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ラウル編
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突然、王命で手紙が来た。
急いでベルアート領を出て、王都へ向かった。
シャノンと離縁してベルアート領に戻り民と共に領土の開拓を始めた。
ただの草原を豊かな農地へと変えていく。
今までは紙面上の数字の中で領地を運営していたが、実際に自身で動き、見て、考えて変わっていく領地の姿に感動しその楽しさに夢中になった。
人は落ちぶれたとか使用人のようだと揶揄するが、別に何も感じなかった。
自分の行為が最低だったことは確かだし、言い訳出来るわけでもない。
今は贖罪にもならないかもしれないが領民と共に汗水流して少しでも領地を良くする。それだけだった。
なのに、王宮での集まりは衝撃的だった。
手紙にはわたしに子どもがいるらしい。
確認のため王宮へ出向くようにと書かれていた。
身に覚えがない、とは言えないことをしてきた自覚はあるが、もう17年も前のこと。
今頃になって出てくるとは思わなかった。
急ぎ王都へ馬を走らせた。
久しぶりの公爵邸。
今は使用人達に屋敷の維持を頼み、たまにこちらに両親が来ている。
わたしは、領地で過ごしていた。
王宮に行くと案内された部屋には、昔関係を持ったメアリーとハノンがいた。
他にもボガード侯爵、グランデ侯爵、ハディッド伯爵達が集められていた。
陛下に挨拶をして黙って座っていた。
そして、15、6歳の男の子二人と女の子が入ってきた。
話し出した内容に驚愕した。
わたしの自分勝手な行いがいつの間にか大きな問題となっていたのだ。
メアリーを遊びと捉えて、すぐに別れた。まさか妊娠しているとは思っていなかった。
どうしてわたしに伝えてくれなかったのかわからないが、それがグランデ侯爵の子どもとなりみんなの人生を狂わせていた。
アランはメアリーにも似ているが確かにわたしの息子だとわかる。わたしと同じ瞳、顔もわたしに少し似ている。
初めて会った瞬間、自分の子だと思った。
何故か彼の悲しそうな表情から目が離せなかった。
メアリーが捕まり、アランがわたしに話しかけて来た時、わたしは嘘を吐くまいと思った。
たとえ軽蔑されようと曖昧な言葉で誤魔化すのは彼に失礼だと思った。
『俺は産まれた時から誰からも必要とされていなかったんだ……なのに、なんで産まれてきたんだよ!人を苦しめてまで生きたくなんかなかった。俺の所為でエイミー達家族はバラバラにされて、ルディア様は心が病んで、お祖父様達は脅されて、俺には生きる価値なんかない……』
アランの悲痛な叫びを聞いてわたしは何を今までしてきたのだろうと後悔するしかなかった。
知らなかったでは済まされない。
アランの孤独と辛さ、痛さ、わたしは気づかずに領民のためと生きてきた。
それでいいと思っていた。
自分の犯した過去の所為で犠牲になっている子がいたにも関わらず。
わたしは、これからアランになにが出来るのか、どうも出来ないとわかっていても抗い続けるしかない。
彼に許されるためではなく、彼が幸せになるためにわたしは動くしかない。
領地に戻り父にまず話した。
父も全く知らなかった。
わたしは、母にも話した。母はアランの辛い人生に涙した。
全てわたしの罪。
でも、今は彼が生まれてきて良かったと思える人生をわたしが出来ることをするしかない。
領地での仕事を急いで片付けてまた王都へ戻ることにした。
急いでベルアート領を出て、王都へ向かった。
シャノンと離縁してベルアート領に戻り民と共に領土の開拓を始めた。
ただの草原を豊かな農地へと変えていく。
今までは紙面上の数字の中で領地を運営していたが、実際に自身で動き、見て、考えて変わっていく領地の姿に感動しその楽しさに夢中になった。
人は落ちぶれたとか使用人のようだと揶揄するが、別に何も感じなかった。
自分の行為が最低だったことは確かだし、言い訳出来るわけでもない。
今は贖罪にもならないかもしれないが領民と共に汗水流して少しでも領地を良くする。それだけだった。
なのに、王宮での集まりは衝撃的だった。
手紙にはわたしに子どもがいるらしい。
確認のため王宮へ出向くようにと書かれていた。
身に覚えがない、とは言えないことをしてきた自覚はあるが、もう17年も前のこと。
今頃になって出てくるとは思わなかった。
急ぎ王都へ馬を走らせた。
久しぶりの公爵邸。
今は使用人達に屋敷の維持を頼み、たまにこちらに両親が来ている。
わたしは、領地で過ごしていた。
王宮に行くと案内された部屋には、昔関係を持ったメアリーとハノンがいた。
他にもボガード侯爵、グランデ侯爵、ハディッド伯爵達が集められていた。
陛下に挨拶をして黙って座っていた。
そして、15、6歳の男の子二人と女の子が入ってきた。
話し出した内容に驚愕した。
わたしの自分勝手な行いがいつの間にか大きな問題となっていたのだ。
メアリーを遊びと捉えて、すぐに別れた。まさか妊娠しているとは思っていなかった。
どうしてわたしに伝えてくれなかったのかわからないが、それがグランデ侯爵の子どもとなりみんなの人生を狂わせていた。
アランはメアリーにも似ているが確かにわたしの息子だとわかる。わたしと同じ瞳、顔もわたしに少し似ている。
初めて会った瞬間、自分の子だと思った。
何故か彼の悲しそうな表情から目が離せなかった。
メアリーが捕まり、アランがわたしに話しかけて来た時、わたしは嘘を吐くまいと思った。
たとえ軽蔑されようと曖昧な言葉で誤魔化すのは彼に失礼だと思った。
『俺は産まれた時から誰からも必要とされていなかったんだ……なのに、なんで産まれてきたんだよ!人を苦しめてまで生きたくなんかなかった。俺の所為でエイミー達家族はバラバラにされて、ルディア様は心が病んで、お祖父様達は脅されて、俺には生きる価値なんかない……』
アランの悲痛な叫びを聞いてわたしは何を今までしてきたのだろうと後悔するしかなかった。
知らなかったでは済まされない。
アランの孤独と辛さ、痛さ、わたしは気づかずに領民のためと生きてきた。
それでいいと思っていた。
自分の犯した過去の所為で犠牲になっている子がいたにも関わらず。
わたしは、これからアランになにが出来るのか、どうも出来ないとわかっていても抗い続けるしかない。
彼に許されるためではなく、彼が幸せになるためにわたしは動くしかない。
領地に戻り父にまず話した。
父も全く知らなかった。
わたしは、母にも話した。母はアランの辛い人生に涙した。
全てわたしの罪。
でも、今は彼が生まれてきて良かったと思える人生をわたしが出来ることをするしかない。
領地での仕事を急いで片付けてまた王都へ戻ることにした。
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