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7話 ジェフ編
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わたしはまず息子のスコットを呼び寄せた。
スコットは現在王立学園の中等部に通っている。
勉強に集中させるために寮に入れていた。
「スコットすまない、エリーゼから笑顔が消えた。お前が寮に入ってから徐々にあのこには感情が無くなってしまったんだ。あの子のそばにいてあげてくれないか。学園に通うのが少し大変になるが頼む」
わたしはスコットに助けを求めた。
「エリーゼを今度こそ死なせるわけにはいきません。僕が絶対に守って見せます」
わたしは驚いた。
「まさかスコットにも記憶があるのか?」
「はい、殿下と父上が墓の前で自殺をしたあと僕はハウエル公爵派の残党と戦い死にました」
「何と言うことだ。お前まで死んでいたのか。すまなかった、わたしはエリーゼがあんな酷い殺され方をして、あの子に償って死ぬしかないと思ってしまった。お前を置いて死んですまなかった」
「父上、貴方はエリーゼに対しての態度は酷いものだった。仕事が忙しいのを言い訳にエリーゼに対して見て見ぬ振りをしていましたよね」
「そうだな、わたしは仕事を言い訳にして面倒なことから逃げていた。今回は何があってもエリーゼの命を守りたい、そしてスコット、お前ももちろん守ると誓おう、わたしの命に代えても」
わたしは14歳の息子と6歳の娘を守ると誓った。
「わたしは、いずれ宰相になる。そうなると忙しくてさらに二人を放って仕事をしなければならない。わたしは今の宰相補佐の仕事を辞めて公爵当主としての仕事だけをするつもりだ」
スコットは頷いた。
「そしてもうすぐ第一王子がエリーゼに婚約の打診をしてくるはずだ。わたしは断るつもりだ」
「エリーゼは前回、殿下のことを全く好きではありませんでした。というより好きとか嫌いとかそんな感情もなかったのです。僕はあの子に楽しいとか嬉しいとか悲しいとか、そんな感情を教えてあげたい」
「スコット、頼む。わたしはあの子に嫌われている。お前だけが頼りだ」
「父上、嫌われているなら好かれる努力を今回はしましょう。そうすればあの子の笑顔を見ることも出来ると思います」
「……わたしには資格がない……でも必ずあの子を守る」
「父上、それでは前回の二の舞になります。エリーゼの命を救っても心を救えなければエリーゼは幸せになりません」
「心……か……」
「はい、エリーゼは愛を知らないで育ちました。僕とも歳が離れていたし僕はずっと寮で暮らしていました。たまに会っても歳が離れているのであまり接点もありませんでした。あのこが感情を無くているのに気づいた時には手遅れでした、今度こそ父上も僕もエリーゼに家族の愛情を教えましょう」
「わたしに何ができるのだろ……」
「一緒に朝食をとってみてはいかがですか?」
「エリーゼと食事か……いつ以来だろう…」
◇ ◇ ◇
わたしは辞表を出した。今抱えている仕事を終わらせたら辞める事ができる。
エリーゼを茶会に連れて行き置いて行ったことは、後ろ髪を引かれる思いだったが、とにかく一刻も早く辞めてエリーゼと共に過ごす事を目標にがんばっていた。
それがまた間違いだと知った。
エリーゼが意識を失い倒れたのだ。
それも王子と会った瞬間倒れたと聞いた。
もしかしてエリーゼにも記憶があるのか?
わたしは、エリーゼが運ばれた医務室へ走った。
「エリーゼ?大丈夫か!」
「静かにしてください!小さい声で!」
医者に怒られて「す、すまん」と謝ったがそんな事はどうでもいい。
「エリーゼは?」
「意識を失っただけですが、倒れた時に頭を打っていたらいけないので今夜はここで安静にしてもらいます」
「わかった。おい、誰かいないか!」
わたしの後についてきた次官に言った。
「わたしの仕事を全てここへ運べ!」
「え?」
「早く!娘の様子を見ながら仕事をする」
わたしは、死んだ時のことを思い出し居ても立っても居られなかった。
わたしにとっては、エリーゼが死んだのはまだ数ヶ月前のこと。
悲しみも悔しさも残っている。
スコットは現在王立学園の中等部に通っている。
勉強に集中させるために寮に入れていた。
「スコットすまない、エリーゼから笑顔が消えた。お前が寮に入ってから徐々にあのこには感情が無くなってしまったんだ。あの子のそばにいてあげてくれないか。学園に通うのが少し大変になるが頼む」
わたしはスコットに助けを求めた。
「エリーゼを今度こそ死なせるわけにはいきません。僕が絶対に守って見せます」
わたしは驚いた。
「まさかスコットにも記憶があるのか?」
「はい、殿下と父上が墓の前で自殺をしたあと僕はハウエル公爵派の残党と戦い死にました」
「何と言うことだ。お前まで死んでいたのか。すまなかった、わたしはエリーゼがあんな酷い殺され方をして、あの子に償って死ぬしかないと思ってしまった。お前を置いて死んですまなかった」
「父上、貴方はエリーゼに対しての態度は酷いものだった。仕事が忙しいのを言い訳にエリーゼに対して見て見ぬ振りをしていましたよね」
「そうだな、わたしは仕事を言い訳にして面倒なことから逃げていた。今回は何があってもエリーゼの命を守りたい、そしてスコット、お前ももちろん守ると誓おう、わたしの命に代えても」
わたしは14歳の息子と6歳の娘を守ると誓った。
「わたしは、いずれ宰相になる。そうなると忙しくてさらに二人を放って仕事をしなければならない。わたしは今の宰相補佐の仕事を辞めて公爵当主としての仕事だけをするつもりだ」
スコットは頷いた。
「そしてもうすぐ第一王子がエリーゼに婚約の打診をしてくるはずだ。わたしは断るつもりだ」
「エリーゼは前回、殿下のことを全く好きではありませんでした。というより好きとか嫌いとかそんな感情もなかったのです。僕はあの子に楽しいとか嬉しいとか悲しいとか、そんな感情を教えてあげたい」
「スコット、頼む。わたしはあの子に嫌われている。お前だけが頼りだ」
「父上、嫌われているなら好かれる努力を今回はしましょう。そうすればあの子の笑顔を見ることも出来ると思います」
「……わたしには資格がない……でも必ずあの子を守る」
「父上、それでは前回の二の舞になります。エリーゼの命を救っても心を救えなければエリーゼは幸せになりません」
「心……か……」
「はい、エリーゼは愛を知らないで育ちました。僕とも歳が離れていたし僕はずっと寮で暮らしていました。たまに会っても歳が離れているのであまり接点もありませんでした。あのこが感情を無くているのに気づいた時には手遅れでした、今度こそ父上も僕もエリーゼに家族の愛情を教えましょう」
「わたしに何ができるのだろ……」
「一緒に朝食をとってみてはいかがですか?」
「エリーゼと食事か……いつ以来だろう…」
◇ ◇ ◇
わたしは辞表を出した。今抱えている仕事を終わらせたら辞める事ができる。
エリーゼを茶会に連れて行き置いて行ったことは、後ろ髪を引かれる思いだったが、とにかく一刻も早く辞めてエリーゼと共に過ごす事を目標にがんばっていた。
それがまた間違いだと知った。
エリーゼが意識を失い倒れたのだ。
それも王子と会った瞬間倒れたと聞いた。
もしかしてエリーゼにも記憶があるのか?
わたしは、エリーゼが運ばれた医務室へ走った。
「エリーゼ?大丈夫か!」
「静かにしてください!小さい声で!」
医者に怒られて「す、すまん」と謝ったがそんな事はどうでもいい。
「エリーゼは?」
「意識を失っただけですが、倒れた時に頭を打っていたらいけないので今夜はここで安静にしてもらいます」
「わかった。おい、誰かいないか!」
わたしの後についてきた次官に言った。
「わたしの仕事を全てここへ運べ!」
「え?」
「早く!娘の様子を見ながら仕事をする」
わたしは、死んだ時のことを思い出し居ても立っても居られなかった。
わたしにとっては、エリーゼが死んだのはまだ数ヶ月前のこと。
悲しみも悔しさも残っている。
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