【完結】浮気された私は貴方の子どもを内緒で育てます  時々番外編

たろ

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レオはルディアを愛しています②

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僕はルディアを黙って見つめた。

ルディアは僕と目が合うとサッと目を逸らした。

それでも見つめ続けた。
「ルディアを愛しています。もう一度僕と結婚してください」

ルディアは目を逸らしたままこちらを見ようとはしない。

「ルディア、僕は毎日君に会いに来てプロポーズをするよ。もう諦めない、諦めたくないんだ」

ルディアから小さな声が聞こえた。
「……………わか………………るわ」

「え?」
僕の聞き間違いなのか?小さすぎてはっきりしない。

「わかったわ!わたしも貴方を愛しているわ!」

ルディアは真っ赤な顔をして向こうを向いたまま答えた。
僕は彼女を抱きしめた。
あのメアリーが突然やってきてから19年近くルディアを抱きしめられなかった。僕はやっとこの手に彼女を取り戻した。

「レオ、止めて!エイミー達が見ているわ」
彼女の言葉に振り向くと若い僕の可愛い友人達がみんなで微笑んでくれていた。

「みんな応援ありがとう」

エイミーが嬉しそうに
「レオ様、お母様、さっさと再婚して今度は内緒ではない子どもを産んで育てて下さい」
と笑いながら言った。

「うん、そうだな。アランとエイミーの妹を作るよ」
 
「な、何を言ってるの、レオ。ふざけないで」 
ルディアは真っ赤になって怒っていた。

「父上、俺は弟がいいです」

「あら、わたしは妹がいいわ」

「お義姉様、ここに可愛い妹はいますわ。だから弟にしてください」
エイミーの義妹のメイは焦ってエイミーに言った。

「あら?メイが可愛いから妹が欲しいのよ」

「うーん、だったら妹でもいいかな」

「駄目だよ。俺は弟が欲しいんだ」
アランは何故かエイミーに対抗意識を出していた。

「貴方達、やめてちょうだい」
ルディアは恥ずかしさで俯いて僕の胸に顔を埋めていた。

「ではわたし達はお暇します。ごゆっくりお話してください。レオ様、お茶会は止めませんのでまた明後日お待ちしていますね」

エイミーはにっこり笑ってみんなを連れて部屋を去って行った。

「ルディア、あんないい子に育ててくれてありがとう。僕はエイミーと親子にはなれなかったけどお茶友達で話し相手という最高の立場を得ることが出来たんだ。彼女の年頃を考えるとその辺の親子より話せて要るかもしれないんだ」

「ふふ。エイミーもわたしと同じで意地っ張りだから態とに言ってるのよ。たぶん貴方のことを父親だと思っているわよ」

「……そうだったら何よりも嬉しいよ。エイミーの父親になれることが夢だったんだ。それからアランのことだけど僕はやはり彼の父親でありたい。でもルディアの子ではないから母親になって欲しいとは思ってはいない」

「………わたしは母親にはやはりなれないわ。でもね、お茶友達くらいにはなれると思うの。アランのこと嫌いではないわ」

ルディアはアランのことを嫌ってはいないと言ってくれただけでも嬉しかった。

そして邸にいたルディアの両親に挨拶をした。

義父上からは腹を二発殴られた。
ルディアとエイミーが辛い思いをしてきた罰だと言われた。

義母上は笑顔で「次はないわよ」と優しい言葉をかけられた。

「何があっても二人を幸せにします」
と頭を下げ続けた。



◇ ◇ ◇

「アラン、二人が再婚したら嫌な思いをするかもしれないわ。ごめんなさい」
わたしはアランを見て申し訳なかった。

「何で?元々二人が夫婦だったんだ。俺と母親が無理やり君たちの家庭を壊したんだ」

「貴方ではないわ。悪いのはハノン伯母様とメアリー様よ」

「聞いてる?そろそろ二人の判決が出るよ。やっと罪が全て洗い出されて刑を言い渡されるんだ」
アランはスッキリした顔をしていた。

「メアリー様のこと辛くはないの?」
わたしが聞くと彼は寂しそうに微笑んだ。

「俺は幼い頃からあの人の幸せになるための道具だったんだ。愛されたいと必死で努力してもあの人は俺を機嫌がいい時だけの玩具にして遊んでた。あとは俺を飼っていればお金が入ってくるペットでしかなかったんだよ。もう愛されたいと思う歳ではないよ、きちんと罪を償って貰わないとね」

「………ぐすっ……」

「………………ヒック……」

周りから泣き声が聞こえてきた。
振り返るとメイもシャーリーもイザベラも泣いていた。さらにクレインまで目を潤ませていた。

「みんな泣かないの」
わたしが言うとメイがさらに泣きながら言った。

「……アラン様って……いっつもかっこ良く…てそんな辛かった人…には見えな……かったわ」

「うーん、かっこいいのは関係ないと思うわ」
わたしが言うとメイが
「うん、でもかっこいいのは本当だもん」
と言い返してきた。

良く分からないがアランはかっこいいらしい。
でもアランの辛かった人生はわたしには分からないけどそれが今の彼のかっこよさ?を作ったのかもしれないなと密かに思ってしまった。





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