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言葉は一滴の毒のように (ハノン編)
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わたしは生まれた時から美しく頭も良かった。
3歳年下のルディアは「お姉ちゃま」とわたしを慕いついて回った。
とっても可愛くて、わたしの言うことをよく聞く妹だった。
幼馴染の2歳上のレオと1歳下のレヴィン、ルディアと四人でよく遊んだ。
わたし達の母親同士が友人だったので良く顔を合わせていた。
レオはプラチナゴールドの髪がとても綺麗でつい目がいってしまうが、顔立ちは鼻筋が通っていてとても綺麗な顔をしていた。
もちろんレヴィンもかっこいいのだが、レオの顔立ちと優しい性格、そして侯爵家の跡取りなので女の子にモテていた。
そんなレオを独り占めできるわたしはとても優越感に浸れるので、いつもレオのそばにいた。
レヴィンは、わたしよりルディアと仲が良かった。でも、レオはわたしにだけでなくルディアにも優しい。
小さいので歩くのが遅いルディアを抱っこしてあげたり、手を繋いで歩いたり、おやつの時間にこぼしたら口を拭いてあげたりするのだ。
わたしだけを見て欲しいのに!
ルディアは小さいながらにレオが大好きだった。
「レオ兄ちゃま、大好き」と言う笑顔がわたしはなんだか腹が立って、いつもレオに言っていた。
「ルディアは貴方の妹みたいね」
「ルディアって妹みたいに可愛いでしょう?」
そう、レオにとってルディアは妹。
言葉は一滴の毒のように染み込んでいくの。
「レオ、わたしは貴方を愛しているわ」
いつも笑顔でレオの耳元で囁く。
恥ずかしそうにはにかみながら……
レオの心に少しずつわたしの言葉を染み込ませるの。
わたしだけを見つめるように……
なのに恋人関係は上手くいかなかった。
レオは侯爵家嫡男で跡継ぎだ。
わたしは伯爵家の長女で婿を取らないといけない。
それにわたしはお姑とかお舅めとかに気を使うのも嫌だったし、嫁として嫁いで自由にお金が使えないのも好きに出来ないことも嫌だった。
ましてやルディアに伯爵当主の地位を譲るなんて許せなかった。
どうしてわたしが人に頭を下げないといけないの。みんなわたしに頭を下げるべきなのに!
わたしには侯爵夫人になり他人に気を使うより、伯爵の跡取りとして好き勝手にした方が性に合っていた。
そして結婚して、わたしの婿になって欲しいとレオに頼んだが嫌がった。
レオは侯爵嫡男として、わたしに嫁に来て欲しいと言うのだ。
わたし達は喧嘩ばかりしていた。
そんな時、トム・バラード侯爵三男20歳と、夜会で知り合い仲良くなった。
彼は優しくて穏やかな人だった。
三男なので結婚して婿に入ってくれると言ってくれた。優しくてわたしの言うことを聞いてくれるトム。
わたしはトムを婿にしてレオとは恋人として付き合っていきたいと思っていたのに、レオは別れると言い出した。
レオのことだからわたしと離れることなんて出来ないと高を括っていた。
なのに、わたしとトムが婚約したら、すぐにレオとルディアの婚約が結ばれた。
わたしはルディアにレオを盗られたことが許せなかった。
「レオ、貴方と別れたけど、わたしが愛しているのは貴方だけなの、家のためにトムとは婚約したのよ、妹でしかないルディアと婚約して可哀想ね。わたしはまだ貴方を愛しているの」
レオは、ルディアと婚約したのでわたしとはもう会わないと言った。
わたしが呼び出しても来てくれなくなった。
それでも、ルディアに会いに我が家に来た時は
彼にお茶を出しながら
「レオ、妹をよろしくね、わたしの可愛い妹なの」
「レオ、妹はまだ幼いのだから手を出さないでね」
「レオ、妹を本気で愛せるの?妹なのよ」
わたしはレオに語りかけるの。
レオ、ルディアは貴方の妹みたいなもの……なのよ……妹……
3歳年下のルディアは「お姉ちゃま」とわたしを慕いついて回った。
とっても可愛くて、わたしの言うことをよく聞く妹だった。
幼馴染の2歳上のレオと1歳下のレヴィン、ルディアと四人でよく遊んだ。
わたし達の母親同士が友人だったので良く顔を合わせていた。
レオはプラチナゴールドの髪がとても綺麗でつい目がいってしまうが、顔立ちは鼻筋が通っていてとても綺麗な顔をしていた。
もちろんレヴィンもかっこいいのだが、レオの顔立ちと優しい性格、そして侯爵家の跡取りなので女の子にモテていた。
そんなレオを独り占めできるわたしはとても優越感に浸れるので、いつもレオのそばにいた。
レヴィンは、わたしよりルディアと仲が良かった。でも、レオはわたしにだけでなくルディアにも優しい。
小さいので歩くのが遅いルディアを抱っこしてあげたり、手を繋いで歩いたり、おやつの時間にこぼしたら口を拭いてあげたりするのだ。
わたしだけを見て欲しいのに!
ルディアは小さいながらにレオが大好きだった。
「レオ兄ちゃま、大好き」と言う笑顔がわたしはなんだか腹が立って、いつもレオに言っていた。
「ルディアは貴方の妹みたいね」
「ルディアって妹みたいに可愛いでしょう?」
そう、レオにとってルディアは妹。
言葉は一滴の毒のように染み込んでいくの。
「レオ、わたしは貴方を愛しているわ」
いつも笑顔でレオの耳元で囁く。
恥ずかしそうにはにかみながら……
レオの心に少しずつわたしの言葉を染み込ませるの。
わたしだけを見つめるように……
なのに恋人関係は上手くいかなかった。
レオは侯爵家嫡男で跡継ぎだ。
わたしは伯爵家の長女で婿を取らないといけない。
それにわたしはお姑とかお舅めとかに気を使うのも嫌だったし、嫁として嫁いで自由にお金が使えないのも好きに出来ないことも嫌だった。
ましてやルディアに伯爵当主の地位を譲るなんて許せなかった。
どうしてわたしが人に頭を下げないといけないの。みんなわたしに頭を下げるべきなのに!
わたしには侯爵夫人になり他人に気を使うより、伯爵の跡取りとして好き勝手にした方が性に合っていた。
そして結婚して、わたしの婿になって欲しいとレオに頼んだが嫌がった。
レオは侯爵嫡男として、わたしに嫁に来て欲しいと言うのだ。
わたし達は喧嘩ばかりしていた。
そんな時、トム・バラード侯爵三男20歳と、夜会で知り合い仲良くなった。
彼は優しくて穏やかな人だった。
三男なので結婚して婿に入ってくれると言ってくれた。優しくてわたしの言うことを聞いてくれるトム。
わたしはトムを婿にしてレオとは恋人として付き合っていきたいと思っていたのに、レオは別れると言い出した。
レオのことだからわたしと離れることなんて出来ないと高を括っていた。
なのに、わたしとトムが婚約したら、すぐにレオとルディアの婚約が結ばれた。
わたしはルディアにレオを盗られたことが許せなかった。
「レオ、貴方と別れたけど、わたしが愛しているのは貴方だけなの、家のためにトムとは婚約したのよ、妹でしかないルディアと婚約して可哀想ね。わたしはまだ貴方を愛しているの」
レオは、ルディアと婚約したのでわたしとはもう会わないと言った。
わたしが呼び出しても来てくれなくなった。
それでも、ルディアに会いに我が家に来た時は
彼にお茶を出しながら
「レオ、妹をよろしくね、わたしの可愛い妹なの」
「レオ、妹はまだ幼いのだから手を出さないでね」
「レオ、妹を本気で愛せるの?妹なのよ」
わたしはレオに語りかけるの。
レオ、ルディアは貴方の妹みたいなもの……なのよ……妹……
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