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新しい恋。
リリアンナ編②
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リーリエ嬢の独壇場は続く。
「わたし王宮に連れて行かれた時はとても嬉しかったの。お父様もお母様も居なくなって一人屋敷に置いて行かれて使用人の数も減って、食事も質素になっていったし。これから王宮でお姫様のような暮らしができると思っていたのよ」
ーーこの娘は馬鹿なの?そんなことありえるわけがないのに。
「なのにそこにいた騎士達は訳のわからない質問ばかりするの」
「訳のわからない?」
「そうよ、わたしが……
『今度一緒にお茶に行きましょう』
『結婚されていますか?』
『恋人は?婚約者は?』
『わたしのことどう思いますか?』
『わたしが付き合ってあげますよ。どこに行きたいですか?わたし最近流行りのレストラン色々知ってるので付き合ってあげますよ!』
っていろいろ言ってあげたのに、全く反応しないの!そして『ここで食事は出ません。今から貴女の、いえ、リーリエ・ミレガーの取り調べを行います』なんて失礼なことを言い出したの。
わたし何にも悪いことしていないのに!」
リーリエ嬢はぷんぷん怒って言った。
「わたしの名前を呼び捨てするなんて!失礼でしょう?ほんとに腹が立って言い返そうとしたのそしたらね、」
『貴女は今犯罪者として告訴され裁判を起こされています。そのため今から貴女の取り調べを行います。ある程度は貴女の屋敷に影が入っていて動きは把握しています。そのことに対して異論があれば言ってください。では読み上げます』
『ライナ・パシェード伯爵令嬢に対して虚偽の噂を流したこと。屋敷の使用人達にはもちろん貴族令息を使い貴族の子供達だけではなく社交界にまで噂を流し、名誉を著しく辱めた。さらに社交の場に出ることが出来ないほどの精神的苦痛を与えた』
「本当のことを言っただけなのにそんなことで訴えられるなんておかしいと思わない?そんなこと言っていたら悪口言ってる全員が捕まってしまうわ!ねぇそうでしょう?」
『パシェード商会でライナ様に対して偽物の宝石を渡されたと騒ぎを起こし、ライナ様が盗んだと犯人扱いをした事、ライナ様のことを店の中でも仕事をさぼり他のメイドを虐めていたとお客様達がいる中で大きな声で言ったそうですね?』
「本当のことを言って何が悪いのかしら?」
ーーえ?この娘、常識すらないの?
「人が話しかけても無視、だんだんと腹が立ってきたの」
思い出してイライラし始めた。
「わたしの屋敷で働いていた貧乏令嬢でしかないライナはわたしの目の前から消えて惨めに生きるのがお似合いなの。わたしはシエルからもバズール様からも愛されないといけない高貴で可愛らしい存在だったの!なのにわたしは修道院に入れられた!ライナのせいよ、あの女がわたしを不幸にしたの」
『君は自分の置かれている立場が全くわかっていないのか?君の父親は伯爵の地位を剥奪されて今は牢に入っている。君の母親も今日から犯罪者として取り調べが始まった。
あとは君の取り調べ次第で君の刑が決まる。
美味しいご馳走も綺麗なドレスも豪華な宝石も、そしてもちろん君の好きな男達もここにはない。
あるのは現実だけだ。
全てを失った元伯爵令嬢のリーリエ・ミレガー……
馬鹿げた夢はもう終わりだ』
「あの騎士の言葉は絶対忘れないわ」
わたしの目の前にいるこの娘の目は血走っていた。
わたしもバズールの気持ちを自分に向けたい、そう思っているわ。でもこんな娘と同じ土俵には立ちたくない。
そう思っていたのに………
バズールがライナとまた仲良く話をしているのを見て……
どうしても許せなかった。
「わたし王宮に連れて行かれた時はとても嬉しかったの。お父様もお母様も居なくなって一人屋敷に置いて行かれて使用人の数も減って、食事も質素になっていったし。これから王宮でお姫様のような暮らしができると思っていたのよ」
ーーこの娘は馬鹿なの?そんなことありえるわけがないのに。
「なのにそこにいた騎士達は訳のわからない質問ばかりするの」
「訳のわからない?」
「そうよ、わたしが……
『今度一緒にお茶に行きましょう』
『結婚されていますか?』
『恋人は?婚約者は?』
『わたしのことどう思いますか?』
『わたしが付き合ってあげますよ。どこに行きたいですか?わたし最近流行りのレストラン色々知ってるので付き合ってあげますよ!』
っていろいろ言ってあげたのに、全く反応しないの!そして『ここで食事は出ません。今から貴女の、いえ、リーリエ・ミレガーの取り調べを行います』なんて失礼なことを言い出したの。
わたし何にも悪いことしていないのに!」
リーリエ嬢はぷんぷん怒って言った。
「わたしの名前を呼び捨てするなんて!失礼でしょう?ほんとに腹が立って言い返そうとしたのそしたらね、」
『貴女は今犯罪者として告訴され裁判を起こされています。そのため今から貴女の取り調べを行います。ある程度は貴女の屋敷に影が入っていて動きは把握しています。そのことに対して異論があれば言ってください。では読み上げます』
『ライナ・パシェード伯爵令嬢に対して虚偽の噂を流したこと。屋敷の使用人達にはもちろん貴族令息を使い貴族の子供達だけではなく社交界にまで噂を流し、名誉を著しく辱めた。さらに社交の場に出ることが出来ないほどの精神的苦痛を与えた』
「本当のことを言っただけなのにそんなことで訴えられるなんておかしいと思わない?そんなこと言っていたら悪口言ってる全員が捕まってしまうわ!ねぇそうでしょう?」
『パシェード商会でライナ様に対して偽物の宝石を渡されたと騒ぎを起こし、ライナ様が盗んだと犯人扱いをした事、ライナ様のことを店の中でも仕事をさぼり他のメイドを虐めていたとお客様達がいる中で大きな声で言ったそうですね?』
「本当のことを言って何が悪いのかしら?」
ーーえ?この娘、常識すらないの?
「人が話しかけても無視、だんだんと腹が立ってきたの」
思い出してイライラし始めた。
「わたしの屋敷で働いていた貧乏令嬢でしかないライナはわたしの目の前から消えて惨めに生きるのがお似合いなの。わたしはシエルからもバズール様からも愛されないといけない高貴で可愛らしい存在だったの!なのにわたしは修道院に入れられた!ライナのせいよ、あの女がわたしを不幸にしたの」
『君は自分の置かれている立場が全くわかっていないのか?君の父親は伯爵の地位を剥奪されて今は牢に入っている。君の母親も今日から犯罪者として取り調べが始まった。
あとは君の取り調べ次第で君の刑が決まる。
美味しいご馳走も綺麗なドレスも豪華な宝石も、そしてもちろん君の好きな男達もここにはない。
あるのは現実だけだ。
全てを失った元伯爵令嬢のリーリエ・ミレガー……
馬鹿げた夢はもう終わりだ』
「あの騎士の言葉は絶対忘れないわ」
わたしの目の前にいるこの娘の目は血走っていた。
わたしもバズールの気持ちを自分に向けたい、そう思っているわ。でもこんな娘と同じ土俵には立ちたくない。
そう思っていたのに………
バズールがライナとまた仲良く話をしているのを見て……
どうしても許せなかった。
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