85 / 109
新しい恋。
⑥の続き
しおりを挟む
「ライナなんて死んで仕舞えばいいのよ!いつも周りに守られて幸せそうに過ごして、一番嫌いなタイプよ。努力もせずみんなにチヤホヤされて!それを本人は気がついていない。叔父様もカイ兄様もライナにとっても優しい笑顔で接して!わたしにはあんな顔しないわ。バズールだってわたしに向ける笑顔とライナに向ける笑顔は違うわ。どうして?わたしを愛してくれないの?」
俺の返事にリリアンナ殿下の形相はかなり怖かった。
俺を愛していると言うより愛されないことに腹を立てている感じだった。
「リリアンナ殿下、貴女は愛されることばかりではなく少しは人を愛してみませんか?」
「はあ?だからバズールを愛していると言っているじゃない。バズールだったらわたしの横に置いても見栄えするしわたしに相応しいの。ねぇ、ライナみたいな元男爵令嬢なんて諦めなさい。わたしに相応しいのは貴方だけなんだから!」
「俺はもう帰ります。陛下、そしてギルバート様、カイ様、失礼させていただきます。リリアンナ殿下のこれからの幸せを願っております」
「いや、いやよ!わたしはバズールが承諾してくれなければ他国へ嫁がないといけないのよ!しかも10歳年上で後妻としてよ!お願い、バズール、わたしと結婚すると言って!」
「俺は伯爵ではなくなります。それが嫌だと言ったのは貴方です。そんな俺に縋っても今までと同じ贅沢をは出来ないと思いますよ?」
「そ、それもイヤよ。ドレスも欲しいし宝石も欲しいわ。お茶会だって夜会だって開きたいし、たくさんの使用人も必要よ。屋敷だって広くないと嫌だし、お料理も有名な料理人たちが作ったモノじゃなきゃ食べられないわ」
「それならば、やはりその辺境伯のところへ嫁ぐべきではないでしょうか?」
「だからそれはいやだって……「はいはい、もうこれで話は終わりだ!」
「カイ兄様?」
カイ様が手をパンパンと叩いて話を打ち切った。
「リリアンナは約束通り嫁に行く。バズールは好きな女の子に頑張って告白をする。それで終わり」
リリアンナ殿下が何か言おうとしたが
「はい、解散!さあ、帰ろう。俺も嫁さんが美味しいご飯を作って待っているんでこれ以上の無駄な話に時間を割きたくない。陛下、もういいだろう?お前が甘やかしたツケがこんな風になって返って来たんだ。いい加減に妹を甘やかすのはやめろ」
陛下はカイ様の顔を黙って見ていたが、リリアンナ殿下に目線を移した。
「リリアンナ……これは王命だ。お前はモリス国の辺境伯のもとへ嫁ぐこと。一月後の輿入れとする。拒否は出来ない、リリアンナをひと月の間南の塔に連れて行き外に出すな」
「………いや、お兄様?お願い、いやあーーー!!」
俺の返事にリリアンナ殿下の形相はかなり怖かった。
俺を愛していると言うより愛されないことに腹を立てている感じだった。
「リリアンナ殿下、貴女は愛されることばかりではなく少しは人を愛してみませんか?」
「はあ?だからバズールを愛していると言っているじゃない。バズールだったらわたしの横に置いても見栄えするしわたしに相応しいの。ねぇ、ライナみたいな元男爵令嬢なんて諦めなさい。わたしに相応しいのは貴方だけなんだから!」
「俺はもう帰ります。陛下、そしてギルバート様、カイ様、失礼させていただきます。リリアンナ殿下のこれからの幸せを願っております」
「いや、いやよ!わたしはバズールが承諾してくれなければ他国へ嫁がないといけないのよ!しかも10歳年上で後妻としてよ!お願い、バズール、わたしと結婚すると言って!」
「俺は伯爵ではなくなります。それが嫌だと言ったのは貴方です。そんな俺に縋っても今までと同じ贅沢をは出来ないと思いますよ?」
「そ、それもイヤよ。ドレスも欲しいし宝石も欲しいわ。お茶会だって夜会だって開きたいし、たくさんの使用人も必要よ。屋敷だって広くないと嫌だし、お料理も有名な料理人たちが作ったモノじゃなきゃ食べられないわ」
「それならば、やはりその辺境伯のところへ嫁ぐべきではないでしょうか?」
「だからそれはいやだって……「はいはい、もうこれで話は終わりだ!」
「カイ兄様?」
カイ様が手をパンパンと叩いて話を打ち切った。
「リリアンナは約束通り嫁に行く。バズールは好きな女の子に頑張って告白をする。それで終わり」
リリアンナ殿下が何か言おうとしたが
「はい、解散!さあ、帰ろう。俺も嫁さんが美味しいご飯を作って待っているんでこれ以上の無駄な話に時間を割きたくない。陛下、もういいだろう?お前が甘やかしたツケがこんな風になって返って来たんだ。いい加減に妹を甘やかすのはやめろ」
陛下はカイ様の顔を黙って見ていたが、リリアンナ殿下に目線を移した。
「リリアンナ……これは王命だ。お前はモリス国の辺境伯のもとへ嫁ぐこと。一月後の輿入れとする。拒否は出来ない、リリアンナをひと月の間南の塔に連れて行き外に出すな」
「………いや、お兄様?お願い、いやあーーー!!」
180
お気に入りに追加
8,435
あなたにおすすめの小説



大好きなあなたを忘れる方法
山田ランチ
恋愛
あらすじ
王子と婚約関係にある侯爵令嬢のメリベルは、訳あってずっと秘密の婚約者のままにされていた。学園へ入学してすぐ、メリベルの魔廻が(魔術を使う為の魔素を貯めておく器官)が限界を向かえようとしている事に気が付いた大魔術師は、魔廻を小さくする事を提案する。その方法は、魔素が好むという悲しい記憶を失くしていくものだった。悲しい記憶を引っ張り出しては消していくという日々を過ごすうち、徐々に王子との記憶を失くしていくメリベル。そんな中、魔廻を奪う謎の者達に大魔術師とメリベルが襲われてしまう。
魔廻を奪おうとする者達は何者なのか。王子との婚約が隠されている訳と、重大な秘密を抱える大魔術師の正体が、メリベルの記憶に導かれ、やがて世界の始まりへと繋がっていく。
登場人物
・メリベル・アークトュラス 17歳、アークトゥラス侯爵の一人娘。ジャスパーの婚約者。
・ジャスパー・オリオン 17歳、第一王子。メリベルの婚約者。
・イーライ 学園の園芸員。
クレイシー・クレリック 17歳、クレリック侯爵の一人娘。
・リーヴァイ・ブルーマー 18歳、ブルーマー子爵家の嫡男でジャスパーの側近。
・アイザック・スチュアート 17歳、スチュアート侯爵の嫡男でジャスパーの側近。
・ノア・ワード 18歳、ワード騎士団長の息子でジャスパーの従騎士。
・シア・ガイザー 17歳、ガイザー男爵の娘でメリベルの友人。
・マイロ 17歳、メリベルの友人。
魔素→世界に漂っている物質。触れれば精神を侵され、生き物は主に凶暴化し魔獣となる。
魔廻→体内にある魔廻(まかい)と呼ばれる器官、魔素を取り込み貯める事が出来る。魔術師はこの器官がある事が必須。
ソル神とルナ神→太陽と月の男女神が魔素で満ちた混沌の大地に現れ、世界を二つに分けて浄化した。ソル神は昼間を、ルナ神は夜を受け持った。
【完結】365日後の花言葉
Ringo
恋愛
許せなかった。
幼い頃からの婚約者でもあり、誰よりも大好きで愛していたあなただからこそ。
あなたの裏切りを知った翌朝、私の元に届いたのはゼラニウムの花束。
“ごめんなさい”
言い訳もせず、拒絶し続ける私の元に通い続けるあなたの愛情を、私はもう一度信じてもいいの?
※勢いよく本編完結しまして、番外編ではイチャイチャするふたりのその後をお届けします。

立派な王太子妃~妃の幸せは誰が考えるのか~
矢野りと
恋愛
ある日王太子妃は夫である王太子の不貞の現場を目撃してしまう。愛している夫の裏切りに傷つきながらも、やり直したいと周りに助言を求めるが‥‥。
隠れて不貞を続ける夫を見続けていくうちに壊れていく妻。
周りが気づいた時は何もかも手遅れだった…。
※設定はゆるいです。
記憶を失くした彼女の手紙 消えてしまった完璧な令嬢と、王子の遅すぎた後悔の話
甘糖むい
恋愛
婚約者であるシェルニア公爵令嬢が記憶喪失となった。
王子はひっそりと喜んだ。これで愛するクロエ男爵令嬢と堂々と結婚できると。
その時、王子の元に一通の手紙が届いた。
そこに書かれていたのは3つの願いと1つの真実。
王子は絶望感に苛まれ後悔をする。
【完結】この胸が痛むのは
Mimi
恋愛
「アグネス嬢なら」
彼がそう言ったので。
私は縁組をお受けすることにしました。
そのひとは、亡くなった姉の恋人だった方でした。
亡き姉クラリスと婚約間近だった第三王子アシュフォード殿下。
殿下と出会ったのは私が先でしたのに。
幼い私をきっかけに、顔を合わせた姉に殿下は恋をしたのです……
姉が亡くなって7年。
政略婚を拒否したい王弟アシュフォードが
『彼女なら結婚してもいい』と、指名したのが最愛のひとクラリスの妹アグネスだった。
亡くなった恋人と同い年になり、彼女の面影をまとうアグネスに、アシュフォードは……
*****
サイドストーリー
『この胸に抱えたものは』全13話も公開しています。
こちらの結末ネタバレを含んだ内容です。
読了後にお立ち寄りいただけましたら、幸いです
* 他サイトで公開しています。
どうぞよろしくお願い致します。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる