【完結】浮気された私は貴方の子どもを内緒で育てます  時々番外編

たろ

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★話し合い ③

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メアリー様は狂ったように笑っていた。
(この人は愛した人に捨てられて壊れてしまったのね、お母様と同じなんだわ……でも、お母様はこんな風に人を不幸にすることはなかったわ、この人、許せないわ!)

「結婚して少し早くアランが産まれたけど誤魔化したのに、産んだ後、全部バレちゃったの。
だから、わたしとアランは別の邸に住むことになったのよ。でも、離縁はしなかったわ。
離縁するなら死んでやる!アランを殺してやる!レオの本当の娘を殺してやる!元妻のルディアを殺してやる!って脅したの、ふふふ。
口だけだから捕まらない。いい気味よ。わたしを弄んだ男たち達への復讐なのよ!
ラウルだって今は落ちぶれてずっと使用人まがいのことしかしていないのよね?いい気味よ!レオもあたしを捨てたんだから罰を受け続ければいいのよ!わたしのレオを盗ったルディアだってレオに捨てられていい気味だわ、あー、みんな不幸になってわたしだけが幸せなの」

クスクス笑いながらみんなを見て言った。



アハハハ!

わたしは腹が立ったがメアリー様のことは取り敢えず無視することにした。話が進まない。

「レオ様、お母様と離縁した後ですが、ハノン伯母様とトム伯父様と三人でメアリー様の事調べたと聞きました」

「確かに調べた。そしてわたしの同僚がメアリーと一緒に罠にかけてわたしを酔いつぶしホテルに連れ込み裸で寝かせたとわかった」

「では何故お母様はその事実を知らなかったのですか?」

「わたし達が事実を確認出来たのは、メアリーが子どもを産んでからだった。ルディアは、わたしに会う事をもちろん嫌がった。それに彼女が妊娠している事も聞いた。彼女は死を選ぼうとしたことも知っていた。わたしに会えば死んでしまうかもしれないと思ったんだ。もうすぐ産まれる我が子を安心して産ませてあげたかった。わたしが彼女を裏切ったのは間違いないんだから、わたしは言い訳を言う資格すらなかった」

「ほんとですね、ハノン伯母様と恋人だった事は婚約前だから仕方なかったと思います。でも母と婚約してからの浮気は不貞だと思います。メアリー様に嵌められたのは自業自得ですね」

「言い訳でしかないが、ハノンと別れたばかりで婚約した。ルディアはまだ14歳だった。幼馴染で妹としか見れなかった。自棄になっていたわたしはメアリーや他の女性とも付き合った。しかしルディアが婚約者として健気に侯爵家に通い勉強をする姿に好ましく思い婚約者として接するうちに次第に妹としてではなく女性として愛するようになったんだ、ルディアを愛して結婚したんだ」

「嘘よ!わたしは貴方に愛されてないわ!メアリー様も言ってたわ!
『愛されているのは私よ』
『レオはね、貴方みたいなお子ちゃまじゃ、抱くことも出来ないと言ってたわ』
『レオってね、とても優しいのよ。この意味わかるかしら? 』
わたしは14歳の時に言われたのよ!
それでもまだわたしは貴方に愛されたいと思い努力したの。
メアリー様と別れても他の女性といる貴方を見ても耐えたわ。貴方と結婚すればわたしを見てくれるかもしれないと。

なのに貴方は、姉様の結婚する前に二人で親しく話していたわ。あれを見た時わたしはショックで泣いたわ。それでもまだ貴方を諦められなくて我慢したの。結婚して1年の間、お互い愛情を持って過ごしていたと勘違いしていたわたしは馬鹿だったのよ!貴方はメアリー様と浮気していた。もし浮気していなかったのなら否定して欲しかった。でも貴方は否定しなかったし言い訳もしなかったわ!わたしの心は壊れたのよ!妊娠できないわたしを捨てたんだと思ったわ」

「違う!確かに否定しなかった。抱いた記憶もなかったが朝裸でいたのは確かだった。まさか妊娠したなんて言ってくるとは思ってもいなかった。それに君がその日に出て行って離縁するなんて考えてもいなかったんだ」

「愛されてもいない女が、愛されてお腹に子どももいる愛人と貴方と三人で暮らせと言うの?わたしを馬鹿にするのも大概にしてちょうだい」

「メアリーのことは一度も愛してなどいない!」

「あら?失礼ね。付き合っている時、何度愛していると言ってわたしを抱いたかしら?何度も朝まで愛し合ったじゃない」
 
「いやあー!」
お母様が手で耳を塞ぎ蹲って泣き出した。
(わ、わたしの方が耳を塞ぎたい!恥ずかしすぎるー!で、でも、がんばる!)
わたしは、大きく息を吸って、吐いた。

「お母様、もう20年以上前の結婚もしていない時の話です!わたしはよくわかりませんが、小説では結婚前の営みは若気のいたりで仕方ないと書いていました。そんなの気にしていたら生きていけません、男とはみんなそんな生き物だと書いていましたわ」

「エイミー、君は間違った知識を持っているよ、男が全てそんな訳ではないよ」
殿下が悲しそうに言った。

「え?殿下もそうなんでしょう?アランなんかいつも女の子とベタベタしてますよ?」

コテンと頭を傾げたわたしを見て殿下は慌てて否定した。

「君はもう一度男というものを勉強し直しなさい!恋愛小説家はしばらく禁止!
間違った知識を持ってこのまま成長したら大変なことになるよ!君の結婚生活が怖すぎる」

「あら?殿下、わたしは図書館の司書になって図書館の隅に部屋を作ってもらって暮らして、そこで死ぬまでに全ての本を読み尽くすのが夢なのです、だから、結婚などする暇もないのです」
わたしは堂々と結婚しない宣言をした。

「エイミー、わたしは君の花嫁姿を見るのが夢なんだ」
お義父様が悲しそうに呟いた。
横にいたお義母様も頷いた。

お祖父様やお祖母様は、「ハァー」と溜め息を吐いていた。

「お義父様、お義母様、花嫁姿はメイに譲ることに決めました」

「いや、決めないで!」
お義父様が叫んだ。

「君たち脱線しすぎだよ。エイミー嬢元に戻して」
監視役でもある見届け人の陛下に促された。

「すみません、陛下。たかがわたしの結婚如きのことで」
と頭を陛下に下げて謝った。

「……如き…」
殿下が呟いたが無視することに決めた。






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