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王城にて③
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「前公爵、貴方は王族に対してのその無礼な発言、覚悟しているのでしょうね?」
団長が静かに問う。
「わたしは本当のことしか言っておりません。どこが無礼なのです?不敬でわたしを罪に問うとでも?」
前公爵は悪びれることもなく言った。
「しかとその発言覚えておきましょう」
ジャスティア殿下は陛下に発言の許可がおりない今言葉を発することは出来ない。しかし顔は鬼のような形相で綺麗な顔はゆがんで憎悪に満ちた顔をしていた。
今までこんな屈辱を味わったことはないのだろう。思い通りにならないことなんてなかったのだから。
ある意味前公爵とジャスティア殿下は似ているのかもしれない。自分の思うように人を動かしてきた。
それが今思う通りにことが進まないのだから。
「バーランド前公爵、貴方は先ほど違法薬物を偽の殿下に勧めたことを認めましたね?そして孫娘を人身売買する契約書も見つかりました。これで二つの罪が見つかっています」
「わたしは何も言っていない。お前達が罠をかけたんだ。それにわたしが認めればそこの小娘の罪も認めなければいけないだろう?」
「先ほどから言ってますよね?殿下はご病気で寝込んでおりました。貴方は偽者の殿下に売り渡して売らせたのです。ああそれ自体も罪ですよね?王族と偽ったのですから」
「そんなことはしていない。わたしは関係ない。ダイアナのことだって大切な孫のことを考えての行動だ」
「大切な孫?ならどうして攫ったんです?」
俺は苛立ちをなんとか抑えながら聞いた。
殴りつけたい、もういっそこんなくだらない話はやめさせて切り捨てたいと思う。それを我慢しながら聞いた。
「攫う?わたしは孫を保護したまでだ」
「一度目は納屋の地下、二度目は高級なホテル。貴方は二回もダイアナを攫ったんです」
「意見の相違だ」
そう言うとプイッと一人違う方へと体の向きを変えて、もうこれ以上は話す気がないと言った感じで俺たちが何を話しかけても返事すらしてこなくなった。
まだまだ本人に聞きたいことはたくさんあった。
「バーランド前公爵、これ以上聞いても答えないのならこちらで把握している貴方の罪を全て読み上げる。返事がないものは全て罪を認めたことにする」
団長がそう言うと、陛下や王妃さま、そして見届け人でもある宰相の顔を見た。三人は了承したと頭を縦に振り頷いた。
「ではキース読み上げてくれ」
団長が俺に指示したので俺は一気に読み上げることにした。前公爵ができるだけ口を挟めないように。
「バーランド前公爵、違法薬物の斡旋、孫娘を売ろうとした人身売買、さらに偽の王族になり人々を騙した。そして孫娘を二回も攫った誘拐と監禁」
前公爵はプイッとしたまま。ここまではさっきまで話していたこと。
「さらに調べてわかったこと。貴方は息子の嫁を犯した強姦罪、さらに未成年の孫を攫って先程まで地下牢に何も与えずに監禁していましたね?長年自分の息子を洗脳して自分の思う通りに動かしていました。公爵に薬を盛り浮気をさせて強制的に子供を作らせていますね」
ーー読んでいて腹立たしいし同じ男として軽蔑する。
「ついでに調べていたら出てきたので読み上げます。
バーランド前公爵は他の貴族に嘘の情報を流し損をさせて借金で首が回らなくなったら、助けてやる代わりにそこの娘を自分に差し出すように言っていますね」
ーーこの男は盛りのついた動物以下だ。
「何人もの令嬢達が泣く目に遭って中には自殺した娘もいる、貴方はご存知ですか?」
「……お前が読んだ話は全て作りものだ。わたしは何も悪いことはしていない。助けてやったら娘をと差し出されただけだ。孫達も監禁していないし攫ってもいない。可愛い孫達を父親の毒牙から守るために屋敷に連れ帰っただけだ」
「エレファ様を犯したことは?息子に薬を盛ったことは?」
「そんなことをした証拠はないだろう?そんな昔の話誰が信じるんだ」
「ダイアナは覚えていましたよ?」
「何をだ?」
「貴方がエレファ様を犯しているところを何度となく目撃していました」
「同意だ。あの女はわたしを愛していたからな」
「それは有り得ませんね、ダイアナは忘れてしまっていたようですが思い出してわたしに教えてくれました。エレファ様の日記を隠していたことを。誰にも見つからないように幼い頃隠していたエレファ様の日記の隠し場所を聞いて見つけてきました。そこには貴方にされた辛い屈辱的なこともしっかり書かれていました」
「病床のエレファが何を書けると言うんだ?」
「貴方に脅されたこと。わざとダイアナに見せつけるように犯される辛さ。夫のダニエルを裏切った自分の辛い心境、そして夫が新しい家族に夢中になり自分とダイアナに見向きもしない日々、それでも夫のために、公爵にさせてやりたいから耐えると書いてありました」
「はっ、死にゆく病人の妄想だ」
「いい加減に認めたらどうですか?ダイアナの証言と日記、日記の文字はエレファ様が生前書かれた手紙と文字を照らし合わせて本物であると確認が取れています。さらに古くから居るバーランド公爵家の使用人達にも話は聞いて証言をとっています」
前公爵は次第に激高して蒼白な顔色になってきた。
「わたしは悪くない。悪いのはエレファだ!わたしの前であんな綺麗で魅力的な姿をして現れたからだ!ダニエルには勿体ない、だからわたしがもらうことにしたんだ。エレファが死んでからはエレファの代わりを探した。いくら他の女を抱いてもエレファより興奮する女はいない。だからダイアナに目をつけた。エレファに似た美しい娘。一度嫁に行かせて傷モノになればわたしの元に置いておいても何も言われはしない。数年後にはわたしのものになるはずだったんだ」
「この、クソジジイ!」
俺は思わず叫んでいた。
団長が静かに問う。
「わたしは本当のことしか言っておりません。どこが無礼なのです?不敬でわたしを罪に問うとでも?」
前公爵は悪びれることもなく言った。
「しかとその発言覚えておきましょう」
ジャスティア殿下は陛下に発言の許可がおりない今言葉を発することは出来ない。しかし顔は鬼のような形相で綺麗な顔はゆがんで憎悪に満ちた顔をしていた。
今までこんな屈辱を味わったことはないのだろう。思い通りにならないことなんてなかったのだから。
ある意味前公爵とジャスティア殿下は似ているのかもしれない。自分の思うように人を動かしてきた。
それが今思う通りにことが進まないのだから。
「バーランド前公爵、貴方は先ほど違法薬物を偽の殿下に勧めたことを認めましたね?そして孫娘を人身売買する契約書も見つかりました。これで二つの罪が見つかっています」
「わたしは何も言っていない。お前達が罠をかけたんだ。それにわたしが認めればそこの小娘の罪も認めなければいけないだろう?」
「先ほどから言ってますよね?殿下はご病気で寝込んでおりました。貴方は偽者の殿下に売り渡して売らせたのです。ああそれ自体も罪ですよね?王族と偽ったのですから」
「そんなことはしていない。わたしは関係ない。ダイアナのことだって大切な孫のことを考えての行動だ」
「大切な孫?ならどうして攫ったんです?」
俺は苛立ちをなんとか抑えながら聞いた。
殴りつけたい、もういっそこんなくだらない話はやめさせて切り捨てたいと思う。それを我慢しながら聞いた。
「攫う?わたしは孫を保護したまでだ」
「一度目は納屋の地下、二度目は高級なホテル。貴方は二回もダイアナを攫ったんです」
「意見の相違だ」
そう言うとプイッと一人違う方へと体の向きを変えて、もうこれ以上は話す気がないと言った感じで俺たちが何を話しかけても返事すらしてこなくなった。
まだまだ本人に聞きたいことはたくさんあった。
「バーランド前公爵、これ以上聞いても答えないのならこちらで把握している貴方の罪を全て読み上げる。返事がないものは全て罪を認めたことにする」
団長がそう言うと、陛下や王妃さま、そして見届け人でもある宰相の顔を見た。三人は了承したと頭を縦に振り頷いた。
「ではキース読み上げてくれ」
団長が俺に指示したので俺は一気に読み上げることにした。前公爵ができるだけ口を挟めないように。
「バーランド前公爵、違法薬物の斡旋、孫娘を売ろうとした人身売買、さらに偽の王族になり人々を騙した。そして孫娘を二回も攫った誘拐と監禁」
前公爵はプイッとしたまま。ここまではさっきまで話していたこと。
「さらに調べてわかったこと。貴方は息子の嫁を犯した強姦罪、さらに未成年の孫を攫って先程まで地下牢に何も与えずに監禁していましたね?長年自分の息子を洗脳して自分の思う通りに動かしていました。公爵に薬を盛り浮気をさせて強制的に子供を作らせていますね」
ーー読んでいて腹立たしいし同じ男として軽蔑する。
「ついでに調べていたら出てきたので読み上げます。
バーランド前公爵は他の貴族に嘘の情報を流し損をさせて借金で首が回らなくなったら、助けてやる代わりにそこの娘を自分に差し出すように言っていますね」
ーーこの男は盛りのついた動物以下だ。
「何人もの令嬢達が泣く目に遭って中には自殺した娘もいる、貴方はご存知ですか?」
「……お前が読んだ話は全て作りものだ。わたしは何も悪いことはしていない。助けてやったら娘をと差し出されただけだ。孫達も監禁していないし攫ってもいない。可愛い孫達を父親の毒牙から守るために屋敷に連れ帰っただけだ」
「エレファ様を犯したことは?息子に薬を盛ったことは?」
「そんなことをした証拠はないだろう?そんな昔の話誰が信じるんだ」
「ダイアナは覚えていましたよ?」
「何をだ?」
「貴方がエレファ様を犯しているところを何度となく目撃していました」
「同意だ。あの女はわたしを愛していたからな」
「それは有り得ませんね、ダイアナは忘れてしまっていたようですが思い出してわたしに教えてくれました。エレファ様の日記を隠していたことを。誰にも見つからないように幼い頃隠していたエレファ様の日記の隠し場所を聞いて見つけてきました。そこには貴方にされた辛い屈辱的なこともしっかり書かれていました」
「病床のエレファが何を書けると言うんだ?」
「貴方に脅されたこと。わざとダイアナに見せつけるように犯される辛さ。夫のダニエルを裏切った自分の辛い心境、そして夫が新しい家族に夢中になり自分とダイアナに見向きもしない日々、それでも夫のために、公爵にさせてやりたいから耐えると書いてありました」
「はっ、死にゆく病人の妄想だ」
「いい加減に認めたらどうですか?ダイアナの証言と日記、日記の文字はエレファ様が生前書かれた手紙と文字を照らし合わせて本物であると確認が取れています。さらに古くから居るバーランド公爵家の使用人達にも話は聞いて証言をとっています」
前公爵は次第に激高して蒼白な顔色になってきた。
「わたしは悪くない。悪いのはエレファだ!わたしの前であんな綺麗で魅力的な姿をして現れたからだ!ダニエルには勿体ない、だからわたしがもらうことにしたんだ。エレファが死んでからはエレファの代わりを探した。いくら他の女を抱いてもエレファより興奮する女はいない。だからダイアナに目をつけた。エレファに似た美しい娘。一度嫁に行かせて傷モノになればわたしの元に置いておいても何も言われはしない。数年後にはわたしのものになるはずだったんだ」
「この、クソジジイ!」
俺は思わず叫んでいた。
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