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★高等部3年生⑥

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レオ様とアランと三人で剣術の話や学園でわたし達二人がいつも競い合って、いた事を話した。

アランはちょっと馬鹿にして鼻で笑っていたがわたしはそこはスルーすることにした。

「レオ様はお母様が剣術をする姿に惚れていたのですか?」

「うん、彼女は子どもの頃から父親に引っ付いて剣を持って真似していたんだ。僕の婚約者になってからも我が家の護衛騎士達と一緒に鍛錬をする姿は綺麗でかっこよかったんだよ。まあ、騎士達は彼女に思いを寄せている者もいたみたいなんだ。僕は焦ってなんとか彼女を僕に振り向かせようと必死だったんだ」
レオ様は懐かしそうに言った。

「なのに浮気をしたんですね」
わたしの一言に顔を歪ませながらも言った。

「あの頃の僕は馬鹿だったんだ。ハノンからの甘い誘いにのりメアリーに溺れた。その後も女の子たちからの誘いに簡単にのってしまった。ただ、君達の前で言うことではないが体の関係に何度かなったのはメアリーだけだ。それもすぐに別れたんだ。僕は何にでも一生懸命で素直なルディアに妹としてではなくて女性として惹かれたんだ。なのにルディアに嵌められて結婚して彼女を傷つけたんだ。……アラン、きみのことを息子として育てたことだけは後悔していない。でもメアリーとの再婚はずっと後悔し続けているんだ。ルディアからの信用は一切なくなった」

「仕方ないですよね、レオ様はお母様に拒絶されたんですもんね。アランの母親にはなれないと言ってました。て言うかもうわたし達も大人入りしています。今さら母親も父親もそこまで必要としていません。お母様が無理してアランの母親になる必要性はないと思うのですが…」

「確かに、俺は別に母親はもう要らないな。幼い頃なら愛情を求めたけど今は欲しいと思わない」

「そうだよね、わたしも今さら父親の愛情なんて求めてないわ」

レオ様はガクッと肩を落とした。

「レオ様、わたし達は離れて暮らしすぎたんです。今さら家族愛とか無理です。でもお互いいい話し相手にはなれると思いませんか?」

「話し相手?」

「はい、わたしはレオ様がお母様と子どもの頃からの二人で過ごした思い出を聞きたいです。そしてわたしはお母様と過ごしたハディッド領での日々をレオ様に話したいです、駄目ですか?」

「僕も聞いてみたい。いつも君たちを遠くから見ていた。あの中になぜ自分がいないのか考えるだけで辛かったんだ」

「レオ様、ごめんなさい。わたしは酷いことばかり言ってますね。でもレオ様を嫌いなわけでも恨んでいる訳でもないんです。ただ今日初めて話して急に父親だから大好きなんて無理なだけです。お母様とわたしの凍ってしまった心もいつかは溶けると思うんです。たぶんお母様はレオ様を愛しています。試すようなことばかり言ってごめんなさい。態と怒らせようとしました。でも半分は本心です、お母様は貴方に怯えていました、それはもしかしたら会うのが怖いと言うより会ってもう自分は愛されていない現実を思い知らされたくなかったのかもしれないですね」

「ルディアには拒絶されてしまったんだ。もう会うことはないと思っている。それだけのことをしてきたし彼女を苦しめたくない。エイミーにも最後に会ってみたかったんだ、父親らしいことは出来なかったし君に会う資格なんてないのもわかっていたんだ。なのに話し相手として認めて貰えて嬉しいよ」

「わたし、レオ様には少し意地悪しすぎました。なんだかアランに似ていてつい意地を張ってしまうんです。血が繋がっていなくても二人は親子なんですねやはり雰囲気とか似ています」

「エイミー、俺の所為にしないでくれ」

「あら?アラン似ているって褒めたんだから喜んで欲しいわ」

「うん、生まれて初めて父上に似ていると言われたことは感謝するよ」

アランは照れ臭そうに言った。

「レオ様、お母様のこと諦めないでもう少し頑張ってください。素直ではないだけです、たぶんレオ様を拒絶して後悔していると思いますよ」

わたしはお母様を思い出して笑ってしまった。

「エイミー、僕はいい話し相手を得られて幸せだよ。これからもよろしくお願いするよ」

「はい、わたしも素敵な話し相手が出来て嬉しいです、よろしくお願いいたします」

わたしは初めてレオ様と笑い合った。
やっぱりこの人はわたしの父親なんだと改めて思ったけど、ちょっとレオ様に対して捻くれているわたしは今は言わないでおこうと思った。







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