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信じたい。

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「セリーヌ様はわたしの敵ですか?馬車の車輪にヒビが入っていたのはセリーヌ様の指示ですか?わたしの悪い噂はあなたが流したのですか?」

わたしは誤魔化さず一気に聞いた。

セリーヌ様の顔色はどんどん青くなって震え出した。

「……………っあ…………」
ガタガタと震えるセリーヌ様。

ーーもうこれ以上は聞けない。この顔色を見れば答えは出たのと同じだよね。

「わたしはセリーヌ様を信じます。だからもし話があるのならいつでも話しにきてください。わたしはずっとセリーヌ様の友達です」

セリーヌ様はそのまま体調が悪くなり学校を早退した。

リーゼ様はわたしが何かを言ったことでセリーヌ様が体調を崩してしまったことを心配して、わたしに何か言おうとしたけどグッと我慢して黙ってくれた。

ーー直接聞いてはいけなかったんだと反省しながらもでもセリーヌ様はわたしに悪意なんて一度も見せたことがなかった。
あれは偽物の友人関係なんかではなかった。

だからイーサン殿下の話なんて絶対信じたくない。

悪いのはわたし達子供ではない、大人がわたし達を好き勝手に振り回しているのだと思う。

そして頭が痛いのはお姉様の旦那様のロイズお義兄様だ。隣国の王族でもあるお義兄様に簡単に罪を問うことはできない。
だからイーサン殿下もわたしに護衛や影をつけて守ってくれてはいても、お義兄様を捕まえることも事情を聞くこともできない。

わたしがみんなの前で殺されかけたとかハッキリとした立証がなければ捕まることはないだろう。
あやふやにされて全て闇に葬られる。

だから、わたしが犯されそうになってもマスクを被って逃げて仕舞えば屋敷の中で不審にしていても何も言えなかったのかもしれない。

「はあー、どうしたらいいのかしら」

放課後図書室で勉強をしながらウジウジとしていた。

「カトリーヌ様らしくないけどどうしたの?」

ジャン様がいつものようにわたしの隣の席に座った。

「うーん、どうやったら殺されそうになるか?悩んでたの」

「えっ?何それ」

「本当に殺されたくはないのだけど犯人を誘き寄せるためには殺されやすくするか犯されやすくならないといけないの」

「………………あ、あ、ううん??」

「ジャン様ならどうやったらわたしを殺しやすい?犯すとしたらどの場所がいい?」

「ぼ、僕まだ14歳だからどちらもしたくはないかも」

「そっかあ、誰に聞いたらいいかしら?イーサン殿下にでも聞いてみようかしら」

「カトリーヌ様はそんなことされたいの?」

「されたくなんてないわ、でも犯人を捕まえるにはそれが一番早いじゃない」

「囮になりたいんだ」

「あら?そうね。そういうことだわ」

「自分の命をかけてどうするの?するならカトリーヌ様がそこにいると思わせるだけでいいんじゃないの?」

「あ!うん」
わたしは思わずジャン様の手を握り締めて

「それどうしたらいいと思う?」

笑顔で聞いた。もちろん断るなんて出来ないように。
にっこりと微笑んで腕は離さなかった。

「まずは詳しく説明聞かないと考えられないよ」

「ジャン様なら話しても言いわ」

そしてわたしとジャン様の秘密の作戦会議を始めた。













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