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14話
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院長先生はわたしの顔をじっーと見つめて何か考え込んでいた。
わたしは、いつも通っていた孤児院の院長先生より隣町の院長先生の方が、聡明でわたしの話を真剣に聞いて受け入れてくれるのではないかと感じた。
「先生、今からする話を信じていただけないかもしれませんが……もし信じられなければわたしをこの孤児院から追い出していただいても構いません。聞いていただけますか?」
わたしはそれから前回の16歳までの出来事を語った。
わたしが死んで10年前の6歳に戻り人生をやり直し始めたこと。
まだ3ヶ月しか経っていないので、自分が処刑された時の事、首を切られた痛み、恐怖心が残っていて、お父様のことも王太子殿下のことも受け入れられない。
本当は自分を好きにさせて捨ててやる計画を考えていたけど、殿下を見て恐怖で倒れたので諦めたこと。
お父様が突然話しかけて来るのが苦痛で嫌なので、お父様を捨ててここの孤児院へ来たことを話した。
院長先生は、黙って聞いていた。
「話の辻褄は合っているわね。もし本当なら王太子妃教育は終わっているのよね?」
「はい、全て終わっております」
「では、我が国の国王の初代からの名前を順番に言えるかしら?」
わたしは、18人の名前を全て答えた。
「次は……そうね、カーテシーを出来る?」
「それに関しては少しだけ難しいです。体が小さくなりまだ筋力が出来ていないので、完璧にはできません。今この体で出来る精一杯のカーテシーでもいいでしょうか?」
そして今出来るカーテシーをして見せた。
「十分だわ」
「次は、この国の歴史をどこまで覚えているの?」
わたしは暗記が得意だったので、400年の歴史を順番に習ったこと全て完璧に答えた。
「楽しいわね。
次は何を聞こうかしら……うん、この周辺にある国の名前と今現在の国王、10年後の国王の名前を言えるかしら?」
10年後の国王が変わったのは、3カ国だけ。
他の国は今も10年後も変わらない。
新しい国王も元々次が決まっていた人たちがなっているので今現在でも10年後の3人の新国王の名前は高位貴族や博識のあるものなら知っている。
この院長先生は何者なんだろうと逆に疑問に思う。
王太子妃教育を受けたわたし以上の知識をもっている。
そんな疑問を持ちながらも院長先生と話す内容はとても楽しかった。
そして数時間先生と話し込んで、先生は何故か笑い出した。
「ごめんなさい、6歳の子とこんなに話が弾むなんて思わなくて。中身は確かに王太子妃教育を受けた人ではないと答えられない事ばかりだわ。6歳では得られない知識だし、王太子妃教育を受けなければ知り得ない話も所々に入っていたわ」
「先生はどうしてそんなに博識なのですか?」
「ふふ、わたしもその昔王太子妃教育を受けたのよ。ただ国王陛下に婚約破棄されて修道院へ入ったの。それから孤児院の手伝いを姉に頼まれて始めて今に至るのよ」
「え?ではお妃候補だったのですか?」
「そうなるわね。まあ、人生って何があるかわからないわよね」
と、院長先生は笑顔でわたしにウインクをした。
わたしには分からない、いろんな思いがあったのだろう。これ以上聞いてはいけない雰囲気があった。
「貴女の話しは信じられないようなことだけど……信じるわ」
「ありがとうございます」
「ただ、これからどうやってやり直しの人生を過ごそうと思っているの?聞いていたら逃げているだけのような気がするの」
先生は机の上で両手に顎を乗せてじっと考え込んでいた。
「孤児院に居れば衣食住は凌げるしそのまま大人になることもできるわ。平民になって普通に暮らすことも幸せかもしれない。…………でもね、多分殿下も屑のジェフも貴女を放ってはおかないと思うの。
探し出して屑は屋敷に連れ戻す。
殿下は婚約者にする。そんな気がするわ」
わたしは何も言い返せなかった。
前回は、お父様はわたしに興味がなかった。
だから今回のわたしに話しかけるおとうさまの動きがわたしにはわからない。
殿下はわたしを蔑み嫌っていた。
マリーナ様と言う素敵な愛する人がいたんだから、わたしとは婚約さえしなければただの他人になるはず。
今回、婚約者になって捨てるよりも、婚約者にならずにただの他人になった方がいい気がする。
わたしは頭の中で色々と考え込んでいた。
わたしは、いつも通っていた孤児院の院長先生より隣町の院長先生の方が、聡明でわたしの話を真剣に聞いて受け入れてくれるのではないかと感じた。
「先生、今からする話を信じていただけないかもしれませんが……もし信じられなければわたしをこの孤児院から追い出していただいても構いません。聞いていただけますか?」
わたしはそれから前回の16歳までの出来事を語った。
わたしが死んで10年前の6歳に戻り人生をやり直し始めたこと。
まだ3ヶ月しか経っていないので、自分が処刑された時の事、首を切られた痛み、恐怖心が残っていて、お父様のことも王太子殿下のことも受け入れられない。
本当は自分を好きにさせて捨ててやる計画を考えていたけど、殿下を見て恐怖で倒れたので諦めたこと。
お父様が突然話しかけて来るのが苦痛で嫌なので、お父様を捨ててここの孤児院へ来たことを話した。
院長先生は、黙って聞いていた。
「話の辻褄は合っているわね。もし本当なら王太子妃教育は終わっているのよね?」
「はい、全て終わっております」
「では、我が国の国王の初代からの名前を順番に言えるかしら?」
わたしは、18人の名前を全て答えた。
「次は……そうね、カーテシーを出来る?」
「それに関しては少しだけ難しいです。体が小さくなりまだ筋力が出来ていないので、完璧にはできません。今この体で出来る精一杯のカーテシーでもいいでしょうか?」
そして今出来るカーテシーをして見せた。
「十分だわ」
「次は、この国の歴史をどこまで覚えているの?」
わたしは暗記が得意だったので、400年の歴史を順番に習ったこと全て完璧に答えた。
「楽しいわね。
次は何を聞こうかしら……うん、この周辺にある国の名前と今現在の国王、10年後の国王の名前を言えるかしら?」
10年後の国王が変わったのは、3カ国だけ。
他の国は今も10年後も変わらない。
新しい国王も元々次が決まっていた人たちがなっているので今現在でも10年後の3人の新国王の名前は高位貴族や博識のあるものなら知っている。
この院長先生は何者なんだろうと逆に疑問に思う。
王太子妃教育を受けたわたし以上の知識をもっている。
そんな疑問を持ちながらも院長先生と話す内容はとても楽しかった。
そして数時間先生と話し込んで、先生は何故か笑い出した。
「ごめんなさい、6歳の子とこんなに話が弾むなんて思わなくて。中身は確かに王太子妃教育を受けた人ではないと答えられない事ばかりだわ。6歳では得られない知識だし、王太子妃教育を受けなければ知り得ない話も所々に入っていたわ」
「先生はどうしてそんなに博識なのですか?」
「ふふ、わたしもその昔王太子妃教育を受けたのよ。ただ国王陛下に婚約破棄されて修道院へ入ったの。それから孤児院の手伝いを姉に頼まれて始めて今に至るのよ」
「え?ではお妃候補だったのですか?」
「そうなるわね。まあ、人生って何があるかわからないわよね」
と、院長先生は笑顔でわたしにウインクをした。
わたしには分からない、いろんな思いがあったのだろう。これ以上聞いてはいけない雰囲気があった。
「貴女の話しは信じられないようなことだけど……信じるわ」
「ありがとうございます」
「ただ、これからどうやってやり直しの人生を過ごそうと思っているの?聞いていたら逃げているだけのような気がするの」
先生は机の上で両手に顎を乗せてじっと考え込んでいた。
「孤児院に居れば衣食住は凌げるしそのまま大人になることもできるわ。平民になって普通に暮らすことも幸せかもしれない。…………でもね、多分殿下も屑のジェフも貴女を放ってはおかないと思うの。
探し出して屑は屋敷に連れ戻す。
殿下は婚約者にする。そんな気がするわ」
わたしは何も言い返せなかった。
前回は、お父様はわたしに興味がなかった。
だから今回のわたしに話しかけるおとうさまの動きがわたしにはわからない。
殿下はわたしを蔑み嫌っていた。
マリーナ様と言う素敵な愛する人がいたんだから、わたしとは婚約さえしなければただの他人になるはず。
今回、婚約者になって捨てるよりも、婚約者にならずにただの他人になった方がいい気がする。
わたしは頭の中で色々と考え込んでいた。
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