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二度目の人生にあなたは要らない。離縁しましょう。
【25】
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「あははははっ、セデン!わたしとあなたは愛し合っていたわ……なのに……イリアナがいなくなってあなたはわたしを見ようとしなかった」
アイリーンにも巻き戻し前の記憶があるのか?
俺は怪訝な顔で眉根を寄せてアイリーンを見た。
「君は何を言っているんだ?頭がおかしくなったのか?地下牢へ連れて行き、何故ここに勝手に来たのか取り調べろ!それからこの女は魔法を使う。魔力を封じる錠を腕と首にすぐにしろ!死ななければどんなことをしてもいい」
「なっ!わたしの魔力を封じる?」
アイリーンは唇を強く噛み締め俺を睨んだ。
「それを知っているのは……何故?あなたが知っているの?誰に聞いたの?イリアナは全く気が付いていなかったわ……無能だもの……誰?」
ギャーギャーと騒ぐアイリーンに別の騎士が急いで取ってきた錠を首と腕につけた。
すると俺自身が不思議に体が軽くなった。
近くにいたイリアナの侍女も意識がはっきりしてきたのか、さっきよりも自分がしたことがどれくらいイリアナに対してひどい行動をしたのか自覚して真っ青な顔で立ち尽くしていた。
「……あっ……ああっ………」侍女が突然泣き叫び出した。
そして周りにいた騎士達の数人もハッとした顔をしていた。辺りをキョロキョロと見回している者もいた。
この城でどれくらいの人間がアイリーンの魔法に毒されていたのだろう。
それを考えるとイリアナが来てからの1年間の今回でもこれだけ酷いのに、巻き戻し前の2年間はもっと酷かったはずだ。
イリアナが俺の前から姿を消したのを内心安堵する。だがもう会えないのかと思うと虚しく心にポッカリと穴が空いてしまった気分だった。
アイリーンは魔力を封じられ怒り狂って叫び出した。
「ふざけんな!あたしはこの国の王太子妃よ、いずれは王妃、そして国母になるこの国で一番の女性なの!くそっ!触るな!汚い!イリアナの奴、絶対殺してやる!お腹の赤ちゃんと共に殺してやる!セデンに愛されオーグに愛され、ずるい!ずるい!あたしだって二人に愛されたい!」
「………お腹の赤ちゃん?イリアナに?……俺の?」
「へぇ、まさか知らなかったんだ?イリアナはあんたを警戒していたんだろうね、前回殺されたんだもんね?あんたが殺したんだ?はは、イリアナはあんたのことなんか嫌いだろうね?いい気味だよ、あんたもイリアナも幸せになんてさせない!不幸になってくるしめ!」
アイリーンの口調は綺麗な令嬢の話し方だったのに今では汚い口調へと変わっていた。
巻き戻る前は誰からも愛される控えめで可愛らしいと言われたアイリーンが髪の毛を振り乱して鬼の形相で怒り叫んでいる姿は周りの者達も引いてしまっていた。
俺は地下牢に連れて行かれたアイリーンが鞭を打たれ取り調べを受けているのを少し離れた場所で聴いていた。
「あたしは悪くない。あたしはセデンを愛してんだ!わたしがこの国の1番なんだ!イリアナが邪魔をするから殺そうとしただけ!全て悪いのはイリアナが生きていることなんだ!死ねばいいんだあんな女!
ねえ、そこのあんた、あたしの首と腕の錠を外してよ?外してくれたら一晩くらい寝てやってもいいよ?あたしの体自由にできるんだよ?ねっ?」
アイリーンは今自分がどれだけ臭い汚いかわかっていない。騎士達は顔を顰めて嫌な顔をして目を逸らした。
誰が今のお前に靡くというのか?
アイリーンにも巻き戻し前の記憶があるのか?
俺は怪訝な顔で眉根を寄せてアイリーンを見た。
「君は何を言っているんだ?頭がおかしくなったのか?地下牢へ連れて行き、何故ここに勝手に来たのか取り調べろ!それからこの女は魔法を使う。魔力を封じる錠を腕と首にすぐにしろ!死ななければどんなことをしてもいい」
「なっ!わたしの魔力を封じる?」
アイリーンは唇を強く噛み締め俺を睨んだ。
「それを知っているのは……何故?あなたが知っているの?誰に聞いたの?イリアナは全く気が付いていなかったわ……無能だもの……誰?」
ギャーギャーと騒ぐアイリーンに別の騎士が急いで取ってきた錠を首と腕につけた。
すると俺自身が不思議に体が軽くなった。
近くにいたイリアナの侍女も意識がはっきりしてきたのか、さっきよりも自分がしたことがどれくらいイリアナに対してひどい行動をしたのか自覚して真っ青な顔で立ち尽くしていた。
「……あっ……ああっ………」侍女が突然泣き叫び出した。
そして周りにいた騎士達の数人もハッとした顔をしていた。辺りをキョロキョロと見回している者もいた。
この城でどれくらいの人間がアイリーンの魔法に毒されていたのだろう。
それを考えるとイリアナが来てからの1年間の今回でもこれだけ酷いのに、巻き戻し前の2年間はもっと酷かったはずだ。
イリアナが俺の前から姿を消したのを内心安堵する。だがもう会えないのかと思うと虚しく心にポッカリと穴が空いてしまった気分だった。
アイリーンは魔力を封じられ怒り狂って叫び出した。
「ふざけんな!あたしはこの国の王太子妃よ、いずれは王妃、そして国母になるこの国で一番の女性なの!くそっ!触るな!汚い!イリアナの奴、絶対殺してやる!お腹の赤ちゃんと共に殺してやる!セデンに愛されオーグに愛され、ずるい!ずるい!あたしだって二人に愛されたい!」
「………お腹の赤ちゃん?イリアナに?……俺の?」
「へぇ、まさか知らなかったんだ?イリアナはあんたを警戒していたんだろうね、前回殺されたんだもんね?あんたが殺したんだ?はは、イリアナはあんたのことなんか嫌いだろうね?いい気味だよ、あんたもイリアナも幸せになんてさせない!不幸になってくるしめ!」
アイリーンの口調は綺麗な令嬢の話し方だったのに今では汚い口調へと変わっていた。
巻き戻る前は誰からも愛される控えめで可愛らしいと言われたアイリーンが髪の毛を振り乱して鬼の形相で怒り叫んでいる姿は周りの者達も引いてしまっていた。
俺は地下牢に連れて行かれたアイリーンが鞭を打たれ取り調べを受けているのを少し離れた場所で聴いていた。
「あたしは悪くない。あたしはセデンを愛してんだ!わたしがこの国の1番なんだ!イリアナが邪魔をするから殺そうとしただけ!全て悪いのはイリアナが生きていることなんだ!死ねばいいんだあんな女!
ねえ、そこのあんた、あたしの首と腕の錠を外してよ?外してくれたら一晩くらい寝てやってもいいよ?あたしの体自由にできるんだよ?ねっ?」
アイリーンは今自分がどれだけ臭い汚いかわかっていない。騎士達は顔を顰めて嫌な顔をして目を逸らした。
誰が今のお前に靡くというのか?
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