【完結】浮気された私は貴方の子どもを内緒で育てます 時々番外編

言葉は一滴の毒のように ②（ハノン編）

ルディアと婚約したレオは、メアリーと付き合いだした。
妹としか見えないルディアでは満足出来ないレオ。
わたしと別れてメアリーの色気に誘われるまま付き合いだした。

わたしはメアリーと知り合いだった。
夜会で会うと話すことも多かった。
彼女は単純でちょっと煽てるとすぐにわたしの言うことを聞く扱いやすい人間だった。
そんなメアリーがレオと付き合った。

腹が立つ。あんな女がレオに抱かれていると思うと悔しくて仕方がない。

「わたしはレオの幼馴染なの」
メアリーに伝えて二人のためにアドバイスをしてあげた。

「レオはお金持ちなんだから少しくらい我儘言っても大丈夫よ、愛されているんだからなんでも買ってくれるわ」
メアリーはレオにお強請りを始めた。
「レオって使用人にも好かれているのよ、大丈夫かしら？」
不安にさせて、イライラさせると次第に下のものを怒るようになっていった。

そしてレオはメアリーと別れた。

成功した時はほくそ笑んだ。

そして今度は態と女の子をレオに近づけた。
もちろんお金を使って雇った下級の令嬢達だ。
絶対に体の関係にならないこと、キスもダメ、少しの期間で別れることを条件にした。

これは、ルディアにショックを与えて、破棄させるためだった。
なのに、ルディアの初恋の思いは強かった。
メアリーに態とにレオとのベッドでの話をさせた。
そうすればショックで泣いて婚約破棄すると思ったのだ。なのに泣くだけだった。

レオに近づく女がいても我慢して耐えた。
一人の令嬢にお願いしてキスをレオとするように言った。
ルディアが見るように、態と学園の帰りにレオと令嬢をデートさせて、気になり後をつけてきたルディアに見えるようにキスをさせた。

これで破棄するだろうと思ったのにルディアはそれでも耐えた。

そして、次第にレオにいくら女を充てがっても付き合うことはなくなっていた。
レオはルディアを幼馴染の妹ではなく女性として見るようになり愛するようになっていった。

わたしの作戦は失敗した。
わたしは両親へ作戦を変えた。

『ルディアはすぐに泣くの。

レオがちょっと女の子と話しているだけでヤキモチをやくの。

あの子はしっかりしてなくて頼りないの。

弱すぎて侯爵夫人になれるのかしら。』

など、ルディアは駄目な人間だと洗脳した。
だが、こちらも上手くはいかなかった。

そして、わたしの結婚前、レオを呼び出した。

ルディアにはあらかじめ頼み事をしておいて、必ず帰る時に通る見えやすい場所にレオを呼び出した。
ルディアは用事を済ませてわたし達が見える場所をちゃんと通ってくれた。

ふふふ。

わたしは、レオからルディアを愛していると聞かされただけなのに、ルディアはわたし達がまだ愛し合っているように見えたはず。レオは鈍いからわたしが少し近づいた距離感でもなんとも思っていなかった。
わたし達二人の姿は後ろからは仲の良い親密な雰囲気に見えたはず。

ふふふ。

わたしはいつも自分の都合のいいように、みんなに少しだけ言葉を添えるの。
そしたらみんなわたしの気持ちに合わせてくれるの。わたしはみんなに優しいハノン。