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13話
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孤児院の院長室では……
「アンが言った通りうちを頼って来たわ」
アンは友人であるさっきエリーゼに対応した職員のユウナと院長先生と三人で話を始めた。
「お嬢様がこっそり出て行くのを見つけて慌てて後を追ったんです。
そしたら、肉屋に寄って大量の肉を注文して孤児院へ届けるように言ってました。
そのあと洋服屋さんに寄ってドレスから平民の簡素なワンピースに着替えたんです。
そして大量の布を孤児院に届けるように頼んでいるし、何事かと思いとにかく後を追ったらここに来たからびっくりしました」
「わたしがお使いでここに来ていたからアンに頼まれてエリーゼ様に対応出来たけど、わたしもアンも居なかったらエリーゼ様は孤児としてここに迎えられていたと思うわ」
「それでエリーゼ様はなんと言ったの?」
『わたしはお父様から逃げて来ました。でもまだ一人で暮らすことはできません。だから孤児院に置いてほしくてきました。いつも行く孤児院ではすぐに居場所がわかってしまうのでここなら先生の妹さんがされていると聞いたので安心して居られるかと思ったのです』
「そう。エリーゼ様は6歳にしてはとても聡明な子ね。ただ公爵様から逃げるとは……そんなに酷い目にあっているの?」
院長先生がアンに尋ねると、アンはなんとも言えない顔になった。
「………」
「大丈夫よ。ここには三人しか居ないわ。聞いたことは外には漏れない。それにわたしは公爵様とは知り合いなのよ、あの屑が娘に何をしたのか知りたいのよ」
「知り合い?ですか……」
アンが戸惑っていると先生はにっこりと微笑んで言った。
「あの屑は、わたしの大切な親友と結婚したの。オーリスが亡くなってからは疎遠になっていたけど娘に何をしたのか知りたいのよ」
「……旦那様は何もしていません」
「何もしていない?それなら逃げてこないはずでしょう?」
「何もしていないのです。会うことも話しかけることもない。お嬢様はいつも一人で屋敷で過ごしていました」
「何もしていない。一人で屋敷に放置?」
先生の顔は見る見る怒りで人相が変わっていった。
「エリーゼ様はわたしが引き取るわ、この孤児院で」
「でも旦那様が……」
「あの屑には何も伝えなくていいわ。代わりにわたしから陛下に伝えるからアンが責任を追うことはないわ」
「え……?」
「わたし………陛下とは知人なのよ」
隣町の院長先生は、わたしが通う院長先生の妹のはずなのに、性格も容姿も全く違う。
あの旦那様を「屑」と言って吐き捨てた。
アンはユウナと共に知らぬ存ぜぬで貫き通す事を決めた。
旦那様に対して鬱憤も溜まっていた。
エリーゼ様の寂しそうな顔を見ているのが辛かった。突然可愛がったってエリーゼ様が戸惑うのも当たり前。
まあ、流石に逃げ出すとは思わなかったが。
アンはそっとエリーゼの姿を見てから、黙って屋敷へ帰って行った。
「エリーゼ、これからは貴女の名前はリゼよ」
院長先生は、わたしを見て笑顔で
「ようこそ我が孤児院へ。貴女はもうお嬢様ではないのよ、ここでは贔屓はしないわ。みんなと同じことをして同じ物を食べて生活するの、わかったわね」
「はい!頑張りますのでよろしくお願いします」
エリーゼはみんなに紹介された。
この孤児院に住む子どもは28人。
一番年上が13歳のトム。
一番下が0歳のマイラ。
わたしは8歳のミリア、6歳のユン、5歳のフーニュの女の子だけの四人部屋に通された。
部屋は机が一つだけあるがあとは2段ベッドが向かい合わせで2台あるだけの簡素な部屋だった。
わたしの部屋の三分の一の部屋に四人で暮らすんだと知って驚いた。
服も着替えと今着ている服の2枚だけ。
わたしは今着ている服しかないから、1枚は貸してもらえた。
わたしが持っていたお金と宝石は邪魔になるので先生に全て渡した。
「先生、好きに使ってください。わたしには必要がないものなんです」
先生は困った顔をして
「こんな大金は貰えないわ。でも、もし使っていいのなら子どものたちの服を買ってあげたいの。ここの予算は毎月ギリギリだからなかなか新しい服にまで手が回らないのよ」
「是非使ってください。わたしいつも慰問していた孤児院にはさっき布を沢山送ったんです。こちらには来てからしようと思っていました。
布にしたのは自分達で服を作ることで将来の仕事に結びつけばいいと思ったからです」
わたしは前回の16歳の時に孤児院に通っている時に知った知識を10年早いけど、孤児院へ広めるつもりだ。
「布と一緒に足踏みミシンというものを2台と型紙をいくつか頼んでいます。
型紙を使って裁断して別々のパーツを縫い合わせていけば簡単に服ができます。
それを一人でするのではなくて担当を決めて行えば今までかかっていた時間の半分くらいで服を仕上げることが出来ます。わたしのように小さい子も慣れれば簡単な作業ならできると思います」
「ミシンはとても高級なものよ」
「はい、こちら用にも2台、実は頼んであります。わたしが持ってきた金貨はお祖父様が好きに使っていいと言ってくれたお金です。なのでわたしの好きに使いたいのです」
足踏みミシンは外国から入ってきたものだがまだ一般的ではない。
10年後なら手に入りやすくなっているが、今はまだ一台買うのに金貨が二枚必要で、簡単に手に入るものではなかった。
「エリーゼ、貴女はまだ6歳よね?
その知識はどこから知ったの?
それにその所作は6歳の令嬢ではまだ出来るはずがないわ」
院長先生に怪しまれるのは分かっていて伝えた。
だってこの人はわたしを子どもとして見ていない。
だったら16歳のわたしでいてもいいのではないかと思った。
◆ ◆ ◆
すみません
エリーゼの母はオーリスです。
名前がウォーリーになっているところ一応変更していますが、まだあったらごめんなさい。
出来るだけ見つけて書き直します。
ごめんなさい
「アンが言った通りうちを頼って来たわ」
アンは友人であるさっきエリーゼに対応した職員のユウナと院長先生と三人で話を始めた。
「お嬢様がこっそり出て行くのを見つけて慌てて後を追ったんです。
そしたら、肉屋に寄って大量の肉を注文して孤児院へ届けるように言ってました。
そのあと洋服屋さんに寄ってドレスから平民の簡素なワンピースに着替えたんです。
そして大量の布を孤児院に届けるように頼んでいるし、何事かと思いとにかく後を追ったらここに来たからびっくりしました」
「わたしがお使いでここに来ていたからアンに頼まれてエリーゼ様に対応出来たけど、わたしもアンも居なかったらエリーゼ様は孤児としてここに迎えられていたと思うわ」
「それでエリーゼ様はなんと言ったの?」
『わたしはお父様から逃げて来ました。でもまだ一人で暮らすことはできません。だから孤児院に置いてほしくてきました。いつも行く孤児院ではすぐに居場所がわかってしまうのでここなら先生の妹さんがされていると聞いたので安心して居られるかと思ったのです』
「そう。エリーゼ様は6歳にしてはとても聡明な子ね。ただ公爵様から逃げるとは……そんなに酷い目にあっているの?」
院長先生がアンに尋ねると、アンはなんとも言えない顔になった。
「………」
「大丈夫よ。ここには三人しか居ないわ。聞いたことは外には漏れない。それにわたしは公爵様とは知り合いなのよ、あの屑が娘に何をしたのか知りたいのよ」
「知り合い?ですか……」
アンが戸惑っていると先生はにっこりと微笑んで言った。
「あの屑は、わたしの大切な親友と結婚したの。オーリスが亡くなってからは疎遠になっていたけど娘に何をしたのか知りたいのよ」
「……旦那様は何もしていません」
「何もしていない?それなら逃げてこないはずでしょう?」
「何もしていないのです。会うことも話しかけることもない。お嬢様はいつも一人で屋敷で過ごしていました」
「何もしていない。一人で屋敷に放置?」
先生の顔は見る見る怒りで人相が変わっていった。
「エリーゼ様はわたしが引き取るわ、この孤児院で」
「でも旦那様が……」
「あの屑には何も伝えなくていいわ。代わりにわたしから陛下に伝えるからアンが責任を追うことはないわ」
「え……?」
「わたし………陛下とは知人なのよ」
隣町の院長先生は、わたしが通う院長先生の妹のはずなのに、性格も容姿も全く違う。
あの旦那様を「屑」と言って吐き捨てた。
アンはユウナと共に知らぬ存ぜぬで貫き通す事を決めた。
旦那様に対して鬱憤も溜まっていた。
エリーゼ様の寂しそうな顔を見ているのが辛かった。突然可愛がったってエリーゼ様が戸惑うのも当たり前。
まあ、流石に逃げ出すとは思わなかったが。
アンはそっとエリーゼの姿を見てから、黙って屋敷へ帰って行った。
「エリーゼ、これからは貴女の名前はリゼよ」
院長先生は、わたしを見て笑顔で
「ようこそ我が孤児院へ。貴女はもうお嬢様ではないのよ、ここでは贔屓はしないわ。みんなと同じことをして同じ物を食べて生活するの、わかったわね」
「はい!頑張りますのでよろしくお願いします」
エリーゼはみんなに紹介された。
この孤児院に住む子どもは28人。
一番年上が13歳のトム。
一番下が0歳のマイラ。
わたしは8歳のミリア、6歳のユン、5歳のフーニュの女の子だけの四人部屋に通された。
部屋は机が一つだけあるがあとは2段ベッドが向かい合わせで2台あるだけの簡素な部屋だった。
わたしの部屋の三分の一の部屋に四人で暮らすんだと知って驚いた。
服も着替えと今着ている服の2枚だけ。
わたしは今着ている服しかないから、1枚は貸してもらえた。
わたしが持っていたお金と宝石は邪魔になるので先生に全て渡した。
「先生、好きに使ってください。わたしには必要がないものなんです」
先生は困った顔をして
「こんな大金は貰えないわ。でも、もし使っていいのなら子どものたちの服を買ってあげたいの。ここの予算は毎月ギリギリだからなかなか新しい服にまで手が回らないのよ」
「是非使ってください。わたしいつも慰問していた孤児院にはさっき布を沢山送ったんです。こちらには来てからしようと思っていました。
布にしたのは自分達で服を作ることで将来の仕事に結びつけばいいと思ったからです」
わたしは前回の16歳の時に孤児院に通っている時に知った知識を10年早いけど、孤児院へ広めるつもりだ。
「布と一緒に足踏みミシンというものを2台と型紙をいくつか頼んでいます。
型紙を使って裁断して別々のパーツを縫い合わせていけば簡単に服ができます。
それを一人でするのではなくて担当を決めて行えば今までかかっていた時間の半分くらいで服を仕上げることが出来ます。わたしのように小さい子も慣れれば簡単な作業ならできると思います」
「ミシンはとても高級なものよ」
「はい、こちら用にも2台、実は頼んであります。わたしが持ってきた金貨はお祖父様が好きに使っていいと言ってくれたお金です。なのでわたしの好きに使いたいのです」
足踏みミシンは外国から入ってきたものだがまだ一般的ではない。
10年後なら手に入りやすくなっているが、今はまだ一台買うのに金貨が二枚必要で、簡単に手に入るものではなかった。
「エリーゼ、貴女はまだ6歳よね?
その知識はどこから知ったの?
それにその所作は6歳の令嬢ではまだ出来るはずがないわ」
院長先生に怪しまれるのは分かっていて伝えた。
だってこの人はわたしを子どもとして見ていない。
だったら16歳のわたしでいてもいいのではないかと思った。
◆ ◆ ◆
すみません
エリーゼの母はオーリスです。
名前がウォーリーになっているところ一応変更していますが、まだあったらごめんなさい。
出来るだけ見つけて書き直します。
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