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72話
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社交界デビューの日になった。
悩んで決めたドレスを見て思わずニコッとなる。
Aラインのシンプルなドレスを選んだ。
ウエストが高めでオフショルダーにすることで少し可愛くしてもらった。
薄いピンクのシルク生地で全体に薔薇の模様のレースを施している。
何度もデザイナーさんと話し合い、布地から選んで染めてもらい、仮縫いから本縫いまでに半年ほどかかった。
宝石はキリアン様が送ってくれた。
わたしの瞳の色に合わせてエメラルドのイヤリングを送ってくれた。
最後に一緒にお買い物に行った日に贈ってくださったネックレスとお揃いだった。
リボンの形に可愛く装飾されているチャームは、金の土台にエメラルドが組み込まれていたネックレス。
イヤリングも同じように作られていた。
「可愛い、キリアン様にお礼のお手紙を書かないといけないわ」
キリアン様が帰国してもう3ヶ月。
たまにお手紙を書いてはいるけど会うことがない。
ずっと辛い時、そばにいてくれた人がいなくなってぽっかり穴が空いたみたい。
でも、やはりついて行くことはできなかった。
だってこの国がわたしの生まれ育った国だから。
わたしはメリッサ達に綺麗に支度してもらい、舞踏会へとお祖父様と向かった。
初めての舞踏会は、たくさんの大人の人達が綺麗に着飾っていた。
子どものわたしはとても浮いている気がした。
いくら頑張って綺麗にしてもまだ15歳のわたしはドレスを着ていると言うより着せられている感が否めない。
それでもお祖父様の隣にいるのだから、公爵令嬢として堂々と立ち、前をしっかり見ていないといけない、俯いてはいられない。
元王弟であり公爵でもあるお祖父様は、両陛下への挨拶がみんなの中で一番にしないといけない。
わたしもお祖父様と共に挨拶に向かった。
両陛下の後ろにクリス殿下が立っていた。
少しだけ目が合ったが、わたしは気づかないふりをして、すぐに目を逸らし両陛下へ挨拶をした。
「カイザ・ルビラ公爵の孫、アイシャ・レオンバルドで御座います」
カーテシーをして顔を上げると、お二人はわたしをじっと見つめていた。
「アイシャ、綺麗になったわね」
王妃様は久しぶりにわたしの姿を見て目を潤ませ、優しく微笑んでくれた。
王妃様は少し元気がないように見えた。
ずっと離宮に引き篭もって過ごされているので、やはり体調も良くないのかもしれない。
「ありがとうございます」
わたしも微笑み返した。
「アイシャ、愚息が酷いことをした。今更ながら遅いがすまなかった」
「陛下からそんな言葉をいただくなんて……わたしこそご心配をおかけしてすみませんでした」
わたしは頭を下げたまま顔を上げることができなかった。
「アイシャ、後で時間を作って欲しい」
後ろから震える声がした。
頭を上げるとクリス殿下が、青い顔をして恐々とわたしを見ていた。
「お祖父様……」
どう答えて良いのか分からずにお祖父様の方へ振り向いた。
「後ほど私と一緒にアイシャを連れて伺います」
お祖父様が返事をしてくれたのでホッとして、わたしは頭を下げて退場した。
その後、友人達と合流して話をして過ごした。
ファーストダンスはもちろんお祖父様と踊った。
本当はすぐ近くにお父様の姿があったのだが、お祖父様が一切近くに寄らせないようにしてくれた。
お父様はわたしの姿を何度も見つめていたが、わたしはお父様へ視線を向けることはなかった。
わたしはお父様達家族にとって必要のない人間だった。
せっかくの家族の輪を乱す邪魔者だった。
おかげでわたしは家族とは別の道を進む決断をすることが出来た。
もうお母様やターナ、お父様の前で必死で明るくしなくてもいい。
三人の仲の良い姿をじっと見ていなくていい。
お祖父様とのダンスの後は、ロウトと踊った。
ロウトは「今日は強化魔法なしで踊りましょう」と言ってくれた。
「わたし、なんとか踊れるようになったから安心してちょうだい」
言っておきながら、何故かロウトの足だけは4回ほど踵で踏んでしまった。
「わざとではないのよ、ごめんね」
ロウトは恨みがましくわたしを見るので、一応癒しの魔法をかけてあげた。
ヴィズや他の男子とも踊った。
楽しんでいると、お祖父様が近づいてきた。
「アイシャ、少しいいかな」
「はい」
クリス殿下と会うのだろうとすぐにわかった。
控え室の奥、王族専用の控え室へ向かう。
厳重に警備されていて、わたし一人ならまず通ることは出来ないだろう。
警備にあたっている騎士達は、お祖父様の顔を見るとすぐに頭を下げて通してくれた。
お祖父様も王族として顔を知られている。
わたしも一応孫なので王族ではあるけど、末端なのであまり知られていない。
普段は優しいお祖父様だけど、ここにいるお祖父様は、元王弟で筆頭公爵当主、王族としての風格があるためそこにいるだけで圧を感じてしまう。
わたしが知る優しいお祖父様ではないと感じて、どこか遠い人にみえてしまった。
「アイシャ、黙り込んでどうした?怖いのか?」
「殿下に会うことは別に平気です。お祖父様が一緒ですから。それよりも普段のお祖父様とここでのお祖父様の違いに驚いています」
「うん?わたしのことかい?はて、何か違いがあるかな?」
お祖父様はわかっていて、惚けているのがわかる。
「いえ、今のお祖父様はわたしの大好きなお祖父様です」
「よかった、アイシャに嫌われなくて」
お祖父様が優しく微笑んだ。
そして、クリス殿下のいる控室をノックする。
「どうぞ」
騎士達が扉を開けてくれた。
部屋の中にはクリス殿下と護衛騎士が2人立っていた。
「席を外してくれ」
クリス殿下に言われて騎士達が外に出た。
部屋にいるのは私たち三人だけだった。
お祖父様は部屋の角に立ってわたしだけを殿下の前に行くように促した。
クリス殿下の前に行くと、殿下が頭を下げてきた。
「アイシャ、今まですまなかった。自分がどれだけ君に酷いことをしたのか見に染みてわかった。
ぼくは間違えていたんだ、君にしたことは正しいと勝手に思い込んでいた……君が好きだった。なのに君にわかってもらえなくて意地悪をして、それが今度は当たり前になってもっと酷いことをするようになっていった。
自分でも止めることが出来なくなって、勝手にそれを正当化していたんだ」
わたしは殿下にされてきたことを思い出した。
意地悪を言われたこと、わたしが両親の子ではないと馬鹿にされ続けたこと、属性すら分からなくて何度も貶された。怪我を負わされて入院したこと。
もう許せる?笑ってもういいわと言える?
反省している殿下に優しく微笑む?
わたしは、しばらく黙ってしまった。
「殿下……貴方がしたことはもう元に戻すことはできません。
ですがこれからも一臣下として従わせていただきたいと思っております」
わたしはもう一度頭を下げると、お祖父様の方をみて部屋を出て行こうとした。
「アイシャ、僕は必ず君に恥じぬ国王になるよ」
わたしは今日初めてクリス殿下の顔をまじまじと見た。
数年の月日は彼を大人に変えていた。
たぶん、とても苦労したのだろう。
甘えん坊の坊ちゃんだったクリス殿下が、引き締まった顔になっていた。
覚悟したりんとした表情に、わたしは微笑んだ。
「期待しております」
お祖父様と部屋を後にした。
ーーーー
「あーーー、お祖父様、緊張しました!」
「そうは見えなかったぞ、なかなか迫力があった」
お祖父様は愉快そうに笑った。
悩んで決めたドレスを見て思わずニコッとなる。
Aラインのシンプルなドレスを選んだ。
ウエストが高めでオフショルダーにすることで少し可愛くしてもらった。
薄いピンクのシルク生地で全体に薔薇の模様のレースを施している。
何度もデザイナーさんと話し合い、布地から選んで染めてもらい、仮縫いから本縫いまでに半年ほどかかった。
宝石はキリアン様が送ってくれた。
わたしの瞳の色に合わせてエメラルドのイヤリングを送ってくれた。
最後に一緒にお買い物に行った日に贈ってくださったネックレスとお揃いだった。
リボンの形に可愛く装飾されているチャームは、金の土台にエメラルドが組み込まれていたネックレス。
イヤリングも同じように作られていた。
「可愛い、キリアン様にお礼のお手紙を書かないといけないわ」
キリアン様が帰国してもう3ヶ月。
たまにお手紙を書いてはいるけど会うことがない。
ずっと辛い時、そばにいてくれた人がいなくなってぽっかり穴が空いたみたい。
でも、やはりついて行くことはできなかった。
だってこの国がわたしの生まれ育った国だから。
わたしはメリッサ達に綺麗に支度してもらい、舞踏会へとお祖父様と向かった。
初めての舞踏会は、たくさんの大人の人達が綺麗に着飾っていた。
子どものわたしはとても浮いている気がした。
いくら頑張って綺麗にしてもまだ15歳のわたしはドレスを着ていると言うより着せられている感が否めない。
それでもお祖父様の隣にいるのだから、公爵令嬢として堂々と立ち、前をしっかり見ていないといけない、俯いてはいられない。
元王弟であり公爵でもあるお祖父様は、両陛下への挨拶がみんなの中で一番にしないといけない。
わたしもお祖父様と共に挨拶に向かった。
両陛下の後ろにクリス殿下が立っていた。
少しだけ目が合ったが、わたしは気づかないふりをして、すぐに目を逸らし両陛下へ挨拶をした。
「カイザ・ルビラ公爵の孫、アイシャ・レオンバルドで御座います」
カーテシーをして顔を上げると、お二人はわたしをじっと見つめていた。
「アイシャ、綺麗になったわね」
王妃様は久しぶりにわたしの姿を見て目を潤ませ、優しく微笑んでくれた。
王妃様は少し元気がないように見えた。
ずっと離宮に引き篭もって過ごされているので、やはり体調も良くないのかもしれない。
「ありがとうございます」
わたしも微笑み返した。
「アイシャ、愚息が酷いことをした。今更ながら遅いがすまなかった」
「陛下からそんな言葉をいただくなんて……わたしこそご心配をおかけしてすみませんでした」
わたしは頭を下げたまま顔を上げることができなかった。
「アイシャ、後で時間を作って欲しい」
後ろから震える声がした。
頭を上げるとクリス殿下が、青い顔をして恐々とわたしを見ていた。
「お祖父様……」
どう答えて良いのか分からずにお祖父様の方へ振り向いた。
「後ほど私と一緒にアイシャを連れて伺います」
お祖父様が返事をしてくれたのでホッとして、わたしは頭を下げて退場した。
その後、友人達と合流して話をして過ごした。
ファーストダンスはもちろんお祖父様と踊った。
本当はすぐ近くにお父様の姿があったのだが、お祖父様が一切近くに寄らせないようにしてくれた。
お父様はわたしの姿を何度も見つめていたが、わたしはお父様へ視線を向けることはなかった。
わたしはお父様達家族にとって必要のない人間だった。
せっかくの家族の輪を乱す邪魔者だった。
おかげでわたしは家族とは別の道を進む決断をすることが出来た。
もうお母様やターナ、お父様の前で必死で明るくしなくてもいい。
三人の仲の良い姿をじっと見ていなくていい。
お祖父様とのダンスの後は、ロウトと踊った。
ロウトは「今日は強化魔法なしで踊りましょう」と言ってくれた。
「わたし、なんとか踊れるようになったから安心してちょうだい」
言っておきながら、何故かロウトの足だけは4回ほど踵で踏んでしまった。
「わざとではないのよ、ごめんね」
ロウトは恨みがましくわたしを見るので、一応癒しの魔法をかけてあげた。
ヴィズや他の男子とも踊った。
楽しんでいると、お祖父様が近づいてきた。
「アイシャ、少しいいかな」
「はい」
クリス殿下と会うのだろうとすぐにわかった。
控え室の奥、王族専用の控え室へ向かう。
厳重に警備されていて、わたし一人ならまず通ることは出来ないだろう。
警備にあたっている騎士達は、お祖父様の顔を見るとすぐに頭を下げて通してくれた。
お祖父様も王族として顔を知られている。
わたしも一応孫なので王族ではあるけど、末端なのであまり知られていない。
普段は優しいお祖父様だけど、ここにいるお祖父様は、元王弟で筆頭公爵当主、王族としての風格があるためそこにいるだけで圧を感じてしまう。
わたしが知る優しいお祖父様ではないと感じて、どこか遠い人にみえてしまった。
「アイシャ、黙り込んでどうした?怖いのか?」
「殿下に会うことは別に平気です。お祖父様が一緒ですから。それよりも普段のお祖父様とここでのお祖父様の違いに驚いています」
「うん?わたしのことかい?はて、何か違いがあるかな?」
お祖父様はわかっていて、惚けているのがわかる。
「いえ、今のお祖父様はわたしの大好きなお祖父様です」
「よかった、アイシャに嫌われなくて」
お祖父様が優しく微笑んだ。
そして、クリス殿下のいる控室をノックする。
「どうぞ」
騎士達が扉を開けてくれた。
部屋の中にはクリス殿下と護衛騎士が2人立っていた。
「席を外してくれ」
クリス殿下に言われて騎士達が外に出た。
部屋にいるのは私たち三人だけだった。
お祖父様は部屋の角に立ってわたしだけを殿下の前に行くように促した。
クリス殿下の前に行くと、殿下が頭を下げてきた。
「アイシャ、今まですまなかった。自分がどれだけ君に酷いことをしたのか見に染みてわかった。
ぼくは間違えていたんだ、君にしたことは正しいと勝手に思い込んでいた……君が好きだった。なのに君にわかってもらえなくて意地悪をして、それが今度は当たり前になってもっと酷いことをするようになっていった。
自分でも止めることが出来なくなって、勝手にそれを正当化していたんだ」
わたしは殿下にされてきたことを思い出した。
意地悪を言われたこと、わたしが両親の子ではないと馬鹿にされ続けたこと、属性すら分からなくて何度も貶された。怪我を負わされて入院したこと。
もう許せる?笑ってもういいわと言える?
反省している殿下に優しく微笑む?
わたしは、しばらく黙ってしまった。
「殿下……貴方がしたことはもう元に戻すことはできません。
ですがこれからも一臣下として従わせていただきたいと思っております」
わたしはもう一度頭を下げると、お祖父様の方をみて部屋を出て行こうとした。
「アイシャ、僕は必ず君に恥じぬ国王になるよ」
わたしは今日初めてクリス殿下の顔をまじまじと見た。
数年の月日は彼を大人に変えていた。
たぶん、とても苦労したのだろう。
甘えん坊の坊ちゃんだったクリス殿下が、引き締まった顔になっていた。
覚悟したりんとした表情に、わたしは微笑んだ。
「期待しております」
お祖父様と部屋を後にした。
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「あーーー、お祖父様、緊張しました!」
「そうは見えなかったぞ、なかなか迫力があった」
お祖父様は愉快そうに笑った。
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