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番外編 ブラッド編 ④
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エリーゼ様は、美しく成長していった。
前回の16歳までを知る俺は、彼女の成長を見守り続けた。
ふと気づくとエリーゼ様の俺を見る目が少し変わった気がした。
俺は護衛として以外、近づきたくなかった。
なのに勉強を教えなければいけなくなった。
彼女の横で教えていると、甘い優しい匂いがする。
俺は気にしていないように振る舞い、エリーゼ様の前では普通に過ごしているが内心はドキドキした。
もう俺自身子供ではないのに、エリーゼ様といる時はいつも彼女を意識してしまう若者のようだった。
彼女が見るもの全てに嫉妬して彼女の目を口を俺のキスで塞ぎたくなる。
俺は真面目で品行方正ではない。
屋敷で俺が遊んでいる噂が流れているのは知っている。いや態とに否定しないで過ごした。
俺のこの気持ちに名前をつけるなら、これは彼女への恋情だ。
前回も今回の前も今も俺は彼女を愛していたのだと、認めるしかなかった。
だからこそ俺のだらしない姿を彼女に見せることで俺は自分の気持ちをなんとか押さえ込もうとしていた。
俺が気持ちを押さえられなくなった一つの理由は、クロード殿下に新しい婚約者が出来たと聞いたからだ。
相手は南の領地の近くに住む、伯爵家のご令嬢だそうだ。
だが俺とエリーゼ様は10歳も歳が離れている。
それに彼女が俺を本当はどう思っているかは分からない。
時に俺に甘え、我儘を言い、多分だが俺に熱い視線を送ってくる。
勘違いしているだけなのか……
おれは認めたくないが、前回の時からエリーゼ様に惹かれていた。
愛していた。
あの冷たく見える表情の中にある、寂しくて恋しくていつも何かを見つめている瞳。
あの瞳に俺は、「影」としてではなくて、ブラッドとして俺自身を一度でもいいから見て欲しかったのだと。
だが前回一度も彼女に俺は認識されることなく終わった。
守る事もできず、死なせてしまった。
俺の記憶の16歳の前回の彼女と同じなのに、今の彼女は、活発で聡明、以前とは比べられないくらい輝いている。
俺はそれを静かに見守るだけ。
だが蓋を閉じて開かないようにしていた気持ちが少しずつエリーゼ様と接するたびに溢れ出しそうになった。
気づかないように、考えないように、俺は外で遊ぶ。
だが、誰にも本気になれなかった。
誰も抱くことはなかった。
もちろんエリーゼ様が子供の頃はそれなりに恋人もいた。
あの日、「影さん」と呼ばれてからは、どうしても他の女を抱く気になれなくなった。
エリーゼ様がクロード殿下に裏切られたことを知っている俺には、遊んでも他の女を抱くことは出来なかった。
別にエリーゼ様が、俺を好きなわけではない。
俺もエリーゼ様を好きだと自覚があったわけでもない。
なのに出来なかった。
自分の気持ちを認めたのは、殿下の婚約の話を聞いた時だった。
それからの俺は押さえられない気持ちと、自分が男爵家三男というまともに地位も金もない俺には資格がないという気持ちがぶつかり、どうすることも出来なかった。
そんな気持ちの中で過ごしていた時に、エリーゼ様の父親の公爵様に呼ばれた。
「ブラッド、君を呼んだのは君に聞きたいことがあるからだ……君はエリーゼのことをどう思っているんだ?」
「……え?」
俺は思ってもいなかった公爵様からの質問に答えることが出来なかった。
「エリーゼの侍女達からいつもあの子の事を報告してもらっているんだ。
あの子はいつもお前を目で追っているらしい……親としては認めたくないがあの子の心にはお前がいる。
普通なら反対してエリーゼにさっさと婚約者をみつけるのだが、あの子の巻き戻った話はお前も知っているだろう。
だからあの子の気持ちを尊重してやりたい、だがお前は色々と女遊びをしているらしい。
それでは殿下の時の二の舞になる。
それにお前にその気がないのならさっさと振ってやって欲しい」
「………女遊びは…エリーゼ様への気持ちに気づきたくなくてしていましたが……ここ数年はフリでした」
「フリ?何故?」
「10歳も年上の使用人でしかないわたしが、本気で好きになってはいけない人だからです。それでも忘れられなくて……振られるために諦めるために、彼女には遊んでいる駄目な男だと思われていたかったからです」
「…確かに普通ならお前では叶わぬものだ。お前の考えが正しい…ではエリーゼの気持ちに気づいていたのか?」
「なんとなくですが、そうではないかと思っていました、だからこそ俺はこの気持ちをなかったことにしようとしていました」
「そうか……エリーゼの片思いではないんだな……」
「………」
俺は答えられなかった。
それなりの年で恋人もいたし女遊びもそれなりにしてきた。
そんな俺をエリーゼ様が受け入れるはずはない。
「エリーゼが本気でブラッドを好きならわたしは認める、ただしそれはあの子から君へ言ってきた時だけだ、君からは絶対に行動するな!」
公爵様の言葉の重みを受け、俺は彼女を見守った。
「愛している」俺から言うことは出来ない。
そして、卒業式の日。
俺はエリーゼ様の卒業パーティーのエスコートを頼まれた。
エリーゼ様のドレスは俺の黒い瞳の色を所々に入れた、ワインレッドの大人っぽいデザインのドレスだった。
そして俺の服はエリーゼ様の金色の髪とブルーの瞳の色を選んで着た。
「ブラッド、今日はよろしくね」
「エリーゼ様、とても美しいです」
俺はその一言を言うのが精一杯だった。
初めてエリーゼ様と踊った。
とても美しいエリーゼ様はみんなから注目されていた。
本当は誰にも見せずに俺だけがずっと見ていたいと思った。
俺たちはベランダに出てダンスで火照った体を涼ませていた。
「ブラッド、ありがとう、いい思い出ができたわ」
「エリーゼ様が喜んでくれたのならよかったです、これは卒業祝いです、ほんの気持ちですが」
エリーゼ様の瞳の色、ブルーサファイアのネックレスを俺はプレゼントした。
「ありがとう、今つけてもいいかしら?」
「ではわたしがおつけしても宜しいですか?」
「お願いします」
俺はエリーゼ様の首筋に顔を近づけてネックレスをつけた。
少し困らせるつもりで。
「ブラッド、わたし……わたしね……っ…あ」
俺の唇でエリーゼ様の唇を塞いだ。
俺は、公爵様との約束を破った。
エリーゼ様は驚いて俺を見ていたが、俺はさらに深いキスをした。
エリーゼ様は俺にされるがままにキスを受け入れた。
そして唇が離れると、
「エリーゼ様、貴女をずっと愛しています」
俺は優しくエリーゼ様の頬をそっと触りながら言った。
俺は、公爵様との約束を破った。
どうしても彼女より先に告白したかった。
そしてエリーゼ様は……
「わたしも貴方を愛しています」
前回の16歳までを知る俺は、彼女の成長を見守り続けた。
ふと気づくとエリーゼ様の俺を見る目が少し変わった気がした。
俺は護衛として以外、近づきたくなかった。
なのに勉強を教えなければいけなくなった。
彼女の横で教えていると、甘い優しい匂いがする。
俺は気にしていないように振る舞い、エリーゼ様の前では普通に過ごしているが内心はドキドキした。
もう俺自身子供ではないのに、エリーゼ様といる時はいつも彼女を意識してしまう若者のようだった。
彼女が見るもの全てに嫉妬して彼女の目を口を俺のキスで塞ぎたくなる。
俺は真面目で品行方正ではない。
屋敷で俺が遊んでいる噂が流れているのは知っている。いや態とに否定しないで過ごした。
俺のこの気持ちに名前をつけるなら、これは彼女への恋情だ。
前回も今回の前も今も俺は彼女を愛していたのだと、認めるしかなかった。
だからこそ俺のだらしない姿を彼女に見せることで俺は自分の気持ちをなんとか押さえ込もうとしていた。
俺が気持ちを押さえられなくなった一つの理由は、クロード殿下に新しい婚約者が出来たと聞いたからだ。
相手は南の領地の近くに住む、伯爵家のご令嬢だそうだ。
だが俺とエリーゼ様は10歳も歳が離れている。
それに彼女が俺を本当はどう思っているかは分からない。
時に俺に甘え、我儘を言い、多分だが俺に熱い視線を送ってくる。
勘違いしているだけなのか……
おれは認めたくないが、前回の時からエリーゼ様に惹かれていた。
愛していた。
あの冷たく見える表情の中にある、寂しくて恋しくていつも何かを見つめている瞳。
あの瞳に俺は、「影」としてではなくて、ブラッドとして俺自身を一度でもいいから見て欲しかったのだと。
だが前回一度も彼女に俺は認識されることなく終わった。
守る事もできず、死なせてしまった。
俺の記憶の16歳の前回の彼女と同じなのに、今の彼女は、活発で聡明、以前とは比べられないくらい輝いている。
俺はそれを静かに見守るだけ。
だが蓋を閉じて開かないようにしていた気持ちが少しずつエリーゼ様と接するたびに溢れ出しそうになった。
気づかないように、考えないように、俺は外で遊ぶ。
だが、誰にも本気になれなかった。
誰も抱くことはなかった。
もちろんエリーゼ様が子供の頃はそれなりに恋人もいた。
あの日、「影さん」と呼ばれてからは、どうしても他の女を抱く気になれなくなった。
エリーゼ様がクロード殿下に裏切られたことを知っている俺には、遊んでも他の女を抱くことは出来なかった。
別にエリーゼ様が、俺を好きなわけではない。
俺もエリーゼ様を好きだと自覚があったわけでもない。
なのに出来なかった。
自分の気持ちを認めたのは、殿下の婚約の話を聞いた時だった。
それからの俺は押さえられない気持ちと、自分が男爵家三男というまともに地位も金もない俺には資格がないという気持ちがぶつかり、どうすることも出来なかった。
そんな気持ちの中で過ごしていた時に、エリーゼ様の父親の公爵様に呼ばれた。
「ブラッド、君を呼んだのは君に聞きたいことがあるからだ……君はエリーゼのことをどう思っているんだ?」
「……え?」
俺は思ってもいなかった公爵様からの質問に答えることが出来なかった。
「エリーゼの侍女達からいつもあの子の事を報告してもらっているんだ。
あの子はいつもお前を目で追っているらしい……親としては認めたくないがあの子の心にはお前がいる。
普通なら反対してエリーゼにさっさと婚約者をみつけるのだが、あの子の巻き戻った話はお前も知っているだろう。
だからあの子の気持ちを尊重してやりたい、だがお前は色々と女遊びをしているらしい。
それでは殿下の時の二の舞になる。
それにお前にその気がないのならさっさと振ってやって欲しい」
「………女遊びは…エリーゼ様への気持ちに気づきたくなくてしていましたが……ここ数年はフリでした」
「フリ?何故?」
「10歳も年上の使用人でしかないわたしが、本気で好きになってはいけない人だからです。それでも忘れられなくて……振られるために諦めるために、彼女には遊んでいる駄目な男だと思われていたかったからです」
「…確かに普通ならお前では叶わぬものだ。お前の考えが正しい…ではエリーゼの気持ちに気づいていたのか?」
「なんとなくですが、そうではないかと思っていました、だからこそ俺はこの気持ちをなかったことにしようとしていました」
「そうか……エリーゼの片思いではないんだな……」
「………」
俺は答えられなかった。
それなりの年で恋人もいたし女遊びもそれなりにしてきた。
そんな俺をエリーゼ様が受け入れるはずはない。
「エリーゼが本気でブラッドを好きならわたしは認める、ただしそれはあの子から君へ言ってきた時だけだ、君からは絶対に行動するな!」
公爵様の言葉の重みを受け、俺は彼女を見守った。
「愛している」俺から言うことは出来ない。
そして、卒業式の日。
俺はエリーゼ様の卒業パーティーのエスコートを頼まれた。
エリーゼ様のドレスは俺の黒い瞳の色を所々に入れた、ワインレッドの大人っぽいデザインのドレスだった。
そして俺の服はエリーゼ様の金色の髪とブルーの瞳の色を選んで着た。
「ブラッド、今日はよろしくね」
「エリーゼ様、とても美しいです」
俺はその一言を言うのが精一杯だった。
初めてエリーゼ様と踊った。
とても美しいエリーゼ様はみんなから注目されていた。
本当は誰にも見せずに俺だけがずっと見ていたいと思った。
俺たちはベランダに出てダンスで火照った体を涼ませていた。
「ブラッド、ありがとう、いい思い出ができたわ」
「エリーゼ様が喜んでくれたのならよかったです、これは卒業祝いです、ほんの気持ちですが」
エリーゼ様の瞳の色、ブルーサファイアのネックレスを俺はプレゼントした。
「ありがとう、今つけてもいいかしら?」
「ではわたしがおつけしても宜しいですか?」
「お願いします」
俺はエリーゼ様の首筋に顔を近づけてネックレスをつけた。
少し困らせるつもりで。
「ブラッド、わたし……わたしね……っ…あ」
俺の唇でエリーゼ様の唇を塞いだ。
俺は、公爵様との約束を破った。
エリーゼ様は驚いて俺を見ていたが、俺はさらに深いキスをした。
エリーゼ様は俺にされるがままにキスを受け入れた。
そして唇が離れると、
「エリーゼ様、貴女をずっと愛しています」
俺は優しくエリーゼ様の頬をそっと触りながら言った。
俺は、公爵様との約束を破った。
どうしても彼女より先に告白したかった。
そしてエリーゼ様は……
「わたしも貴方を愛しています」
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