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4話
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放課後、王立図書館へ連れて行ってもらった。
ここには国内はもちろん外国の蔵書もたくさん集められている。
あるかしら?わたしの探し物……
わたしはたくさんの本の中から探しているのは、遺伝についての本だった。
我が国ではまだ魔法を使える人達がいる。
もちろん全員が魔力があるわけではない。
わたしの魔力はかなり多いしまだ制御すら出来ていない。
お母様は癒しの魔法を得意とする光属性の持ち主。
お父様は水属性の持ち主なんだけど攻撃魔法・防御魔法が得意。
だからいざという時は国の為に戦う事もあるらしい。
わたしの属性はまだよくわからない。
魔力は強い、でも教会で調べてもらったけどわからなかった。
妹のターナは、お父様と同じ水属性だった。
それからターナはわたしをあからさまに馬鹿にするようになった。
もちろん両親の前では絶対にしない。
でもわたし一人の時には、楽しそうにわたしにキツイ言葉をかけてくる。
「はあー、やっぱりわたしだけ家族ではないのかしら……」
わたしがボソッと呟くと、ロウトが聞こえたのか
「アイシャ様はお二人の子どもです」
と言ってくれたけど、ロウトは24歳。
わたしが生まれた後に公爵家の騎士として働き出したので、あまり信用出来ない。
メリッサもわたしが3歳の時に働き出したのでこれまたはっきりと本人も知らない。
古株の使用人達にわたしが聞けばいいのかしら?と思い聞いてみたけど、「アイシャ様はお二人の子どもです」と何故か必死に言われ過ぎて、つい疑ってしまう。
そしてやはり魔法の適性は遺伝があると書かれている。
わたしの適性はいったいなんだろう……
学園での魔法学での実践でも何をしても上手くいかない。
失敗ばかりで毎回へこんでしまう。
「おい、アイシャ!お前何こんなところにいるんだ?」
わたしは嫌な声を聞いて知らんぷりする事にして本を読み続けた。
「ったく、何無視しているんだ。アイシャのくせに!」
わたしの読んでいる本を取り上げると
「へえ、『遺伝における魔法学』ふうん」
ニヤッと笑った王子。
「返してくださいませんか?」
わたしは王子の顔も見ずに言うと
「気にしてたんだ?お前が誰の子か?」
また意地悪な言い方が始まった。
わたしより一つ年上の王子。
どうしてこんなにわたしに絡んでくるのかわからない。
返事をするのも面倒なので
「その本の返却よろしくお願いします。では失礼いたします」
わたしは王子の顔を一度も見ないままその場を立ち去る事にした。
「お、お前!誰に向かって言ってるんだ!」
分厚く硬い表紙の本をわたしの顔に向かって投げつけてきた。
バコッ!
いきなりだったので防御出来ずにわたしの頭に本が当たった。
い、痛っ!
言葉にならない激しい痛みにその場に蹲ってしまった。
「アイシャ様!」
ロウトは王子のそばに寄ることは出来ずに遠くから見守ってくれていたがわたしが蹲ったのを見て慌てて駆け寄ってきた。
「頭から血が出ております。急いで医務室へ行きましょう」
そう言われて生温かいものが顔に流れているのに気がついて触れてみると、手が真っ赤になっていた。
「ロウト、本は汚れてないかしら?」
「本ですか?」
ロウトがわたしの近くに落ちている本を見て
「大丈夫です」
と言ってくれた。
「よかった……大切な本だから」
「お前は、馬鹿じゃないのか?こんな怪我しているのに本の心配なんかして!」
いや、あなたが怪我させたんじゃないの?
と言いたかったが、もうどうでもよかった。
わたしは傷にハンカチを押し当ててとりあえず傷を押さえながら立った。
「ロウト、行きましょう」
「おい、待てよ!」
「まだわたしにご用ですか?怪我させたんだからもう満足でしょう?素敵な誕生日プレゼントをありがとうございました。一生忘れられない日になると思いますわ」
わたしはカーテシーでもしてやりたかったが、さすがに頭がクラクラするのでやめてさっさと立ち去った。
仕方なく見た王子の顔は青ざめていた。
わたしの嫌味に少しは何か感じてくれたのかな。
いつもわたしに意地悪を言って楽しんでいる王子。人を怪我させても平気そうにして謝りもしないなんてほんと信じられない。
わたしは途中、フラフラしてしまい歩けなくなってロウトに抱っこされて医務室へと運ばれた。
ここには国内はもちろん外国の蔵書もたくさん集められている。
あるかしら?わたしの探し物……
わたしはたくさんの本の中から探しているのは、遺伝についての本だった。
我が国ではまだ魔法を使える人達がいる。
もちろん全員が魔力があるわけではない。
わたしの魔力はかなり多いしまだ制御すら出来ていない。
お母様は癒しの魔法を得意とする光属性の持ち主。
お父様は水属性の持ち主なんだけど攻撃魔法・防御魔法が得意。
だからいざという時は国の為に戦う事もあるらしい。
わたしの属性はまだよくわからない。
魔力は強い、でも教会で調べてもらったけどわからなかった。
妹のターナは、お父様と同じ水属性だった。
それからターナはわたしをあからさまに馬鹿にするようになった。
もちろん両親の前では絶対にしない。
でもわたし一人の時には、楽しそうにわたしにキツイ言葉をかけてくる。
「はあー、やっぱりわたしだけ家族ではないのかしら……」
わたしがボソッと呟くと、ロウトが聞こえたのか
「アイシャ様はお二人の子どもです」
と言ってくれたけど、ロウトは24歳。
わたしが生まれた後に公爵家の騎士として働き出したので、あまり信用出来ない。
メリッサもわたしが3歳の時に働き出したのでこれまたはっきりと本人も知らない。
古株の使用人達にわたしが聞けばいいのかしら?と思い聞いてみたけど、「アイシャ様はお二人の子どもです」と何故か必死に言われ過ぎて、つい疑ってしまう。
そしてやはり魔法の適性は遺伝があると書かれている。
わたしの適性はいったいなんだろう……
学園での魔法学での実践でも何をしても上手くいかない。
失敗ばかりで毎回へこんでしまう。
「おい、アイシャ!お前何こんなところにいるんだ?」
わたしは嫌な声を聞いて知らんぷりする事にして本を読み続けた。
「ったく、何無視しているんだ。アイシャのくせに!」
わたしの読んでいる本を取り上げると
「へえ、『遺伝における魔法学』ふうん」
ニヤッと笑った王子。
「返してくださいませんか?」
わたしは王子の顔も見ずに言うと
「気にしてたんだ?お前が誰の子か?」
また意地悪な言い方が始まった。
わたしより一つ年上の王子。
どうしてこんなにわたしに絡んでくるのかわからない。
返事をするのも面倒なので
「その本の返却よろしくお願いします。では失礼いたします」
わたしは王子の顔を一度も見ないままその場を立ち去る事にした。
「お、お前!誰に向かって言ってるんだ!」
分厚く硬い表紙の本をわたしの顔に向かって投げつけてきた。
バコッ!
いきなりだったので防御出来ずにわたしの頭に本が当たった。
い、痛っ!
言葉にならない激しい痛みにその場に蹲ってしまった。
「アイシャ様!」
ロウトは王子のそばに寄ることは出来ずに遠くから見守ってくれていたがわたしが蹲ったのを見て慌てて駆け寄ってきた。
「頭から血が出ております。急いで医務室へ行きましょう」
そう言われて生温かいものが顔に流れているのに気がついて触れてみると、手が真っ赤になっていた。
「ロウト、本は汚れてないかしら?」
「本ですか?」
ロウトがわたしの近くに落ちている本を見て
「大丈夫です」
と言ってくれた。
「よかった……大切な本だから」
「お前は、馬鹿じゃないのか?こんな怪我しているのに本の心配なんかして!」
いや、あなたが怪我させたんじゃないの?
と言いたかったが、もうどうでもよかった。
わたしは傷にハンカチを押し当ててとりあえず傷を押さえながら立った。
「ロウト、行きましょう」
「おい、待てよ!」
「まだわたしにご用ですか?怪我させたんだからもう満足でしょう?素敵な誕生日プレゼントをありがとうございました。一生忘れられない日になると思いますわ」
わたしはカーテシーでもしてやりたかったが、さすがに頭がクラクラするのでやめてさっさと立ち去った。
仕方なく見た王子の顔は青ざめていた。
わたしの嫌味に少しは何か感じてくれたのかな。
いつもわたしに意地悪を言って楽しんでいる王子。人を怪我させても平気そうにして謝りもしないなんてほんと信じられない。
わたしは途中、フラフラしてしまい歩けなくなってロウトに抱っこされて医務室へと運ばれた。
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