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71話
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そして、わたしの記憶ではユシリス様の犯罪で離縁され、その後事件が解決して国王を退位されて王弟に国王の座を譲った。
でも今も同じように王弟に国王の座を譲り、南の領地で三人で過ごされているようだ。
ユシリス様は入院しているとアンが言った。
どう言うことなのだろう?
「お父様、前陛下は何故国王の座を降りたのですか?」
「そうか……それも分からないんだよね……エリーゼは……」
お兄様が何処から話そうか悩みながら
「エリーゼがマリーナ様に毒を盛られ拐われたのは同じ?」
「以前はニューベル公爵が主犯でハウエル公爵がニューベル公爵の指示で子供達を娼館で働かせたりしていました。
貴族派のトップがニューベル公爵でハウエル公爵が画策して動いていましたが、マリーナ様がわたしに毒を盛り攫いました。
そしてその後ユシリス様やニューベル公爵、ハウエル公爵、マリーナ様が捕まりました」
「ニューベル公爵はもう二十年以上前に処刑されたのは聞いたよね?だからもういない。
エリーゼは僕と父上に不信感を抱き、屋敷を出て孤児院でヴィクトリア様達に守られて暮らしていたんだ。
クロード殿下は僕たちと同じ巻き戻りで、エリーゼともう一度やり直そうと孤児院へよく通っていたんだ。
でもエリーゼはそれを受け入れることはなかった。
そんな時、貴族派筆頭のハウエル公爵がマリーナ様を婚約者にと陛下へ話を持って行ったんだ。
もちろん、クロード殿下はエリーゼがいいと拒否したが諦めの悪いハウエル公爵は貴族派の力で陛下に圧力をかけてきたんだ。
貴族派が議会で反対をするようになれば国政もスムーズには進まなくなる。僕たち王族派が賛成に回ってもかなり難しい国政を強いられることになる。
それで陛下はクロード殿下に婚約だけでも今はするようにと言われたのだが、殿下は首を縦に振らなかった。
マリーナ様はクロード殿下が婚約してくれないのはエリーゼの所為だと言って、憤慨されたんだ。
そしてエリーゼにマリーナ様は孤児のフリをして近づいて毒を盛り拐ったんだ。
そして父親であるハウエル公爵はエリーゼを、少女達を集めた娼館で働かせようとしたんだ。
僕たちは連れ去られて、犯人が分からず探し回った。たまたまエリーゼに近づいた女の子の顔を覚えていたのがミリアとユンで、似顔絵を描いてもらってマリーナ様だとわかり、エリーゼを見つけ出すことが出来たんだ。
でもエリーゼは毒に犯されてなかなか治らず、ずっと看病してくれたのがミリアとユンだったんだよ。
何とか体調が戻り、エリーゼは孤児院から僕たちのいる公爵家へ戻って来たんだ。その時に二人もエリーゼの命の恩人として迎え入れたんだよ。
エリーゼの話し相手とメイドとしてね。
事件解決後、ユシリス様は突然倒れられたんだ」
「倒れた?」
お父様が説明を続けてくれた。
「エリーゼが救い出された時殿下とユシリス様がちょうど居たんだけど、ユシリス様は『お姉ちゃん』と何故か意味のわからない言葉を言って突然倒れたんだ。それからは度々寝込むことが増えたんだ。未だに原因がわからないんだが、今は入院されている。
ここ半年はとても怖がって外へ出ることもできない。
前陛下はここ数年ユシリス様を何とか治療して治そうとしたけど、外に出ることも怖がるようになって今は南の領地の病院に入院されているんだ。
前陛下はかなり悩まれた。
でも悪化していくユシリス様を選ばれた。
幸い王弟であるチャーリー様も国王としての資質に問題がなく優秀なお方だ。
クロード殿下とレンス殿下は王位継承権の順位を下げて、実質王位に就くことはないだろう。
マリーナ様の執拗な行為にクロード殿下はうんざりしていた。また新たなマリーナ様のような人が現れるのもクロード殿下にとっては嫌だったのかもしれない。レンス殿下もユシリス様のそばで過ごしたいと希望されてお二人も王都を去ることにしたんだ。
エリーゼ、お前はクロード殿下に婚約を打診されたがやはり前回のこともあり断りを入れた。
そして三人は、南の領地で暮らし出したんだよ」
「わたしが知っている事実と少しズレがあります。わたしが知っているユシリス様は犯罪を犯しました。そして心が壊れて病院に幽閉されたし、陛下はヴィクトリア様を愛していました。それに陛下がレンス殿下を自分の子どもと認めたのは、ユシリス様からの告白でやっと知ったからです」
「レンス殿下は前回は、誰の子かわからないままでわたしは死んだ。………今回は何事もなく陛下の息子として生きてきたのは、そう言うことだったんだ」
お父様も納得したようだ。
前回と今回の違いに疑問に思っていても、問う事はなかっただろう。
でも今も同じように王弟に国王の座を譲り、南の領地で三人で過ごされているようだ。
ユシリス様は入院しているとアンが言った。
どう言うことなのだろう?
「お父様、前陛下は何故国王の座を降りたのですか?」
「そうか……それも分からないんだよね……エリーゼは……」
お兄様が何処から話そうか悩みながら
「エリーゼがマリーナ様に毒を盛られ拐われたのは同じ?」
「以前はニューベル公爵が主犯でハウエル公爵がニューベル公爵の指示で子供達を娼館で働かせたりしていました。
貴族派のトップがニューベル公爵でハウエル公爵が画策して動いていましたが、マリーナ様がわたしに毒を盛り攫いました。
そしてその後ユシリス様やニューベル公爵、ハウエル公爵、マリーナ様が捕まりました」
「ニューベル公爵はもう二十年以上前に処刑されたのは聞いたよね?だからもういない。
エリーゼは僕と父上に不信感を抱き、屋敷を出て孤児院でヴィクトリア様達に守られて暮らしていたんだ。
クロード殿下は僕たちと同じ巻き戻りで、エリーゼともう一度やり直そうと孤児院へよく通っていたんだ。
でもエリーゼはそれを受け入れることはなかった。
そんな時、貴族派筆頭のハウエル公爵がマリーナ様を婚約者にと陛下へ話を持って行ったんだ。
もちろん、クロード殿下はエリーゼがいいと拒否したが諦めの悪いハウエル公爵は貴族派の力で陛下に圧力をかけてきたんだ。
貴族派が議会で反対をするようになれば国政もスムーズには進まなくなる。僕たち王族派が賛成に回ってもかなり難しい国政を強いられることになる。
それで陛下はクロード殿下に婚約だけでも今はするようにと言われたのだが、殿下は首を縦に振らなかった。
マリーナ様はクロード殿下が婚約してくれないのはエリーゼの所為だと言って、憤慨されたんだ。
そしてエリーゼにマリーナ様は孤児のフリをして近づいて毒を盛り拐ったんだ。
そして父親であるハウエル公爵はエリーゼを、少女達を集めた娼館で働かせようとしたんだ。
僕たちは連れ去られて、犯人が分からず探し回った。たまたまエリーゼに近づいた女の子の顔を覚えていたのがミリアとユンで、似顔絵を描いてもらってマリーナ様だとわかり、エリーゼを見つけ出すことが出来たんだ。
でもエリーゼは毒に犯されてなかなか治らず、ずっと看病してくれたのがミリアとユンだったんだよ。
何とか体調が戻り、エリーゼは孤児院から僕たちのいる公爵家へ戻って来たんだ。その時に二人もエリーゼの命の恩人として迎え入れたんだよ。
エリーゼの話し相手とメイドとしてね。
事件解決後、ユシリス様は突然倒れられたんだ」
「倒れた?」
お父様が説明を続けてくれた。
「エリーゼが救い出された時殿下とユシリス様がちょうど居たんだけど、ユシリス様は『お姉ちゃん』と何故か意味のわからない言葉を言って突然倒れたんだ。それからは度々寝込むことが増えたんだ。未だに原因がわからないんだが、今は入院されている。
ここ半年はとても怖がって外へ出ることもできない。
前陛下はここ数年ユシリス様を何とか治療して治そうとしたけど、外に出ることも怖がるようになって今は南の領地の病院に入院されているんだ。
前陛下はかなり悩まれた。
でも悪化していくユシリス様を選ばれた。
幸い王弟であるチャーリー様も国王としての資質に問題がなく優秀なお方だ。
クロード殿下とレンス殿下は王位継承権の順位を下げて、実質王位に就くことはないだろう。
マリーナ様の執拗な行為にクロード殿下はうんざりしていた。また新たなマリーナ様のような人が現れるのもクロード殿下にとっては嫌だったのかもしれない。レンス殿下もユシリス様のそばで過ごしたいと希望されてお二人も王都を去ることにしたんだ。
エリーゼ、お前はクロード殿下に婚約を打診されたがやはり前回のこともあり断りを入れた。
そして三人は、南の領地で暮らし出したんだよ」
「わたしが知っている事実と少しズレがあります。わたしが知っているユシリス様は犯罪を犯しました。そして心が壊れて病院に幽閉されたし、陛下はヴィクトリア様を愛していました。それに陛下がレンス殿下を自分の子どもと認めたのは、ユシリス様からの告白でやっと知ったからです」
「レンス殿下は前回は、誰の子かわからないままでわたしは死んだ。………今回は何事もなく陛下の息子として生きてきたのは、そう言うことだったんだ」
お父様も納得したようだ。
前回と今回の違いに疑問に思っていても、問う事はなかっただろう。
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