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新しい恋。
じゅう
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ライナが部屋を出てからリリアンナは陛下達に叱られることになった。
「リリアンナ、なぜ自分が悪いことをしたのにライナ嬢を責めるのか?」
陛下は頭を抱えて呆れるようにリリアンナに聞いた。
「だって……わたしはバズールが好きで何度も好きだと言って結婚も申し込んだわ。でもライナは何の努力もしないのにバズールに愛されて大事にされて狡いわ。わたしはみんなに愛されるべき者よ?
どうしてバズールはわたしを愛してくれないの?それにリーリエを連れてきて放置したかもしれないけど勝手に動いたのは彼女だわ。なぜわたしが責められ罰を受けなければいけないの?」
リリアンナの言葉に三人はさらに呆れ返ってため息をついた。
「何度も言っただろう?お前がリーリエを唆したことは調べがついている。リーリエの命令に動くように人を手配したこともわかっている」
陛下はリリアンナに冷たい視線を送る。
「そ、そうだけど……でも、それは……」
それでも言い訳をしようと試みるリリアンナに対してカイは厳しい言葉を投げかけた。
「もしバズールがお前を受け入れて嫁にもらうと言えばお前は王女として嫁にいけばいい。ただし断られればお前は王女としてではなく、俺の妹としてモリス国の辺境伯のところに嫁に行くんだ。アイツは俺の友人だ、すぐに受け入れてくれる」
カイがリリアンナを見てニヤッと笑った。
「い、嫌よ。平民として嫁に行くとなれば誰も敬ってくれないわ。それどころか嘲笑われてどんな目に合うかわからない。わたしはバズールと結婚するわ。お兄様、王命でバズールに命令してちょうだい」
リリアンナの発言に陛下は目を見開いた。
「バズールは他国の貴族だ。わたしが命令を下す事はできない。それにリリアンナ、本当にバズールが好きなら誰の力も借りず自分の力で彼の心を捕まえてみろ。もうすぐここに来るはずだ」
「……えっ?」
リリアンナは扉の方に目をやった。
しばらく動くこともなくリリアンナは扉の方を見つめていた。
「………バズール?」
バズールは騎士に連れられて部屋の中へと入ってきた。そして陛下の姿を見つけると驚き慌てて挨拶をした。
その様子を微動だとせずにリリアンナは見つめた。
声をかけることも出来ない、緊張のためか唇も青くなっていた。
そんなリリアンナに声をかけたのはカイだった。
「リリアンナ、お前は自分に向き合ってケジメをつけろ。それが兄だった俺からの選別だ」
「……な、何よ!偉そうに!」
「悪いが俺は地位は捨てても実力は持っているしそれなりに人望もある、お前のように見かけだけの王女じゃない、王女という名しかないお前に価値があるのか?」
バズールはカイの発言に表情を変えずに陛下へと顔を向けて、
「一言発言をしても宜しいでしょうか?」
と言った。
バズールはカイの今の発言を聞いて、リリアンナに対して思わぬことを言い出した。
「リリアンナ殿下は……王女という名に相応しい行動をされてきたと思います。市井では人々の話をよく聞く方でした。そしてその話を聞き流すことなく必要な対処も必ずされていました。どれだけの国民が救われたかわかりません。側近としてリリアンナ殿下を尊敬出来ることが多々ありました。殿下は国民に愛される方だと思います」
バズールの言葉にリリアンナは驚き瞳に涙をためた。
その話を聞いていた三人の男たちは何も答えることなく黙って聞いていた。
「…………バズール?」
「リリアンナ殿下、俺は貴女を尊敬していたしついて行きたいと思える人でした」
「だ、だったら……わたしをお嫁さんにして欲しいの。わたしは貴方を愛しているわ」
◆ ◆ ◆
今回は三人称になっています。
続きは夕方に。
いつも読んでいただきありがとうございます。
「リリアンナ、なぜ自分が悪いことをしたのにライナ嬢を責めるのか?」
陛下は頭を抱えて呆れるようにリリアンナに聞いた。
「だって……わたしはバズールが好きで何度も好きだと言って結婚も申し込んだわ。でもライナは何の努力もしないのにバズールに愛されて大事にされて狡いわ。わたしはみんなに愛されるべき者よ?
どうしてバズールはわたしを愛してくれないの?それにリーリエを連れてきて放置したかもしれないけど勝手に動いたのは彼女だわ。なぜわたしが責められ罰を受けなければいけないの?」
リリアンナの言葉に三人はさらに呆れ返ってため息をついた。
「何度も言っただろう?お前がリーリエを唆したことは調べがついている。リーリエの命令に動くように人を手配したこともわかっている」
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「そ、そうだけど……でも、それは……」
それでも言い訳をしようと試みるリリアンナに対してカイは厳しい言葉を投げかけた。
「もしバズールがお前を受け入れて嫁にもらうと言えばお前は王女として嫁にいけばいい。ただし断られればお前は王女としてではなく、俺の妹としてモリス国の辺境伯のところに嫁に行くんだ。アイツは俺の友人だ、すぐに受け入れてくれる」
カイがリリアンナを見てニヤッと笑った。
「い、嫌よ。平民として嫁に行くとなれば誰も敬ってくれないわ。それどころか嘲笑われてどんな目に合うかわからない。わたしはバズールと結婚するわ。お兄様、王命でバズールに命令してちょうだい」
リリアンナの発言に陛下は目を見開いた。
「バズールは他国の貴族だ。わたしが命令を下す事はできない。それにリリアンナ、本当にバズールが好きなら誰の力も借りず自分の力で彼の心を捕まえてみろ。もうすぐここに来るはずだ」
「……えっ?」
リリアンナは扉の方に目をやった。
しばらく動くこともなくリリアンナは扉の方を見つめていた。
「………バズール?」
バズールは騎士に連れられて部屋の中へと入ってきた。そして陛下の姿を見つけると驚き慌てて挨拶をした。
その様子を微動だとせずにリリアンナは見つめた。
声をかけることも出来ない、緊張のためか唇も青くなっていた。
そんなリリアンナに声をかけたのはカイだった。
「リリアンナ、お前は自分に向き合ってケジメをつけろ。それが兄だった俺からの選別だ」
「……な、何よ!偉そうに!」
「悪いが俺は地位は捨てても実力は持っているしそれなりに人望もある、お前のように見かけだけの王女じゃない、王女という名しかないお前に価値があるのか?」
バズールはカイの発言に表情を変えずに陛下へと顔を向けて、
「一言発言をしても宜しいでしょうか?」
と言った。
バズールはカイの今の発言を聞いて、リリアンナに対して思わぬことを言い出した。
「リリアンナ殿下は……王女という名に相応しい行動をされてきたと思います。市井では人々の話をよく聞く方でした。そしてその話を聞き流すことなく必要な対処も必ずされていました。どれだけの国民が救われたかわかりません。側近としてリリアンナ殿下を尊敬出来ることが多々ありました。殿下は国民に愛される方だと思います」
バズールの言葉にリリアンナは驚き瞳に涙をためた。
その話を聞いていた三人の男たちは何も答えることなく黙って聞いていた。
「…………バズール?」
「リリアンナ殿下、俺は貴女を尊敬していたしついて行きたいと思える人でした」
「だ、だったら……わたしをお嫁さんにして欲しいの。わたしは貴方を愛しているわ」
◆ ◆ ◆
今回は三人称になっています。
続きは夕方に。
いつも読んでいただきありがとうございます。
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