20 / 89
わたしの愛する人(アイリス視点)④
しおりを挟む
シャノンがいなくなったと聞いたのは、庭園のお茶会から一週間経った頃だった。
実家の侯爵家にでも帰っていると思ったんだけど違うらしい。
まぁ、あの侯爵家に帰っても居づらいだろうしね。
わたしもあんな父親だったら絶対帰りたくないわ。
子どもの頃から知ってるけど、いつも怒ってムスッとしているし、シャノンがどんなに良い成績を取っても褒めるどころかまだ努力が足りないと言われるしね。
わたしの両親は、いつも好きなものを買ってくれるし、アイリスは家に居て笑ってるだけでいいっていつも言ってくれる優しい人達。
あんな親じゃなくて本当によかったわ。
◇ ◇ ◇
わたしは、いつものようにラウル様のいる騎士団に差し入れを持って行った。
なのにどうして?
門番の人達に止められた。
「え?ラウル様に会いにきたのよ!通していただける?」
「申し訳ありませんがアイリス・ベンジャミン伯爵令嬢様はお通し出来ないことになっております」
「何を言ってるの?ラウル・ベルアート様に聞いてみてくださらない?アイリス・ベンジャミンが来たと」
「いえ、上の者から何があっても通すなと言われております」
「今まで入れたのにどうしてなの?」
「理由は私達には分かりかねます」
何を言っても通してくれない。
わたしは家に帰って父に今日あったことを伝えて、父の方から通してもらえるように頼んだ。
なのに駄目だった。
伯爵家の父の力を跳ね返すさらに上の力が働いているみたい。
「ラウル様に会いたい」
わたしは直接ベルアート公爵家の邸に行ってみた。
なのにここでも
「お通し出来ません」
「主はただ今ご不在です」
と、何度行っても断られるの。
「わたしは公爵夫人になるのよ!言うことを聞きなさい!」
ほんと信じられないわ。
わたしはラウルの奥様になってこの邸の女主人になるのよ。
覚えてらっしゃい、あんた達わたしが夫人になったら全員首にしてあげるんだから!
わたしを愛してくれるラウル様!
どうして会えないの?
実家の侯爵家にでも帰っていると思ったんだけど違うらしい。
まぁ、あの侯爵家に帰っても居づらいだろうしね。
わたしもあんな父親だったら絶対帰りたくないわ。
子どもの頃から知ってるけど、いつも怒ってムスッとしているし、シャノンがどんなに良い成績を取っても褒めるどころかまだ努力が足りないと言われるしね。
わたしの両親は、いつも好きなものを買ってくれるし、アイリスは家に居て笑ってるだけでいいっていつも言ってくれる優しい人達。
あんな親じゃなくて本当によかったわ。
◇ ◇ ◇
わたしは、いつものようにラウル様のいる騎士団に差し入れを持って行った。
なのにどうして?
門番の人達に止められた。
「え?ラウル様に会いにきたのよ!通していただける?」
「申し訳ありませんがアイリス・ベンジャミン伯爵令嬢様はお通し出来ないことになっております」
「何を言ってるの?ラウル・ベルアート様に聞いてみてくださらない?アイリス・ベンジャミンが来たと」
「いえ、上の者から何があっても通すなと言われております」
「今まで入れたのにどうしてなの?」
「理由は私達には分かりかねます」
何を言っても通してくれない。
わたしは家に帰って父に今日あったことを伝えて、父の方から通してもらえるように頼んだ。
なのに駄目だった。
伯爵家の父の力を跳ね返すさらに上の力が働いているみたい。
「ラウル様に会いたい」
わたしは直接ベルアート公爵家の邸に行ってみた。
なのにここでも
「お通し出来ません」
「主はただ今ご不在です」
と、何度行っても断られるの。
「わたしは公爵夫人になるのよ!言うことを聞きなさい!」
ほんと信じられないわ。
わたしはラウルの奥様になってこの邸の女主人になるのよ。
覚えてらっしゃい、あんた達わたしが夫人になったら全員首にしてあげるんだから!
わたしを愛してくれるラウル様!
どうして会えないの?
84
お気に入りに追加
4,513
あなたにおすすめの小説
寡黙な貴方は今も彼女を想う
MOMO-tank
恋愛
婚約者以外の女性に夢中になり、婚約者を蔑ろにしたうえ婚約破棄した。
ーーそんな過去を持つ私の旦那様は、今もなお後悔し続け、元婚約者を想っている。
シドニーは王宮で側妃付きの侍女として働く18歳の子爵令嬢。見た目が色っぽいシドニーは文官にしつこくされているところを眼光鋭い年上の騎士に助けられる。その男性とは辺境で騎士として12年、数々の武勲をあげ一代限りの男爵位を授かったクライブ・ノックスだった。二人はこの時を境に会えば挨拶を交わすようになり、いつしか婚約話が持ち上がり結婚する。
言葉少ないながらも彼の優しさに幸せを感じていたある日、クライブの元婚約者で現在は未亡人となった美しく儚げなステラ・コンウォール前伯爵夫人と夜会で再会する。
※設定はゆるいです。
※溺愛タグ追加しました。
妹に一度殺された。明日結婚するはずの死に戻り公爵令嬢は、もう二度と死にたくない。
たかたちひろ【令嬢節約ごはん23日発売】
恋愛
婚約者アルフレッドとの結婚を明日に控えた、公爵令嬢のバレッタ。
しかしその夜、無惨にも殺害されてしまう。
それを指示したのは、妹であるエライザであった。
姉が幸せになることを憎んだのだ。
容姿が整っていることから皆や父に気に入られてきた妹と、
顔が醜いことから蔑まされてきた自分。
やっとそのしがらみから逃れられる、そう思った矢先の突然の死だった。
しかし、バレッタは甦る。死に戻りにより、殺される数時間前へと時間を遡ったのだ。
幸せな結婚式を迎えるため、己のこれまでを精算するため、バレッタは妹、協力者である父を捕まえ処罰するべく動き出す。
もう二度と死なない。
そう、心に決めて。
【完結】用済みと捨てられたはずの王妃はその愛を知らない
千紫万紅
恋愛
王位継承争いによって誕生した後ろ楯のない無力な少年王の後ろ楯となる為だけに。
公爵令嬢ユーフェミアは僅か10歳にして大国の王妃となった。
そして10年の時が過ぎ、無力な少年王は賢王と呼ばれるまでに成長した。
その為後ろ楯としての価値しかない用済みの王妃は廃妃だと性悪宰相はいう。
「城から追放された挙げ句、幽閉されて監視されて一生を惨めに終えるくらいならば、こんな国……逃げだしてやる!」
と、ユーフェミアは誰にも告げず城から逃げ出した。
だが、城から逃げ出したユーフェミアは真実を知らない。
初恋の終わり ~夢を叶えた彼と、居場所のない私~
あんこ
恋愛
初恋の彼と結ばれ、幸せを手に入れた筈……だった。
幼い頃から相思相愛で幼馴染のイースとふたりで村から王都に出て来て、一年半。久々に姿を見かけたイースは、傍らにぶら下げた知らない女の腰を寄せながら、冷たい声で私に言った。
「あいつ? 昔、寝たことがある女。それだけ」
私の初めてを全て捧げた彼は、夢を叶えてから変わってしまった。それでも、離れることなんて考えてもみなかった。十五年間紡いで来た関係は、たった一年半の王都暮らしで崩れ去った。
あなたにとって私は、もう何の価値もないの?
叶えた筈の初恋を失い居場所を探す女性と、初恋の彼女と結ばれ夢を叶え全てを手に入れた筈が気付けば全て零れ落ちていた彼の話。
【完結】夫は私に精霊の泉に身を投げろと言った
冬馬亮
恋愛
クロイセフ王国の王ジョーセフは、妻である正妃アリアドネに「精霊の泉に身を投げろ」と言った。
「そこまで頑なに無実を主張するのなら、精霊王の裁きに身を委ね、己の無実を証明してみせよ」と。
※精霊の泉での罪の判定方法は、魔女狩りで行われていた水審『水に沈めて生きていたら魔女として処刑、死んだら普通の人間とみなす』という逸話をモチーフにしています。
〖完結〗旦那様が愛していたのは、私ではありませんでした……
藍川みいな
恋愛
「アナベル、俺と結婚して欲しい。」
大好きだったエルビン様に結婚を申し込まれ、私達は結婚しました。優しくて大好きなエルビン様と、幸せな日々を過ごしていたのですが……
ある日、お姉様とエルビン様が密会しているのを見てしまいました。
「アナベルと結婚したら、こうして君に会うことが出来ると思ったんだ。俺達は家族だから、怪しまれる心配なくこの邸に出入り出来るだろ?」
エルビン様はお姉様にそう言った後、愛してると囁いた。私は1度も、エルビン様に愛してると言われたことがありませんでした。
エルビン様は私ではなくお姉様を愛していたと知っても、私はエルビン様のことを愛していたのですが、ある事件がきっかけで、私の心はエルビン様から離れていく。
設定ゆるゆるの、架空の世界のお話です。
かなり気分が悪い展開のお話が2話あるのですが、読まなくても本編の内容に影響ありません。(36話37話)
全44話で完結になります。
【完結】「君を愛することはない」と言われた公爵令嬢は思い出の夜を繰り返す
おのまとぺ
恋愛
「君を愛することはない!」
鳴り響く鐘の音の中で、三年の婚約期間の末に結ばれるはずだったマルクス様は高らかに宣言しました。隣には彼の義理の妹シシーがピッタリとくっついています。私は笑顔で「承知いたしました」と答え、ガラスの靴を脱ぎ捨てて、一目散に式場の扉へと走り出しました。
え?悲しくないのかですって?
そんなこと思うわけないじゃないですか。だって、私はこの三年間、一度たりとも彼を愛したことなどなかったのですから。私が本当に愛していたのはーーー
◇よくある婚約破棄
◇元サヤはないです
◇タグは増えたりします
◇薬物などの危険物が少し登場します
義妹ばかりを溺愛して何もかも奪ったので縁を切らせていただきます。今さら寄生なんて許しません!
ユウ
恋愛
10歳の頃から伯爵家の嫁になるべく厳しい花嫁修業を受け。
貴族院を卒業して伯爵夫人になるべく努力をしていたアリアだったが事あるごと実娘と比べられて来た。
実の娘に勝る者はないと、嫌味を言われ。
嫁でありながら使用人のような扱いに苦しみながらも嫁として口答えをすることなく耐えて来たが限界を感じていた最中、義妹が出戻って来た。
そして告げられたのは。
「娘が帰って来るからでていってくれないかしら」
理不尽な言葉を告げられ精神的なショックを受けながらも泣く泣く家を出ることになった。
…はずだったが。
「やった!自由だ!」
夫や舅は申し訳ない顔をしていたけど、正直我儘放題の姑に我儘で自分を見下してくる義妹と縁を切りたかったので同居解消を喜んでいた。
これで解放されると心の中で両手を上げて喜んだのだが…
これまで尽くして来た嫁を放り出した姑を世間は良しとせず。
生活費の負担をしていたのは息子夫婦で使用人を雇う事もできず生活が困窮するのだった。
縁を切ったはずが…
「生活費を負担してちょうだい」
「可愛い妹の為でしょ?」
手のひらを返すのだった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる