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★高等部2年生⑫
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久しぶりにボガード家へ帰ってきた。
「お義父様、お義母様、ご無沙汰してました。ごめんなさい、やっと伯爵家が少し落ち着きました、ありがとうございました」
「久しぶりね、寂しかったわ。今日は家族みんなで食事をしましょうね」
「はい」
わたしは事件後、ごたついた伯爵家の立て直しに微力ながら帳簿の見直しや領民達との話し合いなどに参加してバタバタしていた。やっとボガード家にメイと二人で帰ってきた。
「本当、お義姉様は、シャーリー様のお屋敷に遊びに行っても仕事をしていて中々お話してくださらなかったんですよ」
「メイ、ごめんね。今度からは貴方との時間も取れるわ」
「メイは本当にエイミーが好きなのね」
「好きなんかではないわ、大好きなの」
「メイ、わたしも大好きよ」
わたしは可愛いメイに抱きついた。
今までいろんな事があり過ぎて擦り切れて疲れたわたしの心にメイが癒してくれている……幸せ。
「あらずるいわ。わたしもエイミーとメイを愛しているわ」
お義母様はわたし達二人を更に抱きしめてくれた。
わたしにはこんな素敵な家族がいるんだと思うととても幸せだった。
でも今日はお義父様と話し合いをしないといけなかった。
「お義父様、ごめんなさい。早めに話したほうがいいですよね」
「……うん、お義父様も…三人の仲間に入りたかった………」
お義父様は少し寂しそうにしゅんとしながら、わたしと執務室へ行った。
これまでの伯爵家の帳簿を持ってきて更に何を進めていけばいいのかアドバイスを貰っている。金銭的にも助けてもらっているし後ろ盾となってくれている。新しい農産物を売り出すためのルートも紹介してくれてとても助かっている。
「お義父様こちらが帳簿です」
「わかった、少し預かる。また帰る時に手紙を添えて置くからね」
「ありがとうございます、助かります」
「娘のためだからね、出来ることはさせて貰うよ。………ところでエイミー……」
「はい?」
「……落ち着いてきたら言おうと思っていたんだけど君の父親であるレオナルドのことなんだけどね……ルディアはどう考えているかはわからないけれどやはり一度会って話すことも必要だと思うんだが、君は彼についてどう思っているんだい?」
「わたしですか?……どうと言われてもアランの父親でお母様の旦那様だった人でしかありません。冷たいかもしれないけどわたしはハディッドとボガードがわたしの家族なんです。レオ様はお話したこともありませんし、そこには何も感情がありません」
「アランの父親でいいと思うのかい?レオナルドはいつも君を思っていたんだよ。今も定期的にわたしに手紙を送ってきて君のことを聞いてくるんだよ。今回の事件の経緯も全て聞いているんだ。ただ自分には何もいう資格はないからと黙っているけどね。伯爵家の立て直しにも彼はわたしと一緒に動いてくれたんだよ、名前は出すなと言われたけど今のエイミーの言葉を聞くと言わずにいられないよ、同じ父親としては」
「…お義父様、わたしは冷たいのでしょうか?」
「いや、レオナルドと全く関わっていないんだから仕方がないんだ。ただ彼もメアリーとハノンの犠牲者ではある、あの二人がいなければ君はグランデ侯爵令嬢として違う今を生きていたと思うんだ。そしてアランはベルアート公爵の孫としてラウルの息子として違う今を過ごしていた。もちろん、今更時間を取り戻すことは出来ない。でも今から関係を変えていくことは出来ると思うんだ。わたしは君の義父親だ。それはもし籍が変わってもずっと変わらない」
わたしはお義父様の言葉に涙が出て止まらなかった。
本当はレオ様に会わないといけないことはわかっていたのに会いたくなかった。
わたしの今の幸せを壊したくなかった。
そしてアランの父親を奪いたくなかった。
アランはわたしなんかより辛い思いをしてきた。そんなアランから今の幸せを奪うなんて耐えられない。
「エイミー、君はアランのことも考えているんだよね」
わたしは泣きながらコクッと頷いた。
「エイミー、アランにはラウルもいる。あの二人も少しずつだけど良い関係を結びつつあるんだよ」
「え?ほんとうに?」
「アランは剣術に優れているだろう、今は退団しているけどラウルは若いのに騎士団で副隊長までしていたんだ、それぐらい優れた剣術士だったんだよ。だから、二人は時間がある時よく手合わせをしているんだ、親子というより師範と弟子の関係かもしれないけどね。アランは自分の現実をきちんと受け入れて今は二人の父親と上手くやっているよ、あのメアリーの子とは思えないくらい素直で良い子だ」
わたしはアランがどうなっているのか聞くのが怖くてずっとその話題から逃げていた。
(そっかぁ、アランは前に進み出していたんだ、だから、最近はわたしに絡まなくなってきたんだわ)
わたしはアランが絡まなくなってきたのが本当は寂しかった。
良いライバルだとずっと思っていたから……
「お義父様、でもわたしが一人で会うのは嫌です。お母様がレオ様に会って話し合ってからわたしは会いたいと思います。それにわたしの一番のお父様はクラーク・ボガードです」
「エイミー、ありがとう」
お義父様はさっき出来なかったからかギュウギュウにわたしを抱きしめた。
(……ちょっと苦しい)
「お義父様、お義母様、ご無沙汰してました。ごめんなさい、やっと伯爵家が少し落ち着きました、ありがとうございました」
「久しぶりね、寂しかったわ。今日は家族みんなで食事をしましょうね」
「はい」
わたしは事件後、ごたついた伯爵家の立て直しに微力ながら帳簿の見直しや領民達との話し合いなどに参加してバタバタしていた。やっとボガード家にメイと二人で帰ってきた。
「本当、お義姉様は、シャーリー様のお屋敷に遊びに行っても仕事をしていて中々お話してくださらなかったんですよ」
「メイ、ごめんね。今度からは貴方との時間も取れるわ」
「メイは本当にエイミーが好きなのね」
「好きなんかではないわ、大好きなの」
「メイ、わたしも大好きよ」
わたしは可愛いメイに抱きついた。
今までいろんな事があり過ぎて擦り切れて疲れたわたしの心にメイが癒してくれている……幸せ。
「あらずるいわ。わたしもエイミーとメイを愛しているわ」
お義母様はわたし達二人を更に抱きしめてくれた。
わたしにはこんな素敵な家族がいるんだと思うととても幸せだった。
でも今日はお義父様と話し合いをしないといけなかった。
「お義父様、ごめんなさい。早めに話したほうがいいですよね」
「……うん、お義父様も…三人の仲間に入りたかった………」
お義父様は少し寂しそうにしゅんとしながら、わたしと執務室へ行った。
これまでの伯爵家の帳簿を持ってきて更に何を進めていけばいいのかアドバイスを貰っている。金銭的にも助けてもらっているし後ろ盾となってくれている。新しい農産物を売り出すためのルートも紹介してくれてとても助かっている。
「お義父様こちらが帳簿です」
「わかった、少し預かる。また帰る時に手紙を添えて置くからね」
「ありがとうございます、助かります」
「娘のためだからね、出来ることはさせて貰うよ。………ところでエイミー……」
「はい?」
「……落ち着いてきたら言おうと思っていたんだけど君の父親であるレオナルドのことなんだけどね……ルディアはどう考えているかはわからないけれどやはり一度会って話すことも必要だと思うんだが、君は彼についてどう思っているんだい?」
「わたしですか?……どうと言われてもアランの父親でお母様の旦那様だった人でしかありません。冷たいかもしれないけどわたしはハディッドとボガードがわたしの家族なんです。レオ様はお話したこともありませんし、そこには何も感情がありません」
「アランの父親でいいと思うのかい?レオナルドはいつも君を思っていたんだよ。今も定期的にわたしに手紙を送ってきて君のことを聞いてくるんだよ。今回の事件の経緯も全て聞いているんだ。ただ自分には何もいう資格はないからと黙っているけどね。伯爵家の立て直しにも彼はわたしと一緒に動いてくれたんだよ、名前は出すなと言われたけど今のエイミーの言葉を聞くと言わずにいられないよ、同じ父親としては」
「…お義父様、わたしは冷たいのでしょうか?」
「いや、レオナルドと全く関わっていないんだから仕方がないんだ。ただ彼もメアリーとハノンの犠牲者ではある、あの二人がいなければ君はグランデ侯爵令嬢として違う今を生きていたと思うんだ。そしてアランはベルアート公爵の孫としてラウルの息子として違う今を過ごしていた。もちろん、今更時間を取り戻すことは出来ない。でも今から関係を変えていくことは出来ると思うんだ。わたしは君の義父親だ。それはもし籍が変わってもずっと変わらない」
わたしはお義父様の言葉に涙が出て止まらなかった。
本当はレオ様に会わないといけないことはわかっていたのに会いたくなかった。
わたしの今の幸せを壊したくなかった。
そしてアランの父親を奪いたくなかった。
アランはわたしなんかより辛い思いをしてきた。そんなアランから今の幸せを奪うなんて耐えられない。
「エイミー、君はアランのことも考えているんだよね」
わたしは泣きながらコクッと頷いた。
「エイミー、アランにはラウルもいる。あの二人も少しずつだけど良い関係を結びつつあるんだよ」
「え?ほんとうに?」
「アランは剣術に優れているだろう、今は退団しているけどラウルは若いのに騎士団で副隊長までしていたんだ、それぐらい優れた剣術士だったんだよ。だから、二人は時間がある時よく手合わせをしているんだ、親子というより師範と弟子の関係かもしれないけどね。アランは自分の現実をきちんと受け入れて今は二人の父親と上手くやっているよ、あのメアリーの子とは思えないくらい素直で良い子だ」
わたしはアランがどうなっているのか聞くのが怖くてずっとその話題から逃げていた。
(そっかぁ、アランは前に進み出していたんだ、だから、最近はわたしに絡まなくなってきたんだわ)
わたしはアランが絡まなくなってきたのが本当は寂しかった。
良いライバルだとずっと思っていたから……
「お義父様、でもわたしが一人で会うのは嫌です。お母様がレオ様に会って話し合ってからわたしは会いたいと思います。それにわたしの一番のお父様はクラーク・ボガードです」
「エイミー、ありがとう」
お義父様はさっき出来なかったからかギュウギュウにわたしを抱きしめた。
(……ちょっと苦しい)
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