【完結】浮気された私は貴方の子どもを内緒で育てます 時々番外編

学園 ➖アラン編➖

俺が中等部１年生になった時、1番に目に入ったのが、プラチナゴールドの髪の毛だった。
父上と同じ髪の色。でも父上とは顔は似ていないし、性格も猿みたいでうるさいし雑すぎる。それに彼女はボガード侯爵の娘だと聞いた。
だから、母上が言っていた父上の本当の娘ではない。

猿みたいに木登りをしているのを見た時は絶句した。
いつも大きな声で品もなくうるさい。
なのに成績は俺より上の2位だった。

なんでこんな女が俺より上なのか気に食わなかった。
つい突っかかってしまう。
嫌味を言って後で後悔するが、どうしても謝れない。
他の女の子にはいくらでも優しく笑顔で接することができるのに彼女にだけは当たってしまう。

最近、イライラするのが父上だった。

中等部に入ってから月に一度しか会いに来なかったのに何故か回数が増えた。
会えることはとても嬉しいのだが、学園でのことを聞きたがる。
俺は面倒くさいと思いながらも、父上が喜ぶので色々と話す。
カイル殿下のこと、シャーリーやイザベラ達公爵令嬢のこと、クラスで仲良くなった友人の話をした。

何故かエイミーのことだけは話たくなかった。

「他には誰かいないのか？」
と聞いてくるので仕方なく、小猿のエイミーの話をした。

父上は面白い子がいるとエイミーと殿下に興味を持った。
確かに人が聞いたらエイミーは面白い奴なのかもしれない。

刺繍の授業は課題のみにしてもらい剣術の授業を男の中、女一人で受け出した変わり者。
カイル殿下に「バカ王子の話」を平気でする怖いもの知らず。
いつも俺に食ってかかる生意気な態度。

エイミーと殿下の話を面白がって聞くようになった。

俺は面白くなくてさらにエイミーに当たるようになった。

エイミーと、学園のダンスパーティーのパートナーになったことを父上に話した。

俺とエイミーの言い争いから何故か殿下が逆に俺たちが息が合っているからとパートナーにならないかと勧められた。
強制ではないが、殿下からの言葉を断ることは出来ず仕方なく受けた。

父上は、エスコートするなら贈り物をする必要があると言って、何故か俺の瞳の色の宝石を贈った。しかも彼女の誕生石に合わせてラピスラズリのネックレスとイヤリングをプレゼントする羽目になった。

好きでもない女に贈り物などしたくもないのに腹が立ちながらも仕方なく贈ったのだった。

ダンスパーティーの当日、彼女は小猿ではなかった。
彼女の色に合わせたプラチナゴールドのドレス、髪型も前髪を上げていて大人っぽくて思わず息が止まるかと思った。宝石のブルーがとても引き立っていた。
とても美しく人を惹きつけて離さない。
みんながエイミーをチラチラと見ていた。

それに俺は何故かイライラした。
エイミーは俺をイラつかせる名人だった。

一曲だけファーストダンスを踊った。
あいつに邪な気持ちを持った男たちと剣術をさせるのも腹が立つのでいつも俺がエイミーと組んでいた。
あいつは力はないが技と足捌きが上手く、俺も負ける時がある。
だからついムキになっていつも組んでは争っていた。

お陰で確かに俺たちの息は合っていた。ダンスがとても楽しく踊れたのに俺は不機嫌にしていた。
今さら楽しかったなど言いたくもなかったし、エイミーが綺麗でドキドキしてたことなんか絶対知られたくなかった。

あいつは手を離すとさっさと去っていった。
俺の周りにはすぐに女の子が集まってきた。
エイミーは女の子達に押されて転けそうになった。
俺は慌てて助けようとしたやら、殿下が彼女を助けた。
また俺はイライラした。
あいつといるとイライラする。
俺はもうあいつを見たくなくて他の女の子達とずっといた。

あいつは殿下と踊り他のクラスメイトと何人かとも踊っていた。ますますイライラした。