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ダイアナとジャスティア②
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キース様との食事は恥ずかしさと嬉しさで、せっかくのご馳走の味がわからない。
今までは彼の優しさは感じていても月に一回会ってお茶をして少し話すだけの関係だった。
それがいつの間にか彼の実家の屋敷に住み、もうすぐ結婚をする。
あと少しで別邸の改装工事も終わる。
二人で暮らし始めるため、家具を選んだり使用人の面接をしたり忙しく過ごしている。
キース様は侯爵家の次男。アシュア様の実家の侯爵家が持っている子爵の名を譲り受けることになった。
少しの領地と近衛騎士の収入で暮らすことになる。
もともとわたしはお父様から離れて平民になるか女官として働きたいと思っていた。だから贅沢な暮らしは出来るだけしてこなかった。
「ダイアナ、来月には改装も終わる。式まであと3ヶ月あるが向こうに移り住もうと思う」
「………はい。使用人は必要な数だけに抑えようと思っています」
「俺はそれなりの収入はある。君に公爵家ほどの贅沢はさせられないかもしれないが不自由な思いはさせたくない」
「キース様?わたしが公爵家でどんな生活をしていたのかご存知でしょう?確かに金銭的には不自由はしていませんでした。でも何も求めなければあそこでは何ももらえない場所でした。服も宝石も愛も、あそこでもらっていたのは生きるために必要なものだけ」
「ダイアナ……君は虐げられていたのか?公爵は愛情をかけなくても君に不自由な生活はさせていないように見えたが?」
「わたしの居場所あそこにはどこにもありませんでした。何も与えてもらうことはありません。もちろん執事に頼めば必要なものは揃えてくれました。
でもあの人から施されるのは嫌だったのです。どうしても必要なもの以外お願いはしませんでした。高価なもので必要な物は母方のお祖父様に頼んで誕生日などのお祝いの時に買ってもらっていました。あとは………母の使っていたものを売ってお金にしていました」
「売って?すまない……そんな辛い生活をしていたとは…」
「ふふ、初めて人に話しました。お父様がわたしを冷遇していたのは社交界ではみなさんご存知だったと思います。でもひどい生活をしていたとまでは思われてはいなかった。もちろんそんな姿を見せたことはありませんけど」そう言って笑ってみせた。
「俺は君をずっと見守っているつもりでいた。王妃のところに初めて来た時の君はいつもビクビクして常に周りの人と距離を置いていた。王妃が君の心を少しずつとかして、ヴァレン王子やセリーヌ王女が君に懐いてやっと君は笑顔を見せるようになっていった。
幼い頃いつもニコニコ笑顔を見せていた君が周り全てが敵のように見ているのを知った時は驚いた」
「あの頃のわたしは冷遇されてもうどうでもいいやって思ってたから。王妃様や殿下達の優しさに触れなかったら人としてまともな感情が失くなっていたかもしれません。王妃様のおかげです」
「君はジャスティア様には酷い目にあっていただろう?」
「あんなの全然。実家の屋敷にいる時みたいに無いものとして無視されるより、どんな言葉でも投げかけてくださるジャスティア様の方がよっぽど良かったんです」
「そんなもの?」キース様が苦笑いしているのがわかった。
食事の後のデザートにチョコレートをたっぷり使ったケーキにフォークを入れながら言った。
「人の言葉は凶器にもなります。だけど何も言われない、存在すら無視される方がもっと傷つけられるものなのですよ?」
あの頃のことを思い出しながら言うと、目の中が熱くなってきた。ここで涙ぐむと辛かったと認めてしまうことになる。唇を噛みしめた。
「ダイアナ、だめだ。唇を怪我してしまう」
「…あっ」キース様の言葉に我に返った。口の中に血が流れて来た。
◇ ◇ ◇
久しぶりの街は楽しかった。
最近は好きな買い物はさせて貰えない。
お義母様の実家の預かりとなったわたしに自由に使えるお金なんてない。
今日はわたしが身につけている宝石を換金した。
たくさんの宝石は全て侯爵家預かりになっている。それでも普段身につける宝石くらいはある。
普段用でも換金すれば、お店の人が驚くほどの金額になった。
「お、お待ちください。急いでお金をかき集めて来ます」そう言って店主が持って来たのは金貨100枚。
若い文官の一年分の給金くらいにはなるらしい。
「重たいからこれ持ってて!」
護衛騎士二人にお金を持ってもらい、街の中をぶらぶらと歩いた。
可愛い小物や洋服、アクセサリーのお店、時計屋さんに帽子屋さん、お店の中に入ってはほしいものを買った。
「あとで届けてちょうだい」
「あー、楽しい。やっぱりこうでなくっちゃ」
店を出て歩いていると路地で蹲る子供を見た。
興味本位で覗いた。
子供は薄汚い服を着て痩せこけていた。
ーー死んでるの?
動かない子供にどうしたらいいのかわからずにじっと見ていると後ろから護衛が声をかけて来た。
「路地にはたくさんのこういった子供がいます。親に捨てられた子、貧しくて家を出て働きに出てきた子、もうすぐこの子も死んでしまうでしょう」
「………そのために孤児院があるのでしょう?」
騎士に対して怒りが湧いて来た。
ーーそんなのおかしいわ!
だってわたしはそう聞いた。平民だって幸せに暮らしているはず。
「孤児院は子供が溢れています。入れない子もいますし入っても食事が十分には行き渡らないのです。だから大きな子達は自分から孤児院を出て働きに行くんです」
「だったら大丈夫じゃない?」
それを聞いてホッとした。
「大丈夫だったらこんなところで死にかけていないでしょう?」
「……えっ?」
「平民で教育も碌に受けていない子供が働ける場所なんて、重労働を課されるか性的なことを無理強いされてお金をもらうかですよ」
「ち、違う、だってお父様は言ってたわ。この国はとても裕福だって!みんな幸せだって!」
信じられない。だってわたしの知っている人たちは平民でも貴族でもみんな綺麗な服を着て幸せそうにしていたもの。
こんな小汚い格好をして痩せこけている人なんているわけがない。
「貴女の知る世界は幸せな人しか見せてもらっていない。嘘と偽りの世界しか知らないのですね。だから我儘で傲慢、人の不幸や他人の痛みが分からない」
「な、何を言っているの?」
騎士と話していたら頭がフラフラして来た。
そんな時、倒れていた男の子が口から泡を吹いていた。
「ねえ、この子、死んでしまうわ!どうしたらいいの?ねえ?」
震えながら騎士に聞くと「さあ?死ぬのを目の前で見ていたらどうですか?」と冷たく言われた。
「い、いやよ、助けられないの?どうしたらいいの?」
「……医者にみせるしかないのでは?」
「じゃあ、この子を抱き上げてちょうだい」
「え?嫌ですよ。こんな小汚い子」
「わたしも嫌ですね」
二人は拒否をした。
「死んでしまうのよ?早くどちらか抱いてあげて!」
「どうして自分がしようと思わないのですか?」
「え?わたし?」
わたしは呆然とこの子が死にそうになっているのを見つめた。
震えながら、男の子に近寄って抱き上げた。
わたしでは抱き上げられるわけがない。だって8歳くらいの大きさの子だから。
なのに不思議に重さは感じない。
「貴方達騎士がそんなに冷たい人たちだとは思わなかったわ!お医者様って何処にいるの?連れて行ってちょうだい!それくらいはしてくれるでしょう?」
わたしはこんな重たいものを持ったことがない。重くないと思ったのは一瞬だけ、一歩前に歩くだけでフラフラしてきた。
落とさないように必死で歩いた。
なのに手から子供が落ちそうになった。
「あっ!」
「危ない。落ちないでよかった。あとはわたしがこの子を抱いて歩きます」
そう言うと一人の騎士がわたしから男の子を受け取り優しく抱っこしてくれた。
「ジャスティア様は後からコイツと来てください。俺は急いでこの子を医者のところへ連れて行きます」
そう言うと先輩騎士が男の子を抱えて走り出した。
「お願い!助けてあげて」
我儘とかヒステリックに怒る時しか大きな声を出したことがなかった。
初めて大きな声で、人にお願いをした。
今までは彼の優しさは感じていても月に一回会ってお茶をして少し話すだけの関係だった。
それがいつの間にか彼の実家の屋敷に住み、もうすぐ結婚をする。
あと少しで別邸の改装工事も終わる。
二人で暮らし始めるため、家具を選んだり使用人の面接をしたり忙しく過ごしている。
キース様は侯爵家の次男。アシュア様の実家の侯爵家が持っている子爵の名を譲り受けることになった。
少しの領地と近衛騎士の収入で暮らすことになる。
もともとわたしはお父様から離れて平民になるか女官として働きたいと思っていた。だから贅沢な暮らしは出来るだけしてこなかった。
「ダイアナ、来月には改装も終わる。式まであと3ヶ月あるが向こうに移り住もうと思う」
「………はい。使用人は必要な数だけに抑えようと思っています」
「俺はそれなりの収入はある。君に公爵家ほどの贅沢はさせられないかもしれないが不自由な思いはさせたくない」
「キース様?わたしが公爵家でどんな生活をしていたのかご存知でしょう?確かに金銭的には不自由はしていませんでした。でも何も求めなければあそこでは何ももらえない場所でした。服も宝石も愛も、あそこでもらっていたのは生きるために必要なものだけ」
「ダイアナ……君は虐げられていたのか?公爵は愛情をかけなくても君に不自由な生活はさせていないように見えたが?」
「わたしの居場所あそこにはどこにもありませんでした。何も与えてもらうことはありません。もちろん執事に頼めば必要なものは揃えてくれました。
でもあの人から施されるのは嫌だったのです。どうしても必要なもの以外お願いはしませんでした。高価なもので必要な物は母方のお祖父様に頼んで誕生日などのお祝いの時に買ってもらっていました。あとは………母の使っていたものを売ってお金にしていました」
「売って?すまない……そんな辛い生活をしていたとは…」
「ふふ、初めて人に話しました。お父様がわたしを冷遇していたのは社交界ではみなさんご存知だったと思います。でもひどい生活をしていたとまでは思われてはいなかった。もちろんそんな姿を見せたことはありませんけど」そう言って笑ってみせた。
「俺は君をずっと見守っているつもりでいた。王妃のところに初めて来た時の君はいつもビクビクして常に周りの人と距離を置いていた。王妃が君の心を少しずつとかして、ヴァレン王子やセリーヌ王女が君に懐いてやっと君は笑顔を見せるようになっていった。
幼い頃いつもニコニコ笑顔を見せていた君が周り全てが敵のように見ているのを知った時は驚いた」
「あの頃のわたしは冷遇されてもうどうでもいいやって思ってたから。王妃様や殿下達の優しさに触れなかったら人としてまともな感情が失くなっていたかもしれません。王妃様のおかげです」
「君はジャスティア様には酷い目にあっていただろう?」
「あんなの全然。実家の屋敷にいる時みたいに無いものとして無視されるより、どんな言葉でも投げかけてくださるジャスティア様の方がよっぽど良かったんです」
「そんなもの?」キース様が苦笑いしているのがわかった。
食事の後のデザートにチョコレートをたっぷり使ったケーキにフォークを入れながら言った。
「人の言葉は凶器にもなります。だけど何も言われない、存在すら無視される方がもっと傷つけられるものなのですよ?」
あの頃のことを思い出しながら言うと、目の中が熱くなってきた。ここで涙ぐむと辛かったと認めてしまうことになる。唇を噛みしめた。
「ダイアナ、だめだ。唇を怪我してしまう」
「…あっ」キース様の言葉に我に返った。口の中に血が流れて来た。
◇ ◇ ◇
久しぶりの街は楽しかった。
最近は好きな買い物はさせて貰えない。
お義母様の実家の預かりとなったわたしに自由に使えるお金なんてない。
今日はわたしが身につけている宝石を換金した。
たくさんの宝石は全て侯爵家預かりになっている。それでも普段身につける宝石くらいはある。
普段用でも換金すれば、お店の人が驚くほどの金額になった。
「お、お待ちください。急いでお金をかき集めて来ます」そう言って店主が持って来たのは金貨100枚。
若い文官の一年分の給金くらいにはなるらしい。
「重たいからこれ持ってて!」
護衛騎士二人にお金を持ってもらい、街の中をぶらぶらと歩いた。
可愛い小物や洋服、アクセサリーのお店、時計屋さんに帽子屋さん、お店の中に入ってはほしいものを買った。
「あとで届けてちょうだい」
「あー、楽しい。やっぱりこうでなくっちゃ」
店を出て歩いていると路地で蹲る子供を見た。
興味本位で覗いた。
子供は薄汚い服を着て痩せこけていた。
ーー死んでるの?
動かない子供にどうしたらいいのかわからずにじっと見ていると後ろから護衛が声をかけて来た。
「路地にはたくさんのこういった子供がいます。親に捨てられた子、貧しくて家を出て働きに出てきた子、もうすぐこの子も死んでしまうでしょう」
「………そのために孤児院があるのでしょう?」
騎士に対して怒りが湧いて来た。
ーーそんなのおかしいわ!
だってわたしはそう聞いた。平民だって幸せに暮らしているはず。
「孤児院は子供が溢れています。入れない子もいますし入っても食事が十分には行き渡らないのです。だから大きな子達は自分から孤児院を出て働きに行くんです」
「だったら大丈夫じゃない?」
それを聞いてホッとした。
「大丈夫だったらこんなところで死にかけていないでしょう?」
「……えっ?」
「平民で教育も碌に受けていない子供が働ける場所なんて、重労働を課されるか性的なことを無理強いされてお金をもらうかですよ」
「ち、違う、だってお父様は言ってたわ。この国はとても裕福だって!みんな幸せだって!」
信じられない。だってわたしの知っている人たちは平民でも貴族でもみんな綺麗な服を着て幸せそうにしていたもの。
こんな小汚い格好をして痩せこけている人なんているわけがない。
「貴女の知る世界は幸せな人しか見せてもらっていない。嘘と偽りの世界しか知らないのですね。だから我儘で傲慢、人の不幸や他人の痛みが分からない」
「な、何を言っているの?」
騎士と話していたら頭がフラフラして来た。
そんな時、倒れていた男の子が口から泡を吹いていた。
「ねえ、この子、死んでしまうわ!どうしたらいいの?ねえ?」
震えながら騎士に聞くと「さあ?死ぬのを目の前で見ていたらどうですか?」と冷たく言われた。
「い、いやよ、助けられないの?どうしたらいいの?」
「……医者にみせるしかないのでは?」
「じゃあ、この子を抱き上げてちょうだい」
「え?嫌ですよ。こんな小汚い子」
「わたしも嫌ですね」
二人は拒否をした。
「死んでしまうのよ?早くどちらか抱いてあげて!」
「どうして自分がしようと思わないのですか?」
「え?わたし?」
わたしは呆然とこの子が死にそうになっているのを見つめた。
震えながら、男の子に近寄って抱き上げた。
わたしでは抱き上げられるわけがない。だって8歳くらいの大きさの子だから。
なのに不思議に重さは感じない。
「貴方達騎士がそんなに冷たい人たちだとは思わなかったわ!お医者様って何処にいるの?連れて行ってちょうだい!それくらいはしてくれるでしょう?」
わたしはこんな重たいものを持ったことがない。重くないと思ったのは一瞬だけ、一歩前に歩くだけでフラフラしてきた。
落とさないように必死で歩いた。
なのに手から子供が落ちそうになった。
「あっ!」
「危ない。落ちないでよかった。あとはわたしがこの子を抱いて歩きます」
そう言うと一人の騎士がわたしから男の子を受け取り優しく抱っこしてくれた。
「ジャスティア様は後からコイツと来てください。俺は急いでこの子を医者のところへ連れて行きます」
そう言うと先輩騎士が男の子を抱えて走り出した。
「お願い!助けてあげて」
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