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47話

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外の日差しが目に入ってきて、目が覚めた。

「おはようございます」
アンは笑顔でカーテンを開けてわたしの方を見た。

「まだ眠たいわ」
目を擦りながら、なんとか起きようとするが意識はまだ夢の中。

「旦那様が帰って来ています。朝食をご一緒になさればお話もできると思いますよ。またすぐにお二人は王宮へ行かれますので」

はっ!

「わかったわ。起きるから起きるから、あと少し寝かせて!」

わたしは10分ほどゴロゴロとベッドの上でしてから、なんとか眠たい目を擦りながら起きることが出来た。


「アン、着替えるわ」

アンがベッドの上で着替えさせてくれた。

ベッドから出て立とうとしたが、ポテっと転けてしまった。

力が入らない。

立てない。

「お嬢様、朝食は旦那様とスコット様がこちらに来て、ご一緒に食べるそうですので、慌てなくて大丈夫ですよ」

「え?お父様達がこの部屋に?」

わたしがキョトンとしていると、
「はい、お嬢様が旦那様達に話があることをお伝えしたら、お嬢様はまだ本調子ではないので動かない方がいいだろうとのことでした」

「わかったわ、わたしまだ食欲がないの」

「わかっております、朝は搾りたてのオレンジジュースを用意しています。大好きなジュースなら飲めるかと思いまして」

「ありがとう、あと少しだけパンも食べたいわ」

「はい、少しずつですがパンとスープ、サラダも用意をしています」

「ふふ。少しでも食べてみるわ」

「はい、無理せずに少しずつ、食欲と体力を戻して行きましょう」

「アン、ありがとう」




わたしの用意が終わって、お父様とお兄様がわたしのベッドの横にテーブルと椅子を用意してもらってそこで三人で朝食を食べた。

みんなには下がってもらって親子水入らずにしてもらった。

わたし達が仲直りしたと勘違いしている使用人もいるが、本当は他人には聞かれたくない話しばかりだからだ。



「こんなことになってすまなかった。やはりすぐに助け出せばよかった」

「お父様、約束しましたよね?
わたしが死にそうにならなければ、助けに来ない。
わたしは解毒剤のおかげで命は助かりました。
囮になってやっと断罪できる証拠が出来ました。ニューベル公爵の証拠だけないのが悔しいです」

「そちらはヴィクトリア様に接触して来たので、大丈夫だ」

「良かった。これでカイラやエレン達の辛い未来を救えますね?」

「ああ、大丈夫だ。陛下にいい加減ニューベル公爵の傀儡から真の王になってもらわないと。今回は自分の妻と義父に向き合ってもらうつもりだ」

「孤児院のみんなをここに連れてきていただいてありがとうございます」

わたしがお礼を言うと、

「影から連絡を貰い、すぐに動いた。
いつ建物を燃やすかわからないからな。別棟に部屋なら空いているから、あの子達くらいの人数ならなんとかなるからな」

わたしはまだユンとミリアにしか会っていない。

みんなはわたしが公爵令嬢だなんて知らないはず。

こんなわたしを受け入れてくれるだろうか。

少し不安になりながらも、今は目の前にある問題から解決していくしかないと、気持ちをあらためて二人を見た。

「魔石に映っていた三人の話の内容を見ましたか?」

「あまりにも酷過ぎて、聞いていられない気分だった」
お兄様が顔を顰めていた。

「あれらは鬼畜だな。人としての心も無くしている」
お父様も思い出すだけで嫌なのか、怒りを露わにしている。

「昨日、エリーゼが寝ている間に、三人は捕らえた。今から取り調べを始めるが口裏を合わせないように、それぞれ独房に入れている」

「ニューベル公爵は今逃走している。彼は、金も力もある。
彼を庇う貴族も多いだろう。
まずはニューベル公爵の貴族籍と領地を剥奪する。家そのものは継続するが、降爵されて子爵家となり息子が家督を継ぐことになるだろう」

「逃げているのですか?」
わたしはこれからの事が不安になった。

この国を自分のものにしようと暗躍していた男だ。

簡単には捕まらないだろう。
いくら平民になってもお金はあるのだから。

「逃げているが、今から貴族達にはニューベル公爵が犯罪者になり平民として追われていること。
彼の全財産は差し押さえられてしまった事。
匿った者や少しでも手助けしたと後でわかった者は、ニューベル公爵と同じ罰を与えることを今日、発表される」

「同じ罰?」

「そうだ。貴族籍と領地の剥奪、降爵だ。
だから、彼を匿っても全く特になることはない。匿っている奴は急いで差し出すだろう。
『今差し出せば温情もあるだろう』と一言添えて発表される」

「エリーゼ、君はしばらくこの屋敷からは出られないからね。体をゆっくり養生してくれ。孤児院の子達とも体調が良くなれば好きに会えるようになるからね。この屋敷自体の護衛は、我が家の護衛騎士達と王宮騎士団からとで強化する。だから安心してゆっくりするんだ。いいね?」

「お兄様、ありがとうございます」

わたしは、お兄様に頭を下げた。

これ、偶々お兄様の話に反応しただけだったんだけど、横でお父様は寂しそうに固まっていた。

本当なら慌ててお父様にもするものだろうと思ったが、そこは敢えて気づかないフリをした。














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