【完結】浮気された私は貴方の子どもを内緒で育てます  時々番外編

たろ

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★高等部1年生⑨

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わたしは、殿下と別れて公爵家の馬車で王宮を後にした。

(わたしはウジウジするのもジッとしているのも苦手だわ)

誰に聞くのがいいのか悩んだ。
お母様は詳しく知らない。ならば伯母さまなら、と思い次の日、ハノン伯母様に手紙を出した。
お母様は今伯母様のところにいる。

伯母様にシャーリーの家にお茶会と称して来てもらうことにした。

わたしは学園を早退して、伯母様を待った。

シャーリーのお母様、マーシャ様にはわたしの知っていることを説明した。
マーシャ様は全て知っていた。

でも殿下と同じことを言った。

「エイミーは知ってしまったのね。でも、わたしからはやはり言えないわ。噂でしかないから、知っているのは噂なのよ、真実ではないの」


◇ ◇ ◇

「伯母さま、お忙しい中来て頂いてありがとうございました」

「エイミー、手紙は読んだわ。貴方は父親が誰なのか真実を知りたいのよね。噂の事実は彼女しか知らない。でもこれはレオ、貴方のお父様に聞いたし、わたし達も調べたので事実だと思っているわ」

「レオとルディアが別れた話は知っているのよね」

「はい、この前の舞踏会でお母様が侯爵と話していたのと夫人達がしていた噂話を聞いて知りました」

「そう、知ってしまったのね」

「はい」

「……わたしが知っている事実だけを話すはわ。エイミーには少し辛いかも知れないけど、貴方には真実を知る権利があるものね」

「貴方は、レオとルディアが別れた後に妊娠がわかったの。ルディアはその頃レオの裏切りがショックで精神的にも参っていたの、だから不調も妊娠だと気づかずに体調不良だと思っていたの。妊娠が分かった時、ルディアは泣き叫んでいたわ」

「お母様はそんなに酷かったのですか?」

「わたしには会いたがらなかったの。それでも心配でハディッド領に会いに行ったの」

『どうして今頃妊娠が分かるの?
レオなんか嫌い!大っ嫌い!
お姉様とレオは愛し合っていたのにわたしなんかと結婚したからレオは浮気したのよ!
わたしは愛されてなんかなかったの!
死んでしまいたい』

「どういう事ですか?」

「ルディアとレオが婚約する前、わたしとレオは付き合っていたのよ」

「え?」

「わたし達は幼馴染なの。わたしも長女で伯爵家を継ぐために婿を取る必要があったの。レオも嫡男で侯爵家を継がないといけなかったわ。お互い惹かれあったけど、喧嘩ばかりで別れたわ。その後トムが断っても断ってもわたしに告白して来てくれたの。そんなトムにいつの間にか惹かれてしまって、わたしはトムを選んだのよ」

伯母さまは、わたしを見ながら言った。

「わたしはトムと婚約したわ。そのあとルディアとレオが婚約したの。どちらの両親もわたし達が付き合って別れたことを知らなかったの。ルディアは気づいていたけど、まだ14歳のルディアは、レオと婚約できたことを喜んでいたわ。いつか自分が愛されると思っていたの、まだ初恋に夢をみていたのよ」

「レオとルディアは5歳違うの。レオにとってルディアは妹のような関係だったのよ、だから、レオは婚約しても他の女性と付き合っていたわ。わたしと別れて少し自暴自棄になっていたの。その時に付き合っていた一人がメアリー、今のレオの奥さん」

「メアリー様……」

「わたしが結婚する前に一度レオと二人きりで会ったの。わたしは彼に最後に謝りたかったの。別れたとはいえすぐにトムを選んで結婚したこと。レオは、『幸せになってくれたらいい』と言ってくれたわ。今はルディアを愛していると言ってたの。月日がお互いの気持ちを変えたのよ。わたしはトムを愛しているし、レオもルディアを妹のように思っていたのが愛に変わっていったんだと思うの」

「でも、ルディアはそれを見ていたみたいなの。話の内容は聞いていなかったみたいで、わたし達はお互い愛し合っているのに引き裂かれた恋人だと勘違いしていたの。それでもレオとルディアは結婚してうまくいってたのよ。二人は穏やかな愛を育てていたと、レオも思っていたの」

「なのに、メアリーとレオが浮気したの。
わたしはレオを責めたわ。そしたら、レオは朝起きたら裸で彼女といたけど、抱いた記憶はないというの。いくら考えても覚えていないし、飲んだけどそこまで酔っていないはずだと言ったの」

「そのあと、わたしとレオとトムで調べたわ。そしたらレオの同僚がメアリーと組んでレオにお酒を飲ませて酔っぱらわせて薬で眠らせていたの。そしてメアリーは朝裸でレオといたらしいの、完全にヤラセね。
きちんと調書も取ったし弁護士も交えて話し合いもしたわ。同僚のことも訴えたの」

「でもね、全ての事実がわかった時は遅かった。ルディアとは別れていたし無理矢理メアリーと再婚させられていたし、子どもも産まれていたの。
ただ全く似ていないから、レオの子どもではないと断定されたわ。
何度もレオはメアリーと別れようとしたけど、彼女はその度に『死んでやる!』と叫んで手首を切ったり睡眠薬を大量に飲んだりするらしいの。
レオは別れることを諦めてずっと別居しているの」

「どうしてお母様に伝えなかったんですか?」

「何度も伝えようとしたわ。でも、耳を塞いで叫ぶの、聞きたくないと死にたいと言うの。ルディアはレオの浮気だけではなくて婚約前からのわたしとの関係、婚約後の恋人達、結婚前のわたしとレオのことでレオのこともわたしのことも信じられなくなってしまったの」






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