19 / 35
団長さんが可愛すぎる⁈
しおりを挟む
団長さんが立っていると思ってもいなかったのでわたしは完全にびびってしまった。
怖かった……
「ユウナ……俺は何か悪いことをしたのか?」
とても大きな体の団長さんがしょげている姿は何とも可愛らしく見えたのは、わたしの目がおかしいから?
わたしはしばらく黙っていたけど、廊下で誰かに話を聞かれるのも嫌だし、どうしようかと迷ったけどとりあえずせっかくの食べ物を無駄にしたくないので部屋に入ってもらった。
わたしの部屋は一部屋にトイレと小さなシャワールームが付いているだけの狭い部屋だ。
団長さんは一つしかないテーブルの椅子に座ってもらいわたしはベッドに腰掛けた。
そして団長さんが持ってきてくれたサンドイッチをテーブルに置いた。
「…………団長さんが何かをしたわけではありません。ただ団長さんに好きな人がいることがわかったので、わたしが仲良くしてしまうと相手の方に失礼だと思ったんです。それに団長さんも好きな人に誤解されると困るでしょう?」
「……好きな人……あ、ああ、確かにそう言った……」
「でもまさかその好きな人が……リリーさんだなんて驚きました」
「へ?」
「うん?リリーさんと今日公園で会っていましたよね?」
「………あ、あの女性……呼び出されたんだ。ユウナの同郷で幼馴染だと言ってきたんだ。ユウナの元旦那のことで話したいことがあると言われたんだ」
「アッシュのことで?どうして団長さんに?」
「ユウナには話せないと……だから、ユウナのために話を聞いて欲しいと言われたんだ」
「どんな話でした?」
「リリーさんと元旦那さんはずっと愛し合っていたのに無理矢理ユウナが引き裂いて結婚したんだと言っていた。それに本当はユウナが浮気をして旦那と離婚した。アッシュは被害者で侯爵家の仕事を辞めさせられたと言っていた」
「はあ?わたしが二人の愛を引き裂いた?わたしが浮気して離婚した?」
わたしは血管がブチ切れそうになった。
大事な食べ物を落としそうになり、慌ててテーブルにあたるのはやめた。
もったいない……
「信じてなどいない。ただ、ユウナにとって大事な話なら聞かないわけにはいかないだろう?だから会ってみようと思ったんだ。そしたら自分は辛いとかユウナに意地悪されて育ったとか言い出したんだ、そして俺に抱きついてきたんだ」
「……ほお、わたしに意地悪されて育った?幼馴染でもないし知り合いでもないのに?会ったのはこの前アッシュに会いにきた時が初めてだったのに?」
わたしは団長さんの話を聞いてだんだん頭にきた。
「ユウナ、落ち着け!信じていない!」
「で、で、その後どうなったんですか?」
「ユウナがどんなに自分に意地悪をしてきたか話して、俺と付き合ってあげる…と言ってきた」
「はあ?わたしの悪口を散々言ったんですか?わたしのこと何にも知らないのに?」
「あ、……ああ。俺はもちろん断ったしユウナはそんな女性ではないとハッキリと言ってきたからな!」
「当たり前です!わたしは何にもしていないし、幼馴染でもありませんから!ロリーが証明してくれます!」
「また連絡すると言って帰って行ったがもう会うつもりはない」
「………駄目です!是非会って下さい、わたしのために是非会ってください!」
「え?どうして?」
「だって悔しいではないですか!浮気されてアッシュと離婚して、食堂で大声で恥ずかしい話をされて、さらに団長さんにわたしの悪口を言って!
許せないです!懲らしめてやりたい!怒鳴ってやらないと気が済みません!」
わたしの頭の中はもう怒りでぐちゃぐちゃになって、多分鬼のような形相になっていると思う。
リリーの奴、わたしのこと知りもしないのになんで?
なんか恨みでもあるのかしら?
話したこともないのに……考えるだけでイライラする。
わたしは少し冷静になってから団長さんにお礼と謝罪をして
「ではお帰りください」と言ってドアを開けて退室を促した。
たぶんこれ以上団長さんが部屋にいたら当たってしまっていたと思う。
関係のない団長さんを巻き込んでさらに八つ当たりをするなんてほんと最低な行為だ。
わたしはリリーに一言物申すことにした。
でもあのあざとい女に勝てる気はしない……
ギャフンと言わせるどころか、ギャフンと言わされそう……な予感しかない。
◆ ◆ ◆
はい、次の話はリリーとの対決⁈です。
怖かった……
「ユウナ……俺は何か悪いことをしたのか?」
とても大きな体の団長さんがしょげている姿は何とも可愛らしく見えたのは、わたしの目がおかしいから?
わたしはしばらく黙っていたけど、廊下で誰かに話を聞かれるのも嫌だし、どうしようかと迷ったけどとりあえずせっかくの食べ物を無駄にしたくないので部屋に入ってもらった。
わたしの部屋は一部屋にトイレと小さなシャワールームが付いているだけの狭い部屋だ。
団長さんは一つしかないテーブルの椅子に座ってもらいわたしはベッドに腰掛けた。
そして団長さんが持ってきてくれたサンドイッチをテーブルに置いた。
「…………団長さんが何かをしたわけではありません。ただ団長さんに好きな人がいることがわかったので、わたしが仲良くしてしまうと相手の方に失礼だと思ったんです。それに団長さんも好きな人に誤解されると困るでしょう?」
「……好きな人……あ、ああ、確かにそう言った……」
「でもまさかその好きな人が……リリーさんだなんて驚きました」
「へ?」
「うん?リリーさんと今日公園で会っていましたよね?」
「………あ、あの女性……呼び出されたんだ。ユウナの同郷で幼馴染だと言ってきたんだ。ユウナの元旦那のことで話したいことがあると言われたんだ」
「アッシュのことで?どうして団長さんに?」
「ユウナには話せないと……だから、ユウナのために話を聞いて欲しいと言われたんだ」
「どんな話でした?」
「リリーさんと元旦那さんはずっと愛し合っていたのに無理矢理ユウナが引き裂いて結婚したんだと言っていた。それに本当はユウナが浮気をして旦那と離婚した。アッシュは被害者で侯爵家の仕事を辞めさせられたと言っていた」
「はあ?わたしが二人の愛を引き裂いた?わたしが浮気して離婚した?」
わたしは血管がブチ切れそうになった。
大事な食べ物を落としそうになり、慌ててテーブルにあたるのはやめた。
もったいない……
「信じてなどいない。ただ、ユウナにとって大事な話なら聞かないわけにはいかないだろう?だから会ってみようと思ったんだ。そしたら自分は辛いとかユウナに意地悪されて育ったとか言い出したんだ、そして俺に抱きついてきたんだ」
「……ほお、わたしに意地悪されて育った?幼馴染でもないし知り合いでもないのに?会ったのはこの前アッシュに会いにきた時が初めてだったのに?」
わたしは団長さんの話を聞いてだんだん頭にきた。
「ユウナ、落ち着け!信じていない!」
「で、で、その後どうなったんですか?」
「ユウナがどんなに自分に意地悪をしてきたか話して、俺と付き合ってあげる…と言ってきた」
「はあ?わたしの悪口を散々言ったんですか?わたしのこと何にも知らないのに?」
「あ、……ああ。俺はもちろん断ったしユウナはそんな女性ではないとハッキリと言ってきたからな!」
「当たり前です!わたしは何にもしていないし、幼馴染でもありませんから!ロリーが証明してくれます!」
「また連絡すると言って帰って行ったがもう会うつもりはない」
「………駄目です!是非会って下さい、わたしのために是非会ってください!」
「え?どうして?」
「だって悔しいではないですか!浮気されてアッシュと離婚して、食堂で大声で恥ずかしい話をされて、さらに団長さんにわたしの悪口を言って!
許せないです!懲らしめてやりたい!怒鳴ってやらないと気が済みません!」
わたしの頭の中はもう怒りでぐちゃぐちゃになって、多分鬼のような形相になっていると思う。
リリーの奴、わたしのこと知りもしないのになんで?
なんか恨みでもあるのかしら?
話したこともないのに……考えるだけでイライラする。
わたしは少し冷静になってから団長さんにお礼と謝罪をして
「ではお帰りください」と言ってドアを開けて退室を促した。
たぶんこれ以上団長さんが部屋にいたら当たってしまっていたと思う。
関係のない団長さんを巻き込んでさらに八つ当たりをするなんてほんと最低な行為だ。
わたしはリリーに一言物申すことにした。
でもあのあざとい女に勝てる気はしない……
ギャフンと言わせるどころか、ギャフンと言わされそう……な予感しかない。
◆ ◆ ◆
はい、次の話はリリーとの対決⁈です。
41
お気に入りに追加
3,160
あなたにおすすめの小説
一番悪いのは誰
jun
恋愛
結婚式翌日から屋敷に帰れなかったファビオ。
ようやく帰れたのは三か月後。
愛する妻のローラにやっと会えると早る気持ちを抑えて家路を急いだ。
出迎えないローラを探そうとすると、執事が言った、
「ローラ様は先日亡くなられました」と。
何故ローラは死んだのは、帰れなかったファビオのせいなのか、それとも・・・
【完結】お飾りの妻からの挑戦状
おのまとぺ
恋愛
公爵家から王家へと嫁いできたデイジー・シャトワーズ。待ちに待った旦那様との顔合わせ、王太子セオドア・ハミルトンが放った言葉に立ち会った使用人たちの顔は強張った。
「君はお飾りの妻だ。装飾品として慎ましく生きろ」
しかし、当のデイジーは不躾な挨拶を笑顔で受け止める。二人のドタバタ生活は心配する周囲を巻き込んで、やがて誰も予想しなかった展開へ……
◇表紙はノーコピーライトガール様より拝借しています
◇全18話で完結予定
わたしを捨てた騎士様の末路
夜桜
恋愛
令嬢エレナは、騎士フレンと婚約を交わしていた。
ある日、フレンはエレナに婚約破棄を言い渡す。その意外な理由にエレナは冷静に対処した。フレンの行動は全て筒抜けだったのだ。
※連載
家出したとある辺境夫人の話
あゆみノワ@書籍『完全別居の契約婚〜』
恋愛
『突然ではございますが、私はあなたと離縁し、このお屋敷を去ることにいたしました』
これは、一通の置き手紙からはじまった一組の心通わぬ夫婦のお語。
※ちゃんとハッピーエンドです。ただし、主人公にとっては。
※他サイトでも掲載します。
どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします
文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。
夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。
エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。
「ゲルハルトさま、愛しています」
ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。
「エレーヌ、俺はあなたが憎い」
エレーヌは凍り付いた。
彼の過ちと彼女の選択
浅海 景
恋愛
伯爵令嬢として育てられていたアンナだが、両親の死によって伯爵家を継いだ伯父家族に虐げられる日々を送っていた。義兄となったクロードはかつて優しい従兄だったが、アンナに対して冷淡な態度を取るようになる。
そんな中16歳の誕生日を迎えたアンナには縁談の話が持ち上がると、クロードは突然アンナとの婚約を宣言する。何を考えているか分からないクロードの言動に不安を募らせるアンナは、クロードのある一言をきっかけにパニックに陥りベランダから転落。
一方、トラックに衝突したはずの杏奈が目を覚ますと見知らぬ男性が傍にいた。同じ名前の少女と中身が入れ替わってしまったと悟る。正直に話せば追い出されるか病院行きだと考えた杏奈は記憶喪失の振りをするが……。
本日、私の大好きな幼馴染が大切な姉と結婚式を挙げます
結城芙由奈
恋愛
本日、私は大切な人達を2人同時に失います
<子供の頃から大好きだった幼馴染が恋する女性は私の5歳年上の姉でした。>
両親を亡くし、私を養ってくれた大切な姉に幸せになって貰いたい・・・そう願っていたのに姉は結婚を約束していた彼を事故で失ってしまった。悲しみに打ちひしがれる姉に寄り添う私の大好きな幼馴染。彼は決して私に振り向いてくれる事は無い。だから私は彼と姉が結ばれる事を願い、ついに2人は恋人同士になり、本日姉と幼馴染は結婚する。そしてそれは私が大切な2人を同時に失う日でもあった―。
※ 本編完結済。他視点での話、継続中。
※ 「カクヨム」「小説家になろう」にも掲載しています
※ 河口直人偏から少し大人向けの内容になります
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる