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11話
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王宮でのお茶会から1ヶ月が経って初めて友人達三人で会う事になった。
「本日はご招待いただきありがとうございました。これは我が家の料理長特性のアップルパイです。お口に合うと良いのですが」
と言って渡すとエレンは思った通りの反応だった。
「わたしアップルパイが大好きなの!
ねえ、今出しても良いかしら?
今日の紅茶に合うと思うのよ」
エレンの笑顔をわたしはじっーーと見つめていた。
「エリーゼ、まだ笑顔の勉強をしているの?」
「え?………」
そうだった。最近忘れていた。
わたしが呆けていると、
「エリーゼ、なんだか最初にあった日より考えていることが表情に出ているわね」
とカイラが嬉しそうに言ってくれた。
「表情に出ている……の?」
「そうよ!自分では気づいていないの?」
「最近、お父様もお兄様もお家にいることが増えて、何故かわたしに話しかけてくるの。だから人と話すことが増えたからかもしれないわ」
そう、今まで一人っきりだった。
前回も死ぬまで屋敷の中では一人だった。
なのに今回は何故か二人が屋敷にいて、しかもわたしと話そうとする。
わたしは前回を思い出して素直に話すのに抵抗がある。
向こうも気を遣いながら話しかけてくるのがわかる。
だからお互いぎこちない会話が続くので、とっても疲れる。
「家族が一緒にいられるなんて良かったじゃない」
「そうよ。初めて貴女を見た時、消えてなくなってしまうかと思ったのよ。だから慌てて声をかけたの」
「消えてなくなる?」
わたしは二人の話しがとても不思議だった。
「だって一人で凄く寂しそうに立っていたわ、あのまま消えるかと思ったの」
「………ただ、、また置いていかれたんだなと思っていただけ……」
「お父様に置いていかれたのが寂しかったのね」
「寂しい?」
「エリーゼは、笑顔の勉強ももちろんだけど、悲しいとか寂しいって言う気持ちの勉強をしないといけないと思うの」
「うん、貴女本当は寂しかったり辛かったりするのに自分の気持ちをわかっていないのよ」
「…………分かっていない……」
わたしはこれでも16歳。
わたしより10歳も年下の子にまさかこんなことを言われるなんて思ってもいなかった。
お父様に置いていかれた時に感じた気持ち……あれが寂しいとか悲しいとかそんな気持ちなんだと今頃気がついた。
では今お父様やお兄様がわたしのそばに居てくれる気持ちはなんだろう。
「わたし……今お父様達が家にいてなんだかソワソワするの。くすぐったかったりして落ち着かなかったり、ちょっとイライラしたりするの。……これってどんな気持ちなのかしら?」
「……うーん、嬉しい?あとは……今更何よ!今まで放っておいたくせに!って言う怒ってる気持ち……かな?」
エレンが考えながら答えてくれた。
そしたらカイラもわたしを見て笑って
「照れ臭いのではないかしら?だって今まで放置されていたのに突然優しくされたんだもの。恥ずかしくてどうしたらいいのかわからないのよ」
「……………わたしにそんな感情があるなんて…知らなかったわ」
わたし自身驚いて唖然としてしまった。
わたしを見殺しにしたお父様、憎むことはあってもあの人に対して嬉しいとか思うはずがないのに……
ずっと放置されてきた。
10年以上も……
愛されたいとすら思ったことがない。
諦めていた。
確かに小さい時はお父様がいつ帰ってくるだろうと楽しみに待っていた。でも帰ってくることはあまりなかった。
そしていつの間にかお兄様も屋敷から居なくなった。
どんなに泣いても帰ってこない。
使用人達が戸惑い困っているのを見て、だんだん泣くのをやめた。
だってみんながわたしを見て悲しそうにしていたから。
これ以上泣いても無駄なんだと気がついたから。
わたしはこの屋敷に捨てられたんだと気がついたから。
「本日はご招待いただきありがとうございました。これは我が家の料理長特性のアップルパイです。お口に合うと良いのですが」
と言って渡すとエレンは思った通りの反応だった。
「わたしアップルパイが大好きなの!
ねえ、今出しても良いかしら?
今日の紅茶に合うと思うのよ」
エレンの笑顔をわたしはじっーーと見つめていた。
「エリーゼ、まだ笑顔の勉強をしているの?」
「え?………」
そうだった。最近忘れていた。
わたしが呆けていると、
「エリーゼ、なんだか最初にあった日より考えていることが表情に出ているわね」
とカイラが嬉しそうに言ってくれた。
「表情に出ている……の?」
「そうよ!自分では気づいていないの?」
「最近、お父様もお兄様もお家にいることが増えて、何故かわたしに話しかけてくるの。だから人と話すことが増えたからかもしれないわ」
そう、今まで一人っきりだった。
前回も死ぬまで屋敷の中では一人だった。
なのに今回は何故か二人が屋敷にいて、しかもわたしと話そうとする。
わたしは前回を思い出して素直に話すのに抵抗がある。
向こうも気を遣いながら話しかけてくるのがわかる。
だからお互いぎこちない会話が続くので、とっても疲れる。
「家族が一緒にいられるなんて良かったじゃない」
「そうよ。初めて貴女を見た時、消えてなくなってしまうかと思ったのよ。だから慌てて声をかけたの」
「消えてなくなる?」
わたしは二人の話しがとても不思議だった。
「だって一人で凄く寂しそうに立っていたわ、あのまま消えるかと思ったの」
「………ただ、、また置いていかれたんだなと思っていただけ……」
「お父様に置いていかれたのが寂しかったのね」
「寂しい?」
「エリーゼは、笑顔の勉強ももちろんだけど、悲しいとか寂しいって言う気持ちの勉強をしないといけないと思うの」
「うん、貴女本当は寂しかったり辛かったりするのに自分の気持ちをわかっていないのよ」
「…………分かっていない……」
わたしはこれでも16歳。
わたしより10歳も年下の子にまさかこんなことを言われるなんて思ってもいなかった。
お父様に置いていかれた時に感じた気持ち……あれが寂しいとか悲しいとかそんな気持ちなんだと今頃気がついた。
では今お父様やお兄様がわたしのそばに居てくれる気持ちはなんだろう。
「わたし……今お父様達が家にいてなんだかソワソワするの。くすぐったかったりして落ち着かなかったり、ちょっとイライラしたりするの。……これってどんな気持ちなのかしら?」
「……うーん、嬉しい?あとは……今更何よ!今まで放っておいたくせに!って言う怒ってる気持ち……かな?」
エレンが考えながら答えてくれた。
そしたらカイラもわたしを見て笑って
「照れ臭いのではないかしら?だって今まで放置されていたのに突然優しくされたんだもの。恥ずかしくてどうしたらいいのかわからないのよ」
「……………わたしにそんな感情があるなんて…知らなかったわ」
わたし自身驚いて唖然としてしまった。
わたしを見殺しにしたお父様、憎むことはあってもあの人に対して嬉しいとか思うはずがないのに……
ずっと放置されてきた。
10年以上も……
愛されたいとすら思ったことがない。
諦めていた。
確かに小さい時はお父様がいつ帰ってくるだろうと楽しみに待っていた。でも帰ってくることはあまりなかった。
そしていつの間にかお兄様も屋敷から居なくなった。
どんなに泣いても帰ってこない。
使用人達が戸惑い困っているのを見て、だんだん泣くのをやめた。
だってみんながわたしを見て悲しそうにしていたから。
これ以上泣いても無駄なんだと気がついたから。
わたしはこの屋敷に捨てられたんだと気がついたから。
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