あなたとの離縁を目指します

たろ

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離縁してください

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 ✴︎ ✴︎ ✴︎ ✴︎ソニア殿下✴︎ ✴︎ ✴︎ ✴︎

「お父様ぁ、アレックが……」

 わたしはすぐにお父様の元へ向かった。

「うん?可愛いソニア?どうした?なぜ泣いているんだ?」
 優しいお父様…お父様ならわたしの言うことを聞いてくれるわ。

「アレックがわたしの護衛騎士を辞めると言い出したの。騎士も辞めると言うのよ!!全てシルビアのせいよ。シルビアが仕事をサボって屋敷から出ようとしないからアレックは優しいから心配して彼女のそばにいると言い出したの。愛してもいないのに、夫としての義務なのよ!」

「……そうか……王命は取り消す。だから二人が離縁するのは時間の問題だ……お前はこれからもそのまま、愛らしいお人形のように過ごしなさい。そのままでいるお前が一番いいのだから」

 ーーうん??なんだかお父様が変だわ、笑顔が………??気のせいよね?わたしを愛してくださっているのよ。

「もちろんお父様の可愛いソニアでずっといるわ。だから、お願い、アレックを辞めさせないで」

「ああ、騎士は辞めさせない、彼はわたしの大切な一人だからね」

「本当に?」
 ーー嬉しい。お父様がそう言うのならアレックは辞めることはできないわ。これでまたわたしのそばにずっといてくれるわ。

「ソニア、しばらくの間、君の部屋を移さないといけなくなった」

「えっ?」
 ーー移すって?どこへ?

「ソニアがもっと可愛くなるために侍女達が新しい部屋を用意してくれたんだ。愛されるために準備をしなければいけないからな。少し早まったが今日からその部屋で結婚するまで過ごしなさい」

「ふふっ、わかったわ」

 アレックとの結婚までもっと素敵な部屋を用意してくれたのね?嬉しいわ。

「お父様、ありがとう」

 嬉しくてお父様の頬にキスをした。

 これであとはアレックが離縁するのを待つだけね。

 わたしは侍女に連れられて新しい部屋へ向かった。

 ーーここって来たことがない場所だわ?こんな場所にわたしのお部屋を作ってくださったのかしら?

 わたしが住んでいた南宮とは反対側の北宮へと向かってる⁇

 何度も角を曲がるのでよくわからないわ。

 なんだか廊下も少し古い感じだし、窓が少なくて歩いていても空気が重たく感じるわ…‥少し埃っぽい気もするし……

「ねぇ?お父様がこんなところに本当にわたしの新しいお部屋を作ってくださったの?」

 眉根を寄せて訝しげに聞いた。

「…‥はい……陛下の言いつけ通りに案内しております」

 護衛騎士と侍女がわたしと目を合わさないように返事をした。
 ーーなんだか変だわ。

 だけどお父様の言いつけなら仕方ないわ。

 仕方なく黙ってついて行く。

「こちらでございます」

 ーーあら?なんだか素敵な扉ね。
 真新しい扉は可愛らしい。
 木彫りになっていて白く塗られていた。

「気に入ったわ、中に入って見ましょう」
 騎士が扉を開けた。

「どうぞ」

 中に入るとカーテンを閉められていて暗い。

「ねぇカーテンを開けて明かりをつけてくれないかしら?」

「…………」


 ーーうん?返事がないわ?

「ねぇ?返事をしなさい」

「…………」

「もうなんなの!」

 うっすら明かりが漏れる窓に行きカーテンを開けた。

 ーーえっ?な、なに、ここは……

 簡素なベッドが一つ置かれただけの部屋だった。

 騎士も侍女もどこにもいない。

 扉を慌てて開けて廊下へ出ようとしたのに、開かない。

 鍵が閉められていた。

「開けなさい!誰か?いないの?」

 扉を何度も叩いた。

 ーーもうわたしをこんなところに閉じ込めて!お父様に言いつけて、罰してもらうから!


 なのに………何時間経っても誰も来ない……

 わたしはどうなるの?

 アレック………助けて……



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