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第6話
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俺は退職願を出してからセシリア様の元へ向かった。
部屋をノックして初めて中へ入って行った。
「失礼致します」
「アンディが初めてわたしの部屋に入ってくれたわ、嬉しい」
セシリア様は俺に抱きつき肩に顔を埋めてきた。
「セシリア様わたしは近衛騎士を辞めて参りました。もう貴方の騎士ではありません」
「え?辞めた?そんなこと勝手には出来ないわ。貴方はわたしの騎士なの。だから辞めることは出来ないのよ」
セシリア様は馬鹿にしたように笑った。
「もう団長に受理していただきました」
「おじ様はそんな事しないわ。わたしのお気に入りを辞めさせるなんて事はしないの」
「わたしはものではありません、意志を持った人間です」
「あら、そんな事知っているわ。ねえ、だから偶にはわたしと遊びましょうよ」
ふふふ。
セシリア様は、わたしに抱きついたまま腕を首に回して耳元で囁いてきた。
わたしはその手を振り払い身体ごと剥がして離れた。
「わたしには愛する婚約者がおります。貴方と遊ぶなど死んでも嫌です」
「死んでも?嫌?ふふ。誰が死んでも?」
「どういう意味ですか?」
「別に意味などないわ。わたしが気に入らない女性がどうにかなったらいいのになって心の中で願うと何故かその女性が不幸になるの、何故かしら?」
「わたしもとっても嫌な女性とは二度と会いたくないと願っています」
「な、なんて失礼なことを言うの」
「わたしはセシリア様のことを言ったわけではありません」
俺は平然と答えた。俺の大事なヴィオラをどうするつもりだ。腹が立って仕方ないが冷静にセシリア様と対峙した。
ムキになったらセシリア様の思う壺だ。絶対にこの話しは俺が有利に持っていき勝つつもりでいる。
「ねえ、アンディ、貴方次第で貴方の大切なヴィオラがどうなるか決まるのよ。ここでわたしを抱きなさい。そしたらあの女を見逃してあげるわ」
「わたしはヴィオラを愛しています。貴方のことを抱くなんてあり得ません」
「ヴィオラを殺してもいいのよ?それとも前いた騎士の女みたいにいろんな男に味見させようかしら?泣き叫びながら何人もの男に辱められた顔を見ていたら興奮するのよ。ヴィオラの顔もみてみたいわ。貴方をロープで縛ってわたしと二人でヴィオラの泣き叫びながら凌辱されるのを見るのもいいわね。見ながら一緒にわたし達も愛し合いましょうか?ふふふ」
俺は本当に殴りかかって殺したくなった。
「いくら脅されても貴方に気持ちはいきません」
「あら?もうわたしの影がヴィオラに向かっているかもしれないわよ?」
「ふざけないでください」
俺はすぐにでも部屋を飛び出してしまいたいのを我慢した。コイツにたくさんの証言を引き出すのが俺の仕事だ。
「何故?貴方みたいな男を飼い慣らすのも楽しそうね」
「俺はヴィオラだけを愛しています。貴方になんか 飼われません」
「やはりヴィオラは殺すしかないわね」
セシリア様は、天井を見て言った。
「ヴィオラを辱めてから殺して」
天井の上で微かに音がした。
俺は追いかけて止めたかった。
だが仲間達が必ず止めてくれる。
必ずヴィオラを助けて守ってくれると信じている。
コイツを確実に引き摺り落とすんだ。
「やめてくれ、ヴィオラに何をするんだ!」
「前したことと同じよ。捕まえて強姦させるの。今度は最後に殺してあげるわ。貴方がわたしの一生ペットとして生きていけるようにね」
「そんなことしたら絶対に許さない!」
「だったら抱きなさい、わたしのペットになりなさい」
王女はクスクス笑い出した。
俺はそれでも
「貴方を抱けません。俺の愛する女性はヴィオラだけです」
ふふふ、アハハハ!
セシリアは大笑いをして、
「わたしがここで服を破って大声を出したらどうなるかしら?」
と嬉しそうに言った。
「別にどうもなりま…「きゃー、助けてぇー」
セシリア様は大きな声を出したかと思うと自分で服を切り裂いた。
俺はここまでやるのかと唖然として見ていた。
「セシリア様、大丈夫ですか?」
外で警護していた近衛騎士達が入ってきた。
俺はすぐに取り押さえられた。
「アンディがわたしに無理やり迫ってきたて服を破ったの」
セシリア様は涙を潤ませて震えていた。
「俺は何もしていない!」
俺が叫ぶとセシリア様は俯いたままニヤッと笑うのがわかった。
「アンディとわたしは愛し合っているの。こんなことされてもわたしはアンディを愛しているわ、無理に捕まえたりしないでちょうだい」
(何が愛し合っているだ!お前なんか死ぬほど嫌いだ)
叫びそうになるのをグッと堪えた。
「俺は何もしていない!」
なのに俺は騎士達にガッツリ掴まれて床に押さえ込まれた。
「大人しくしろ!」
大声で怒鳴られた。
「もう少しの辛抱だ」
と小さな声が聞こえた。
俺は小さく頷いた。
「ねえ、アンディ。このままでは貴方は罪人になるわ。もうヴィオラともお終いね。ヴィオラのことは任せてちょうだい。あの娘ならいくらでも欲しがる男がいるわ」
セシリア様は俺のそばに来て囁いた。
これ以上何を我慢するんだ。
俺は拳を握りしめてひたすら我慢した。
部屋をノックして初めて中へ入って行った。
「失礼致します」
「アンディが初めてわたしの部屋に入ってくれたわ、嬉しい」
セシリア様は俺に抱きつき肩に顔を埋めてきた。
「セシリア様わたしは近衛騎士を辞めて参りました。もう貴方の騎士ではありません」
「え?辞めた?そんなこと勝手には出来ないわ。貴方はわたしの騎士なの。だから辞めることは出来ないのよ」
セシリア様は馬鹿にしたように笑った。
「もう団長に受理していただきました」
「おじ様はそんな事しないわ。わたしのお気に入りを辞めさせるなんて事はしないの」
「わたしはものではありません、意志を持った人間です」
「あら、そんな事知っているわ。ねえ、だから偶にはわたしと遊びましょうよ」
ふふふ。
セシリア様は、わたしに抱きついたまま腕を首に回して耳元で囁いてきた。
わたしはその手を振り払い身体ごと剥がして離れた。
「わたしには愛する婚約者がおります。貴方と遊ぶなど死んでも嫌です」
「死んでも?嫌?ふふ。誰が死んでも?」
「どういう意味ですか?」
「別に意味などないわ。わたしが気に入らない女性がどうにかなったらいいのになって心の中で願うと何故かその女性が不幸になるの、何故かしら?」
「わたしもとっても嫌な女性とは二度と会いたくないと願っています」
「な、なんて失礼なことを言うの」
「わたしはセシリア様のことを言ったわけではありません」
俺は平然と答えた。俺の大事なヴィオラをどうするつもりだ。腹が立って仕方ないが冷静にセシリア様と対峙した。
ムキになったらセシリア様の思う壺だ。絶対にこの話しは俺が有利に持っていき勝つつもりでいる。
「ねえ、アンディ、貴方次第で貴方の大切なヴィオラがどうなるか決まるのよ。ここでわたしを抱きなさい。そしたらあの女を見逃してあげるわ」
「わたしはヴィオラを愛しています。貴方のことを抱くなんてあり得ません」
「ヴィオラを殺してもいいのよ?それとも前いた騎士の女みたいにいろんな男に味見させようかしら?泣き叫びながら何人もの男に辱められた顔を見ていたら興奮するのよ。ヴィオラの顔もみてみたいわ。貴方をロープで縛ってわたしと二人でヴィオラの泣き叫びながら凌辱されるのを見るのもいいわね。見ながら一緒にわたし達も愛し合いましょうか?ふふふ」
俺は本当に殴りかかって殺したくなった。
「いくら脅されても貴方に気持ちはいきません」
「あら?もうわたしの影がヴィオラに向かっているかもしれないわよ?」
「ふざけないでください」
俺はすぐにでも部屋を飛び出してしまいたいのを我慢した。コイツにたくさんの証言を引き出すのが俺の仕事だ。
「何故?貴方みたいな男を飼い慣らすのも楽しそうね」
「俺はヴィオラだけを愛しています。貴方になんか 飼われません」
「やはりヴィオラは殺すしかないわね」
セシリア様は、天井を見て言った。
「ヴィオラを辱めてから殺して」
天井の上で微かに音がした。
俺は追いかけて止めたかった。
だが仲間達が必ず止めてくれる。
必ずヴィオラを助けて守ってくれると信じている。
コイツを確実に引き摺り落とすんだ。
「やめてくれ、ヴィオラに何をするんだ!」
「前したことと同じよ。捕まえて強姦させるの。今度は最後に殺してあげるわ。貴方がわたしの一生ペットとして生きていけるようにね」
「そんなことしたら絶対に許さない!」
「だったら抱きなさい、わたしのペットになりなさい」
王女はクスクス笑い出した。
俺はそれでも
「貴方を抱けません。俺の愛する女性はヴィオラだけです」
ふふふ、アハハハ!
セシリアは大笑いをして、
「わたしがここで服を破って大声を出したらどうなるかしら?」
と嬉しそうに言った。
「別にどうもなりま…「きゃー、助けてぇー」
セシリア様は大きな声を出したかと思うと自分で服を切り裂いた。
俺はここまでやるのかと唖然として見ていた。
「セシリア様、大丈夫ですか?」
外で警護していた近衛騎士達が入ってきた。
俺はすぐに取り押さえられた。
「アンディがわたしに無理やり迫ってきたて服を破ったの」
セシリア様は涙を潤ませて震えていた。
「俺は何もしていない!」
俺が叫ぶとセシリア様は俯いたままニヤッと笑うのがわかった。
「アンディとわたしは愛し合っているの。こんなことされてもわたしはアンディを愛しているわ、無理に捕まえたりしないでちょうだい」
(何が愛し合っているだ!お前なんか死ぬほど嫌いだ)
叫びそうになるのをグッと堪えた。
「俺は何もしていない!」
なのに俺は騎士達にガッツリ掴まれて床に押さえ込まれた。
「大人しくしろ!」
大声で怒鳴られた。
「もう少しの辛抱だ」
と小さな声が聞こえた。
俺は小さく頷いた。
「ねえ、アンディ。このままでは貴方は罪人になるわ。もうヴィオラともお終いね。ヴィオラのことは任せてちょうだい。あの娘ならいくらでも欲しがる男がいるわ」
セシリア様は俺のそばに来て囁いた。
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