【完結】浮気された私は貴方の子どもを内緒で育てます  時々番外編

たろ

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★高等部1年生⑫

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学園でのお昼休みの時間。
わたしは、お母様と話すか悩んでいた。
アランにも直接話してみたかったが、さすがに直撃は出来なかった。

一人でうじうじ悩んでいると、シャーリーとイザベラが心配してわたしのそばに寄り添ってくれた。

何も聞かない二人のそばは安心していられた。

「シャーリー、イザベラ、わたし……聞いて欲しい話しがあるの」

二人は笑顔で言った。

「エイミーが話してくれるなら聞くわ」
「そうね、シャーリーと同じよ。貴方の悩みをわたし達にも分けてくれるなら喜んで聞くわ」

二人の優しさに涙が出そうになった。
「エイミー、鼻水出てるわよ」
「ほんと、汚いんだから!」

(涙堪えたら鼻水が出たの!!)


◇ ◇ ◇

その夜、イザベラが泊まりにきた。
公爵家のわたしの部屋にシャーリーとイザベラ、そして何故かマーシャ様がきて、パジャマパーティーをした。

お菓子にケーキとジュース、絨毯の上に広げてみんなで座って食べた。

食べながらわたしの話しをした。
たぶんとっても深刻な話しなのに、楽しい雰囲気の中だったから暗くならずに済んだ。

マーシャ様は粗方ご存知だったので、驚いてはいなかった。

シャーリーとイザベラは、小説の世界の話を聞いているみたいで、他人事だから楽しそうにわくわくして聞いていた。

これって相談になっているのかしら?目を輝かせながら聞く二人にわたしは不安しかなかった。

(わたしの涙を堪えて出した鼻水を返して欲しいわ!)

結局相談に乗ってくれたのは大人のマーシャ様だった。
マーシャ様は、お母様が領地に帰る前に一度お母様と話した方がいいと言ってくれた。

アランのことは、難しいと言われた。
彼がどこまで知っているのか何を知っているのかはまだわかっていない。憶測に過ぎない。

そして、わたしの本当のお父様。レオ様に直撃はさすがに出来ない。侯爵様だし、先触れを出さないと会えないだろうし、わたしと会いたくないかも知れないし、お母様は絶対わたしが会うのは嫌だと思う。

シャーリーは、アランとわたしが異母兄妹だったら面白かったのに残念だと何度も言われた。

イザベラは、大人達の恋の話がロマンチックでわたしもそんな切ない恋をしたいと言い出した。

マーシャ様は、わたしと夫の恋の話を聞く?と言い出して、シャーリーが「そんなの聞きたくもないわ」とお断りしていた。

そして深刻なわたしの相談は楽しい話しとなってしまって賑やかに終わった。

やはりわたしの流した鼻水を返して欲しい。

おかげでわたしの重かった心はなんだかスッキリした。
三人とも、態とに明るくしてくれたのが分かっていたから心では感謝していた。

みんな大好き。








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