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★高等部3年生②
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昼休みいつものメンバーで食堂でランチを食べていると殿下がわたしに話しかけた。
「今日は行く?」
「はい、そのつもりです」
「父上が今日母上の健診の日だから良かったら会えると伝言されたんだけど、意味わかる?」
「ほんとですか?嬉しいです」
「僕は何のことだかわからないんだけどね」
「陛下教えてくれなかったんですか?」
「そうなんだ、伝言だけ言われてね」
「陛下はエイミーと内緒の話しが嬉しかったんだ」
クレインがクスクス笑って言った。
「本当、僕に対抗意識なんかしないで欲しいよね」
「エイミー、ところで陛下の伝言の意味は?」
イザベラが興味津々で聞いてきた。
「以前陛下がシャノン様に会いたければ機会を作ってあげると言われたの」
「シャノン様?」
シャーリーが誰か分からず聞いてきた。
「陛下の王妹のマリアンナ様が嫁がれたアンブライト公爵の弟ダン様の奥様なの」
「あ、確か女医をされている方よね」
シャーリーが思い出した。
「うん、女性で医者、結婚もして子どももいてそれでもまだ現役お仕事をされているの、わたし司書官になるなら結婚も全て出来ないと思っていたけど殿下と陛下が夢を実現した人がいると教えてくれたの」
「エイミーはシャノン様にお会いするんだね」
「ええ、中々お会いするタイミングが合わなくて陛下がわたしのために放課後に会えるようにしてくださったのね、嬉しいわ」
「僕も一緒にいいかな」
「もちろんよ、殿下も一緒だと心強いわ」
「わたしも会いたい」
シャーリーとイザベラも一緒に行くことになった。
「あ、俺は興味ないんで」
クレインがお断りしてきた。
放課後、殿下の馬車で四人で王宮へ向かった。
わたし達は殿下の部屋へ通された。
殿下の部屋と言っても、プライベートな部屋ではなく殿下がお客様を招く殿下専用の客室なんだけど、さすが王宮。
殿下専用の客室やティールーム、執務室、書斎、来賓室があるらしい。それとは別にプライベートな部屋も何部屋かあると言っていた。
わたしはシャーリーの家とボガードの家とハディッド領にそれぞれ一部屋だ。
規模が違う。
まあ比べるなんて烏滸がましいんだけどね。
コンコンと扉をノックして入ってこられたのは30代後半にはとても見えない綺麗な女性だった。
銀色の髪がもても綺麗で黒い瞳が印象的な人。女医さんだからもっとキツいイメージだけど柔らかい笑顔の優しそうな女性だった。
わたし達は慌てて席を立ち頭を下げた。
「お忙しいのにお時間をとって頂きありがとうございました」
わたし達はそれぞれ名前を言って挨拶をした。
シャノン様も先に着いてわたしを見てにっこり笑った。
「貴方は司書官になるのが夢なの?」
「はい、後半年したら試験があります。合格出来る様に今必死で勉強しています」
「わたしは結婚して離縁するまで夢なんてなかったの。だから学生の時から夢を持てるなんて素敵なことだわ」
「ありがとうございます!」
「エイミーは、結婚願望が無いと聞いたわ」
「は、はい。無いと言うかまだ人を好きになったことが無いのです」
「あら?勿体無いわね」
「勿体無い?」
「だって若い時しかきゅんとなる恋愛は出来ないと思うわ」
「きゅんとなる?え?何、その恋愛……」
わたしはシャーリーとイザベラを見て言った。
「二人ともそんな恋愛をしているの?」
二人は真っ赤になりながら言った。
「わたしは婚約者がいるのよ、もちろん恋愛からよ、知っているでしょう?」
イザベラが頬を赤くして言った。
「わたしはまだ婚約者ではないけどお付き合いしている方はいるわ」
シャーリーも答えた。
「そうなんだ。好きになるとはキュンとするんだ」
カイル殿下が呆れながら
「君はいつも本を読んでるんだろう、そこには出ていなかったの?」
「出てました、でもそれは本の中であって、本当に感じるものだと思わなかったです」
「確かにエイミーとわたし達恋愛話しをしたことがないわね」
「ええ、そうね、エイミーと居ると美味しいお菓子のことや今日の面白かった先生の話とか話題が楽しい話ばかりで恋愛の話なんてなかったわね」
「わたし、そっちに興味がなさ過ぎて話したことない……」
「みんなはとても仲が良いのね、羨ましいわ」
シャノン様は笑顔で話してくれた。
「わたしは大学に入ったのが同じ学年の人より一年半遅れたから、みんなと同じ時に卒業したくて2年半で卒業資格を取ったの。
友人達がいたから頑張れたの。その後も研修医として働き出したけど周りが助けてくれたから医者になれたわ、研修医の時に主人にプロポーズされて再婚したのだけど、迷いはなかったの
この人となら一生一緒に生きていけると思ったの」
「仕事を辞めようとは思わなかったのですか?」
「全くなかったわ、結婚しても妊娠しても子育てしていても仕事は続けたわ、ただ子どもが小さな頃はセーブして出来るだけ子ども達といる時間も増やしたわ」
「辞めなくてもセーブした…」
「仕事を続けるためには夫の協力も必要だし理解して貰わなければいけないの」
「シャノン様の旦那様はシャノン様が好きすぎてるからまあ何の反対もないと思うよ」
殿下が笑いながら言った。
「あら、カイル殿下そんなこと言ったら主人が顔が赤くなっていますわ」
シャノン様が後ろを振り返り笑って騎士の方を見ていた。
わたし達も振り返りると赤い顔をした騎士さんがいた。
「え?シャノン様の旦那様??」
シャノン様が笑いながら
「主人のダンよ。ダンはいま近衛騎士をしているのよ、カイル殿下付きなの」
わたし達は慌てて席を立ちダン様に頭を下げた。
「すみまさん、よろしくお願いします」
わたしは何と挨拶すれば良いのか分からずにぺこぺこ頭を下げた。
「みんなよろしく。こちらこそ君たちの会話を聞いて学生の頃を思い出して懐かしく思っていたんだ。殿下の学生らしい姿も見せてもらえて嬉しいです」
「僕の学生らしい姿?」
「はい、貴方はいつも大人びて子どもらしい顔を見せてはくれないでしょう。貴方が友人と話している姿は我々近衛騎士からするととても貴重なのです」
「殿下は確かに大人びてますよね、でも結構ドジで可愛いんですよ」
「うん、エイミー、要らないこと言わなくて良いよ」
「え?どうしてですか?殿下の可愛い所も教えてあげなくちゃ、殿下が堅い人と思われちゃう」
「うん、思われていて良いんだよ」
殿下はなんとも言えない顔をしてわたしを見た。
周りはクスクス笑っている。
変なの。
「今日は行く?」
「はい、そのつもりです」
「父上が今日母上の健診の日だから良かったら会えると伝言されたんだけど、意味わかる?」
「ほんとですか?嬉しいです」
「僕は何のことだかわからないんだけどね」
「陛下教えてくれなかったんですか?」
「そうなんだ、伝言だけ言われてね」
「陛下はエイミーと内緒の話しが嬉しかったんだ」
クレインがクスクス笑って言った。
「本当、僕に対抗意識なんかしないで欲しいよね」
「エイミー、ところで陛下の伝言の意味は?」
イザベラが興味津々で聞いてきた。
「以前陛下がシャノン様に会いたければ機会を作ってあげると言われたの」
「シャノン様?」
シャーリーが誰か分からず聞いてきた。
「陛下の王妹のマリアンナ様が嫁がれたアンブライト公爵の弟ダン様の奥様なの」
「あ、確か女医をされている方よね」
シャーリーが思い出した。
「うん、女性で医者、結婚もして子どももいてそれでもまだ現役お仕事をされているの、わたし司書官になるなら結婚も全て出来ないと思っていたけど殿下と陛下が夢を実現した人がいると教えてくれたの」
「エイミーはシャノン様にお会いするんだね」
「ええ、中々お会いするタイミングが合わなくて陛下がわたしのために放課後に会えるようにしてくださったのね、嬉しいわ」
「僕も一緒にいいかな」
「もちろんよ、殿下も一緒だと心強いわ」
「わたしも会いたい」
シャーリーとイザベラも一緒に行くことになった。
「あ、俺は興味ないんで」
クレインがお断りしてきた。
放課後、殿下の馬車で四人で王宮へ向かった。
わたし達は殿下の部屋へ通された。
殿下の部屋と言っても、プライベートな部屋ではなく殿下がお客様を招く殿下専用の客室なんだけど、さすが王宮。
殿下専用の客室やティールーム、執務室、書斎、来賓室があるらしい。それとは別にプライベートな部屋も何部屋かあると言っていた。
わたしはシャーリーの家とボガードの家とハディッド領にそれぞれ一部屋だ。
規模が違う。
まあ比べるなんて烏滸がましいんだけどね。
コンコンと扉をノックして入ってこられたのは30代後半にはとても見えない綺麗な女性だった。
銀色の髪がもても綺麗で黒い瞳が印象的な人。女医さんだからもっとキツいイメージだけど柔らかい笑顔の優しそうな女性だった。
わたし達は慌てて席を立ち頭を下げた。
「お忙しいのにお時間をとって頂きありがとうございました」
わたし達はそれぞれ名前を言って挨拶をした。
シャノン様も先に着いてわたしを見てにっこり笑った。
「貴方は司書官になるのが夢なの?」
「はい、後半年したら試験があります。合格出来る様に今必死で勉強しています」
「わたしは結婚して離縁するまで夢なんてなかったの。だから学生の時から夢を持てるなんて素敵なことだわ」
「ありがとうございます!」
「エイミーは、結婚願望が無いと聞いたわ」
「は、はい。無いと言うかまだ人を好きになったことが無いのです」
「あら?勿体無いわね」
「勿体無い?」
「だって若い時しかきゅんとなる恋愛は出来ないと思うわ」
「きゅんとなる?え?何、その恋愛……」
わたしはシャーリーとイザベラを見て言った。
「二人ともそんな恋愛をしているの?」
二人は真っ赤になりながら言った。
「わたしは婚約者がいるのよ、もちろん恋愛からよ、知っているでしょう?」
イザベラが頬を赤くして言った。
「わたしはまだ婚約者ではないけどお付き合いしている方はいるわ」
シャーリーも答えた。
「そうなんだ。好きになるとはキュンとするんだ」
カイル殿下が呆れながら
「君はいつも本を読んでるんだろう、そこには出ていなかったの?」
「出てました、でもそれは本の中であって、本当に感じるものだと思わなかったです」
「確かにエイミーとわたし達恋愛話しをしたことがないわね」
「ええ、そうね、エイミーと居ると美味しいお菓子のことや今日の面白かった先生の話とか話題が楽しい話ばかりで恋愛の話なんてなかったわね」
「わたし、そっちに興味がなさ過ぎて話したことない……」
「みんなはとても仲が良いのね、羨ましいわ」
シャノン様は笑顔で話してくれた。
「わたしは大学に入ったのが同じ学年の人より一年半遅れたから、みんなと同じ時に卒業したくて2年半で卒業資格を取ったの。
友人達がいたから頑張れたの。その後も研修医として働き出したけど周りが助けてくれたから医者になれたわ、研修医の時に主人にプロポーズされて再婚したのだけど、迷いはなかったの
この人となら一生一緒に生きていけると思ったの」
「仕事を辞めようとは思わなかったのですか?」
「全くなかったわ、結婚しても妊娠しても子育てしていても仕事は続けたわ、ただ子どもが小さな頃はセーブして出来るだけ子ども達といる時間も増やしたわ」
「辞めなくてもセーブした…」
「仕事を続けるためには夫の協力も必要だし理解して貰わなければいけないの」
「シャノン様の旦那様はシャノン様が好きすぎてるからまあ何の反対もないと思うよ」
殿下が笑いながら言った。
「あら、カイル殿下そんなこと言ったら主人が顔が赤くなっていますわ」
シャノン様が後ろを振り返り笑って騎士の方を見ていた。
わたし達も振り返りると赤い顔をした騎士さんがいた。
「え?シャノン様の旦那様??」
シャノン様が笑いながら
「主人のダンよ。ダンはいま近衛騎士をしているのよ、カイル殿下付きなの」
わたし達は慌てて席を立ちダン様に頭を下げた。
「すみまさん、よろしくお願いします」
わたしは何と挨拶すれば良いのか分からずにぺこぺこ頭を下げた。
「みんなよろしく。こちらこそ君たちの会話を聞いて学生の頃を思い出して懐かしく思っていたんだ。殿下の学生らしい姿も見せてもらえて嬉しいです」
「僕の学生らしい姿?」
「はい、貴方はいつも大人びて子どもらしい顔を見せてはくれないでしょう。貴方が友人と話している姿は我々近衛騎士からするととても貴重なのです」
「殿下は確かに大人びてますよね、でも結構ドジで可愛いんですよ」
「うん、エイミー、要らないこと言わなくて良いよ」
「え?どうしてですか?殿下の可愛い所も教えてあげなくちゃ、殿下が堅い人と思われちゃう」
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殿下はなんとも言えない顔をしてわたしを見た。
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