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ダン…どう思っているの?

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ダンは家に送ってくれた。

わたしは今この手を離してはいけない気がした。
何故かわからないけど離したくなかった。

「ダン、どうしてわたしなの?わたしは離縁しているのよ?」

「俺は、初めてシャノンに会った時一目惚れした。母上が教育係となって屋敷に連れてくる前に、何度かシャノンの邸にお見舞いに行ったこたがある。
そこに寝ている女の子は色白で線が細くて、消えてしまいそうだった。
消えてしまわないかと覗き込んだ時、あの黒い瞳に吸い込まれた。
黒い瞳に映った俺の顔はたぶん真っ赤だったと思う。
シャノンは、被っていた布団から顔を覗かせて聞いた。
「貴方はだあれ?」
と俺に聞いてきたんだ。
俺その時胸がドキドキして……それからはずっとシャノンだけが好きなんだ」

「そんな小さな頃から?」

「だからロイズのことを好きだったのも知っている。二人が仲良くしてるの見てつい意地悪してたからな」

「あれは……そういうことだったの…」
「ごめん。子どもの頃は自分でもコントロールが出来なかった」
(今もできてないと思うのだけど)

「中等部になってうちの親父が婚約の打診をして断られたと聞いた時諦めるつもりだった。お前は幼い頃からラウルが好きだと聞かされたからな。でも忘れられなくて他の婚約は断った」

「ラウルのことは違うって言ったじゃない」
「ああ、後から聞いて今は知っている」

ダンは苦しそうに話してくれた。

「ラウルと婚約してからはさらにシャノンが遠い存在になって話しかけることも難しくなって結婚した時にはさすがに諦めるしかなかった。でも忘れられなくてもう一生独身でいようと思って釣書は全て断っていた。言い寄って来る女の子も嫌で断っていた」
わたしの目を見て少し震えていた。
「シャノン、再び君の瞳に俺が映るようになったのは奇しくもラウルの浮気問題だった。
ごめん。俺ラウルの浮気を知ってた。
でも、ラウルに一度忠告しようとしたら
『ダン、婚約者はまだ15歳だ。抱くわけにはいかないだろう?それともシャノンを抱いたほうがいいのか?』と言われた。
ラウルは俺がシャノンの幼馴染だと知っていて好きなことも知っていて態とに言ったんだ。俺はシャノンにそんなことされるより他の女で遊んでもらった方がマシだと思ったんだ。だからそのまま放置していた。ごめん、シャノンが傷つくまで止めなかった」

ダンが泣いていた。
「ごめん、そんな俺がプロポーズなんて出来るわけないのに…ごめん、俺気持ちが抑えられなかった…」

「…帰るよ」
わたしが握っていた手を振り解いた。
「待って!ダン、置いていかないで!」
ダンが振り返った。

「わたし、よくわからないの。ロイズにもラウルにも振られてばかりでわたしは誰からも愛されることはないと諦めていたの。それに、わたしは離縁しているのよ。ダンにはやはり相応しくないわ」

「俺はずっとシャノンだけが好きで好きすぎて忘れられない気持ち悪い奴なんだ。愛しているんだ。騎士になったのも身体の弱いお前を守りたいと思ったのがきっかけだった」

「ダン…ほんと重たいわ」
わたしはクスクス笑い出した。 

「っな!…重たいって。まぁ確かに重たすぎるよな、俺の愛って…」

「ダンがさっき言うだけ言って去って行った時、もう二度と会えない気がしたの。今まで誰かを追いかけたことなどなかったのに初めて自分の意思で追いかけたの。わたしから去ってほしくなくて……」

「え?」

「わたし…ダンのことどう思ってるかよくはわからないわ。でも会えなくなるなんて嫌なの。二人で文句言いながらも一緒にいるのが当たり前過ぎて貴方がいなくなるなんて考えてなかったの」

「それは…」

「ダン、ごめんなさい。狡いかもしれないけどわたしよく考えてみるわ。ただ貴方を失いたくない。わたしから去らないで。ダン、お願い」

(シャノン、それって俺のこと好きなんじゃないのか…?)

「シャノン、俺はお前が好きなんだ。お前がそばにいていいと言うなら何処にも行かない」
「じゃあ、ずっとそばにいてくれる?」

「ああ、わかった」

(何、この可愛いの。ヤバい)
ダンは悶えそうになりながら言った。

ダンはそれから馬が心配だからと帰って行った。

わたしはなんだか恥ずかしくなってきた。
よく考えると、ダンのこと好きで去らないでって離れないでって言ったような気がする…
わたし、ダンを好きなの?

……まさか?












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