28 / 109
お花畑のリーリエ様①
しおりを挟む
今日のわたしのドレス似合ってるかしら?
鏡の前でポーズをとる。
「お嬢様とてもお綺麗です」
わたし専用のメイド達が凄い勢いで褒めてくれる。
「うふふ、ありがとう。では今日はこの服でお出かけするわ!」
お休みの日はお母様と街へお買い物が日課なの。
大好きなお洋服や宝石、可愛い小物や珍しい物。お強請りすればなんでも買ってくれる優しいお父様とお母様。
子供の頃は体が弱くてよく寝込んでいたせいか今もちょっとキツそうにしていれば「大丈夫?」と心配して学校もすぐに休ませてくれる。
おかげで嫌なテストはほぼ受けなくても進級させてもらえるの。
医師の診断書があれば追試もないし、学校なんてとりあえず卒業さえ出来ればあとは可愛いお嫁さんになるだけだもの。
まだ今は相手を選び中。
でもね、女子って意地悪なの。
宿題や提出物を忘れて他の子にしてもらっただけなのに
「自分でしないですぐに人に頼るなんてよくないと思うわ」
なんて意地悪を言うの。
わたしが可愛いからって目の敵にするのよ?酷いと思わない?
「忘れてしまったわ、どうしよう」って言って困った顔をしたら周りの男子が「僕がしてあげるよ」「困ってるの?」と言ってくれるからお願いしただけなのに、まるでわたしがさせているみたいに言うの。
ちょっと昼休み男子とお話ししただけなのに……
「彼には婚約者がいらっしゃるのよ?どう言うつもりであんなに親しげになさるの?」なんて怖いことを言ってくる人もいるの。
わたしはただ「貴方とお話ししてみたかったの」
「優しいのね」「体調が悪いの」って言ったら、みんなわたしのそばにいてくれるだけなのに。
ちょっと肩に触れて微笑んだり、ちょっと上目遣いでうるうるさせて話すだけでみんなわたしに優しくしてくれるだけなのに。
「リーリエ様は儚げで可愛らしい」と言ってくれる優しい男子。
みんな本当のことしか言わないの。ふふ、嬉しいわ。
「リーリエ、とっても嬉しいわ」そう言って微笑むだけでもみんな優しくしてくれるの。
わたしの世界はいつも優しい人たちで溢れているの。
意地悪な女子のことを
「あの子がわたしに意地悪をするの」と男子に話せばわたしに近寄らないようにしてくれる。
一度チラッと様子を見たらいつもわたしを大切にしてくれる男子が
「君はリーリエ様に意地悪ばかりして見損なったよ」と言っているのを聞いたわ。
その子は真っ青な顔をして震えていたから助けてあげたの。
「リーリエはずっと意地悪をされたけど許してあげたいの。お願いだから責めないであげて。ね、もうわたしに意地悪なこと言わないでしょう?」
そう言って首を傾げるとその子は悔しそうな顔をしたけど何も言わずに走り去った。
「リーリエ様は優しいんだね、僕の婚約者はどうしてあんなに意地悪なことをするんだろう?」
そう言って悩んでいたから
「貴方の優しさがわからないのかも……リーリエが困っているから助けてくれただけなのに……」
と目をうるうるさせて彼を見つめると
「君が困っていたらいつでも助けてあげるよ」
と言ってくれたの。
わたしの周りの男子はみんな優しい素敵な人達。
嬉しそうに微笑めばずっとわたしを守ってくれるの。
なのになのに、バズール様はわたしを見てくれないの。
「一緒にランチを食べたいわ」と言ったら
「なぜ君と食べないといけないの?」と断られた。
「貴方とお話ししてみたいわ」と微笑んだら
「僕は忙しいんだけど」と言ってさっさとどこか行ってしまうの。
「どうしてバズール様はわたしに冷たいのかしら?」
涙をためて男子に聞いたら
「バズール様は生徒会長でいつも忙しいお方だから」
「あいつは成績も優秀で今度留学するために勉強も頑張っているからね」
「……彼には流石に何も言えないよ」
と誰もリーリエの気持ちをわかってくれないの。
わたしはバズール様と仲良くなりたいだけなのに。
なのにみんなバズール様のことで悩んでも助けてくれないの。
いつものみんななら
「僕が話をつけてくるよ」とか「リーリエ様のためなら」と言ってくれるのに。
何故バズール様のことになるとわたしの見方をしてくれないの?
そんなわたしの姿を見て女子がクスッと笑ったの。
「わ、わたし、どうして笑われないといけないの?わたしはバズール様とお話ししてみたいだけなのに……」
男子の前で泣いていると、
「リーリエ様……バズールだけは諦めて……彼は伯爵家の嫡男で生徒会長…さらに王太子殿下の側近候補でもあるんだ。俺たちがとやかく言える相手ではない。睨まれたらこの社交界で生きていけなくなるよ」
「ああ、彼だけは怒らせたくないからね」
ーーわからないわ、あんなにカッコよくて優しい笑顔の彼なのに……どうして男子はみんな怖がるのかしら?
わたしのものにならないと、もっと欲しくなっちゃうの。どうにかしてわたしのものにしたいの。
涙うるうる作戦がダメなら……次は何をしようかしら?
鏡の前でポーズをとる。
「お嬢様とてもお綺麗です」
わたし専用のメイド達が凄い勢いで褒めてくれる。
「うふふ、ありがとう。では今日はこの服でお出かけするわ!」
お休みの日はお母様と街へお買い物が日課なの。
大好きなお洋服や宝石、可愛い小物や珍しい物。お強請りすればなんでも買ってくれる優しいお父様とお母様。
子供の頃は体が弱くてよく寝込んでいたせいか今もちょっとキツそうにしていれば「大丈夫?」と心配して学校もすぐに休ませてくれる。
おかげで嫌なテストはほぼ受けなくても進級させてもらえるの。
医師の診断書があれば追試もないし、学校なんてとりあえず卒業さえ出来ればあとは可愛いお嫁さんになるだけだもの。
まだ今は相手を選び中。
でもね、女子って意地悪なの。
宿題や提出物を忘れて他の子にしてもらっただけなのに
「自分でしないですぐに人に頼るなんてよくないと思うわ」
なんて意地悪を言うの。
わたしが可愛いからって目の敵にするのよ?酷いと思わない?
「忘れてしまったわ、どうしよう」って言って困った顔をしたら周りの男子が「僕がしてあげるよ」「困ってるの?」と言ってくれるからお願いしただけなのに、まるでわたしがさせているみたいに言うの。
ちょっと昼休み男子とお話ししただけなのに……
「彼には婚約者がいらっしゃるのよ?どう言うつもりであんなに親しげになさるの?」なんて怖いことを言ってくる人もいるの。
わたしはただ「貴方とお話ししてみたかったの」
「優しいのね」「体調が悪いの」って言ったら、みんなわたしのそばにいてくれるだけなのに。
ちょっと肩に触れて微笑んだり、ちょっと上目遣いでうるうるさせて話すだけでみんなわたしに優しくしてくれるだけなのに。
「リーリエ様は儚げで可愛らしい」と言ってくれる優しい男子。
みんな本当のことしか言わないの。ふふ、嬉しいわ。
「リーリエ、とっても嬉しいわ」そう言って微笑むだけでもみんな優しくしてくれるの。
わたしの世界はいつも優しい人たちで溢れているの。
意地悪な女子のことを
「あの子がわたしに意地悪をするの」と男子に話せばわたしに近寄らないようにしてくれる。
一度チラッと様子を見たらいつもわたしを大切にしてくれる男子が
「君はリーリエ様に意地悪ばかりして見損なったよ」と言っているのを聞いたわ。
その子は真っ青な顔をして震えていたから助けてあげたの。
「リーリエはずっと意地悪をされたけど許してあげたいの。お願いだから責めないであげて。ね、もうわたしに意地悪なこと言わないでしょう?」
そう言って首を傾げるとその子は悔しそうな顔をしたけど何も言わずに走り去った。
「リーリエ様は優しいんだね、僕の婚約者はどうしてあんなに意地悪なことをするんだろう?」
そう言って悩んでいたから
「貴方の優しさがわからないのかも……リーリエが困っているから助けてくれただけなのに……」
と目をうるうるさせて彼を見つめると
「君が困っていたらいつでも助けてあげるよ」
と言ってくれたの。
わたしの周りの男子はみんな優しい素敵な人達。
嬉しそうに微笑めばずっとわたしを守ってくれるの。
なのになのに、バズール様はわたしを見てくれないの。
「一緒にランチを食べたいわ」と言ったら
「なぜ君と食べないといけないの?」と断られた。
「貴方とお話ししてみたいわ」と微笑んだら
「僕は忙しいんだけど」と言ってさっさとどこか行ってしまうの。
「どうしてバズール様はわたしに冷たいのかしら?」
涙をためて男子に聞いたら
「バズール様は生徒会長でいつも忙しいお方だから」
「あいつは成績も優秀で今度留学するために勉強も頑張っているからね」
「……彼には流石に何も言えないよ」
と誰もリーリエの気持ちをわかってくれないの。
わたしはバズール様と仲良くなりたいだけなのに。
なのにみんなバズール様のことで悩んでも助けてくれないの。
いつものみんななら
「僕が話をつけてくるよ」とか「リーリエ様のためなら」と言ってくれるのに。
何故バズール様のことになるとわたしの見方をしてくれないの?
そんなわたしの姿を見て女子がクスッと笑ったの。
「わ、わたし、どうして笑われないといけないの?わたしはバズール様とお話ししてみたいだけなのに……」
男子の前で泣いていると、
「リーリエ様……バズールだけは諦めて……彼は伯爵家の嫡男で生徒会長…さらに王太子殿下の側近候補でもあるんだ。俺たちがとやかく言える相手ではない。睨まれたらこの社交界で生きていけなくなるよ」
「ああ、彼だけは怒らせたくないからね」
ーーわからないわ、あんなにカッコよくて優しい笑顔の彼なのに……どうして男子はみんな怖がるのかしら?
わたしのものにならないと、もっと欲しくなっちゃうの。どうにかしてわたしのものにしたいの。
涙うるうる作戦がダメなら……次は何をしようかしら?
223
お気に入りに追加
8,435
あなたにおすすめの小説




【完結】ずっと、ずっとあなたを愛していました 〜後悔も、懺悔も今更いりません〜
高瀬船
恋愛
リスティアナ・メイブルムには二歳年上の婚約者が居る。
婚約者は、国の王太子で穏やかで優しく、婚約は王命ではあったが仲睦まじく関係を築けていた。
それなのに、突然ある日婚約者である王太子からは土下座をされ、婚約を解消して欲しいと願われる。
何故、そんな事に。
優しく微笑むその笑顔を向ける先は確かに自分に向けられていたのに。
婚約者として確かに大切にされていたのに何故こうなってしまったのか。
リスティアナの思いとは裏腹に、ある時期からリスティアナに悪い噂が立ち始める。
悪い噂が立つ事など何もしていないのにも関わらず、リスティアナは次第に学園で、夜会で、孤立していく。
大好きなあなたを忘れる方法
山田ランチ
恋愛
あらすじ
王子と婚約関係にある侯爵令嬢のメリベルは、訳あってずっと秘密の婚約者のままにされていた。学園へ入学してすぐ、メリベルの魔廻が(魔術を使う為の魔素を貯めておく器官)が限界を向かえようとしている事に気が付いた大魔術師は、魔廻を小さくする事を提案する。その方法は、魔素が好むという悲しい記憶を失くしていくものだった。悲しい記憶を引っ張り出しては消していくという日々を過ごすうち、徐々に王子との記憶を失くしていくメリベル。そんな中、魔廻を奪う謎の者達に大魔術師とメリベルが襲われてしまう。
魔廻を奪おうとする者達は何者なのか。王子との婚約が隠されている訳と、重大な秘密を抱える大魔術師の正体が、メリベルの記憶に導かれ、やがて世界の始まりへと繋がっていく。
登場人物
・メリベル・アークトュラス 17歳、アークトゥラス侯爵の一人娘。ジャスパーの婚約者。
・ジャスパー・オリオン 17歳、第一王子。メリベルの婚約者。
・イーライ 学園の園芸員。
クレイシー・クレリック 17歳、クレリック侯爵の一人娘。
・リーヴァイ・ブルーマー 18歳、ブルーマー子爵家の嫡男でジャスパーの側近。
・アイザック・スチュアート 17歳、スチュアート侯爵の嫡男でジャスパーの側近。
・ノア・ワード 18歳、ワード騎士団長の息子でジャスパーの従騎士。
・シア・ガイザー 17歳、ガイザー男爵の娘でメリベルの友人。
・マイロ 17歳、メリベルの友人。
魔素→世界に漂っている物質。触れれば精神を侵され、生き物は主に凶暴化し魔獣となる。
魔廻→体内にある魔廻(まかい)と呼ばれる器官、魔素を取り込み貯める事が出来る。魔術師はこの器官がある事が必須。
ソル神とルナ神→太陽と月の男女神が魔素で満ちた混沌の大地に現れ、世界を二つに分けて浄化した。ソル神は昼間を、ルナ神は夜を受け持った。
【完結】365日後の花言葉
Ringo
恋愛
許せなかった。
幼い頃からの婚約者でもあり、誰よりも大好きで愛していたあなただからこそ。
あなたの裏切りを知った翌朝、私の元に届いたのはゼラニウムの花束。
“ごめんなさい”
言い訳もせず、拒絶し続ける私の元に通い続けるあなたの愛情を、私はもう一度信じてもいいの?
※勢いよく本編完結しまして、番外編ではイチャイチャするふたりのその後をお届けします。

立派な王太子妃~妃の幸せは誰が考えるのか~
矢野りと
恋愛
ある日王太子妃は夫である王太子の不貞の現場を目撃してしまう。愛している夫の裏切りに傷つきながらも、やり直したいと周りに助言を求めるが‥‥。
隠れて不貞を続ける夫を見続けていくうちに壊れていく妻。
周りが気づいた時は何もかも手遅れだった…。
※設定はゆるいです。

〖完結〗幼馴染みの王女様の方が大切な婚約者は要らない。愛してる? もう興味ありません。
藍川みいな
恋愛
婚約者のカイン様は、婚約者の私よりも幼馴染みのクリスティ王女殿下ばかりを優先する。
何度も約束を破られ、彼と過ごせる時間は全くなかった。約束を破る理由はいつだって、「クリスティが……」だ。
同じ学園に通っているのに、私はまるで他人のよう。毎日毎日、二人の仲のいい姿を見せられ、苦しんでいることさえ彼は気付かない。
もうやめる。
カイン様との婚約は解消する。
でもなぜか、別れを告げたのに彼が付きまとってくる。
愛してる? 私はもう、あなたに興味はありません!
設定ゆるゆるの、架空の世界のお話です。
沢山の感想ありがとうございます。返信出来ず、申し訳ありません。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる