【完結】愛してました、たぶん   

たろ

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プロローグ

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「愛してる」

「わたしも貴方を愛しているわ」

・・・・・

「もう少し我慢してくれ。シャノンとは別れるつもりだ」

「いつまで待っていればいいの?」

二人は、人影の少ない庭園のベンチで抱き合いながら、激しいキスをしていた。

木陰からこっそり見ていたのは男の妻であるシャノン。 

抱き合っていた女性はシャノンの友人だった。

夫の名前は、ラウル・ベルアート24歳。
ベルアート公爵。
金髪にブルーの瞳鼻筋が通った美丈夫身長は180cm以上あり細身なのにしっかりと筋肉がついている、騎士団に入り第2隊副隊長を任されている。
真面目で優しい。

女性は、シャノンの幼い頃からの友人。
アイリス・ベンジャミン伯爵令嬢 19歳。

栗毛色にグリーンの瞳、小柄で目がクリッとしていて誰とでも仲良くなれる愛嬌と可愛らしい顔立ち。


シャノン・ベルアート19歳。
元侯爵令嬢。
現在はラウル・ベルアート公爵の妻。

サラサラの長い腰まである珍しい銀色の髪。
真っ黒い瞳、色白で知性的な顔立ちは美しく、誰もが思わず振り返ってしまうほど。

幼い頃から知性、性格、容姿と優れて周りから愛されていたが、本人は人見知りが激しく慣れない人と話すのが苦手で人に嫌われていると思っている。

シャノンとアイリスは、幼馴染で幼少期からお互いの家を行き来するぐらい仲の良い親友だった。

シャノンがラウルと結婚したのは半年前、ベルアート家からの申し出で、三年の婚約期間後、シャノンの学校卒業を待っての婚姻であった。

シャノンは、政略結婚ではあったが、婚約中、月に数回のお茶会や夜会でのエスコートと、会う度にラウルに惹かれていった。

でも、シャノンは人見知りで話すのが苦手で、なかなかラウルと打ち解けられないのが悩みだった。
彼の前ではお人形のように固い笑顔しかできず、いつも悩んでいた。
結婚してからも素直に好きです、愛していますと態度に出来ずにいたので、いつもアイリスに相談していた。

そんな二人が夜会の最中に、抱き合っていたのだ。

シャノンは聞いていられなくて慌てて逃げた。
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