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じゅうさん。
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セルジオ様の言葉に呆れながらどう答えようか悩んでいた。
ーーーうん、断ろう。
「断ろうと思っているだろう?」
ーーー顔に出てる?
「当たり前ですが?」
「君はこの夜会に参加した理由はわかってる?」
「社交界デビューですが?」
「ハァー、それだけではないだろう。君達の婚約者を選ぶためのものでもあるだろう?最近は早くから婚約者選びはしない、このデビューした日から婚約者選びが始まるんだ。田舎にいた君だって分かっているだろう?」
「………まぁ…だけどわたしは婚約なんてするつもりはないし、大体王都にずっといるつもりはないもの」
「好きな人でもいるの?」
「はい⁈」
「好きな人がいるから婚約しないつもり?」
「いえ、わたしは王都に住みたいと思っていません。できれば田舎でのんびりと暮らしたいと思っています」
「………そうか、だったら都合がいい。僕と婚約しよう」
「いやいや話を聞いていますか?わたしは田舎に帰りたいのですよ?」
「僕は君を好きではない。だけど君と婚約をしたい。理由は、僕は煩わしい婚約者選びをさっさと終わらせたいからなんだ」
「それなら他のご令嬢をお選びになられたらいいのでは?あ、わたしとオリヴィアを除いてもらえるとありがたいです」
オリヴィアには愛する人と婚約して欲しいもの。
「君だからいいんだ?」
「えっ?やっぱりわたしを好き?」
「違うから!君は……本当はご両親との仲が悪いのは知っている。
幼馴染だからね、見ていたらわかるよ。早くあの人たちから抜け出して自由になりたいんだろう?それなら僕はちょうどいいと思わない?
宰相の息子で侯爵家の嫡男、頭もいいし顔もまぁそれなりに。
こんな好条件の男は殿下達以外いないと思わない?婚約してしまえば煩わしいことも言われないし、僕ならご両親も納得してくれると思う。それに僕も君ならうちの両親は何も言わず承諾してくれると思うんだ」
「はあ?何それ?」
思わず口調が……やばい!
「貴方の言い分はなんとなくわかりました。ですがそんなことで婚約して結婚になると貴方はわたしを娶らなければいけなくなるのですよ?」
ーーーそんな簡単に決めていいの?
呆れながら聞いた。
「別に結婚までは考えていない。婚約さえしていればしばらくお互い煩わしいことはないだろう?君が領地に戻りたければその時は婚約解消をするよ」
「……それならわたし以外がいいのでは?」
「このままだと君、オスカー殿下の婚約者にさせられるよ?」
「えっ?」
ーーー流石にそれは嫌だわ。
学校に行き出して噂は聞いている。
恋多き男。来るもの拒まずらしいと。
何度となく学校で見たオスカー殿下はいつもたくさんの女の子達といた。もちろんその周りにはセルジオ様達数人の側近もいたけど、側近の人たちは女の子達と距離を置いていた。
だけど殿下はいつもにこにこしてたくさんの女の子達と楽しく過ごしていた。
そして今のお気に入りはアイリ様らしい。
そんなオスカー殿下の婚約者にさせられる?
「その話は本当ですか?わたしの耳には入ってきていないのですが?」
「それはそうだろうね。僕が最近父上から聞いた話だから」
「そんな大事な話をわたしにしてもいいのですか?」
「君はこのことを誰かに言う性格ではない。そしてどんなに嫌がっても君の両親なら無理やり婚約させてしまうだろう。だけど僕と君が愛し合っているから婚約したいと言えば断ることはないだろう」
「地位と恋愛が見合うから?」
「そうだ。最近の流れは恋愛を重視する傾向がある。無理やりはさせない。ただし相手がいなければ親が決めてしまう。君には相手がいないんだろう?」
ーーーぐっ。
そうだけど………だけど……
「………考えさせてください」
「時間はあまりないよ。多分大人達の動きは早いからね」
彼の言葉に頷いた。
だけど、どうしてこんな場所で話をしたのだろう?ここは王族が使う特別室。
わたしが思わず部屋をキョロキョロしたのを見てセルジオ様がクスッと笑った。
「オスカー殿下がここを使うように言われたんだ」
「じゃあオスカー殿下もこの話はご存知なのですか?」
「うん、オスカー殿下からも勧められたんだ」
ーーー殿下が?そうなんだ。彼もわたしと婚約したくはないのね。
別に殿下を好きではないのでそれはいいのだけど、自分が知らないところで話が出ていることにとても不愉快に感じた。
「わかりました。早めに返事はさせてもらいます」
ーーーうん、断ろう。
「断ろうと思っているだろう?」
ーーー顔に出てる?
「当たり前ですが?」
「君はこの夜会に参加した理由はわかってる?」
「社交界デビューですが?」
「ハァー、それだけではないだろう。君達の婚約者を選ぶためのものでもあるだろう?最近は早くから婚約者選びはしない、このデビューした日から婚約者選びが始まるんだ。田舎にいた君だって分かっているだろう?」
「………まぁ…だけどわたしは婚約なんてするつもりはないし、大体王都にずっといるつもりはないもの」
「好きな人でもいるの?」
「はい⁈」
「好きな人がいるから婚約しないつもり?」
「いえ、わたしは王都に住みたいと思っていません。できれば田舎でのんびりと暮らしたいと思っています」
「………そうか、だったら都合がいい。僕と婚約しよう」
「いやいや話を聞いていますか?わたしは田舎に帰りたいのですよ?」
「僕は君を好きではない。だけど君と婚約をしたい。理由は、僕は煩わしい婚約者選びをさっさと終わらせたいからなんだ」
「それなら他のご令嬢をお選びになられたらいいのでは?あ、わたしとオリヴィアを除いてもらえるとありがたいです」
オリヴィアには愛する人と婚約して欲しいもの。
「君だからいいんだ?」
「えっ?やっぱりわたしを好き?」
「違うから!君は……本当はご両親との仲が悪いのは知っている。
幼馴染だからね、見ていたらわかるよ。早くあの人たちから抜け出して自由になりたいんだろう?それなら僕はちょうどいいと思わない?
宰相の息子で侯爵家の嫡男、頭もいいし顔もまぁそれなりに。
こんな好条件の男は殿下達以外いないと思わない?婚約してしまえば煩わしいことも言われないし、僕ならご両親も納得してくれると思う。それに僕も君ならうちの両親は何も言わず承諾してくれると思うんだ」
「はあ?何それ?」
思わず口調が……やばい!
「貴方の言い分はなんとなくわかりました。ですがそんなことで婚約して結婚になると貴方はわたしを娶らなければいけなくなるのですよ?」
ーーーそんな簡単に決めていいの?
呆れながら聞いた。
「別に結婚までは考えていない。婚約さえしていればしばらくお互い煩わしいことはないだろう?君が領地に戻りたければその時は婚約解消をするよ」
「……それならわたし以外がいいのでは?」
「このままだと君、オスカー殿下の婚約者にさせられるよ?」
「えっ?」
ーーー流石にそれは嫌だわ。
学校に行き出して噂は聞いている。
恋多き男。来るもの拒まずらしいと。
何度となく学校で見たオスカー殿下はいつもたくさんの女の子達といた。もちろんその周りにはセルジオ様達数人の側近もいたけど、側近の人たちは女の子達と距離を置いていた。
だけど殿下はいつもにこにこしてたくさんの女の子達と楽しく過ごしていた。
そして今のお気に入りはアイリ様らしい。
そんなオスカー殿下の婚約者にさせられる?
「その話は本当ですか?わたしの耳には入ってきていないのですが?」
「それはそうだろうね。僕が最近父上から聞いた話だから」
「そんな大事な話をわたしにしてもいいのですか?」
「君はこのことを誰かに言う性格ではない。そしてどんなに嫌がっても君の両親なら無理やり婚約させてしまうだろう。だけど僕と君が愛し合っているから婚約したいと言えば断ることはないだろう」
「地位と恋愛が見合うから?」
「そうだ。最近の流れは恋愛を重視する傾向がある。無理やりはさせない。ただし相手がいなければ親が決めてしまう。君には相手がいないんだろう?」
ーーーぐっ。
そうだけど………だけど……
「………考えさせてください」
「時間はあまりないよ。多分大人達の動きは早いからね」
彼の言葉に頷いた。
だけど、どうしてこんな場所で話をしたのだろう?ここは王族が使う特別室。
わたしが思わず部屋をキョロキョロしたのを見てセルジオ様がクスッと笑った。
「オスカー殿下がここを使うように言われたんだ」
「じゃあオスカー殿下もこの話はご存知なのですか?」
「うん、オスカー殿下からも勧められたんだ」
ーーー殿下が?そうなんだ。彼もわたしと婚約したくはないのね。
別に殿下を好きではないのでそれはいいのだけど、自分が知らないところで話が出ていることにとても不愉快に感じた。
「わかりました。早めに返事はさせてもらいます」
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