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2章 ある騎士の物語
第10話
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あの日から数週間が過ぎた。
両陛下は皇太子殿下に王位を譲り北の塔に幽閉された。
それも側室達とその子どもも全員が塔に入れられて一生外には出して貰えないらしい。
子ども達は王位継承権は剥奪されて男女全員が子どもが出来ないように施されたらしい。
そして公爵はお家取り潰しになり死刑が言い渡された。孤児院の職員達も捕まり全員死刑になる。
子ども達は新しい孤児院を作りそこで安心して暮らせるように陛下自らが先頭に立ってくれた。
ハック達はもちろん全員今までの犯罪を調べ上げられて死刑になった。
使えなくなった子ども達の遺体を処分したりしていたのも彼らだった。
セシリア様は、死刑にはならなかった。
一応王族なので…と言うのは言い訳で死んだ方がマシだと言われる北の大地に連れて行かれた。
朝から夕方まで炭鉱で男たちに混ざり重労働をさせられる。そして夜は男たちと同じ部屋で寝るのだ。
それは自分が罪のない女性にしてきたことを今度はされるということだ。
自殺は許されない。24時間監視が付いていて死ぬことは出来ない。
寿命が尽きるまで辛い日々を送ることになった。
俺は思う。あの女はそれでも反省せずに他人のせいにして喚き散らすのではないかと……
◇ ◇ ◇
俺は今日アンナと結婚する。
お腹には俺の子がいた。
やはり前回自殺した時にいた子どもは俺の子だった。
俺はアンナと子どもと一緒に暮らせる日々に感謝しながら生きていく。
あの暗くて辛い日々を忘れることはできない、だからこそ今を大切にしたい。
アンディはヴィオラ様と婚約したと聞いた。
俺たちの前回の人生はあまりにも辛く悲しみの中で終わった。
誰が俺を過去に戻してくれたのかは分からない。
でもその誰かに感謝している。
◇ ◇ ◇
「どうしてわたしがこんなところで働かないといけないのよ!」
「重たいわ、貴方が代わりに持ちなさい!」
「いや、止めて!どうして、どうして?わたしは何も悪いことはしていないのに!」
「いやあー!!お願いやめて!!」
「わたしはここから逃げ出したいの。お願いもう止めて………」
「こんな地獄はいつまで続くの?お父様、お母様、助けて……」
「………死にた……い……死なせて……」
◇ ◇ ◇
「なぁ、ある騎士さんよ、お前の執念を俺はみた、今度こそ恋人を守れよ」
隣の国の王はセシリアを殺して自害するウィルを見てちょっとした悪戯心で時間を巻き戻した。
隣の国の王様には忘れ去られた魔力がまだあるらしいと言う噂は本当だったようだ。
「退屈な毎日だ、騎士よ、俺を楽しませてくれ」
END
◆ ◆ ◆
時を巻き戻しをしたのはセシリアが前回嫁いだ隣の国の王でした。
そしてセシリアは今回は隣の国へ嫁ぐことなく一生苦しみながら生きていきます。
◆ ◆ ◆
読んでいただきありがとうございました。
これにて巻き戻し編は終わりです。
色々ご意見はあると思いますがわたしなりのある騎士の救済編でした。
両陛下は皇太子殿下に王位を譲り北の塔に幽閉された。
それも側室達とその子どもも全員が塔に入れられて一生外には出して貰えないらしい。
子ども達は王位継承権は剥奪されて男女全員が子どもが出来ないように施されたらしい。
そして公爵はお家取り潰しになり死刑が言い渡された。孤児院の職員達も捕まり全員死刑になる。
子ども達は新しい孤児院を作りそこで安心して暮らせるように陛下自らが先頭に立ってくれた。
ハック達はもちろん全員今までの犯罪を調べ上げられて死刑になった。
使えなくなった子ども達の遺体を処分したりしていたのも彼らだった。
セシリア様は、死刑にはならなかった。
一応王族なので…と言うのは言い訳で死んだ方がマシだと言われる北の大地に連れて行かれた。
朝から夕方まで炭鉱で男たちに混ざり重労働をさせられる。そして夜は男たちと同じ部屋で寝るのだ。
それは自分が罪のない女性にしてきたことを今度はされるということだ。
自殺は許されない。24時間監視が付いていて死ぬことは出来ない。
寿命が尽きるまで辛い日々を送ることになった。
俺は思う。あの女はそれでも反省せずに他人のせいにして喚き散らすのではないかと……
◇ ◇ ◇
俺は今日アンナと結婚する。
お腹には俺の子がいた。
やはり前回自殺した時にいた子どもは俺の子だった。
俺はアンナと子どもと一緒に暮らせる日々に感謝しながら生きていく。
あの暗くて辛い日々を忘れることはできない、だからこそ今を大切にしたい。
アンディはヴィオラ様と婚約したと聞いた。
俺たちの前回の人生はあまりにも辛く悲しみの中で終わった。
誰が俺を過去に戻してくれたのかは分からない。
でもその誰かに感謝している。
◇ ◇ ◇
「どうしてわたしがこんなところで働かないといけないのよ!」
「重たいわ、貴方が代わりに持ちなさい!」
「いや、止めて!どうして、どうして?わたしは何も悪いことはしていないのに!」
「いやあー!!お願いやめて!!」
「わたしはここから逃げ出したいの。お願いもう止めて………」
「こんな地獄はいつまで続くの?お父様、お母様、助けて……」
「………死にた……い……死なせて……」
◇ ◇ ◇
「なぁ、ある騎士さんよ、お前の執念を俺はみた、今度こそ恋人を守れよ」
隣の国の王はセシリアを殺して自害するウィルを見てちょっとした悪戯心で時間を巻き戻した。
隣の国の王様には忘れ去られた魔力がまだあるらしいと言う噂は本当だったようだ。
「退屈な毎日だ、騎士よ、俺を楽しませてくれ」
END
◆ ◆ ◆
時を巻き戻しをしたのはセシリアが前回嫁いだ隣の国の王でした。
そしてセシリアは今回は隣の国へ嫁ぐことなく一生苦しみながら生きていきます。
◆ ◆ ◆
読んでいただきありがとうございました。
これにて巻き戻し編は終わりです。
色々ご意見はあると思いますがわたしなりのある騎士の救済編でした。
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