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カリクシード(エドウィン殿下)①
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僕の前世の記憶を思い出したのは……
ケインと学園で会った時だった。互いに存在は知っていたが、あまり接点はなかった。
王族より裕福な公爵家。国王である父はあまり快く思っておらず、僕と彼が会うことを嫌っていた。
2歳年下のケイン。
幼い頃から優秀だと噂されていた。
女の子に冷たくあしらうのに令嬢からの人気は僕以上だった。
いつも比べられる公爵家嫡男のケイン。
2歳年下のはずなのにいつも後ろから追われている気分だった。
そんなケインとしっかり会話したのが妹のマリアンナが僕の前にケインを連れてきた時だった。
「お兄様!ケイン様を紹介するわね」
昼休み昼食を終えて生徒会室で生徒会長として仕事をしている時だった。
「ケイン?」
僕は彼の顔を見てすぐにわかった。
眉目秀麗と言われているケインの顔。遠くから何度も見てきた。だが自分から近づく気にはなれなくて、すれ違っても無視していた男。
「お兄様にどうしても紹介したかったの。素敵でしょう?かっこよくて頭がいいのよ?わたしの一番のお気に入りなの」
マリアンナは自分の思い通りにならないとすぐ不機嫌になる。ケインをお気に入りと言い出したら、もうケインは逃げられないだろう。
父上がどう思うか……多分マリアンナの我儘に甘い父上はケインの家の有り余るほどの財産のことを考えて、二人を婚約させる方向で考え始めるだろうと思った。
「やあ、初めて顔を合わせることになるのかな?よろしくね」
王族としてではなく、学校の先輩として挨拶をした。
「初めまして」
無愛想だし少し不機嫌な感じだった。
初めて会う王族にこの態度?僕はちょっと眉根を寄せた。
「もう!ケイン様っていつもこんな感じなの。でもあなただから許してあげるわ」
マリアンナが珍しくケインの態度に腹を立てない。普段のマリアンナならこんな態度の悪い男を許さないのに。
それにマリアンナの方がしつこくご機嫌を取っていた。
ケインは鬱陶しそうな顔をしていた。
初めて見る妹の必死な姿、それが面白くて内心笑ってしまった。
少しだけ会話をしてケインは生徒会室を後にした。
その後ろ姿に何故か違和感を感じた。
忘れていた何かを。
忘れてはならない何かを。
ケインと学園で会った時だった。互いに存在は知っていたが、あまり接点はなかった。
王族より裕福な公爵家。国王である父はあまり快く思っておらず、僕と彼が会うことを嫌っていた。
2歳年下のケイン。
幼い頃から優秀だと噂されていた。
女の子に冷たくあしらうのに令嬢からの人気は僕以上だった。
いつも比べられる公爵家嫡男のケイン。
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そんなケインとしっかり会話したのが妹のマリアンナが僕の前にケインを連れてきた時だった。
「お兄様!ケイン様を紹介するわね」
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ケインは鬱陶しそうな顔をしていた。
初めて見る妹の必死な姿、それが面白くて内心笑ってしまった。
少しだけ会話をしてケインは生徒会室を後にした。
その後ろ姿に何故か違和感を感じた。
忘れていた何かを。
忘れてはならない何かを。
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