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お花畑のリーリエ様③
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なんで?なんでなの?
せっかくライナとシエルのデートを邪魔したのに……楽しく買い物をしてたのに!
劇を見てお買い物に行った先でライナに出会った。
それも何故?
わたしのバズール様と仲良く二人でいるの?
せっかくシエルを奪ったのに!
「……あ……お嬢様、こんにちわ」
ライナは慌てて頭を下げて挨拶をしてきたわ。
隣にいたバズール様はわたしのことを見ようともしないのよ。
酷いわ!
「あら?ライナ、今日はデートなの?」
だからわざと彼女に言ったら、
「彼はフェルドナー伯爵の嫡男のバズールと申します、わたしの従兄弟なんです。今日はドレスを取りにきたので付き合ってもらっています」
ーーふうん、従兄弟……
なんで制服姿じゃない可愛いドレスを着たわたしの可愛らしい姿を見ないの!
だからバズール様に聞こえるように言ってやったの。
「バズール様って言ったら3年生の?成績が優秀で生徒会長をされていますよね?お会いしてみたかったの。今度学校でご一緒にランチしませんか?」
笑顔で彼に甘えるように声をかけた。
何度も声をかけたのに今まで無視されていたんだもの。ライナの前ではそんなこと知られたくないわ。
シエルはそんなわたしの姿を優しく見守ってくれたわ、ライナではなくわたしを!!
「俺が君と?何故?」
「え?」
ーーバズール様ったら酷い!
「だってせっかく知り合いになったのですもの、だからランチくらい一緒に食べて差し上げたいの」
ーー何度も断るなんて……わたしの気持ちを知っているでしょう?どうしてそんなことを言うの?
「いや結構です、知り合いっていま初めて顔を知って挨拶しただけだよね?知り合いでも友達でもないからね」
「……そんな酷いわ」
目に涙をためて潤んだ瞳でバズール様を見つめた。
ここで、彼にふんわりと頬を赤らめようとしたら……
「酷い?別におかしなことは言っていないよ。ライナ行くよ、君のために予約をとっている『マルシェ』の時間が間に合わなくなるよ。さっさとドレスをもらって行こう」
バズール様はわたしから離れてライナの肩を抱き寄せて店の中へと入っていった。
「マルシェ?あのなかなか予約が取れないお店?え?狡い」
ーーどうして?わたしの可憐な可愛らしい姿に見惚れることもなく優しくしてもくれない。
なのにライナには優しく話しかけてる!
悔しい、悔しい!なんで!なんでなの!
シエルと二人になってわたしは涙をためて
「くすん、リーリエはバズール様と仲良くしたかっただけなのに……シエルはそばにいてくれるでしょう?」
シエルに甘えるように彼にそっとしなだれかかった。
「リーリエ様……落ち込まないでください」
わたしの背中に手をおいて優しくそっと背中を撫でてくれた。
ーーふふ、シエルはわたしのものね。
そっと彼を見るように顔を上げて彼の顔に近づけた。
ーーキスしてくれるかしら?
ーーわたしを熱い眼差しで見てくれているかしら?
ーーふふ、このままホテルに行こうかしら?
なのにシエルの顔はわたしではなく中に入って行った二人の方へと向いていたの。
ーーなんなの!シエルもバズール様も!
可憐で可愛らしいわたしを見なさいよ!
なんでライナなの!
たかが男爵令嬢でしょう?
バズール様は伯爵様になるのよ!それもとても優秀で王太子殿下の側近候補。
彼こそ可愛らしいわたしには相応しいのよ!
そしてシエル達はわたしの護衛騎士。
常にそばにおいてわたしの身も心も彼らに満足させてもらうの、一人にしか愛されないなんてイヤなの!
たくさんの男の人に愛されたいの。
みんなに可愛いとか愛してると言って欲しい。
なのに、なのに、ライナは邪魔だわ。あの女排除しなくっちゃ!
わたしの明るい未来のために邪魔ものは全て排除してしまうの。
それに『マルシェ』に行くなんて……簡単に予約が取れないのにどうやって予約を取ったのかしら?それに…どうしてライナを連れていくの?
ずるい、狡い、ズルい!
◆ ◆ ◆
本日は17時に少しだけ追加で更新する予定です。
リーリエ編。書くと楽しくて……
せっかくライナとシエルのデートを邪魔したのに……楽しく買い物をしてたのに!
劇を見てお買い物に行った先でライナに出会った。
それも何故?
わたしのバズール様と仲良く二人でいるの?
せっかくシエルを奪ったのに!
「……あ……お嬢様、こんにちわ」
ライナは慌てて頭を下げて挨拶をしてきたわ。
隣にいたバズール様はわたしのことを見ようともしないのよ。
酷いわ!
「あら?ライナ、今日はデートなの?」
だからわざと彼女に言ったら、
「彼はフェルドナー伯爵の嫡男のバズールと申します、わたしの従兄弟なんです。今日はドレスを取りにきたので付き合ってもらっています」
ーーふうん、従兄弟……
なんで制服姿じゃない可愛いドレスを着たわたしの可愛らしい姿を見ないの!
だからバズール様に聞こえるように言ってやったの。
「バズール様って言ったら3年生の?成績が優秀で生徒会長をされていますよね?お会いしてみたかったの。今度学校でご一緒にランチしませんか?」
笑顔で彼に甘えるように声をかけた。
何度も声をかけたのに今まで無視されていたんだもの。ライナの前ではそんなこと知られたくないわ。
シエルはそんなわたしの姿を優しく見守ってくれたわ、ライナではなくわたしを!!
「俺が君と?何故?」
「え?」
ーーバズール様ったら酷い!
「だってせっかく知り合いになったのですもの、だからランチくらい一緒に食べて差し上げたいの」
ーー何度も断るなんて……わたしの気持ちを知っているでしょう?どうしてそんなことを言うの?
「いや結構です、知り合いっていま初めて顔を知って挨拶しただけだよね?知り合いでも友達でもないからね」
「……そんな酷いわ」
目に涙をためて潤んだ瞳でバズール様を見つめた。
ここで、彼にふんわりと頬を赤らめようとしたら……
「酷い?別におかしなことは言っていないよ。ライナ行くよ、君のために予約をとっている『マルシェ』の時間が間に合わなくなるよ。さっさとドレスをもらって行こう」
バズール様はわたしから離れてライナの肩を抱き寄せて店の中へと入っていった。
「マルシェ?あのなかなか予約が取れないお店?え?狡い」
ーーどうして?わたしの可憐な可愛らしい姿に見惚れることもなく優しくしてもくれない。
なのにライナには優しく話しかけてる!
悔しい、悔しい!なんで!なんでなの!
シエルと二人になってわたしは涙をためて
「くすん、リーリエはバズール様と仲良くしたかっただけなのに……シエルはそばにいてくれるでしょう?」
シエルに甘えるように彼にそっとしなだれかかった。
「リーリエ様……落ち込まないでください」
わたしの背中に手をおいて優しくそっと背中を撫でてくれた。
ーーふふ、シエルはわたしのものね。
そっと彼を見るように顔を上げて彼の顔に近づけた。
ーーキスしてくれるかしら?
ーーわたしを熱い眼差しで見てくれているかしら?
ーーふふ、このままホテルに行こうかしら?
なのにシエルの顔はわたしではなく中に入って行った二人の方へと向いていたの。
ーーなんなの!シエルもバズール様も!
可憐で可愛らしいわたしを見なさいよ!
なんでライナなの!
たかが男爵令嬢でしょう?
バズール様は伯爵様になるのよ!それもとても優秀で王太子殿下の側近候補。
彼こそ可愛らしいわたしには相応しいのよ!
そしてシエル達はわたしの護衛騎士。
常にそばにおいてわたしの身も心も彼らに満足させてもらうの、一人にしか愛されないなんてイヤなの!
たくさんの男の人に愛されたいの。
みんなに可愛いとか愛してると言って欲しい。
なのに、なのに、ライナは邪魔だわ。あの女排除しなくっちゃ!
わたしの明るい未来のために邪魔ものは全て排除してしまうの。
それに『マルシェ』に行くなんて……簡単に予約が取れないのにどうやって予約を取ったのかしら?それに…どうしてライナを連れていくの?
ずるい、狡い、ズルい!
◆ ◆ ◆
本日は17時に少しだけ追加で更新する予定です。
リーリエ編。書くと楽しくて……
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