
「当たり前だ!お前がどんなに辛そうにしてもライアンを愛していたから結婚させたんだ。それがわたしの間違いだった」
わたしはお父様の見えない愛情に今初めて気がついた。
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