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83話
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わたしはお祖父様から聞いて黒魔法のことを調べた。
黒魔法で、心の闇を増幅させて、その人の心を闇が覆ってしまう。
ターナはたぶんわたしに対しての嫉妬で闇に飲み込まれていったのだろう。
そして治験者となった時に、わたしと同じ体験をしてそれがきっかけでさらに闇へと飲み込まれてしまった。
ターナを助ける?
どうやって?
わからない、どんなに調べてもやり方なんて出てこない。
わたしはイルマナ様の元へ会いに行った。
「黒魔法で闇に飲み込まれた人を助けたいのですがどうしたらいいのですか?」
イルマナ様はすぐにターナのことだと察した。
「アイシャ、それはとても難しい。わたしもカイザ様もリサ様もなんとかターナを助けようとしたんだ。だが闇に飲み込まれたターナは、何をしてもダメだった。もう理性がなくなっているんだ」
「お祖父様はわたしならもしかしたら…と言っていました」
「君のその膨大な魔力と光魔法ならばもしかしたら……とは思うが、君の技術ではまだ無理だ。もっと技術を磨いてもっと体力もないと、あの闇に立ち向かうことは出来ない」
「……でもわたしなら可能性はあるのですか?」
「断定は出来ない」
「わたしには今出来ることは?」
「体力をつけなさい。あとは魔力を自在に操れるようにならないといけない、君の苦手な繊細な技術だよ」
「どちらもわたしには無いものですね」
「………そうだ、君にこれをあげるよ」
「これは?」
「魔法石だよ、これに魔力を注ぐ練習をしてみなさい。繊細な技術を養うにはちょうどいいと思うよ、雑に魔力を注ぐと弾かれるからね、優しくそっと魔力を注ぐんだ。毎日魔法石が青白く光るまでね、まあ最初はとても時間がかかると思うよ」
「ありがとうございます、目標時間はありますか?」
「うーん、僕は15分で出来るけど、それには数十年かかったからね、君なら……2時間くらいかな」
「……15分……頑張ります」
「2時間だよ!」
わたしは魔法石を握りしめて屋敷に戻った。
「ロウト!わたしもみんなに混ざって走り込みしたい!」
ロウトはイルマナ様のところへ行く時について来てくれていたので話を聞いていた。
「アイシャ様、キツイなんて言わせませんからね」
「うん、頑張る」
「メリッサ、わたしの食事なんだけど……」
「大丈夫です、栄養管理はしっかりとさせてもらいます、でも嫌いなピーマンと人参も今日からは食べてくださいね」
「………善処します」
こうしてわたしは自分が出来ることを始めた。
学園にも通ったし、勉強も頑張った。
体力作りのために学園までロウトと毎日歩いて40分かけて登校した。
これはロウトはあまり喜ばないのだけど。
「歩くのはいいのですが、帰りは一人で歩かないといけないんですよね」
迎えの時は、馬車に乗って来て、わたしと歩いて帰るのだけど、朝の帰りは一人で歩いて帰るのでロウトはブツブツ文句を言っていつも帰って行く。
そう言いながらもいつも付き合ってくれるロウトなんだけどね。
学園では、昼食はお弁当を持って行くことになった。
しっかりと栄養管理されているので、好きなものだけ選んで食べていた食堂には今は行っていない。
アリアもスピナもわたしに合わせてお弁当を持参してくれる。
みんなで食べるお弁当も最近は美味しくて、こんな時間を持てることに今は感謝している。やはりお祖父様の言うとおり学園を辞めなくて良かった。
「お祖父様、今のわたしではターナを救うことはできません、でもわたしは医術を身につけて、わたしが助けられる人は全て助けたい。
ターナはわたししか助けられないのなら、わたしは助けられるように努力します」
ーーでも今のわたしは知らなかった。
ターナの命が、もう先がないことを……
だからお祖父様は、思わずターナのことを言ってしまったのだろう。
でも、この時のわたしは何も知らずに、ターナを助ける目標に向けて頑張っていた。
黒魔法で、心の闇を増幅させて、その人の心を闇が覆ってしまう。
ターナはたぶんわたしに対しての嫉妬で闇に飲み込まれていったのだろう。
そして治験者となった時に、わたしと同じ体験をしてそれがきっかけでさらに闇へと飲み込まれてしまった。
ターナを助ける?
どうやって?
わからない、どんなに調べてもやり方なんて出てこない。
わたしはイルマナ様の元へ会いに行った。
「黒魔法で闇に飲み込まれた人を助けたいのですがどうしたらいいのですか?」
イルマナ様はすぐにターナのことだと察した。
「アイシャ、それはとても難しい。わたしもカイザ様もリサ様もなんとかターナを助けようとしたんだ。だが闇に飲み込まれたターナは、何をしてもダメだった。もう理性がなくなっているんだ」
「お祖父様はわたしならもしかしたら…と言っていました」
「君のその膨大な魔力と光魔法ならばもしかしたら……とは思うが、君の技術ではまだ無理だ。もっと技術を磨いてもっと体力もないと、あの闇に立ち向かうことは出来ない」
「……でもわたしなら可能性はあるのですか?」
「断定は出来ない」
「わたしには今出来ることは?」
「体力をつけなさい。あとは魔力を自在に操れるようにならないといけない、君の苦手な繊細な技術だよ」
「どちらもわたしには無いものですね」
「………そうだ、君にこれをあげるよ」
「これは?」
「魔法石だよ、これに魔力を注ぐ練習をしてみなさい。繊細な技術を養うにはちょうどいいと思うよ、雑に魔力を注ぐと弾かれるからね、優しくそっと魔力を注ぐんだ。毎日魔法石が青白く光るまでね、まあ最初はとても時間がかかると思うよ」
「ありがとうございます、目標時間はありますか?」
「うーん、僕は15分で出来るけど、それには数十年かかったからね、君なら……2時間くらいかな」
「……15分……頑張ります」
「2時間だよ!」
わたしは魔法石を握りしめて屋敷に戻った。
「ロウト!わたしもみんなに混ざって走り込みしたい!」
ロウトはイルマナ様のところへ行く時について来てくれていたので話を聞いていた。
「アイシャ様、キツイなんて言わせませんからね」
「うん、頑張る」
「メリッサ、わたしの食事なんだけど……」
「大丈夫です、栄養管理はしっかりとさせてもらいます、でも嫌いなピーマンと人参も今日からは食べてくださいね」
「………善処します」
こうしてわたしは自分が出来ることを始めた。
学園にも通ったし、勉強も頑張った。
体力作りのために学園までロウトと毎日歩いて40分かけて登校した。
これはロウトはあまり喜ばないのだけど。
「歩くのはいいのですが、帰りは一人で歩かないといけないんですよね」
迎えの時は、馬車に乗って来て、わたしと歩いて帰るのだけど、朝の帰りは一人で歩いて帰るのでロウトはブツブツ文句を言っていつも帰って行く。
そう言いながらもいつも付き合ってくれるロウトなんだけどね。
学園では、昼食はお弁当を持って行くことになった。
しっかりと栄養管理されているので、好きなものだけ選んで食べていた食堂には今は行っていない。
アリアもスピナもわたしに合わせてお弁当を持参してくれる。
みんなで食べるお弁当も最近は美味しくて、こんな時間を持てることに今は感謝している。やはりお祖父様の言うとおり学園を辞めなくて良かった。
「お祖父様、今のわたしではターナを救うことはできません、でもわたしは医術を身につけて、わたしが助けられる人は全て助けたい。
ターナはわたししか助けられないのなら、わたしは助けられるように努力します」
ーーでも今のわたしは知らなかった。
ターナの命が、もう先がないことを……
だからお祖父様は、思わずターナのことを言ってしまったのだろう。
でも、この時のわたしは何も知らずに、ターナを助ける目標に向けて頑張っていた。
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