【完結】浮気された私は貴方の子どもを内緒で育てます  時々番外編

たろ

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★高等部2年生⑤

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「エイミー、夜会は結局どうするの?そろそろ決めないとエスコートしてくれる人もいなくなるわよ」
シャーリーが心配して言ってくれたのだが、
「うーん、もう行かなくてもいいかな。最悪エスコートなしでもいいし、お義父様と行ってもいいかなと思っているの」
わたしは曖昧に答えた。
夜会は、貴族にとって社交の場であり結婚相手を見つける場でもある。
ということは、
「シャーリー、いま思ったのだけどわたしは結婚する予定がないの、ずっと司書として働くから。それに社交にも興味がないわ。だから、そういう所に行く必要性を感じないの」
わたしは本心を言った。

「エイミー、君は侯爵令嬢だ。自身の気持ちを大切にするのが悪いとは思わないが貴族として家のために行動することも必要だと思う」
アランがわたしに言った。

「家のために?」

「そうね、わたし達はこれからの社交界を背負って行かないといけないわ。それはわたしたちにとっても大切なことだけどわたし達の行動が領民達にも影響があるし国全体にも関わってくるわ」
シャーリーは、わたしを見ながら言った。

わたしはそんなに深く考えていなかった。

「………、わたし、自分のことしか考えていなかったのね」

「エイミー、君の夢は素敵だと思う。まだ女性が働き続けるのは難しい世界だ。だからこそ社交界で上手く立ち回り味方をつけていったほうがいいと思う」
アランの言葉を聞いて
「わたしは上手く立ち回るとかそんなの嫌だわ」

「うん、エイミー」
殿下が話しかけてきた。
「立ち回るというのは、君が頑張るのを応援してくれる人を増やすということだよ。僕たちは君という人を分かって理解して応援したいと思っているよ、そんな人を増やして欲しいんだ。
まだ、貴族の中には女性蔑視の方が強くて立場が弱いんだ。だからそれはいずれ君のように夢を持った女性達を助ける事に繋がると思うんだ」

「わたしと同じ夢を持った人たちのためになるの?」

「うん、今回行く夜会は、アンブライト公爵家なんだけど、当主の弟のダン・ロスワート侯爵様の奥様のシャノン様は女医なんだ。結婚しても女医として働き続けるのは難しいんだよ。でも彼女は自身が力を付け、勉強をして、周りに認められ今も女医として仕事をしているんだ。僕たちより年下の13歳の男の子と10歳の女の子もいるんだよ」

「結婚して子どもも産んで働いているのですか?」

「うん、彼女の姿勢を見て医師を志す女性も増えてきたんだ。君も結婚しないで働くのではなくて結婚しても働くことも出来るんだよ、頑なに考えなくてもいいと思うよ」

「……そうですね、最近ミシェルとの婚約の話がしつこくてちょっと意固地になっていました」
わたしはシュンとなった。

「そうね、今は家同士の婚約よりも自由恋愛での婚約が増えてきたわ、そうやって貴族の世界も古い考えから新しい考え方に変わって行くのよね、わたし達が変えていけたら素敵よね」

「殿下!わたしワクワクしてきました!夜会、やっぱり参加させてもらいます」

「うん、では僕がエスコートするよ」

「うん??殿下がですか?」

「ミシェルやハノン様には用心したほうがいいと思うんだ、僕ならそばにいるだけで君を守れるからね」
殿下はにっこり笑って言った。
私もつられてニッコリと笑い返した。

横でシャーリーはオヤっとした顔をした。
アランは少し渋い顔をして
「エイミー、殿下に恥をかかせるなよ、君は何をやらかすかわからないんだからね」
と久しぶりの毒舌を言われた。


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