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49話
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「玩具?」
院長先生が目を見開いた。
「そうよ。」
皇后の返事に、怒りで震えていた。
「男に犯させる。城の中を引きずる。裸にして歩かせるのも楽しそう。髪を丸坊主にしたらどんな顔になるのかしら?あとは何をして遊ぼうかしら?」
皇后はクスクス笑いながら、楽しそうに話した。
「そんな酷いことを10歳のエリーゼにするなんて……」
皇后はキョトンとしていた。
「酷いことなの?わたしはお父様に犯されて、裸にして部屋に入れられていたわ。外に逃げ出さないように丸坊主にされていたのよ」
院長先生はさらに真っ青になって震えていた。
皇后の目は院長先生を見ているようで、どこか違う場所を見つめていた。
「わたしは幼い頃からお父様の玩具だったの。解放されたのが、陛下に近づけと命令されて、妊娠がわかった時なの」
アハハハ!
突然笑い出した。
と思ったら今度は怒り出した。
あまりの変わりように院長先生もニューベル公爵も呆然としていた。
「ねえ?お父様、わたしは貴方の玩具。とても辛い毎日だったわ、お分かりになる?」
ニューベル公爵を睨みあげて、
「あんたの所為でわたしの人生は滅茶苦茶よ!
わたしの人生を返して!何故?何故わたしは幼い頃から貴方に嫌な思いをさせられないといけなかったの?」
そして今度は突然笑い出した。
「幸せそうなヴィクトリア様が陛下に捨てられて、親に勘当されて除籍にあったと聞いて、嬉しかったわ。だって、わたしと同じくらいの年頃で、同じ爵位の娘で……それなのに貴女はいつも幸せそうな笑顔で陛下と寄り添って過ごしていたわ。わたしはお父様に酷い目に遭わされて、毎日が地獄だったのに」
「陛下と結婚してクロードが産まれたのに、陛下はわたしの事を見ようともしなかったわ。
愛してくれない。
抱いてもくれない。
話しかけてもくれないの。
陛下がヴィクトリア様と居た時のような、あの優しい愛おしそうな笑顔でわたしを見てくれないのよ」
皇后のとても悲しそうな顔……
わたしは皇后様が死ぬほど嫌いだけど、こんな人にしたのは、父親であるニューベル公爵だと思った。
そして結婚した陛下だ。
自分が最終的には決めた人なのに蔑ろにしたのは陛下だ。
先生のことが忘れられない気持ちはわかる。でも、だからと言って妻である皇后を放って蔑ろにするのはおかしい。
ユシリス様は、あまりにも辛い人生を送って心が壊れてしまっていた。
「陛下もニューベル公爵も、酷すぎる」
わたしがボソッと言うと、お兄様も同意してくれた。
「僕もそう思うよ。父親である公爵は最低過ぎて吐き気しかしない。でも陛下は愛せなくても寄り添う事は出来たはず。
王子の母親として大事にする事は必要だったと思う。愛のない結婚はどこにでもある。だけど、お互いが少しでも歩み寄って分かり合えれば良かったと思う」
「君たちはまだ本当の恋を知らないからな、陛下はずっとヴィクトリア様なんだよ」
お父様がボソッと言った。
「お父様、わたしは見かけは子どもですが中身は成人した大人です。まあ、恋は知らずに死にましたが」
わたしは前回、殿下に恋心があった事は、全て闇に葬り去ることにした。
あの時は弱っていたからだ。
うん、多分そうなのだ。
殿下と今更なんて、無理無理。
自分に言い聞かせた。うん、人は弱った時につい誰かに縋りたくなるだけなのよ。
お兄様も、お父様の発言にムッとしていた。
「父上、僕は18歳です。中身は28歳ですよ。人並みに恋愛くらいしております。でも、陛下のような拗れた愛など、ヴィクトリア様にとっても迷惑だと思います」
「恋や色恋に負けて、殿下も陛下も狂ったのです。流石に親子。とはいえ、その所為でこんなことになったのです」
お父様は、何も言えず黙って聞いていた。
「もちろんニューベル公爵やハウエル公爵のように気持ち悪い性癖とお金と権力への執着が一番悪いのですが」
ハァー……
わたしは溜息しか出なかった。
そしてさらに続きを見ることになった。
◆ ◆ ◆
短編から長編へ変更したいと思います。
もうすぐ10万字を越えようとしています。
あと少しで終わると思いつつ、まだ先があり、短編ではなくなってしまいました。
長い!と思われている方、すみません。
よろしくお願いします。
院長先生が目を見開いた。
「そうよ。」
皇后の返事に、怒りで震えていた。
「男に犯させる。城の中を引きずる。裸にして歩かせるのも楽しそう。髪を丸坊主にしたらどんな顔になるのかしら?あとは何をして遊ぼうかしら?」
皇后はクスクス笑いながら、楽しそうに話した。
「そんな酷いことを10歳のエリーゼにするなんて……」
皇后はキョトンとしていた。
「酷いことなの?わたしはお父様に犯されて、裸にして部屋に入れられていたわ。外に逃げ出さないように丸坊主にされていたのよ」
院長先生はさらに真っ青になって震えていた。
皇后の目は院長先生を見ているようで、どこか違う場所を見つめていた。
「わたしは幼い頃からお父様の玩具だったの。解放されたのが、陛下に近づけと命令されて、妊娠がわかった時なの」
アハハハ!
突然笑い出した。
と思ったら今度は怒り出した。
あまりの変わりように院長先生もニューベル公爵も呆然としていた。
「ねえ?お父様、わたしは貴方の玩具。とても辛い毎日だったわ、お分かりになる?」
ニューベル公爵を睨みあげて、
「あんたの所為でわたしの人生は滅茶苦茶よ!
わたしの人生を返して!何故?何故わたしは幼い頃から貴方に嫌な思いをさせられないといけなかったの?」
そして今度は突然笑い出した。
「幸せそうなヴィクトリア様が陛下に捨てられて、親に勘当されて除籍にあったと聞いて、嬉しかったわ。だって、わたしと同じくらいの年頃で、同じ爵位の娘で……それなのに貴女はいつも幸せそうな笑顔で陛下と寄り添って過ごしていたわ。わたしはお父様に酷い目に遭わされて、毎日が地獄だったのに」
「陛下と結婚してクロードが産まれたのに、陛下はわたしの事を見ようともしなかったわ。
愛してくれない。
抱いてもくれない。
話しかけてもくれないの。
陛下がヴィクトリア様と居た時のような、あの優しい愛おしそうな笑顔でわたしを見てくれないのよ」
皇后のとても悲しそうな顔……
わたしは皇后様が死ぬほど嫌いだけど、こんな人にしたのは、父親であるニューベル公爵だと思った。
そして結婚した陛下だ。
自分が最終的には決めた人なのに蔑ろにしたのは陛下だ。
先生のことが忘れられない気持ちはわかる。でも、だからと言って妻である皇后を放って蔑ろにするのはおかしい。
ユシリス様は、あまりにも辛い人生を送って心が壊れてしまっていた。
「陛下もニューベル公爵も、酷すぎる」
わたしがボソッと言うと、お兄様も同意してくれた。
「僕もそう思うよ。父親である公爵は最低過ぎて吐き気しかしない。でも陛下は愛せなくても寄り添う事は出来たはず。
王子の母親として大事にする事は必要だったと思う。愛のない結婚はどこにでもある。だけど、お互いが少しでも歩み寄って分かり合えれば良かったと思う」
「君たちはまだ本当の恋を知らないからな、陛下はずっとヴィクトリア様なんだよ」
お父様がボソッと言った。
「お父様、わたしは見かけは子どもですが中身は成人した大人です。まあ、恋は知らずに死にましたが」
わたしは前回、殿下に恋心があった事は、全て闇に葬り去ることにした。
あの時は弱っていたからだ。
うん、多分そうなのだ。
殿下と今更なんて、無理無理。
自分に言い聞かせた。うん、人は弱った時につい誰かに縋りたくなるだけなのよ。
お兄様も、お父様の発言にムッとしていた。
「父上、僕は18歳です。中身は28歳ですよ。人並みに恋愛くらいしております。でも、陛下のような拗れた愛など、ヴィクトリア様にとっても迷惑だと思います」
「恋や色恋に負けて、殿下も陛下も狂ったのです。流石に親子。とはいえ、その所為でこんなことになったのです」
お父様は、何も言えず黙って聞いていた。
「もちろんニューベル公爵やハウエル公爵のように気持ち悪い性癖とお金と権力への執着が一番悪いのですが」
ハァー……
わたしは溜息しか出なかった。
そしてさらに続きを見ることになった。
◆ ◆ ◆
短編から長編へ変更したいと思います。
もうすぐ10万字を越えようとしています。
あと少しで終わると思いつつ、まだ先があり、短編ではなくなってしまいました。
長い!と思われている方、すみません。
よろしくお願いします。
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