【完結】浮気された私は貴方の子どもを内緒で育てます  時々番外編

たろ

文字の大きさ
上 下
71 / 94

ルディアとエイミー

しおりを挟む
わたしはレオと話し合いをして、はっきりとわかった。
わたしにはアランの母親にはなれない。
エイミーもアランと義兄妹になどさせられない。

そして………わたしはレオを今も愛している。
会うたびに彼への愛を思い出す。
でも彼の手は取れないの。
わたしはアランの母親にはなれない、優しくできない。虐げてしまうのがわかるし、アランとエイミーが仲良くしている姿も見たくない。

心が狭いと言われても受け入れられない。
だから、わたしは好きではない人との再婚をしようと思っている。

伯爵家のためにも立て直しにいくらお金があっても足りない。今まで何もせず守られてきただけのわたしでも家のためになるならこの身を差し出すなんて大した事ではない。


◇ ◇ ◇

お母様から手紙がきた。

一度レオ様にお会いするようにと。

お母様も会ったようだ。

お義父様がわたしを見て何か言いたそうだ。
でも黙っている。

わたしは大人の話しに入るべきではないことは分かっている。

それでも聞いてしまった。

「お義父様、お母様の手紙を読みました。……レオ様とお母様に何かありましたか?」
わたしは聞きにくいことだが、聞いてみた。

「……うーん、二人は話し合いをしたんだ。でもねルディアは復縁を拒否したんだ。そして別の人と再婚すると言っている」

「……お母様には好きな人がいたんですか?」

わたしはお母様に再婚の話があることを初めて知った。

「……伯爵家のためだよ。まだかなりの借金が残っているからね。立て直しには相当なお金が必要だ。わたし達も援助しているし、何年間か後に返済して貰えばいいと言ってはいるんだがルディアも自分が今まで何もしないでいたからと自責の念が強くてね。ルディアは未だに人気のある女性だからね、再婚の話が結構あるんだよ」

「お母様は、自分を売るつもりなんですか?」

「………本人が納得しないんだよ…ハディッド領で今新たなワイナリーも出来て量産出来る目処もたったし、農産物も新しいルートでの販売でこれからは安定した収入も見込まれている。数年もすれば赤字から黒字になるだろう。それにあの領地には今から採掘すれば鉱石も見つかるはずだ、その資金もレオナルドが出す予定にしているんだ」

「レオ様はもうお母様を愛してはいないのですか?」

「それはない、ずっと彼はルディアだけを思っているんだよ、でもね、ルディアには耐えられないんだよ」

わたしには二人の気持ちがわからない。
「どういうことですか?」

「ルディアはね………うーん、、アランの母親にはなれないと言っていたよ……」

「あ……そう…かぁ」
わたしは見えていなかった。お母様は苦しめられてきたメアリー様の息子を受け入れられないんだ。

「それにね、メアリーと17年間も夫婦だった現実を今さら覆すことは出来ない、例え二人が夫婦として過ごしていないとしても「夫婦」だったんだよ、それをルディアは受け入れられないんだよ」

「だからと言って好きでもない人とお金のために結婚するなんて……わたしお母様に会いに行きます」

「……エイミーしかいないんだ。あのルディアを止められるのは……」

「その前にレオ様に会いたいです。わたしきちんと話したこともないので本当にお母様を今も思っていてくれるのか確かめたいんです」

「エイミーはレオナルドを父親として受け入れられる?」

「わたしですか?……それこそ今さら父親としては無理です。わたしのお父様は目の前にいる人です。レオ様はお母様の好きだった人としてしか見れません」

「……喜んでいいのか……ハァ、ごめん、エイミー嬉しいんだ、本当に嬉しいんだ。でも本当の父親であるレオナルドの気持ちを考えると複雑だ」 
お義父様は悩みながらも少し嬉しそうにしていた。

わたしは本当にレオ様を父親としては見ることが出来ない。
アランのお父様としてしか見れないし、お母様の元夫でしかない。
だって話したこともないしまともに会っていないのに父親として思えなんて無理な話だと思う。

それなら陛下やシャーリーのお父様やボガードのお義父様の方が父親として見れる。
接してきた時間が違い過ぎる。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

【完結】王女と駆け落ちした元旦那が二年後に帰ってきた〜謝罪すると思いきや、聖女になったお前と僕らの赤ん坊を育てたい?こんなに馬鹿だったかしら

冬月光輝
恋愛
侯爵家の令嬢、エリスの夫であるロバートは伯爵家の長男にして、デルバニア王国の第二王女アイリーンの幼馴染だった。 アイリーンは隣国の王子であるアルフォンスと婚約しているが、婚姻の儀式の当日にロバートと共に行方を眩ませてしまう。 国際規模の婚約破棄事件の裏で失意に沈むエリスだったが、同じ境遇のアルフォンスとお互いに励まし合い、元々魔法の素養があったので環境を変えようと修行をして聖女となり、王国でも重宝される存在となった。 ロバートたちが蒸発して二年後のある日、突然エリスの前に元夫が現れる。 エリスは激怒して謝罪を求めたが、彼は「アイリーンと自分の赤子を三人で育てよう」と斜め上のことを言い出した。

妹と旦那様に子供ができたので、離縁して隣国に嫁ぎます

冬月光輝
恋愛
私がベルモンド公爵家に嫁いで3年の間、夫婦に子供は出来ませんでした。 そんな中、夫のファルマンは裏切り行為を働きます。 しかも相手は妹のレナ。 最初は夫を叱っていた義両親でしたが、レナに子供が出来たと知ると私を責めだしました。 夫も婚約中から私からの愛は感じていないと口にしており、あの頃に婚約破棄していればと謝罪すらしません。 最後には、二人と子供の幸せを害する権利はないと言われて離縁させられてしまいます。 それからまもなくして、隣国の王子であるレオン殿下が我が家に現れました。 「約束どおり、私の妻になってもらうぞ」 確かにそんな約束をした覚えがあるような気がしますが、殿下はまだ5歳だったような……。 言われるがままに、隣国へ向かった私。 その頃になって、子供が出来ない理由は元旦那にあることが発覚して――。 ベルモンド公爵家ではひと悶着起こりそうらしいのですが、もう私には関係ありません。 ※ざまぁパートは第16話〜です

交換された花嫁

秘密 (秘翠ミツキ)
恋愛
「お姉さんなんだから我慢なさい」 お姉さんなんだから…お姉さんなんだから… 我儘で自由奔放な妹の所為で昔からそればかり言われ続けてきた。ずっと我慢してきたが。公爵令嬢のヒロインは16歳になり婚約者が妹と共に出来きたが…まさかの展開が。 「お姉様の婚約者頂戴」 妹がヒロインの婚約者を寝取ってしまい、終いには頂戴と言う始末。両親に話すが…。 「お姉さんなのだから、交換して上げなさい」 流石に婚約者を交換するのは…不味いのでは…。 結局ヒロインは妹の要求通りに婚約者を交換した。 そしてヒロインは仕方無しに嫁いで行くが、夫である第2王子にはどうやら想い人がいるらしく…。

夫と息子は私が守ります!〜呪いを受けた夫とワケあり義息子を守る転生令嬢の奮闘記〜

梵天丸
恋愛
グリーン侯爵家のシャーレットは、妾の子ということで本妻の子たちとは差別化され、不遇な扱いを受けていた。 そんなシャーレットにある日、いわくつきの公爵との結婚の話が舞い込む。 実はシャーレットはバツイチで元保育士の転生令嬢だった。そしてこの物語の舞台は、彼女が愛読していた小説の世界のものだ。原作の小説には4行ほどしか登場しないシャーレットは、公爵との結婚後すぐに離婚し、出戻っていた。しかしその後、シャーレットは30歳年上のやもめ子爵に嫁がされた挙げ句、愛人に殺されるという不遇な脇役だった。 悲惨な末路を避けるためには、何としても公爵との結婚を長続きさせるしかない。 しかし、嫁いだ先の公爵家は、極寒の北国にある上、夫である公爵は魔女の呪いを受けて目が見えない。さらに公爵を始め、公爵家の人たちはシャーレットに対してよそよそしく、いかにも早く出て行って欲しいという雰囲気だった。原作のシャーレットが耐えきれずに離婚した理由が分かる。しかし、実家に戻れば、悲惨な末路が待っている。シャーレットは図々しく居座る計画を立てる。 そんなある日、シャーレットは城の中で公爵にそっくりな子どもと出会う。その子どもは、公爵のことを「お父さん」と呼んだ。

廃妃の再婚

束原ミヤコ
恋愛
伯爵家の令嬢としてうまれたフィアナは、母を亡くしてからというもの 父にも第二夫人にも、そして腹違いの妹にも邪険に扱われていた。 ある日フィアナは、川で倒れている青年を助ける。 それから四年後、フィアナの元に国王から結婚の申し込みがくる。 身分差を気にしながらも断ることができず、フィアナは王妃となった。 あの時助けた青年は、国王になっていたのである。 「君を永遠に愛する」と約束をした国王カトル・エスタニアは 結婚してすぐに辺境にて部族の反乱が起こり、平定戦に向かう。 帰還したカトルは、族長の娘であり『精霊の愛し子』と呼ばれている美しい女性イルサナを連れていた。 カトルはイルサナを寵愛しはじめる。 王城にて居場所を失ったフィアナは、聖騎士ユリシアスに下賜されることになる。 ユリシアスは先の戦いで怪我を負い、顔の半分を包帯で覆っている寡黙な男だった。 引け目を感じながらフィアナはユリシアスと過ごすことになる。 ユリシアスと過ごすうち、フィアナは彼と惹かれ合っていく。 だがユリシアスは何かを隠しているようだ。 それはカトルの抱える、真実だった──。

相手不在で進んでいく婚約解消物語

キムラましゅろう
恋愛
自分の目で確かめるなんて言わなければよかった。 噂が真実かなんて、そんなこと他の誰かに確認して貰えばよかった。 今、わたしの目の前にある光景が、それが単なる噂では無かったと物語る……。 王都で近衛騎士として働く婚約者に恋人が出来たという噂を確かめるべく単身王都へ乗り込んだリリーが見たものは、婚約者のグレインが恋人と噂される女性の肩を抱いて歩く姿だった……。 噂が真実と確信したリリーは領地に戻り、居候先の家族を巻き込んで婚約解消へと向けて動き出す。   婚約者は遠く離れている為に不在だけど……☆ これは婚約者の心変わりを知った直後から、幸せになれる道を模索して突き進むリリーの数日間の物語である。 果たしてリリーは幸せになれるのか。 5〜7話くらいで完結を予定しているど短編です。 完全ご都合主義、完全ノーリアリティでラストまで作者も突き進みます。 作中に現代的な言葉が出て来ても気にしてはいけません。 全て大らかな心で受け止めて下さい。 小説家になろうサンでも投稿します。 R15は念のため……。

思い出してしまったのです

月樹《つき》
恋愛
同じ姉妹なのに、私だけ愛されない。 妹のルルだけが特別なのはどうして? 婚約者のレオナルド王子も、どうして妹ばかり可愛がるの? でもある時、鏡を見て思い出してしまったのです。 愛されないのは当然です。 だって私は…。

「君を愛するつもりはない」と言ったら、泣いて喜ばれた

菱田もな
恋愛
完璧令嬢と名高い公爵家の一人娘シャーロットとの婚約が決まった第二皇子オズワルド。しかし、これは政略結婚で、婚約にもシャーロット自身にも全く興味がない。初めての顔合わせの場で「悪いが、君を愛するつもりはない」とはっきり告げたオズワルドに、シャーロットはなぜか歓喜の涙を浮かべて…? ※他サイトでも掲載中しております。

処理中です...